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2013年09月13日 Electronic Journal
官僚組織の中枢は検察です。それは「捜査」と「公訴の提起」
という強大な権限を行使できる組織だからです。これらの権限の
行使を受ける側の立場から見れば、自己の否定や消滅を意味する
ほど決定的な影響力を持つことになります。
もし、この強大な権限を持つ組織が暴走したらどうなるでしょ
うか。そのあり得ない「暴走」が民主党が政権交代する直前から
現在にいたるまで、小沢一郎という一人の政治家に向けられ、そ
のために民主党は昨年末の総選挙で政権を失っています。
その検察は、政権交代を目指す総選挙の直前に小沢氏の公設秘
書をいきなり逮捕し、小沢氏を民主党代表の座から引きずり下ろ
したのです。それでも民主党が政権を自民党から奪取すると、今
度は一人の国会議員を含む小沢氏の元秘書3人を証拠もないのに
逮捕し、起訴したのです。これによって小沢氏は幹事長の座から
も下りざるを得なかったのです。
それでも小沢氏を起訴できないと、「小沢=クロ」を印象づけ
る虚偽の捜査報告書を複数作成し、それを検察審査会に提出する
ことによって、2度にわたって「起訴議決」を出させ、小沢氏を
強制起訴に追い込んだのです。まさに手段を選ばない検察の「暴
走」といえます。
その強制起訴で小沢氏が一審、控訴審で無罪を勝ち取ると、今
度は裁判所を巻き込んで、裁判の常識を破る掟破りの有罪判決を
出し、「小沢は無罪でも秘書は有罪にする」を実現することによ
り、小沢氏の政治生命を断とうとしています。
このあってはならない検察の暴走を政治家は見て見ぬふりをし
ているように思います。権力を行使する側をチェックすべきマス
コミはその役割を放棄し、最初から検察の広報機関を務め、無罪
判決を受けた小沢氏をいまだに批判しています。それは異常とい
うか、おぞましい光景です。
そういう壮絶な小沢バッシングのなかで、当時山口一臣氏が編
集長を務めていた「週刊朝日」は、陸山会事件について、きわめ
て筋の通った報道を続けていたのです。「小沢=クロ」ではない
のですから、まともに報道すれば「小沢擁護」になるのです。そ
のためか、山口編集長は解任されてしまうのです。
その山口元編集長は「『週刊朝日』は小沢を擁護していたわけ
ではない」として、次のように述べています。
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はっきり言って、政治家としての小沢氏を擁護しているつもり
はまったくなかった。「小沢事件」においては、小沢氏は捜査
権力を行使される側であって、メディアが監視すべきは権力を
行使する側(検察)だと考えていたからだ。権力を行使される
側が誰であっても、それは同じだ。常に弱者の側、虐げられる
側、支配される側に立って、その声を拾っていこうというのは
私の編集者としての姿勢でもある。もちろん、小沢氏の側に明
確な不正があれば、それはきっちり追及するつもりだった。だ
が、週刊朝日の力不足かもしれないが、いくら取材しても、違
法献金、脱税、あっせん利得といった事実を示す証拠は出てこ
なかった。「政治とカネ」、「天の声」といった抽象的な言葉
はやたらと飛び交っていたが、それが5W1Hに結び付くこと
はなかった。考えて欲しいのは、百歩譲って、一議員の事務所
が政治資金収支報告書に間違ったことを記入したということと
国家権力を代表する捜査機関が証拠を改ざん、捏造しながら恣
意的な捜査を繰り返しているのと、どちらが「不正義」かとい
うことだ。法をねじ曲げ、無理やり人を犯罪者に仕立てるよう
な行為は先進法治国家ではあってはならないことだ。
──鳥越俊太郎・木村朗編
『20人の識者がみた「小沢事件」の真実/日本文芸社刊
―――――――――――――――――――――――――――――
民主党に政権交代をもたらした最大の功労者は小沢一郎です。
これを否定する者は誰もいないはずです。小沢氏は民主党の恩人
といえるでしょう。その小沢氏が検察からいわれなき迫害を受け
ているのに民主党の幹部は誰も助けようともせず、逆に小沢排除
という信じられない行動を起こしたのです。それが民主党を今の
惨状を招いたのです。
2013年5月のことですが、民主党は政権担当時の失敗を総
括する「公開大反省会」を開催したのです。そのとき、出席した
のは、菅直人元首相、枝野幸男元官房長官、長妻昭元厚労大臣の
3人ですが、司会者から「小沢一郎氏についてひと言」と聞かれ
て次のように答えています。何と彼らは、3人そろって小沢氏を
批判したのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
菅 :自分の権力が最大限の状態を維持したい人。これほど
どひどいとは思わなかった
枝野:何をしたいのかが分からない。とにかく分らない人だ
長妻:私とはちょっと感覚の違う政治家
──鳥越俊太郎・木村朗編の前掲書より
―――――――――――――――――――――――――――――
何という小沢評でしょうか。彼らは民主党がこうなったのは党
を割った小沢氏のせいだと思っているようです。この期に及んで
も、彼らには何も見えていないし、事態を何も読めていないので
す。これでは民主党の再生などとても無理です。
この3人衆については、元共同通信記者で、現在同志社大学教
授の浅野健一氏がコメントを述べているので、「関連情報」に掲
載しておきます。
さて、今回のテーマも既に54回目です。現在は小沢「謀殺」
の仕掛け人候補として「官僚」について述べてきていますが、も
うひとつ大事なことが残っています。それは検察審査会の闇につ
いての追及です。
小沢氏はこの検察審査会によって2回「起訴相当」議決が出さ
れ、強制起訴されています。問題はその2回目の議決が謎に包ま
れているのです。来週から、これについて、EJスタイルで述べ
ることにします。 ─── [自民党でいいのか/54]
≪画像および関連情報≫
●小沢政権阻止のための検察の政治介入/浅野健一氏
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この3人──菅、枝野、長妻の小沢氏評こそ、松下政経塾と
対米隷属政治家によって第二自民党に変質させた民主党幹部
の精神的退廃ぶりを見事に表している。小沢氏は官僚機構と
対略し、米国との対等な関係を求め、原発を20年以内に全
廃するなど、「何をやりたいか」を民衆に訴えていた。日本
にしかない「記者クラブ制度」の解体も訴え、外国と同じよ
うな自由な記者会見を実践していた。小沢氏が首相になるの
を阻止したい政治勢力は、検察の国策捜査を操作して、強制
起訴という手段を使い、小沢氏を刑事被告人にでっちあげて
小沢氏のやりたいことを封殺したのではないか。日本の民衆
にとって「とにかくわからない人たち」は枝野氏らだ。菅、
枝野両氏は東電福島第一原発「事件」(刑事告訴・告発され
ており「事故」ではない)で、原子力マフィアと共謀して、
原発事件に関する情報を隠蔽し、無数の市民を被曝させた張
本人で、野田氏ともども、今も衆議院議員を続けていること
が間違っている。
──鳥越俊太郎・木村朗編
『20人の識者がみた「小沢事件」の真実/日本文芸社刊
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