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東大准教授はいかにして痴漢逆転無罪勝ち取ったのか
http://gendai.net/articles/view/syakai/143654
2013年7月26日 日刊ゲンダイ
<ブレずに絶対認めないこと>
裁判官によってなし崩し的に有罪にされた被告が2審で逆転無罪に――。痴漢事件でこんな画期的な判決が下って注目を浴びている。
無罪を勝ち取ったのは46歳の東大准教授。2010年9月、JR総武線の車内で30代のOLの尻を触ったとして逮捕、起訴された。昨年8月、東京地裁で罰金40万円の有罪判決を言い渡された。これが25日の2審判決で無罪になったのだ。
今回の判決のポイントは1審の判決を疑い、「(女性の証言は)1審の裁判官が誘導した」「被害女性の証言は信用できず、被告が犯人であるとの証明はない」と断じたことだ。
1審で被害女性は当初、「犯人の手をつかみ、振り向いて顔を確認すると被告だった」と主張。
ところが裁判の過程で「つかんだ指から……」となり、その指が准教授であることがなぜ分かったかが曖昧になった。
結局、「(その指から)腕が伸びて肩までつながっているが……」という言い方に変わったのだが、2審の裁判長はその変遷を疑問視し、裁判官の誘導があったと見なしたのだ。
被告の主任弁護士を務めた宮村啓太氏があらためてこう言う。
「重要なのは被害女性が当初、指から肩までのつながりを確認したとは言ってなかったことです。ところが裁判官に言葉巧みに誘導されて、指と肩がつながっていたという証言に変わり、被告を有罪にしてしまった。今回の無罪判決の決め手は、証言に対する裁判長の評価が違ったこと。私たちは戦術を変えたわけではありません。1審と同じように女性の言い分が曖昧だと主張し、その主張が認められたのです。被告が警察、検察の取り調べで一貫して無実を主張したことも功を奏しました」
痴漢の裁判なんて面倒くさいのか、検察だけでなく、裁判官までが被害者の証言を誘導、被告を有罪に陥れようとしたとは恐ろしい話である。
准教授に問い合わせたところ、「検察が上告するかもしれないので、コメントは差し控えさせてください」との答えだったが、事件の教訓は一にも二にも無実であれば絶対にメゲず、それを叫び続けることだ。
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