自み維、3分の2届かず=憲法96条改正【13参院選】
時事通信 2013/07/22-05:19
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013072200121
21日の参院選で、改憲要件を緩和するための憲法96条改正を主張している自民、みんな、維新は計81議席を獲得した。候補を出さなかった改革を含む非改選組と合わせれば143議席で、改憲発議に必要な3分の2(162議席)には届かなかった。
ただ、「加憲」の立場を取る公明が加われば163議席に達しており、同党や民主改憲派などの動向によっては、憲法改正が具体的な政治課題となる可能性もある。
自民、みんな、維新は、衆参両院の「3分の2以上」と定めている改憲発議要件の過半数への引き下げを目指しており、既に衆院では3分の2を上回っている。これに対し、民主、共産、社民、生活は反対の立場だ。ただ、護憲派と改憲派が混在する民主は、一部の保守系議員が96条改正で自民などと共同歩調を取ることも予想される。
公明は参院選公約で、改憲要件の緩和について「改正の内容とともに議論するのがふさわしい」と記した。96条改正には慎重論が強いが、党内には「平和主義」「国民主権」「基本的人権の尊重」という基本理念に関わる条文では「3分の2」を堅持するものの、項目によっては要件緩和を検討すべきだとの意見もある。
条件付きであっても公明が96条改正賛成に回った場合、衆参ともに3分の2超をクリアすることになる。菅偉官房長官が21日、同党が唱える「加憲」に理解を示し、秋波を送ったのもそのためだ。
ただ、憲法改正をめぐる自公のスタンスの違いは大きい。特に、自民が憲法改正草案で明記した「国防軍」などは、公明内に反発がある。改憲への環境整備が一挙に進むようにはみえない。(2013/07/22-05:19)