(回答先: 橋下「慰安婦」暴言の根っこに首相の認識／昨年「勇気ある発言」と絶賛 安倍氏（赤旗政治記者） 投稿者 gataro 日時 2013 年 5 月 22 日 08:34:26)

コメント欄07.へのレスポンスです。

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安東暁史さん、初めまして。

　あなたのブログの「【私は全面的に肯定】橋下市長の従軍慰安婦発言の意図は一体なに？」読ませていただきました。

　ざっくり言えば、オールド左派（リベラル派）とオールド右派（愛国主義派）のあいだで続く不毛な政治的価値観的対立という日本の悲劇的情況をよく表現されていると思いました。
　違った言い方をさせてもらうと、「従軍慰安婦」問題に限ったことではありませんが、法理論や歴史的事実よりも、政治的価値観や感情（情念）が優先されて議論される情況をよく物語っていると思います。

　オールド左派（リベラル派）は、女性がお金で性を取引すること自体を忌み嫌うので、その要素が入っていればすべて“悪”と考え激しく断罪しがちなため、より根底的な問題点は何なのかということを曖昧にしてしまいがちです。
　オールド右派（愛国主義派）も、今のことであれ昔のことであれ、日本が悪いと言われることに我慢ならないという価値観（意識）を持っているので、国際的に指摘されている“罪悪”があるとしてもあくまで例外的なもので、日本だけがことさら非難される謂われはないと主張するため、これもまた問題点を曖昧にし、しかも、言う前よりひどい日本非難を引き込んでしまっています。

　私は、橋下発言についてあなたのように【私は全面的に肯定】という立場ではありません。逆に、厳しく批判しているものですが、上述したまともな議論が行われていない日本の情況に橋下氏が一石を投じたという点であなたの考え方を支持します。

　ブログを読ませていただき感じたことを二つほど取り上げさせていただきます。

【引用】
「TPPなんて交渉参加がなぜこんなに遅れたのでしょう？「TPPは日本を崩壊する」という根拠のないバイアスに目隠しされていたのでないでしょうか。交渉参加して交渉の末にTPP自体に参加するかどうかを決めればよいのに。。。」

【コメント】
　まず、私はＴＰＰに参加することに反対しています。どのような理由で反対しているかは、末尾の関連投稿をご参照ください。

「「TPPは日本を崩壊する」という根拠のないバイアス」と言われていますが、それを良とするか不可とするかは別として、ＴＰＰは日本を大きく変えるパワーを含んでいます。だからこそ、喧々諤々の議論が起き、決断もぐずぐずと遅れたのでしょう。

　“崩壊”という言葉自体が有する価値性を避けるなら、「TPPは日本を大きく変える」ものです。結局のところ、ＴＰＰが孕んでいる価値観や政策からそれが日本をどう変えるかを想像し、それぞれの人が、その姿を是とするか非とするか判断しなければならないと思っています。
　ＴＰＰをめぐる議論で「従軍慰安婦」問題的議論と感じるのは、ＴＰＰが米国の利益のために押し付けられているという考えが強く出過ぎていることです。米国支配層の利益とそれほど変わらない利益意識（価値観）を持っている人や組織は日本にごまんといます。

　「交渉参加して交渉の末にTPP自体に参加するかどうかを決めればよいのに」のは、失礼ながら、子供じみた考えだと思います。

　日本政府がＴＰＰ（交渉）参加を表明してもすぐには交渉に参加できないことでもわかるように、既存加盟各国と事前協議を行い承認を得る必要があります。

　事前協議を通じて参加した日本は、“ＴＰＰがどんなものか知るために交渉に参加します。気に入らなければやめます”といた話は持ち出せません。
　事前協議で、どうつもりでＴＰＰに参加するのか、ＴＰＰの思想や原理原則は理解しているのか、どこまでそれに忠実に振る舞うのかを確認されているわけですから、交渉のなかでＴＰＰの思想や原理原則に反する取り決めがなされない限り、政治的配慮を考えれば脱退なぞできません。例えば、米の関税が問題なのでという理由でやめれば、袋叩きにあってしまいます。

【引用】
「「慰安婦について、申し訳ありません」じゃなくて「慰安婦について、あなた方の意に反して強制連行をして申し訳ありません」とか、ちゃんと何に対して謝るかを明確にすべきです。(この例は「もし強制連行していたらの話」ですよ。念のため断っておきますが、強制連行の証拠はありません。)」

【コメント】
ご指摘の通りだと思います。

　ただ、「強制連行の証拠はありません」というのは間違いです。

　安倍氏らは巧妙で、「日本が国を挙げて兵士や警官が家に踏み込んで強制連行したという事実はない」とか、「日本政府や日本軍が、慰安婦を強制連行してでも増やせという指示をしたことがわかる文書は見当たらなかった」ということが、「強制連行の証拠はない」の根拠なのです。

　ですから、部隊単位や業者単位で“人さらい”のかたちで連れて行って慰安婦にしたことはないとか、村などの有力者に慰安婦の数を割り当てそのために意に反して慰安婦にならざるを得なかった女性はいなかったということではありません。

　私は、従軍慰安婦制度への政府と軍の関与を認めた日本政府は、90年代初期の調査の結果認めているこのような事実を「強制連行」として認め謝罪し、そのような意に反するかたちで慰安婦になった方には国家として個人賠償すべきだと考えています。

私の考え方の詳細は、

「従軍慰安婦」問題に関する発言騒動で“ああ言えば、上祐”現象を見せている橋下氏を援護する
http://www.asyura2.com/13/senkyo148/msg/118.html

をご参照ください。

※　ＴＰＰ関連投稿リスト

「ＴＰＰ共同声明」を読む：米国とグローバル企業が日本のＴＰＰ参加で狙うもの：ＴＰＰ参加と日本の食
http://www.asyura2.com/13/senkyo144/msg/818.html

「経産省（官僚機構）と経済界は、メリットが少ないＴＰＰより、ずっと大きな利益が見込める「東アジア共同体」を志向」
http://www.asyura2.com/12/senkyo140/msg/450.html

「グローバル（輸出優良）企業があれほどＴＰＰ参加に執着するワケ［その１］：輸出ではなく輸入の関税撤廃こそ利益源」
http://www.asyura2.com/11/senkyo122/msg/123.html

「グローバル（輸出優良）企業がＴＰＰ参加に執着するワケ［その２］：恐いのは米国企業？それとも日本企業？」
http://www.asyura2.com/11/senkyo122/msg/131.html

「グローバル（輸出優良）企業がＴＰＰ参加に執着するワケ［その３］：デフレになじみデフレを利としているグローバル企業」
http://www.asyura2.com/11/senkyo122/msg/136.html

「ＴＰＰをめぐる誤解１：日本は「自由貿易」で経済成長を達成したわけでなく、ＴＰＰ自体が「自由貿易」に反するもの」
http://www.asyura2.com/11/senkyo121/msg/130.html

「米国とのＦＴＡより過酷な交渉になるＴＰＰ：理念は参加国全体が共有、具体的適用ルールは二国間の交渉がＴＰＰ」
http://www.asyura2.com/11/senkyo121/msg/801.html

「「隠れＴＰＰ推進派」＝農水省の元事務次官高木氏が本音を語る：ＴＰＰ絡みで野田政権が打ち出した農政そのもの」
http://www.asyura2.com/11/senkyo122/msg/654.html

「ＴＰＰ参加の旗振り役＝日経は「混合診療」解禁を主張：『「混合診療」とＴＰＰの混合』で生まれる“生き地獄”」
http://www.asyura2.com/11/senkyo121/msg/336.html

「政府の「国民皆保険」維持宣言は無意味：「混合診療」はその上に民間保険という“２階建健保構造”を招くものだから」
http://www.asyura2.com/11/senkyo121/msg/621.html

「人々を被曝させ食材を危険物に変えた“原発推進派”が農村破壊のＴＰＰ参加を我が物顔で推進する理不尽を許す日本」
http://www.asyura2.com/11/senkyo121/msg/504.html

「ＴＰＰが抱える時限核爆弾＝ネガティブリスト方式：ＴＰＰは“おばけ”が出てくる原理と構造を内包した通商協定」
http://www.asyura2.com/11/senkyo121/msg/568.html

「ＴＰＰ交渉で日本を不利にしかねない主張をベースに、農業問題への矮小化と「撤退可能」論でＴＰＰ参加を煽る日経新聞」
http://www.asyura2.com/11/senkyo121/msg/193.html

「ＴＰＰ：榊原英資氏「日本政府に対米交渉力なし」（理由）「マスコミが後ろから鉄砲を撃つ」「外務省は半分米側につく」」
http://www.asyura2.com/11/senkyo121/msg/867.html

「ＴＰＰ茶番劇は、国内での第一幕が終わり、共演者として米国を迎えた第二幕へ：米国との掛け合い漫才もいい間合い（笑）」
http://www.asyura2.com/11/senkyo122/msg/344.html

「９カ国のＴＰＰ大枠合意内容：具体的内容は２国間交渉：先進国に例外品目なし、サービス分野は例外交渉可能」
http://www.asyura2.com/11/senkyo122/msg/347.html

コメント

01. 2013年5月22日 20:58:12 : BCMYKpp7F2 ＞上述したまともな議論が行われていない日本の情況に橋下氏が一石を投じたという点であなたの考え方を支持します これ、皮肉で無いんなら完全に間違った認識です 事がここまで大きくなってしまうと、もう皮肉も言ってられない ＞安東暁史 こんな奴はカルトウヨ工作員で間違いないんで 構うのがどうかしている ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ 一石を投じるならば たとえば、慰安婦に対する損害賠償を払えという主張も一石を投じている訳です 米テレビドラマ「ホワイトハウス」第一シーズンで 組閣した中に、黒人に対し損害賠償をすべきという本に推薦文を送った教授がいて 共和党から反発がある前に、話をつけろと補佐官からジョシュ・ライマンに命が下ります その激しい議論の中で アメリカ社会の分断や混乱を狙ったものではなく 議論によって社会はより良くなるという確信に満ちた思いが語られる こういうなのには、モデルが必ず存在しますから 現実としてある訳です 今、黒人に賠償は無理ですし 慰安婦に対しても現実的ではない しかし、賠償の必要でがある事案であることは確かで その議論が出てくることは間違いじゃない 反日でも、陰謀でもなんでもない アホウヨどもは、それが理解できない もっと性質が悪いことに、理解することを拒否している ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ 奴隷制が出てきたのでついでに言いますと 当時、奴隷は必要だったから、奴隷制が正しいのか 昔は天動説が信じられてきたから、天動説が真理であったのか ハシシタに誰か聞いてほしいですね

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