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赤旗政治記者 @akahataseiji
【政治記者川柳】
改憲の公約こそは守り抜く/米国に貢いで米も牛も買う/判然とせずにもらえる助成金/だまされたヤツが悪いという政治/赤旗(J)
しかし「様々な懸念もありますが、、、」て何回出て来るの?それだけ危ないってことでしょうが!?
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安倍首相会見(2013年3月15日、仮起こし=J)
(※赤旗政治記者による仮起こしです。あくまでもご参考まで)
えー、本日、TPP環太平洋パートナーシップ協定に向けた交渉に参加する決断をいたしました。その旨、交渉参加国に通知をいたします。
国論を二分するこの問題について、私自身、数多くのさまざまなご意見を承ってまいりました。そうしたご意見を十分に吟味した上で、本日の決断に至りました。
なぜ私が参加するという判断をしたのか、そのことを国民の皆様にご説明をいたします。
いま、地球表面の3分の1を占め、世界最大の海である太平洋がTPPにより一つの巨大な経済圏の内海になろうとしています。
TPP交渉には、太平洋を取り囲む11カ国が参加をしています。TPPが目指すものは、太平洋を自由にモノやサービス、投資などが行き交う海とすることです。世界経済の約3分の1を占める大きな経済圏が生まれつつあります。
いまだ占領下にあった昭和24年、焼けの原を前に、戦後最初の通商白書はこう訴えました。「通商の振興なくては経済の自立は望むべくもない」。その決意のもとに、わが国は自由貿易体制のもとで繁栄をつかむ道を選択したのであります。
1955年、アジアのなかでいち早く世界の自由貿易を推進するGATTに加入しました。輸出を拡大し、日本経済は20年間で20倍もの驚くべき成長を遂げました。1968年にはアメリカに次ぐ世界第2位の経済大国となりました。
そしていま、日本は大きな壁にぶつかっています。少子高齢化、長引くデフレ…わが国もいつしか内向き思考が強まってしまったのではないでしょうか。
その間に世界の国々は海外の成長を取り込むべく開放経済へとダイナミックにカジを切っています。アメリカと欧州はお互いの経済連携協定の交渉に向けて動き出しました。韓国もアメリカやEUと自由貿易協定を結ぶなど、アジアの新興国も次々と開放経済へと転換をしています。
日本だけが内向きになってしまったら、成長の可能性もありません。企業もそんな日本に投資することはないでしょう。優秀な人材も集まりません。TPPはアジア・太平洋の未来の繁栄を約束する枠組みです。
関税撤廃した場合の経済効果については、今後省庁バラバラではなく、政府一体で取り組んでいくための一つの土台として試算を行いました。全ての関税をゼロとした前提を置いた場合でも、わが国経済では全体としてプラスの効果が見込まれています。
この試算では、農林水産物の生産は減少することを見込んでいます。しかしこれは、関税は全て即時撤廃し、国内対策は前提としないという極めて単純化された仮定での計算によるものです。実際には、今後の交渉によって、わが国のセンシティヴ品目への特別な配慮などあらゆる努力により、悪影響を最小限にとどめることは当然のことです。今回の試算に含まれなかったプラスの効果も想定されます。世界経済の3分の1を占める経済圏と連携することによる投資の活性化などの効果もさらに吟味をしていく必要があります。詳細については、TPPに関する総合調整を担当させることにした甘利大臣から後ほど説明させます。
TPPの意義は、わが国への経済効果だけにとどまりません。日本が同盟国である米国とともに、新しい経済圏をつくります。そして自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった普遍的価値を共有する国々が加わります。こうした国々とともに、アジア・太平洋地域における新たなルールをつくり上げていくことは、日本の国益となるだけではなくて、必ずや世界に繁栄をもたらすものと確信をしております。
さらに、共通の経済秩序のもとに、こうした国々と経済的な相互依存関係を深めていくことは、わが国の安全保障にとっても、またアジア・太平洋地域の安定にも大きく寄与することは間違いありません。
日本と米国という二つの経済大国が参画してつくられる新たな経済秩序は、単にTPPのなかだけのルールにはとどまらないでしょう。その先にある東アジア地域包括的経済連携=RCEPやもっと大きな構想であるアジア太平洋自由貿易圏=FTAAPにおいてルールづくりのたたき台となるはずです。
いまがラストチャンスです。この機会を逃すということは、すなわち、日本が世界のルールづくりから取り残されることにほかなりません。TPPがアジア・太平洋の世紀の幕開けとなった…後世の歴史家はそう評価するに違いありません。アジア・太平洋の世紀、その中心に日本は存在しなければなりません。TPPへの交渉参加は、まさに国家百年の計であると私は信じます。
残念ながらTPP交渉はすでに開始から2年が経過しています。すでに合意されたルールがあれば、遅れて参加した日本が、それをひっくり返すことが難しいのは厳然たる事実です。
残されている時間は決して長くありません。だからこそ、1日も早く交渉に参加しなければならないと私は考えました。日本は世界第3位の経済大国です。いったん交渉に参加すれば、必ず重要なプレイヤーとして、新たなルールづくりをリードしていくことができる、と私は確信をしています。
一方でTPPにさまざまな懸念を抱く方々がいらっしゃるのは当然です。だからこそ、先の衆議院選挙で私たち自由民主党は、聖域なき関税撤廃を前提とする限り、TPP交渉参加に反対すると明確にしました。そのほかにも、国民皆保険制度を守るなど、5つの判断基準を掲げています。
私たちは、国民との約束は必ず守ります。そのため、先般、オバマ大統領と直接会談し、TPPは聖域なき関税撤廃を前提としないことを確認いたしました。そのほかの5つの判断基準についても、交渉のなかでしっかり守っていく決意です。
交渉力を駆使し、わが国として守るべきものは守り、攻めるものは攻めていきます。国益に適う最善の道を追求してまいります。
もっとも大切な国益とはなにか。日本には世界に誇るべきクニガラがあります。息を呑むほど美しい田園風景、日本には朝早く起きて、汗を流して田畑を耕し、水を分かち合いながら五穀豊穣を祈る伝統があります。自助自立を基本としながら、不幸にして誰かが病に倒れれば、ムラの人たちがみんなで助け合う農村文化、そのなかから生まれた世界に誇る国民皆保険制度を基礎とした社会保障制度。これらのクニガラを私は断固として守ります。
基幹的農業従事者の平均年齢は現在66歳です。20年間で10歳ほど上がりました。今の農業の姿は、若い人たちの心を残念ながらひきつけているとはいえません。耕作放棄地はこの20年間で約2倍に増えました。いまや埼玉県全体とほぼ同じ規模です。このまま放置すれば、農村を守り、美しい故郷を守ることはできません。これらは、TPPに参加していない今でも、すでに目の前で起きている現実です。若者たちが将来に夢を持てるような強くて豊かな農業、農村を取り戻さなければなりません。
日本には四季の移ろいのなかで、きめこまやかに育てられた農産物があります。豊かになりつつある世界において、おいしくて安全な日本の農産物の人気が高まることは間違いありません。大分県特産の甘い「ひたナシ」は台湾に向けて現地産の5倍という高い値段にもかかわらず輸出されています。北海道では雪国の特徴を生かしたお米で輸出を5年間で8倍に増やした例もあります。攻めの農業政策により、農林水産業の競争力を高め、輸出拡大を進めることで、成長産業にしてまいります。そのためにもTPPはピンチではなく、むしろ大きなチャンスであります。
その一方で、中山間地などの条件不利地域に対する施策をさらに充実させることも当然のことです。東日本大震災からの復興への配慮も欠かせません。
農家のみなさん、TPPに参加すると、日本の農業は崩壊してしまうのではないか、そういう切実な不安の声をこれまで数多くうかがってきました。私は、みなさんの不安や懸念をしっかり心に刻んで交渉に臨んでまいります。
あらゆる努力によって、日本の農を守り、食を守ることをここにお約束をします。
関税自主権を失ってしまうのではないかという指摘もあります。しかしTPPは、全ての参加国が交渉結果にもとづいて、関税を削減するものであって、日本だけが一方的に関税を削減するものではありません。そのほかにもさまざまな懸念の声を耳にします。交渉を通じ、こうしたご意見にもしっかり対応していきます。そのことをご理解いただくためにも、国民の皆様には今後状況の進展に応じて、丁寧に情報提供していくことをお約束させていただきます。
その上で、私たちが本当に恐れるべきは、過度の恐れをもって何もしないことではないでしょうか。前進することをためらう気持ち、それ自身です。私たちの次の世代、そのまた次の世代に、将来に希望の持てる強い日本を残していくために、ともに前に進もうではありませんか。
本日、私が決断したのは、交渉への参加にすぎません。まさに入り口に立ったにすぎないのであります。国益を賭けた交渉はこれからです。私はお約束をします。日本の主権は断固として守り、交渉を通じて国益を踏まえた最善の道を実現します。
私からは以上であります。
(冒頭発言おわり)
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