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「環球時報」の社説だそうだが、内容があまりに低劣で読むに耐えない。
私としては、尖閣諸島領域(海域及び空域)に対する日本の実効支配が揺らいでいる『二重権力状況』を解消するため、日中両国外交当局が陰でこそこそ対応するのではなく、早急にハイレベルでの公然協議とトップ同士の会談を行い、「かつての平穏な現状維持」(10年の漁船衝突事件と12年の国有化問題が起きる以前の状態)に復帰すべきと考えている。
そのためには、日本政府は、国民に対し、尖閣諸島周辺に適用されている日中漁業協定や尖閣諸島の取り扱いに関する日中間の暗黙の合意について、中国につけいる隙を与える威信も損なわれない内容で説明する必要がある。
転載する中国共産党メディアの記事は、
● 中国も領有権を主張する尖閣諸島領域ならいざ知らず、公海上で起きたとされる中国艦船のレーダー照射については知らぬ存ぜぬを決め込んでいる。
(中国政府は、国防省が北京の日本大使館に「日本側が対外公表した内容は事実に合致しない」と対応したのみ)
● そうでありながら、日本政府及び日本メディアの主張を「日本側の発表した詳細の真実性についても、今回の世論戦を発動した背後にある下心についても疑問符をつけないわけにはいかない」と、根拠レスのまま、情緒的に日本側を批判している。
● あげくが、中国国民は、「中日間の「開戦の第一撃」に対する心の準備ができており、中日が釣魚島危機を平和的に解消することに希望を抱く人もどんどん少なくなっている」とか、「日本がこうすることで、中日の民間にも戦闘警報が鳴らされたのだとわれわれは信じる。海上軍事について余り分からない庶民はこれを根拠に「中日開戦はすぐ近くまで迫った」と考える」とあらぬ方向に人々を煽っている。
そして、次のように、そのように言わざるをえない情勢を生み出した責任は日本側にあると主張している。
「われわれが目にする中日衝突の大きな輪郭は、絶えず問題を軍事的方向へと引っ張り、激しい権幕で迫っているのは、まぎれもなく日本側である」、「日本側は「釣魚島防衛」を念頭に置いた軍事演習を繰り返している」、「日本側の戦闘機は釣魚島空域に最も早く現れ、中国の海洋監視・民事法執行機を「駆逐」した。日本は中国機に対して曳光弾を発射するかもしれないとの情報を先に漏らした。日本の戦闘機はそのいわゆる防空識別圏に進入した中国機に対して、何かといえば「スクランブル」を行っている」と、昨年9月中旬以降の経緯を一方的に書き連ね、「日本のために、東中国海での中日間の軍事的相互信頼と安全上の暗黙の了解はすでに跡形もなくなった」とし、「東中国海での中日間の緊張はすでに仮想敵国間のレベルを超えている」とまで語っている。
しかし、きっかけが“日中間で消化不良”の状態での国有化断行であったにしろ、尖閣諸島領域に強制力ないし軍事力を差し向け、先に平穏を覆したのは中国側である。
そうであれば、主権国家として、日本政府はそのような事態をただ傍観しているわけにはいかない。
これが、「環球時報」の社説が書き連ねている状況が生まれた主原因である。
日中両政府がそれぞれの国家を背負う権力機構であることから、領有権について声高に主張することも、領有の実効性を示すために艦船や航空機を出動することも、節度をもって行うなら当然の振る舞いであり、それをしないのなら、領有権そのものの主張を取り下げたほうがいいと思っている。
尖閣諸島問題の落とし所が「日本による平穏な実効支配」(中国側の言うところの“棚上げ”)であることは日中両政府の共通認識なのだから、それを前提に収拾を急がなければ、国民感情という度し難い問題でさらに深く泥沼にはまり込む可能性もある。
日本政府の尖閣諸島国有化は、国内法による形式的な処理でしかなく、尖閣諸島の実効支配強化を意味するものではない。逆に、個人の所有権が及ぶ状態よりも、平穏な実効支配を貫きやすい条件になる。それも、中国側は理解しているはずである。
安倍首相も、7月の参議院選挙まではという構えではなく、現在の日本が抱えている最大の懸案事項である日中問題の改善に早急に取り組むべきである。
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中日の民間に響き渡る日本の戦闘警報
日本防衛省は5日、東中国海の公海上で中国の軍艦が日本の軍艦1隻に火器管制レーダーを照射したとして、中国側に抗議した。日本のヘリコプター1機に対しても以前照射が行われたとしている。(環球時報社説)
われわれはこの件の詳細を把握していない。日本側は中国側に火器管制レーダーを照射された際、日本の軍艦は戦闘警報を鳴らし、状況はひとたび「非常に緊張した」としている。日本メディアは日本防衛省の記者会見に先導される形で、中国は「自ら挑発した」のでなければ、公海上の規則について「何もわかっていない」ようだ、と激しく攻撃している。
中国は「口下手」であり、筋が通っていようとなかろうと、騒がしさでは日本にかなわない。中国は中日摩擦についていかなる情報も自分から発表したことはない。中日間のほぼ全ての衝突の第一報は日本の口から発せられたものだ。
だがこれは日本が本当に「是非を論じ、道理をわきまえている」という意味ではない。もしそうであるなら、釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題が今日の局面にいたったはずがないし、互いに貿易大国である中日が初めはおかしな神社のために、後には小さな無人島のために世界を揺るがす対立に陥ったわけがない。
現在は日本側の説明しかないうえ、日本側は事件にかこつけて自らの目的に利用することに慣れているため、日本側の発表した詳細の真実性についても、今回の世論戦を発動した背後にある下心についても疑問符をつけないわけにはいかない。
日本側がどんなに弁が立ち、世論を制する上での要衝を押さえようとも、われわれが目にする中日衝突の大きな輪郭は、絶えず問題を軍事的方向へと引っ張り、激しい権幕で迫っているのは、まぎれもなく日本側であるというものだ。
日本側は「釣魚島防衛」を念頭に置いた軍事演習を繰り返している。日本側の戦闘機は釣魚島空域に最も早く現れ、中国の海洋監視・民事法執行機を「駆逐」した。日本は中国機に対して曳光弾を発射するかもしれないとの情報を先に漏らした。日本の戦闘機はそのいわゆる防空識別圏に進入した中国機に対して、何かといえば「スクランブル」を行っている。日本のために、東中国海での中日間の軍事的相互信頼と安全上の暗黙の了解はすでに跡形もなくなった。
東中国海での中日間の緊張はすでに仮想敵国間のレベルを超えている。日本はこうした摩擦が続けば偶発的な武力衝突が起きる深刻な可能性があることを明らかに知っている。そのため日本は緊張を覚え、軍艦上の戦闘警報を極限まで敏感にしているのみならず、いくらか茫然とし、些細なことにもびくびくしているのだ。
客観的に言って、日本側が5日に暴露した情報に中国社会は驚愕してはいない。中国の大衆は東中国海の緊張にすでに慣れているうえ、多くの人は中日間の「開戦の第一撃」に対する心の準備ができており、中日が釣魚島危機を平和的に解消することに希望を抱く人もどんどん少なくなっている。
わずか1年足らずの間に中日の民間心理には質的変化が生じたようだ。以前の中国人は戦争は遠い話だと感じており、台湾海峡危機の時でさえ、両岸の開戦を本当に心配する人は多くなかった。だが今や多くの人は、複雑な環境下での軍人達の「ちょっとした思い違い」が中日海空軍の相互発砲につながりうると考えている。
現在中国のメディアやインターネットでは、「いかなる代償を払っても釣魚島を防衛する」「交渉は認めない」との日本の激しい声を耳にし、日本の自衛隊が全力で戦争に備え、果断に戦闘機を出動との情報を目にすることができる。中日間の相互情報伝播は平和的協議の世論空間を次第に封殺している。中日間の大勢は本当に芳しくないように見える。
日本は今回また、中国が火器管制レーダーを日本の軍艦に照射したと騒ぎ立て、しかも日本側はこのために「戦闘警報を鳴らした」。日本がこうすることで、中日の民間にも戦闘警報が鳴らされたのだとわれわれは信じる。海上軍事について余り分からない庶民はこれを根拠に「中日開戦はすぐ近くまで迫った」と考えるだろう。
「戦争は目と鼻の先まで迫っている」との意識を民間に抱かせることが安部政権の真の意図なのかどうか、われわれには分からない。もしそうである場合、中国も日本のように戦闘警報を中国の民間に鳴らすほかない。もしそうでない場合、日本側は中国の大衆を信じさせられる理由を示したうえで、力強い措置を講じて悪影響を取り除いてもらいたい。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年2月7日
http://j.people.com.cn/94474/8125641.html
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