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(回答先: ひも理論は実験で観測できるか?〜三つの方法による可能性/伊藤英男 投稿者 短足鰐 日時 2013 年 10 月 08 日 20:02:10)
<ブレーンの衝突によるビッグバン、インフレーション〜エキピロティック宇宙論>
エキピロティック宇宙論では、私たちが住むこの四次元時空としての宇宙は、高次元時空上を彷徨う泡のような存在として考えます。つまりブレーンという板状に広がった四次元時空が至る所に存在しており、それらがより高い空間次元にまで拡がった世界をフヨフヨと漂っていると考える。
当然ながら、当初、ブレーンは極めて小さな領域にしか拡がっておらず、世界は超ひも的描像が支配する世界となっている。しかし複数のブレーンが漂っていれば、そのうちの何個かは衝突し合う。つまりはその衝突のエネルギーが極めて大きく、そのエネルギーによって板状に拡がった四次元時空は爆発的に膨張させたと考える。これがエキピロティック宇宙論におけるビッグバンです。
しかし、ブレーンが漂っていた高次元に拡がる世界は、どのようにしてできたのか? には答えられない。正直に言えば、この辺は新しい観測結果が出るまで、どちらが正しいとはいえません。
どうようにブレーンの衝突によってインフレーションを起こすことも可能である。したがって、エキピロティック宇宙論は、特異点問題を解決し、インフレーション期の存在も説明できるというわけである。
<膜の中に私たちの世界〜ブレーンワールドという概念>
四次元時空が板状になっている。つまり、3ブレーンが、オービフォールド(円形座標を断ち切った両端のあるひも形座標)された空間次元の端点に存在しているような世界を考えると、このような模型をランドール・サンドラム(RS)模型と呼ぶ。
【出典】」伊藤英男「最新超ひも理論がよくわかる本」秀和システム‘11年
〔短足〕
高次元時空の存在をあらかじめ前提にした上でのビッグバン論は興味深い。フレッド・ホイルの「定常宇宙論」にもつががる気がする。著者は「高次元に拡がる世界は、どのようにしてできたのか?」と問うているが、永遠の昔から存在し続けてきたと考えてはいけないのだろうか。その方が自然で直観とも一致する。(少年時代は大方が宇宙は大昔からあった、と思い何の疑問も感じなかったはずだ。最近の少年たちは違うかな)。
だが直観と科学は別だとの考え方ももちろんある。高次元時空といえども何らかの物理的現象で突然発生しなければならないという物理学的要請でもあるのだろうか。(物理現象は宇宙(ここでは高次元の)がそこにあってこそ起こるものだろう。宇宙が誕生する前に物理現象が起こりそれで宇宙が誕生したという議論はおかしくはないか)。
ビレンケンは「無」の状態からトンネル効果で、突然宇宙が誕生したとしているが、違和感がある。かといってフレッド・ホイルの定常宇宙論も、ビッグバン理論やそれを裏付ける証拠も上がってきてダメになった。ただこれは4次元時空による宇宙論としては破綻している、ということで高次元時空は永遠のかなたから存在し続けていた、と考えると、一段と飛躍した定常宇宙論に還元する。
われわれのコンパクト化された4次元時空も、この4次元時空での星の誕生や死と同様、高次元時空のなかで無数の宇宙が誕生し消滅していくのだと考えると違和感はなくなってくる。高次の定常宇宙論といっても良いのではないか。
- Re: 中学の理科で「島宇宙」という概念を習った 短足鰐 2013/10/14 20:10:19
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