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”高次元時空の存在”を前提にしたブレーンの衝突によるビッグバン宇宙論/伊藤英男
http://www.asyura2.com/13/nature5/msg/153.html
投稿者 短足鰐 日時 2013 年 10 月 08 日 20:21:55: 1dEIvwQCPSw5M
 

(回答先: ひも理論は実験で観測できるか?〜三つの方法による可能性/伊藤英男 投稿者 短足鰐 日時 2013 年 10 月 08 日 20:02:10)

<ブレーンの衝突によるビッグバン、インフレーション〜エキピロティック宇宙論>
 エキピロティック宇宙論では、私たちが住むこの四次元時空としての宇宙は、高次元時空上を彷徨う泡のような存在として考えます。つまりブレーンという板状に広がった四次元時空が至る所に存在しており、それらがより高い空間次元にまで拡がった世界をフヨフヨと漂っていると考える。
 当然ながら、当初、ブレーンは極めて小さな領域にしか拡がっておらず、世界は超ひも的描像が支配する世界となっている。しかし複数のブレーンが漂っていれば、そのうちの何個かは衝突し合う。つまりはその衝突のエネルギーが極めて大きく、そのエネルギーによって板状に拡がった四次元時空は爆発的に膨張させたと考える。これがエキピロティック宇宙論におけるビッグバンです。
 しかし、ブレーンが漂っていた高次元に拡がる世界は、どのようにしてできたのか? には答えられない。正直に言えば、この辺は新しい観測結果が出るまで、どちらが正しいとはいえません。
 どうようにブレーンの衝突によってインフレーションを起こすことも可能である。したがって、エキピロティック宇宙論は、特異点問題を解決し、インフレーション期の存在も説明できるというわけである。

<膜の中に私たちの世界〜ブレーンワールドという概念>
 四次元時空が板状になっている。つまり、3ブレーンが、オービフォールド(円形座標を断ち切った両端のあるひも形座標)された空間次元の端点に存在しているような世界を考えると、このような模型をランドール・サンドラム(RS)模型と呼ぶ。

【出典】」伊藤英男「最新超ひも理論がよくわかる本」秀和システム‘11年

 〔短足〕
 高次元時空の存在をあらかじめ前提にした上でのビッグバン論は興味深い。フレッド・ホイルの「定常宇宙論」にもつががる気がする。著者は「高次元に拡がる世界は、どのようにしてできたのか?」と問うているが、永遠の昔から存在し続けてきたと考えてはいけないのだろうか。その方が自然で直観とも一致する。(少年時代は大方が宇宙は大昔からあった、と思い何の疑問も感じなかったはずだ。最近の少年たちは違うかな)。
 だが直観と科学は別だとの考え方ももちろんある。高次元時空といえども何らかの物理的現象で突然発生しなければならないという物理学的要請でもあるのだろうか。(物理現象は宇宙(ここでは高次元の)がそこにあってこそ起こるものだろう。宇宙が誕生する前に物理現象が起こりそれで宇宙が誕生したという議論はおかしくはないか)。

 ビレンケンは「無」の状態からトンネル効果で、突然宇宙が誕生したとしているが、違和感がある。かといってフレッド・ホイルの定常宇宙論も、ビッグバン理論やそれを裏付ける証拠も上がってきてダメになった。ただこれは4次元時空による宇宙論としては破綻している、ということで高次元時空は永遠のかなたから存在し続けていた、と考えると、一段と飛躍した定常宇宙論に還元する。
 われわれのコンパクト化された4次元時空も、この4次元時空での星の誕生や死と同様、高次元時空のなかで無数の宇宙が誕生し消滅していくのだと考えると違和感はなくなってくる。高次の定常宇宙論といっても良いのではないか。
   

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コメント
 
01. 2013年10月11日 21:54:32 : eBQupgeCAo
そもそも、宇宙と言う物が、果たして人間の脳で把握し切れる物なのかどうなのか?、それもまた、疑問である。

02. 短足鰐 2013年10月11日 22:48:41 : 1dEIvwQCPSw5M : UtxKBRNjfQ
>>01

 そうですねえ。

 宇宙論にはまた「人間原理」などという曖昧な観点も登場します。これは、ひねくって逆に言えば、われわれは単に偶々与えられた物理定数に見合て生きていけるように誕生したと言い換えても差し支えないと思う。木の葉虫など木の葉というものを良く観察して、突然自らの遺伝子を変化させて環境に適応した、としか思えないものもある。

 現在の宇宙とは違った物理定数の宇宙があれば、そこにもその物理定数のなかで生きられる人間とは別種の知的生命体が生まれた、と。広い意味の宇宙人だが、われわれのこの4次元宇宙にやって来たとしても、生きていられるかどうは分からない。
 「人間原理」というのは人間から出発して、その人間が生きていけるように「誰かが」物理定数を精密に設定したかのようなニュアンスも伝わってきます。

 「人間原理」wiki
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E9%96%93%E5%8E%9F%E7%90%86


03. 2013年10月12日 11:18:16 : 1laTubqZew

>>02

>木の葉虫など木の葉というものを良く観察して、突然自らの遺伝子を変化させて環境に適応した、としか思えないものもある。

「獲得形質は遺伝しない」という考えは生物学の常識ですが、最近になって「獲得形質の一部が次世代に引き継がれる」ことが判明してきているそうです。
「エピジェネティクス」と呼ばれる「DNA配列だけによらない遺伝の仕組み」があるらしい。
啓蒙書を読んでみたけどかなり複雑な仕組みでした。


04. 短足鰐 2013年10月12日 16:19:44 : 1dEIvwQCPSw5M : LAMbHY5A0E
 >>02

 宇宙学者が人間原理を究明したいなら、人間も含めた生物学の成果も考慮すべきでしょう。
 木の葉虫では合目的な突然変異を想定したが、中立進化説というのもあるという。乱暴だが、この説を機械的に人間原理に適用すると、次のようになる。

 「宇宙は無限にあり、その構成される物理定数の組み合わせも無限にある。そのなかで知的生命体が発生できる宇宙だけがその生命体によって認識されるが、そうでない宇宙はあっても生命体によって認識されることはない」、と。
 そしてこれらの宇宙はわれわれの宇宙とは因果関係がないので、どの宇宙に生命体がありどの宇宙に生命体がないかは知るよしもない、と。このように考えるのが物理学者らしいとは思う。

 中立進化説wiki
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E7%AB%8B%E9%80%B2%E5%8C%96%E8%AA%AC


05. 2013年10月12日 19:52:04 : CyxQiSgTfM
フヨフヨ漂う四次元時空の小プレートだか、
トンネル効果で突然現れるのかは解らないが、
だったらそのような偶然は既に誕生後の、
今の我々の暮らすこの宇宙次元空間内では、
二度とは起こらないのだろうか?

即ちこの宇宙のどこかで
「第2次ビッグバン」「第3次ビッグバン」と、
続けて観測出来ない事が不思議なのだ。

全然不思議でも何でも無いのですかね?
そんな可能性はゼロですか?
もしも突然に別の宇宙の始まりがいきなり割り込んで来るような、
大爆発が起きたとしたら、どんな事になるのでしょうか?


06. 短足鰐 2013年10月12日 21:10:41 : 1dEIvwQCPSw5M : GGiPmhfAR3
 >>05

 前半ですが、ビッグバンの火の玉宇宙からインフレーションで時空が急激に大きくなり、その後われわれの宇宙は膨張し続けるのか、無限の時間の後、膨張が静止するのか、あるいは再び収縮してビッグクランチを起こすのか、三つの未来が考えられているようです。
 近年、われわれの宇宙が加速膨張している観測事実が明らかになってきたので、今のところ膨張しつづける可能性が高いのではないかと思われます。

 後半ですが、複数の宇宙の誕生はホーキングや佐藤勝彦らが理論的に予測しています。ただ、これらの宇宙相互には因果関係がまったくないので、これらの宇宙相互間を行き来したり存在を確認するすべもないので、これらの宇宙同士がぶつかるということもないことになると思います。


07. 2013年10月12日 22:27:00 : CyxQiSgTfM
>>06さんへ

短くて、とても解りやすいご回答をありがとうございます。

結局、宇宙の始まりも宇宙の未来もまだまだ研究途上なのですね。
既に複数の宇宙誕生論は有りましたか、
次元とか階層だとかの違いでお互いにぶつかり合う事は無いのですか?
宇宙に見立てた風船を2つ並べて、
両方を膨らましていくうちに、
いつか接触するような現象が観測出来たら面白いと思ったのですが…。

遥かな未来に完全な宇宙論、宇宙地図、多重次元宇宙分布図…
のようなモノが出来たなら是非見てみたいものですね。


08. 2013年10月13日 09:42:36 : eBQupgeCAo
例えば、銀河の中心で超新星爆発が起きても、地球が吹き飛ばないのと同じで、宇宙がビッグバンして終焉を迎えようが、隣の宇宙には行きつかないとでも言うか。数学的に正しく無いかも知れないけど、仮に、宇宙が永遠に膨張を続けたとしても、隣の宇宙まで達する事は無いとか?。一つの宇宙など芥子粒に過ぎない程の領域が、宇宙の外に広がっていたら?。

09. 2013年12月24日 08:56:46 : QsfIogSx5w
>>08
二次元の平らな世界がいくら無限に大きくなったとしても、三次元では上下が違う空間には行き着くことはできません。
それと同様、前後・左右・上下の3方向しかない三次元宇宙ではいくら膨張しても、五次元や六次元の方向には到達できません。

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