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故・井上ひさしが東京の小岩についてこんな記述をしていたのを覚えている。「小岩はとにかく極端な町だ。店先の冷房はガンガン、カキ氷は山盛り、ヤクザはバリバリにド派手」とそんな感じだったと思う。
六本木や麻布や渋谷といった若世代文化の先端の街からして、見栄えのしない古い下町には魅力が何もないかのように見える。しかし、都心部の洗練された世界にはない、粗野な感覚に根差したエクストリミズムという武器を動力にして下町の迫力に満ちた活気の文化は独自の発展をとげるのである。
結果、文化に新しい息吹を与えるような新鮮な風は、下町から都会へ吹くのである。
そして、地方から都市へ。都市内の規範をぶちやぶるような極端・異端志向というものを育む場所が下町や地方であることはもっと定説として根付いてもよかろう。
アメリカの音楽を振り返っても、革命を起こしたのは決してニューヨークやシカゴ、サンフランシスコのアーチストではなく、たいていは地方や下町からでてきた冴えない田舎者であった。都市の洗練されバランスのとれた環境では芽の出ない田舎者の極端主義こそが文化に決定的な進化をもたらしたのだ。
アメリカではその象徴がテキサス人である。イギリスのリバプールや日本の福岡のような扱いだろうか、この州はもともと「典型的な田舎」だと蔑視されているのが真実だ。先端アートを志すような世界とは対極にあるといってもいい。しかし都会のリズムや価値観に支配されないド田舎だからこそ、都会にはないぶっ飛んだ才能が開花する。
その例がロックの創始者バディ・ホリーであり、ジャニス・・・ジョプリンであり、13thフロアー・エレベーターズであり、今回の主役Watchtowerである。
これぞテキサス。南部の深遠とは、文化の奥行きでもある。安物のLAバンドの慣習化されたヘビメタギターなど及びでさえない。
ライブでは・・・・あははは、やっぱ地が出るな。正直、洗練されたイケメンとはいえないが、彼らの極端主義が持つ迫力が客との距離を保ち、ショーに緊張感を与えている。ロックに笑顔のアピールなどいらないのである。
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