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首のハリ治療/(C)日刊ゲンダイ
寝酒より効果的 不眠が気になったら首凝りほぐし
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/153645
2014年9月27日 日刊ゲンダイ
夏の暑さは、不眠症の引き金になる。では、秋になって涼しくなれば、それが解消するかというと、必ずしもそうでもない。秋から冬にかけて長引き、慢性化する人もいる。そんな不眠症の“震源地”が、意外にも首にあるという。東京脳神経センター理事長の松井孝嘉氏が言う。
「夏は、クールビズで首回りが露出され、通勤電車や社内でエアコンの冷気が直撃します。冷気に当たり続けていると、首の血行が悪くなり、首が凝り、首の奥を通っている自律神経が圧迫される。自律神経障害の症状のひとつとして、不眠症が表れるのです。なぜ秋まで続くか? クールビズは9月いっぱい続き、電車や社内のエアコンもそれくらいまで使われている。知らず知らずのうちに“首凝り”が固定化し、夏の不眠症が慢性化するのです」
Aさん(48)は、30代半ばから仕事や家庭のイライラで寝られないことがしばしばあったが、不眠が続くのはせいぜい2日。3日目には、極度の睡眠不足と仕事の疲れで爆睡するのが常だった。
ところが、2年前の夏を境に悪化した。連日、35度前後の猛暑に加えて熱帯夜。タイマーをセットしてクーラーをかけて床に就くが、タイマーが切れると、じっとりとした暑さで目が覚める。もう一度セットして眠るが、寝たり起きたりの繰り返しの毎日で、いつしか眠れなくなったという。
■右腕にしびれ
「首の凝り? 当時の私は首凝りを自覚していませんでしたが、言われてみれば、首から肩にかけて無意識のうちに揉んだりしていましたね。その辺りが凝っていたんでしょうね。使い慣れた枕なのに、横になってもなじんだ感じがなく、ポジションを探してゴロゴロする。日増しに寝つきも悪くなりました」
それまで平均6時間睡眠だったのが、平均3〜4時間に。寝不足で横になっても、熟睡できなかったのがつらかった。イライラして、集中力も落ち、ミスも増える。ダマしダマし仕事を続けて1年ほど過ぎたころ、右腕がしびれて上がらなくなった。「五十肩か?」と不安になり、会社の近くで評判の鍼灸師にかかったら、「頚椎症」と言われた。首の凝りで、腕に伸びる神経が圧迫されて、しびれていた。原因は、やっぱり首だった。
半年くらいかけて首を中心に鍼の施術を受けたところ、腕のしびれはもちろん、慢性的な不眠症が解消したのがうれしかった。
「自律神経は血圧や発汗、消化、脈拍、呼吸、気持ちなどさまざまな働きを調節しているので、障害になったときの症状がとても幅広い。そのひとつに不眠症があるのですが、患者さんはよもや首に原因があるとは思いません。だから放置されやすいのですが、“首凝り”が解消され、自律神経の障害が解消されると、不眠症もおのずとよくなるのです」(松井氏)
自律神経のバランスが整うため、イライラしたり、落ち込んだりしなくなる。気持ちが落ち着くのも安眠のサポートに。眠れない人は、寝酒より、首をほぐした方がいいかもしれない。
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