01. 2014年1月10日 19:29:49
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不毛な競争だなhttp://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304893004579311561745193106.html?mod=WSJJP_hpp_RIGHTTopStoriesThird 2014年 1月 10日 14:16 JST テレビの未来?未来はない By FARHAD MANJOO [image] Getty Images CESのハイセンス(海信集団)ブースの4Kテレビ 私のテレビは4年前に買った42インチの平面テレビだ。だが今週ラスベガスで開かれている家電見本市「インターナショナルCES」のニュースによれば、平面はもう古い。 CESの宣伝屋によると、最も素晴らしい最新のテレビにはカーブがあり、スケートボードのハーフパイプのように画面中央部がくぼんでいる。テレビメーカーは、曲がったスクリーンがテレビをよくすると主張している。 テレビは革新の袋小路にはまり込んでいる。テレビ機器に出費するだけの新しい構想はない。そのため、競争や生産効率のおかげで優れたテレビが値下がりする一方だ。メーカーは値段が下がるほど必死になり、自社製品にくだらないものを詰め込んでいる。 関連スライドショー スライドショー を見る [SB10001424052702304893004579309072481175100] 3D(3次元)から4K(超高精細)、曲面スクリーン、ソニーの奇妙な「くさび形」テレビ(意味は聞かないでくれ)まで、アイデアに詰まった業界は私たちに財布のひもを緩めさせるような何かを求めて暗中模索している。 関連記事 ソニー、4K液晶テレビ向けコンテンツ提供でネットフリックスと提携 サムスンとLG、105インチ曲面テレビで対決 4Kテレビに低価格化の兆し―中国メーカーが主導 特集:米家電見本市CES テレビが完璧になったから革新が止まったのでは決してない。視聴したい番組を探すのが面倒なのは今も変わらない。今も、いくつものリモコンと相談し、自宅のケーブルテレビ(CATV)システムの複雑怪奇なメニューとにらめっこせずにテレビ番組や映画を呼び出すのは大仕事だ。 TV makers are showing off the latest bells and whistles at the Consumer Electronics Show. But don't be fooled, Farhad Manjoo says, TV's innovations are stuck in a rut. Photo: Getty Images だがテレビ製造各社はこうした現実の問題に何一つ取り組もうとはしていない。テレビメーカーには、多数のサービスに加入しなければ観たい番組を全て視聴できないという問題を解決するために必要な大型契約を娯楽企業と結ぶ力はない。彼らはCATV会社にチャンネルをセットで提供する方法を変えさせて、あなた方の月々の支払いを減らしやすくすることはできない。 その他全員と同様にテレビメーカーにも、テレビに接続された全機器を使い勝手のよい1つの画面上のインターフェース(ユーザー向けの表示や入力の方法など)でまとめて操作させることはできない。これが実現できれば、ゆくゆくは七面倒くさいリビングルームのハイテク問題を解決する最良の方法になるだろう。(米マイクロソフトは据え置き型ゲーム機の「エックスボックス・ワン」で実現に最も迫っているが、音声認識やモーションセンサーといった新技術に多額の資金を投じた。利益率の薄いテレビメーカーにはそのような投資をする余裕はない。) テレビの真の問題の解決策がなく、メーカー各社は自社の利益を厚くするような余分な機能を足している。例えば3Dは、ここ数年で熱心に売り込まれた。(実際、2010年は一部で「3Dテレビ元年」とされた。) それで何が起こったか。何も起こらなかった。3Dは不格好で(あの眼鏡ときたら)、居心地が悪く(頭痛を起こす人もいた)、あまり面白くなかった(視聴できる3D番組もそう多くなかった。) 今年のCESでは3Dは死に体だ。米ビジオが3Dから完全に撤退し、他社も宣伝していない。 3Dの失敗は、今後生まれるテレビの新技術に成功の見込みがないということを必ずしも意味するわけではない。だが吉兆でないことは確かだ。今年の新トレンドは高解像度の4Kテレビだが、私たちは自分のテレビの解像度をどれだけ上げたいのだろうか。大きな部屋の中で離れた位置からテレビを観るならばなおさらだ。老眼になった私は現在の高精細度テレビにかなり満足している。さらに出費する理由などあるだろうか。 4Kは3Dと同じ「キャッチ=22」(ジレンマの意、ジョセフ・ヘラーの小説の題名)に見舞われている。つまり4Kテレビの販売が伸びなければ、娯楽企業を4Kコンテンツの制作に駆り立てる誘因もそれほどないという点だ。だがコンテンツがなければ4Kテレビを購入する理由は乏しい。 米ネットフリックスは確かに4Kでドラマ「ハウス・オブ・カーズ」を配信すると発表した。だが、毎秒15メガビット(Mbps)のインターネット接続が必要になる。これは米国の平均的なブロードバンド回線の2倍程度の速さだ。放送ネットワークが4Kに参加するようになれば私ももっと楽観的になれるだろう。 こうした点を総合すると、かなり確かな助言が得られる。ソーシャルRSSリーダーサービスの米バズフィードの編集者、ジョン・ハーマン氏が最近書いたように、どうぞ安いテレビをお買いなさい。テレビパネル業界は効率化によって見栄えのする画面を低コストで生産できるようになった。テレビにはよい画面以外のものはあまり必要ない。ネット配信のような追加機能は「アップルテレビ」、グーグルの「クロームキャスト」、ロクなどのセットトップボックスやエックスボックス、ソニーの「プレイステーション(PS)」といったビデオゲームシステムの方が優れているからだ。 曲面や4Kなど余分なものが欲しくてたまらない場合はどうか。待ちに徹するのが一番だ。4Kが本格的に普及すれば、数年後の方が優れたテレビを安く買える。このアドバイスはテレビメーカーのお気に召さないだろう。だがいとこのパソコンメーカー、また間もなくスマートフォンメーカーのように、テレビ製造各社は世界的なハイパースケール生産による効率化からは逃れられない。(そのため、私はアップルがテレビを作る日が来るかと疑っている。) すべての技術の価格はいつか下がる。テレビの例のように発展が終点に行き着けば、そこまでだ、諸君 |