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アジアのスマホ開発担う 台湾のメディアテック急成長:サムスン利益低迷の要因:日系部品メーカー「推奨」獲得へ台湾詣で
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投稿者 あっしら 日時 2014 年 1 月 10 日 18:57:37: Mo7ApAlflbQ6s
 


アジアのスマホ開発担う 台湾のメディアテック急成長
半導体と設計図セット 100ドル台の低価格可能に

 100ドル(約1万円)台のスマートフォン(スマホ)がアジアに広がっている。仕掛け人は台湾半導体大手の聯発科技(メディアテック)だ。スマホの頭脳といえるLSI(大規模集積回路)を全体の設計図とセットにして格安で販売。安さが売りの端末メーカーを次々生み出す。広がるスマホ経済圏を陰で支えてきた同社。米で開催中の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」で謝清江総経理は「次は車との連携」に商機があると意欲を示した。

 CES開幕を翌日に控えた6日夜。謝総経理は本拠の台北を離れラスベガス入りした。「安全と利便性をどう両立するか」。会談相手は米グーグル幹部。グーグルがホンダなどと発表したばかりの自動車向け情報システムの基本ソフト(OS)を巡り議論を始めた。

 「私はスマホの先の潮流をつかむために来た」。謝総経理は10日までの滞在期間中、ソニー、サムスン電子、レノボ・グループ(聯想集団)など世界のIT大手30社とトップ会談に臨む。

 メディアテックは設計・開発に特化するファブレス(工場無し)メーカー。画像やデータ処理、通信機能などを詰め込んだスマホ向けLSIが主力だ。2013年の出荷量は前年比8割増の2億個超と急成長している。中国市場では13年のシェアは約47%。前年から14ポイント高めて世界最大手で最大のライバルである米クアルコムを抜いた。

 快進撃の源はアジアで広がる低価格品だ。米調査会社によると13年の世界のスマホ出荷台数は約9億6千万台。このうち3台に1台は200ドルに満たない。15年にはiPhone(アイフォーン)など400ドル超の高価格品を上回る勢いだ。

 メディアテックの強さは「製品の安さに加え、使い勝手の良さにある」(中国スマホ大手の中興通訊幹部)。価格はクアルコムの3〜5割安。スマホの設計図といえる「レファレンス」を公開するビジネスモデルも取引先をひきつける。競合他社もまね始めたが追随を許していない。
 レファレンスは部品の配置や配線の指示だけではない。OSや開発ツールも細かく示し、推奨部品をメーカー名とともにリストで指定する。メディアテックは設計から部品調達まで開発の主導権を握る。もはや端末メーカーは組み立て工場。従来型の携帯電話時代とは主客が逆転している。
 「電流値が高すぎる。調整してから出直してください」。電気ノイズを除去する電子部品を扱う日系メーカーの営業担当者は、メディアテックの厳しい要求に追われる毎日だ。メディアテックは端末メーカーの仕事だった作業を肩代わり。自社製品と相性を最適にして推奨部品に取り込む。
 同社が次に狙うのは車載用の市場だ。ルネサスエレクトロニクスやパナソニックなど日本勢が強みを持つが、「スマートカー(賢い車)」用の需要を見込み画像や音声処理用の開発に着手。広東省に子会社を設立し、各国の自動車メーカーに売り込みを始めている。

 台北=山下和成、北京=山田周平、東京=多部田俊輔、蓬田宏樹


「推奨」求め台湾詣で 日本部品各社 リスト入りで受注増狙う

 「ようやく推奨部品のリスト入りを勝ち取った」。TDKの上釜健宏社長は来期以降の業績改善に期待する。村田製作所などに比べ出遅れていたが、2013年後半に相次ぎLSI大手のレファレンス採用が決まった。

 メディアテックの本社がある台湾・新竹、クアルコムが本社を構える米サンディエゴに送り込む人員を2倍に増やして営業攻勢をかけた。上釜社長は今も「毎日営業に行け」とハッパをかける。

 LSI大手の推奨部品に食い込めば、受注は飛躍的に増える。営業先を端末メーカーからシフトしたのはTDKだけではない。「推奨部品は甘い蜜。厳しい部品の最適化や値下げの要求にも必死に応えている」(日系電子部品メーカー)

 メディアテックの競争力を生むのはレファレンスを武器にした値下げ圧力だけではない。約7000人の社員は米シリコンバレーよりも格段に安い台湾の技術者を登用。他社の特許を活用するなどして自社の開発コストを抑えている。

 「中国と台湾でLSIを共同開発していきましょう」。昨年11月、台北で開かれたIT企業が集まるフォーラムでメディアテックの蔡明介董事長は中国企業に呼びかけた。中台の友好ムードの演出にも映るが、背景にあるのは中国の端末メーカーが自国のLSIを優先的に使うようになることに対する危機感だ。

 中国でも華為傘下の深セン市海思半導体、独立系の展訊通信(スプレッドトラム)など競合ファブレスが台頭。スプレッドトラムは13年、中国のスマホ用LSIでシェアを13%に伸ばした。

 経済政策を統括する国家発展改革委員会などが13年12月、300億元(約5100億円)の半導体専門ファンドを設けるなど当局もLSI産業の育成を後押し。メディアテックの背中を懸命に追っている。

次は「スマホと車の連携」 グーグルとの提携強み ──謝清江総経理に聞く

 米家電見本市CESを訪れたメディアテックの謝清江総経理にポスト・スマホ戦略を聞いた。

 ――スマホ市場は成熟してきた。今後の成長戦略をどう描く。

 「2013年のスマホ向け半導体の販売は2億個を超えた。タブレット向けは約2000万個だった。14年はスマホ向けで40%増以上、タブレットは2倍にしたい」

 ――米クアルコムや中国で台頭する新興ライバル企業への対抗策は。

 「スマホ向けでシェア9割を握る英アーム・ホールディングスと半導体開発で10年を超える強固な関係がある。最新技術を取り入れ顧客の要望に応える。米グーグルとのスマホやテレビでの提携関係も大きな強みだ」
 「我々の顧客は幅広い。中国の通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)や家電大手のTCL集団だけでなく、ソニーや楽天もそうだ。韓国ではLG電子が重要な顧客になっている」

 ――身につけるデジタル機器「ウエアラブル端末」がスマホに取って代わる可能性は。

 「我々の事業の中心はモバイルデバイスだ。5年前は従来型の携帯電話機だったが、今はスマホ。ウエアラブル端末が単純にスマホに置き換わるのではなく、様々なデバイスとつながっていく。特に自動車とスマホの連携は密接になる」

メディアテック

 ▼メディアテック 台湾の半導体受託生産会社、聯華電子(UMC)の技術者だった蔡明介氏が同僚三十数人を引き連れ1997年に設立。当初はCD―ROM向けのLSIを手掛け、携帯電話、薄型テレビと常に成長市場を追いかけてきた。低価格LSIは顧客の最終商品の値下がりも助長したため同社の参入後は「ペンペン草も生えない」といわれる。2013年の連結売上高は前年比37%増の1360億台湾ドル(約4760億円)と過去最高を更新した。

[日経新聞1月10日朝刊P.9]

 

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