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(回答先: 物価目標達成難しいなら対策=岩田日銀副総裁 混乱が一段落した後に考えること〜アベノミクスの様変わり 投稿者 SRI 日時 2013 年 10 月 19 日 01:12:10)
2013年10月18日
日 本 銀 行
日本銀行副総裁 岩田 規久男
「量的・質的金融緩和」の目的と
その達成のメカニズム
中央大学経済研究所創立50周年
記念公開講演会における講演
1
1.はじめに
日本銀行の岩田でございます。本日は、中央大学経済研究所が 1964 年の創
立から 50 年目を迎えられた記念行事の一環ということでお招き頂きました。
研究所の創立・運営に関わってこられた皆さま方に、心からのお祝いを申
し上げるとともに、このような場でお話しする機会を頂きましたことに、深
く感謝申し上げます。
日本銀行は、去る4月4日に、「量的・質的金融緩和」と呼ばれる政策を導
入し、消費者物価の前年比上昇率2%という「物価安定の目標」の実現を目
指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで継続することを決定し
ました。
本日の講演では、@なぜ日本銀行は2%の「物価安定の目標」の達成とそ
の維持を目的としているのか、A「量的・質的金融緩和」政策はどのような
経路を通じてその目的を達成・維持するのか、B実際に日本経済は日銀が想
定している経路を歩んでいるのか、の3点についてご説明したいと思います。
2.2%のインフレ率を「物価安定の目標」とする理由
はじめに、なぜ日本銀行が2%というインフレ率の達成を目指すのか、そ
の理由を説明したいと思います。
第一の理由は、「デフレは絶対に避けなければならない」ということです。
デフレは、商品やサービスの価格下落を通じて企業収益を圧迫します。この
ため、より多くの商品やサービスを売らなければ負債の返済ができなくなり
ます。言い換えると、負債の実質的な負担が増加するのです。負債の実質的
な負担が増加すると、企業は資金調達を伴う設備投資に消極的になり、その
結果として経済全体の生産と雇用需要が減るため、失業率が上昇し、賃金が
下がり、人々の暮らしは貧しくなります。そして、デフレを絶対に避けるた
めのバッファーとしては、1%程度のインフレ率では必ずしも十分ではない
ということです。 2
第二の理由は、「消費者物価指数の上方バイアス」です。「物価安定の目標」
が参照している指標は、消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数)ですが、
この指標には、相応の上方へのバイアス(偏り)が存在すると考えられてい
ます。
バイアスの原因については、消費者は一般的に、高くなった財やサービス
の消費を減らし、安くなった財やサービスの消費を増やす傾向があるのに対
し、消費者物価指数の改訂は5年毎に実施されるため、改訂までの間はそう
した消費の構成変化が指数に反映されない、ということが指摘されています。
相応の上方バイアスの存在を前提にすれば、例えば消費者物価指数の前年
比上昇率が1%であっても、実際のインフレ率は1%を下回る可能性がある
ということになります。つまり、1%程度のインフレ率を目標にしたのでは、
実際にはデフレかそれに近い状況を目標にしていることになりかねません。
したがって、消費者物価指数を参照指標とする場合、上方バイアスの存在も
織り込んだ、尐し高めの目標数値を設定する必要があるのです。
第三の理由としては、1990 年代から最近にかけての先進国の実績をみると、
2%程度のインフレ率を維持している国の経済が、経済成長率が高く失業率
は低いという、良好なパフォーマンスを示していることが挙げられます。
こうしたことを踏まえれば、日本においても、2%程度のインフレ率を「物
価安定の目標」とするのが適切であると考えられます。
3.「物価安定の目標」はどのようにして達成されるか
こうした考え方の下で、2%の「物価安定の目標」がまず設定されており、
その目標を達成するために、日本銀行は現在、これまでとは次元の違う「量
的・質的金融緩和」と呼ばれる政策に取り組んでいるわけです。言い換える
と、「量的・質的金融緩和」とは、2%の物価安定目標を達成するための強力
な手段である、と整理できます。
このような両者の関係をご理解いただいたうえで、次に、「量的・質的金融3
緩和」の実施によって、2%の物価安定目標がどのように達成されるのかと
いう点についてお話しします。
(1)「量的・質的金融緩和」の二つの柱
「量的・質的金融緩和」は、次の二つを柱としています。第一の柱は、2%
の物価安定目標の早期達成についての「コミットメント」です。すなわち、
「2%の物価安定目標を、2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期
に実現すること」について、日本銀行は「明確に約束している」ということ
です。
第二の柱は、第一の柱であるコミットメントを「具体的な行動で示す」と
いうことです。具体的な行動は、「量的・質的」という言葉のとおり、日本銀
行のバランスシートの「量」の拡大と「質」の変化の両面に表れています。
「量」の拡大とは、長期国債を中心とした各種資産の買入れにより、マネ
タリーベースを大量に供給することです。2012 年末の 138 兆円から 2014 年
末の 270 兆円へと、2年間で2倍に拡大することを目指しています。
「質」の変化とは、リスクのより大きな資産を購入することです。長期国
債については、買入れの対象を全ての年限に拡大し、満期の長い銘柄も購入
することとしました。この結果、日本銀行が買い入れる長期国債の平均残存
期間は7年程度と、これまでの2倍以上になっています。全ての年限の金利、
すなわちイールドカーブ全般に働きかけることによって、金融環境や実体経
済に対する政策の効果が強まることが期待されます。また、資産価格のプレ
ミアムに働きかけるため、ETF と J−REIT の買入れ規模も拡大しています。
(2)名目金利と予想インフレ率への働きかけ
こうした2本の柱から構成される「量的・質的金融緩和」は、名目金利と、
金融市場で資産運用を行う市場参加者の予想インフレ率に対して、それぞれ
次のような作用をもたらします。 4
まず、長期国債を中心とした各種資産の買入れにより、民間にお金を大量
に供給することは、名目金利を引き下げる方向に働きます。
加えて、2%の物価安定目標にコミットした「量的・質的金融緩和」は、
のちほどご説明するように、市場参加者の予想インフレ率を引き上げる方向
に働きます。
「名目金利の低下圧力」と「予想インフレ率の上昇圧力」はいずれも、実
体経済に重要な影響を及ぼす「予想実質金利」を引き下げる方向に作用しま
す。なぜなら、予想実質金利とは、「名目金利から予想インフレ率を差し引い
た数値」にあたるからです。
ただし、「予想インフレ率の上昇圧力」は、予想実質金利を引き下げる要因
であると同時に、名目金利を引き上げる要因でもあることに留意する必要が
あります。デフレから脱却し、2%の物価安定目標を達成するためには、こ
れからご説明するように、予想実質金利を低い水準に維持することが必要で
す。したがって、予想インフレ率の上昇を原因とする名目金利の上昇を、予
想インフレ率の上昇よりも抑制することが重要になるわけです。
(3)なぜ予想インフレ率は上昇するのか
さきほど、「量的・質的金融緩和」が市場参加者の予想インフレ率を引き上
げる方向に働くと申し上げました。
市場参加者の予想インフレ率が上昇するのは、日本銀行が2%の物価安定
目標の達成を強く約束し、その目的達成のために民間に供給するお金(この
お金は現金と金融機関が日銀に預けている当座預金の合計で、「マネタリーベ
ース」と呼ばれます)の量を大幅に増やし続ければ、将来、銀行の貸出等が
増え始め、その結果、世の中に多くの貨幣(貨幣とは現金と預金の合計です)
が出回るようになる、と市場参加者が予想するようになるためです。将来、
貨幣が増えれば、その貨幣の一部が物やサービスの購入に向けられるため、
インフレ率は上昇するだろう、と予想されるわけです。 5
ここで重要なことは、銀行の貸出等を通じた貨幣の増加が現に起こってい
ないとしても、将来の貨幣の増加を見越して、予想インフレ率の上昇が起こ
り得るという点です。
では実際に、予想インフレ率はどうなっているのでしょうか。世の中の様々
な主体による予想インフレ率を客観的に計測することはなかなか難しいので
すが、例えば、金融市場で取引されている物価連動国債の金利を使って計測
した予想インフレ率や、内外の調査機関・エコノミストの予想を平均した数
字などをみると、「量的・質的金融緩和」の推進に伴って、徐々に上昇してい
ることが窺えます。
また、日本銀行が行っている『生活意識アンケート』の最新の調査による
と、消費税率引き上げの影響を除いて、1年後の物価が「上がる」と答えた
人の比率は 83%に達しており、家計の予想インフレ率も上昇していることが
わかります(図表1)。
(4)予想インフレ率の上昇は株高や外貨高をもたらす
名目金利から予想インフレ率を差し引いた金利を、予想実質金利といいま
す。以下では、簡略化して単に「実質金利」ということにします。
名目金利が「見た目の金利」であるのに対し、実質金利とは、物価の動向
を考慮して「実質的にどのくらいお金(購買力)が増えるのか」ということ
です。
将来、インフレになると予想されると、利息を生まない現金や、利息が固
定されている預金や国債などの債券の将来における購買力は低下します。
例えば、国債の見た目の金利(名目金利)を 0.5%とし、今後1年間の予
想インフレ率を1%とすると、予想インフレ率を考慮した1年間の実質金利
は、名目金利から予想インフレ率を差し引いたマイナス 0.5%になります。
これは、見た目の金利(名目金利)が 0.5%でも、インフレ率が1%であれ
ば、1年後にその国債から得られるお金の購買力は 0.5%だけ低下するとい6
うことを意味します。
現金の場合は、名目金利がそもそもゼロ%ですから、インフレ率が1%に
なると、1年後の現金の購買力は1%だけ低下します。
実際に、国債市場の金利から観察される実質金利の動きをみると、趨勢的
な動きとしては、昨年末あたりから緩やかな低下傾向にあるといえます(図
表2)。
このように、インフレになると予想されると、現金や利息が固定されてい
る預金・債券の予想実質金利は低下します。つまり、それらを保有すること
は以前よりも不利になるわけです。
そこで、インフレを予想した市場参加者は、運用する資金を、現金や預金、
あるいは国債などの債券から、インフレに強い株式(株式投資信託を含む)
や土地・住宅(J-REIT などの不動産投資信託を含む)、あるいは円よりも金
利の高い外貨建て資産に移そうとします。その結果、株価は上昇し、円安・
外貨高になります(図表3)。
(5)消費や輸出の増加
株高と外貨高により、株式や外貨建て資産を持っている家計の資産価値は
増加します。
最近の統計をみると、2013 年6月末時点で家計が保有する金融資産は、前
年に比べて全体で5%増加しています。内訳をみると、債券が9%減尐する
一方、株式・出資金は 31%、投資信託は 29%も増加しており、ご説明したよ
うな動きが実際に起こっていることが確認できます(図表4)。
保有する資産の価値が増加した家計は消費を増やす傾向があります。これ
を資産効果といいます。また、株価に代表される資産価格の上昇は、人々の
気分(マインド)を明るくします。この気分の改善も、家計の消費を増やす
要因です。実際に、本年入り後、家計の消費は増加しており、これには今申
し上げたような資産効果やマインドの改善効果が強く働いているものと考え7
られます(図表5)。
また、外貨高の効果として輸出の増加はすぐに思い浮かびますが(図表6)、
海外から日本への旅行者による国内サービス需要を増やす要因である点も見
逃せません。実際に最近、海外からの旅行者は増えています(図表7)。
(6)設備投資の増加
こうした動きは、企業の設備投資にも、複数の経路を通じて前向きな動き
をもたらします。
まず、家計の消費が増えれば、企業は消費の増加に応じて生産の増強を図
る必要が出てくるため、設備投資に積極的になります。
株高や外貨高によって、他社株や外貨を保有する企業(主として輸出企業)
の純資産価値が増大すること(バランスシートの改善)も、企業が設備投資
を増やす要因となります(図表8・9)。野村證券の試算によると、金融業を
除く上場企業 1830 社が保有する株式の含み益は、今年3月末から9月末にか
けて 3.7 兆円(32%)も増加しているとのことです。
また、企業利益の増加による企業マインドの改善も、設備投資を増やす要
因です。企業の売上高経常利益率は昨年から上昇を続けており、企業マイン
ドも改善しています(図表 10・11)。
設備投資の実際の動きをみると、GDP 統計における民間企業設備投資は、
今年第2四半期に前期比 1.3%と5四半期ぶりのプラスに転換しました。法
人企業統計では、全産業ベースで昨年第4四半期からプラスに転換していま
す。内訳をみると、製造業は今年第2四半期も前期比 0.6%の減尐となって
いますが、その減尐率は縮小しつつあります。一方、非製造業は、消費の増
加に支えられて、今年第2四半期には前期比 4.7%と大きく増加しています
(図表 12)。
キャッシュフローと設備投資の関係からみても、今後も設備投資は増加傾
向をたどると予想されます(図表 13)。 8
(7)産業構造の変化と設備投資主体の変化
ただし、製造業大企業については、2000 年代前半の景気回復局面ほどには
設備投資は増えない可能性があると考えています。
1990 年代以降にみられた景気回復は、いずれも公共投資か輸出型の製造業
の一方あるいは両方が主導したものでした。これに対して、今回の景気回復
は、国内消費型の非製造業が主導しています。このことは、わが国の産業構
造が他の主要国と同じように第3次産業化しつつあることを示唆しているよ
うに思われます(図表 14)。
この点を考慮すると、今後は、主たる設備投資の担い手は、製造業から非
製造業に次第に変化していく可能性があると思われます。設備投資による生
産性向上の度合いを高める観点からは、医療・介護、あるいは6次産業化に
取り組もうとしている農業など非製造業分野における規制緩和が重要となっ
てくるでしょう。
また、第3次産業の舞台である都市を整備することも重要です。都市再生
はリーディングセクターとなる産業の揺りかごを用意することにつながりま
す。都市再生にかかわる容積率規制や土地利用規制の緩和が、成長戦略とし
ても重要な課題になるでしょう。
したがって、このような成長戦略が採用されるのであれば、「量的・質的金
融緩和」の効果はさらに大きくなる可能性があるものと思われます。
ただし、このことは、成長戦略がなければ2%の物価安定目標を達成でき
ない、ということを意味するものではありません。日本銀行は2%の物価安
定目標を達成するための強力な手段を持っているからです。ここで申し上げ
たいことは、成長戦略が成功すれば、同じ2%のインフレの下でも、より高
い実質成長率が達成される、ということです。
(8)労働需給の改善と雇用者所得の増加
ともあれ、消費・投資・輸出・公共投資の各チャネルにおける需要の増加9
を受けて、今年第1四半期と第2四半期の実質国内総生産は、年率でそれぞ
れ 4.1%および 3.8%という高い伸びを示しました。第2四半期の成長(前期
比 0.9%)への寄与度は、家計の消費支出と輸出がそれぞれ 0.4%ずつ、企業
の設備投資と公共投資がそれぞれ 0.2%ずつとなっています。
こうした状況の下、失業率は7月には3%台後半まで低下し、有効求人倍
率も1に迫っており(8月は 0.95 倍)、労働需給は労働者に有利な方向に変
化しています(図表 15)。なお、8月の失業率は 4.1%と7月よりも上昇しま
したが、これは雇用環境の改善を背景に労働市場への参入が増加したり、よ
りよい職を求めて自発的に離職した人が増えたりしたためです。したがって、
失業率の上昇は一時的現象と考えられます。9月の日銀短観でも、最近につ
いても先行きについても雇用人員判断は不足超となっており、労働需給がタ
イト化していることがうかがえます。
賃金についても、所定内給与こそまだ増加に転じてはいませんが、雇用者
数が増える一方で、時間外手当とボーナスが増えたため、雇用者全体の所得
は増えています(図表 16・17)。労働需給がタイト化していますから、今後
は、賃金の一層の上昇が期待されます。
所得が増えると消費が増え、消費が増えると労働需給が改善して雇用所得
が増え、それがさらに消費を増やすという好循環が生じてきます(図表 18)。
(9)消費者物価の動向
物価の動向をみると、円安によって輸入製品やエネルギーの価格が上昇す
るだけでなく、堅調な消費を背景に、これまで下がり続けてきた耐久消費財
などの価格下落幅も縮小し始めました。その結果、7月と8月の消費者物価
指数(除く生鮮食品)の前年比は、それぞれ 0.7%と 0.8%の上昇となってい
ます。食料とエネルギーを除いたベースでみても、7月と8月の上昇率はと
もにマイナス 0.1%と、今年の2月以降は下落率の縮小傾向にあります(図
表 19)。こうした最近の消費者物価の動きには、需給ギャップの縮小も寄与10
しています(図表 20)。
このように、実際に消費者物価が上昇し始めると、家計や企業によるイン
フレ予想が強まるため、これまで述べたような消費や設備投資の増加が加速
されます。また、実際のインフレ率の上昇は、予想インフレ率の上昇を通じ
て、フィリップス曲線を上方にシフトさせることになります(図表 21)。
以上でご説明したような各種のデータから、日本経済は長いデフレから抜
け出す過程にあり、景気は緩やかに回復していると判断されます。
今後も2%の物価安定目標の安定的な達成に向けた「量的・質的金融緩和」
を継続していくことにより、景気回復の足取りはよりしっかりしたものにな
り、賃金の上昇を伴った2%程度のインフレが実現し、15 年近く続いたデフ
レからの脱却が可能になると考えています。
4.超過準備とインフレ
ここで、やや視点を変えて、私たちの政策に対するひとつの批判、具体的
には、「日本銀行がマネタリーベースを大量に供給しても、銀行の超過準備が
積み上げるだけで貨幣が増えないから、インフレにはならない」という主張
――いわゆる「超過準備豚積み説」――の妥当性について触れておきたいと
思います。
まず、現実に起こったことをみてみますと、2006 年 3 月 9 日の日銀による
量的緩和解除は、わが国の国債市場から観察される予想インフレ率の低下を
もたらしました(図表 22)。
また、最近の米国でも、今年 5 月 22 日に行われた FRB 議長の議会証言によ
って、量的緩和が近い将来に縮小される――より正確には、超過準備の増加
ペースが抑制されるというだけのことなのですが――との予想が生まれた結
果、名目金利の上昇、予想インフレ率の低下、予想実質金利の上昇が発生し
ました。逆に、今年 9 月 18 日の連邦公開市場委員会(FOMC)による量的緩和
継続の決定は、名目金利の低下、予想インフレ率の上昇、予想実質金利の低11
下をもたらしたのです(図表 23)。
なぜこのようなことが起こるのでしょうか。それは、市場参加者が、マネ
タリーベースや超過準備の動向から中央銀行の金融政策レジームを判断し、
将来の貨幣ストックや将来の金利およびインフレ率を予想するからです。
金利や予想インフレ率に影響するのは、中央銀行の金融政策レジームと、
そのレジームを前提とした市場参加者の将来の貨幣ストックの予想であって、
現在の貨幣ストックではありません。この意味で、「現在の貨幣ストックと物
価との間に一対一の関係が成り立つ」という、素朴な貨幣数量説は現実に妥
当しないでしょう。しかし、将来の貨幣ストックの経路に関する予想と予想
インフレ率の間には密接な関係があり、そうして形成される予想インフレ率
が現在のインフレ率を決定するのです。
5.リスク要因と金融政策
最後に、「量的・質的金融緩和」の効果を阻害するリスク要因について、簡
単に触れておきたいと思います。
下押しリスクとして主に想定されるのは、海外の要因です。
ユーロ圏については、今年第2四半期にようやくマイナス成長から脱出し
た段階です。財政、金融および実体経済の三者間での負の相乗作用を遮断す
る制度が十分にできていないため、周辺国に端を発する市場環境の悪化等を
きっかけに、ユーロ圏の景気が下振れし、日本からの輸出が減尐する要因と
なる可能性も排除できません。
米国については、下押しリスクは低下しているものの、連邦政府の財政政
策に関する不確実性は、米国の経済成長にとって重大な制約かつダウンサイ
ドリスクの要因であり続けると思われます。債務上限規制の行方や緊縮的な
財政政策の影響は不確実であり、今後の動向次第では金融市場および実体経
済にとって追加的な下振れ要因となる可能性があります。
新興国についても、90 年代後半のアジア金融危機のようなことが起こるリ12
スクは小さいと思いますが、脆弱な経済構造を抱える国々を中心として、米
国の量的緩和縮小観測などをきっかけに、資本の流出が通貨と株価の下落を
誘発し、金融環境の悪化が成長の鈍化につながるというシナリオは、一応念
頭に置いておかねばなりません。
中国の経済成長が今後どのような過程をたどるかということも、注視すべ
き要素のひとつです。
6.おわりに
金融緩和政策は国債、株式、外国為替のような資産市場には直ちに影響を
及ぼしますが、生産、雇用、物価および賃金などの実体経済に及ぼすまでに
はかなりの時間がかかります。日本銀行が「量的・質的金融緩和」を採用し
てからまだ6か月余りしかたっていないことを考慮すると、むしろ、実体経
済への影響は従来よりも早く現れたといえます。それはおそらく、昨年 11
月中旬にアベノミクス構想が発表され、そのころからすでに「次元の異なる
大胆な金融緩和政策」が期待され、投資家をはじめとする人々がその大胆な
金融政策への転換を織り込んで行動し始めたためであると思います。つまり、
「量的・質的金融緩和」の効果はすでに昨年 11 月中旬から始まっていたとい
うことです。実際に、昨年 11 月中旬から株高・円安の動きが始まっています。
そのように考えると、現在時点で、異次元の金融緩和の実質的な継続期間
はすでに 11 か月になりますから、実体経済への影響が現在程度の規模になる
のは自然なことです。
これまで、日本経済は日本銀行が想定している経路に沿って順調に回復し
てきましたが、金融緩和政策の実体経済への影響の遅れを考慮すると、「量
的・質的金融緩和」が実体経済に本格的な良い影響を及ぼし始めるのは、い
よいよこれからです。
海外要因など下振れリスクは存在しますが、「量的・質的金融緩和」を継続
していくことにより、2年程度で 15 年近く続いたデフレから脱却し、賃金の13
上昇を伴った2%の物価安定目標を達成できると考えます。
以 上 「量的・質的金融緩和」の
目的とその達成のメカニズム
中央大学経済研究所創立50周年
記念公開講演会における講演
日本銀行 副総裁
岩田規久男インフレ予想 図表1
▽消費者動向調査(1年後の予想インフレ率) ▽ESPフォーキャスト調査
▽生活意識アンケート調査
(資料)内閣府 (資料)日本経済研究センター
(資料)日本銀行
18.8
17.3
10.4
64.2
62.9
63.8
14.1
15.2
21.4
2.0
3.2
3.3
0.4
0.7
0.6
2013/ 9月
2013/ 6月
2013/ 3月
(%)
[かなり [かなり下がる]
上がる]
[少し
上がる] [ほとんど変わらない] [少し下がる]
2013年度 2014年度 2015年度
13/2月調査 0.17 2.45 ―
3月調査 0.25 2.47 ―
4月調査 0.27 2.47 ―
5月調査 0.32 2.61 ―
6月調査 0.33 2.70 <1.00>
7月調査 0.36 2.71 <0.95>
8月調査 0.43 2.73 <0.97>
9月調査 0.52 2.75 <1.03>
2.78 1.60
<0.76> <0.91>
10月調査 0.59
(注)< >内は消費税率引上げの影響を除くベース。
0
25
50
75
100
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
4.0
05 06 07 08 09 10 11 12 13
1年後の予想物価
上昇率(加重平均)
D.I.(「上昇する」
−「低下する」、
右目盛)
(前年比、%) (%ポイント)
年名目・実質金利と予想インフレ率 図表2
(資料)ブルームバーグ
-1.5
-1.0
-0.5
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月
名目金利(5年)
5年物BEI(ブレーク・イーブン・インフレ率)
予想実質金利(5年)
(%)
12年 13年株価と円ドルレート 図表3
(資料)ブルームバーグ
8,000
9,000
10,000
11,000
12,000
13,000
14,000
15,000
16,000
70
75
80
85
90
95
100
105
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月
円ドルレート
日経平均株価(右軸)
(円) (円)
12年 13年家計の金融資産 図表4
9月末 12月末 3月末 6月末 9月末 12月末 3月末 6月末
1,486 1,500 1,517 1,514 1,509 1,544 1,568 1,590
金融資産計 0.6 ▲ 0.1 1.1 0.2 1.5 2.9 3.4 5.0 1,590 (100.0)
現金・預金 1.9 2.0 2.2 1.8 1.9 2.0 1.7 2.0 860 ( 54.1)
債券 ▲12.6 ▲12.0 ▲ 8.4 ▲ 7.9 ▲ 8.7 ▲ 9.3 ▲ 8.0 ▲ 9.0 31 ( 2.0)
投資信託 ▲ 7.0 ▲10.7 ▲ 4.9 ▲11.3 2.0 13.3 20.1 29.0 72 ( 4.5)
株式・出資金 6.8 ▲ 6.3 0.9 ▲ 5.4 ▲ 1.4 11.3 15.1 31.4 129 ( 8.1)
保険・年金準備金 ▲ 0.1 0.2 0.9 1.1 1.8 2.5 2.4 2.6 434 ( 27.3)
その他 ▲ 4.3 ▲ 2.1 ▲ 0.4 ▲ 1.0 3.6 4.0 3.6 6.3 65 ( 4.1)
2013年6月末
残高(兆円)
(構成比(%))
前
年
比
( %
)
残高(兆円)
2011年 2012年 2013年
(資料)日本銀行「資金循環統計」消費者マインド 図表5
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月
(季調済)
12年 13年
(注)計数の不連続は、2013年4月に調査方法の変更が行われたことによる。
(資料)内閣府財貨・サービスの輸出 図表6
2012年 2013年
4-6月 7-9月 10-12月 1-3月 4-6月
-0.2 -4.5 -2.7 4.0 3.0
(資料)内閣府「国民経済計算」
(前期比<%>、季調済)訪日外国人数 図表7
0
2
4
6
8
10
12
0 0 0 1 0 2 0 3 0 4 0 5 0 6 0 7 0 8 0 9 1 0 1 1 1 2 1 3
(季調済年率換算値、百万人)
年
(資料)日本政府観光局(JNTO)民間非金融法人の金融資産 図表8
9月末 12月末 3月末 6月末 9月末 12月末 3月末 6月末
743 764 811 760 763 785 841 845
金融資産計 1.8 0.1 3.9 0.8 2.7 2.6 3.6 11.2 845 (100.0)
現金・預金 2.9 3.9 2.4 2.7 4.8 3.5 5.4 6.9 220 (26.0)
株式以外の証券 2.1 ▲ 0.6 ▲ 0.6 ▲ 4.7 ▲ 8.8 ▲ 7.7 ▲19.0 ▲ 0.0 34 ( 4.0)
株式・出資金 11.9 ▲ 5.7 ▲ 0.0 ▲ 6.2 ▲ 1.5 8.0 20.1 40.0 184 (21.7)
企業間・貿易信用 ▲ 3.3 ▲ 2.5 4.3 ▲ 1.0 ▲ 1.8 ▲ 6.8 ▲ 8.0 ▲ 1.7 192 (22.7)
対外直接投資 5.9 11.9 20.2 14.9 22.6 23.7 22.0 36.6 60 ( 7.1)
対外証券投資 1.9 4.4 11.4 18.0 15.9 9.1 ▲ 3.8 ▲11.2 46 ( 5.4)
その他 ▲ 3.5 0.3 4.1 ▲ 0.5 3.7 6.6 6.3 11.8 111 (13.1)
前
年
比
(
%
)
2013年6月末
残高(兆円)
(構成比(%))
残高 (兆円)
2011年 2012年 2013年
(資料)日本銀行「資金循環統計」株価と設備投資 図表9
6,000
8,000
10,000
12,000
14,000
16,000
18,000
20,000
60 62 64 66 68 70 72 74 76 78 80
民間企業設備投資
日経平均株価
(前期末)
(円)
(兆円)
(資料)内閣府「国民経済計算」、ブルームバーグ
(期間)2004年第1四半期〜2013年第2四半期売上高経常利益率 図表10
2012年 2013年
4-6月 7-9月 10-12月 1-3月 4-6月
全産業 全規模 3.75 3.77 4.01 4.28 4.70
製造業
大企業 3.79 4.24 5.06 5.97 7.39
中堅中小企業 3.65 3.35 3.22 4.18 3.79
非製造業
大企業 4.52 5.46 5.15 5.13 5.88
中堅中小企業 3.33 3.01 3.07 3.13 2.97
(資料)財務省「法人企業統計季報」
(季調済、%)企業マインド 図表11
-90
-75
-60
-45
-30
-15
0
15
30
45
60
07 年 08 09 10 11 12 13
QUICK/QUICK短観
ロイター/ロイター短観
(D.I.)
-60
-40
-20
0
20
40
60
07 年 08 09 10 11 12 13
QUICK/QUICK短観
ロイター/ロイター短観
(D.I.)
-60
-50
-40
-30
-20
-10
0
10
20
20
25
30
35
40
45
50
55
60
07 年 08 09 10 11 12 13
商工中金/中小企業月次景況観測(左目盛)
日本公庫/全国小企業月次動向調査(右目盛)
(D.I.) (D.I.)
(1)製造業・大企業 (2)製造業・中小企業 (3)非製造業・大企業
(4)非製造業・中小企業 (5)全産業 <参考>景気ウォッチャー調査
(注)D.I.は「良い」「好転」「増加」または「黒字」の割合から「悪い」「悪化」「減少」「赤字」の割合を引いたもの。
(資料)QUICK「QUICK短観」、Thomson Reuters「ロイター短観」、帝国データバンク、日本商工会議所、日本政策金融公庫、商工中金、内閣府
0
10
20
30
40
50
60
70
07 年 08 09 10 11 12 13
合計
企業動向関連(製造業)
企業動向関連(非製造業)
(D.I.、原系列)
先行き
10
15
20
25
30
35
40
45
50
55
60
07年 08 09 10 11 12 13
帝国データバンク/景気動向調査(大企業)
帝国データバンク/景気動向調査(中小企業)
(D.I.)
-80
-60
-40
-20
0
20
40
10
20
30
40
50
60
70
07年 08 09 10 11 12 13
商工中金/中小企業月次景況観測(左目盛)
日本公庫/全国小企業月次動向調査(右目盛)
日本商工会議所/早期景気観測(右目盛)
(D.I.) (D.I.)設備投資 図表12
2012年 2013年
4-6月 7-9月 10-12月 1-3月 4-6月
-0.7 -3.2 -1.2 -0.0 1.3
▽ 民間企業設備投資
2012年 2013年
4-6月 7-9月 10-12月 1-3月 4-6月
全産業 -3.6 -2.4 0.6 0.3 2.9
製造業 -2.3 -4.1 -3.7 -0.9 -0.6
非製造業 -4.3 -1.5 3.1 0.9 4.7
▽ 法人企業統計・設備投資
(前期比<%>、季調済)
(資料)内閣府「国民経済計算」
(前期比<%>、季調済)
(資料)財務省「法人企業統計」製造業大企業 製造業中堅中小企業
非製造業大企業 非製造業中堅中小企業
(資料)財務省「法人企業統計」
設備投資とキャッシュフロー 図表13
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
4.0
4.5
5.0
0 5 年 0 6 0 7 0 8 0 9 1 0 1 1 1 2 1 3
設備投資 キャッシュ・フロー
(季調済、兆円)
2.5
3.0
3.5
4.0
4.5
5.0
5.5
6.0
6.5
0 5 年 0 6 0 7 0 8 0 9 1 0 1 1 1 2 1 3
(季調済、兆円)
0.6
0.8
1.0
1.2
1.4
1.6
1.8
2.0
2.2
2.4
0 5 年 0 6 0 7 0 8 0 9 1 0 1 1 1 2 1 3
(季調済、兆円)
2.0
2.5
3.0
3.5
4.0
4.5
5.0
5.5
6.0
0 5 年 0 6 0 7 0 8 0 9 1 0 1 1 1 2 1 3
(季調済、兆円)(資料)経済産業省
生産と産業活動 図表14
88
90
92
94
96
98
100
102
104
106
108
75
80
85
90
95
100
105
110
115
120
125
0 7 0 8 0 9 1 0 1 1 1 2 1 3
鉱工業生産指数(左目盛)
第3次産業活動指数(右目盛)
(季節調整済、2010年=100) (季節調整済、2010年=100)
年労働需給 図表15
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2
3.0
4.0
5.0
6.0
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13
完全失業率
有効求人倍率(右目盛)
(季調済、%) (季調済、倍)
年
(資料)総務省「労働力調査」、厚生労働省「職業安定業務統計」個人消費
(前年比、%)
(資料)内閣府「国民経済計算」、厚生労働省「毎月勤労統計」
所得
個人消費と所得 図表16
95
97
99
101
103
105
0 8 0 9 1 0 1 1 1 2 1 3
民間最終消費支出(GDPベース、実質)
(季節調整済、2010年=100)
年
12年
7-9月
10-12
月
13年
1-3月 4-6月 7月 8月
(速報)
名目賃金
(W) -0.7 -1.1 -0.6 0.3 -0.1 -0.6
所定内給与 -0.4 -0.2 -0.7 -0.4 -0.9 -0.4
所定外給与 1.3 -1.2 -1.9 0.6 2.5 3.1
特別給与 -3.7 -3.0 9.6 2.4 1.4 -9.4
常用労働者数
(L) 0.6 0.7 0.5 0.7 0.9 0.8
雇用者所得
(W×L) -0.1 -0.4 -0.0 0.9 0.8 0.2実質雇用者報酬 図表17
2012年 2013年
4-6月 7-9月 10-12月 1-3月 4-6月
-0.3 0.7 -0.4 0.7 0.5
(前期比<%>、季調済)
(資料)内閣府「国民経済計算」消費と所得の好循環 図表18
-8.0
-6.0
-4.0
-2.0
0.0
2.0
4.0
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 年
(前年比、%)
(資料)総務省「労働力調査」、厚生労働省「毎月勤労統計」
90
92
94
96
98
100
102
104
106
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 年
(季節調整済, 2010年=100)
(資料)内閣府「国民経済計算」
▽民間最終消費支出
▽雇用者所得消費者物価 図表19
-1.0
-0.8
-0.6
-0.4
-0.2
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月
総合(除く生鮮食品)
総合(除く食料およびエネルギー)
12年 13年
(前年比、%)
(資料)総務省「消費者物価指数」(注)1. シャドー期間は景気後退局面。
2. 消費者物価指数の前年比は、消費税調整済み。2013/3Qは7-8月の値。
3. 需給ギャップは、日本銀行調査統計局の試算値。
(資料)総務省、内閣府等
消費者物価と需給ギャップ 図表20
-10
-8
-6
-4
-2
0
2
4
6
8
10
-4
-3
-2
-1
0
1
2
3
4
83 85 87 89 91 93 95 97 99 01 03 05 07 09 11 13
消費者物価指数(総合<除く生鮮食品>、左目盛)
需給ギャップ(2四半期先行、右目盛)
(前年比、%) (%)
年物価上昇率
2.0%
需給ギャップ
フィリップス曲線の
上方シフト
フィリップス曲線の上方シフト 図表21超過準備とインフレ予想(日本) 図表22
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2
1月 3月 5月 7月 9月 11月 1月 3月 5月 7月 9月 11月 1月 3月 5月 7月 9月 11月
0
5
10
15
20
25
超過準備<右目盛>
予想インフレ率(最長物BEI)
量的緩和解除決定
(2006年3月9日)
(%) (兆円)
(資料)日本銀行、ブルームバーグ
05年 06年 07年超過準備とインフレ予想(米国) 図表23
1.4
1.5
1.6
1.7
1.8
1.9
2.0
2.1
2.2
2.3
-1.0
0.0
1.0
2.0
3.0
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月
名目金利(10年物国債)
予想実質金利(10年物国債)
BEI(10年物)
超過準備<右目盛>
(%) (兆ドル)
13年
FRB議長議会証言
(資産買入縮小発言)
<5月22日>
資産買入ペースの継続
<9月18日FOMC>
(資料)FRB、ブルームバーグ http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2013/data/ko131018a1.pdf
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