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物価目標達成難しいなら対策=岩田日銀副総裁 混乱が一段落した後に考えること〜アベノミクスの様変わり
http://www.asyura2.com/13/hasan83/msg/298.html
投稿者 SRI 日時 2013 年 10 月 19 日 01:12:10: rUXLhToetCnYE
 

物価目標達成難しいなら対策=岩田日銀副総裁 2時間前 | Reuters

[東京 18日 ロイター] - 日銀の岩田規久男副総裁は18日都内の中央大学で講演し、「日本経済は日銀の想定する方向で動いている」としつつ、米中経済など海外要因の下振れリスクがあると指摘。中長期的に2%の物価目標の達成が難しいと判断すれば「なんらかの対策を打つ」とし、その場合「政策手段の余地はある」と、追加緩和を辞さない姿勢を明確にした。

<消費者物価指数は上方バイアス、1%でもデフレの可能性>

岩田副総裁は主として学生を対象に講演。大半を4月4日に始めた異次元緩和の説明と展望に費やし、「日本経済は日銀が想定している方向に動いている」とするなど、大胆な金融緩和が円安・株価・不動産価格上昇を通じて経済の好循環を作り出しているメカニズムを詳述した。

2%の物価目標を掲げている理由について、消費者物価指数は5年に一度しか改定されず「実際より高く現れる」ため、「消費者物価指数が1%でもデフレの可能性があるため」と説明した。

<2年で達成と約束、「後には引けない」>

日銀が掲げている2%の物価目標を「安定的に達成できるまでは金融緩和の程度を緩めない」と強調。「できるだけ2年で達成すると約束した。後には引けない」と述べた。

一方、「金融政策が実体経済に影響を与えるには半年から1年半を要する」とし、現在は安倍晋三首相が大胆な金融緩和姿勢を打ち出した昨年11月からの好影響が出ていると解釈。日銀が巨額の国債買入れを始めた4月の異次元緩和の効果は「今後現れてくる」と説明。「所定内賃金や設備投資の回復が遅いとの指摘は時期尚早」との見解を述べた。

<4月想定より米中など世界経済悪化>

さらに「今の金融政策が不十分になるならば、海外要因が大きく、政策手段に余地はある」と明言。「今後のリスク要因は世界経済」とし国際通貨基金(IMF)がこのほど新興国を中心に世界経済の見通しを引き下げた点に触れた。

講演後の質疑応答でも「4月時点では戦力の逐次投入を行わないとしていた」点を指摘され、「その当時の想定よりも世界経済は悪くなっている」と答えた。「米国経済もぐらぐらしており、中国経済も7%程度に成長率が落ちるとの見方もある」とし、「その中で消費税(増税)が実施され少し心配」、「世界経済に下方圧力がある」と述べた。

もっとも消費増税の影響緩和のため政府が決めた5兆円規模の経済対策が「世界経済による下押しの影響をある程度緩和する」とし、現時点で日銀の見通しに大きな変更がない点を強調した。

<米財政・金融政策の方向明確化ならBEIは再上昇>

講演では金融政策のもっとも重要な効果は人々の期待インフレ率を引き上げることで実質金利を引き下げることと強調。内閣府の消費動向調査や日銀の生活意識アンケート調査で人々の物価見通しが上昇している点を挙げた。一方、日本経済研究センターによる民間エコノミストの物価見通しが大きくは上昇していない点に触れ、「民間エコノミストの物価予想は、(足元の水準に引っ張られる)惰性が働いている気がする」との見方を示した。

物価連動国債と通常の国債の利回り差から投資家のインフレ予想を示すBEI(ブレーク・イーブン・インフレ率)が、5月にピークを付け、一進一退の動きを示している点について、岩田副総裁は「米財政・金融政策の先行き不透明が原因」と解釈。今後、米財政・金融政策の方向性が明確になれば「再び上昇する」との見解を述べた。

今回の景気回復は従来と異なり「個人消費がけん引役」と指摘。設備投資も非製造業などが引っ張っていると指摘、「日本の産業構造が変化しつつある可能性もある」との見方を示した。もっとも、「日本の非製造業は諸外国と比較して生産性が低く、規制緩和が重要」と強調した。(ロイターニュース:竹本能文 編集 内田慎一)
http://t.topics.jp.msn.com/t/news/economy/%e7%89%a9%e4%be%a1%e7%9b%ae%e6%a8%99%e9%81%94%e6%88%90%e9%9b%a3%e3%81%97%e3%81%84%e3%81%aa%e3%82%89%e5%af%be%e7%ad%96%ef%bc%9d%e5%b2%a9%e7%94%b0%e6%97%a5%e9%8a%80%e5%89%af%e7%b7%8f%e8%a3%81-3



2013年10月18日
混乱が一段落した後に考えること〜アベノミクスの様変わり〜

来週の重要経済指標、主要企業決算についてPDF版のレポートで解説しています


今週、米国の債務上限問題を巡る混乱もとりあえず落ち着き、米国市場では17日(木)S&P500が再び高値を更新している。一連の政治ショーを冷静に見定めて、相場急落のタイミングをとらえてリスクテイクをできた投資家が投資リターンを高めることに成功したということだろう。

一方で、この米国政治発の混乱に起因する目先の思惑でマーケットは揺れ動いてきた。このため、経済状況などファンダメンタルズと異なる値動きが、マーケットで起きている可能性がある。17日に、米国株は底堅く高値を更新する格好で上昇したが、一方で米国金利が大きく低下、為替市場でドル安、原油など商品市況は調整している(グラフ参照)。

10月15日レポートで紹介したが、米国の債務上限問題は下値でリスクをテイクする材料と割り切った方が無難だろう。株高の持続をもたらすには、経済状況の一段の改善という別の材料が必要とみる。一方、米国の経済指標は夏場まで絶好調だったが、改善一服を示す指標が散見されている。そして債務上限問題一色だった今週、あまり注目されなかったが10月分の製造業や住宅業界の景況感指数は、いずれも9月から低下している。

FRBによるQE3縮小が先送りされる公算が高まり、金融緩和により景気・株価を押し上げるという過去2,3年同様の年末にかけてのパターンも想定できる。ただ、米国では、政府機関閉鎖の悪影響もあり、足元で米国の景気指標に変調の兆しがみられる。来週から、米経済指標(9月分)発表が再開されるが、10月分の先行指標の動きを踏まえると、経済指標が市場予想を下回るリスクがある。今は、米国を中心に経済状況の方向を慎重に見定め、投資判断を行いたい局面である。

そして、目先の思惑から離れて、現在そして今後の経済状況への冷静な視点が重要になっているのは、日本のマーケットでも同様である。

思い出して頂きたいのは、2012年11月半ばからの、歴史的な株高と超円高の修正は、経済正常化と脱デフレを最優先に掲げるアベノミクス発動で実現したことだ。その成功で、2013年前半の日本経済の高成長、デフレ圧力緩和や失業率改善が実現し、今なお実体経済の回復は続いている。「脱デフレに向けた経済政策のパラダイムシフト」であるアベノミクスについて、批判や雑音を含めていろいろな見方があったが、当初から高く評価していた筆者にとっては、ほぼ想定していた通りのことがこれまで起きた。

ただ、経済正常化と脱デフレを最優先課題に掲げ、金融・財政政策ともにアクセル全開だったアベノミクスは、消費増税を含めた大規模な緊縮政策というブレーキが踏まれるなど、変わりつつある。一方で、財政政策の大きな変更が、脱デフレの途上にある日本経済に対して及ぼす影響(10月4日レポート参照)を懸念する見方は、メディアなどではあまり見かけない。

第1の矢(金融緩和強化)を軸に、日本経済の病巣であるデフレの克服に本当に動き出したから、アベノミクスはマーケットと経済の景色を変えた。ただ、現在のインフレ率や失業率の水準などを踏まえると、デフレ圧力は和らいでいるが、圧倒的に「総需要が総供給を下回る」状況は依然続いているとみられる。

総需要と総供給が時間とともに、どのように動くのかについて、イメージ図を作成した。この筆者の見方が妥当なら、なお日本経済にとって必要なのは、消費や民間企業の投資(総需要)を増やすことだ。そして総需要の変動によって、経済成長率や企業業績そして株価の方向がほぼ規定される。

実際には、消費増税という「財政政策の転換」で総需要の抑制を始め、その一方で「第3の矢」である成長戦略を軸とした経済政策運営に変わりつつある。「成長戦略」とは名前の響きは良いが、これに伴う具体策をみると首をかしげたくなるメニューが多い。仮に、メニューが妥当なものだけが実現しても、その多くのメニューは総需要ではなく、総供給をゆっくりと底上げするだけである。

先のイメージ図が示すように、現状は総需要の回復が始まったばかりで、依然「総需要<総供給」という大きな「マイナスの需給ギャップ」が深刻なままである。望ましい成長戦略が仮に実現しても、それは、他国のように+2%前後のインフレが実現する正常な経済状況となり、総需要と総供給の均衡が概ね保たれる(マイナスの需給ギャップがなくなる)状況に近づいて初めて、経済を押し上げる効果が現れる。その状況に至るには、まだ更なる総需要の回復と時間が必要なのである。

言い換えると、「第1の矢」が脱デフレの起爆剤となり、「第2の矢」が需要回復をサポートし、脱デフレが実現する。その後にようやく「第3の矢」は効果を発揮するということである。

もちろん、規制緩和の実現などには時間がかかるので、「脱デフレ後」を見据えた政策に取り組んでいるという面はあるのかもしれない。しかし、日本経済は、依然、病巣であるデフレを克服する途上にある段階にある。こうした中で、「第2の矢」である財政政策において時期尚早に急ブレーキを踏み、脱デフレの動きが一旦止まる恐れがある。そうしたリスクがある中で、耳障りは良いが、今の経済状況で優先順位が高いわけではない、「成長戦略」に政策の軸が移ってしまった。アベノミクスが成功するか微妙になっている。

以上のように、最近の状況を残念に感じている筆者は、日本経済とマーケットそしてアベノミクスに対して、かつてのように楽観的ではない。少なくとも、来年にかけて脱デフレの動きが止まり、経済状況やマーケットは、米国を中心とした海外経済次第で大きく変わる状況に逆戻りすると予想している。2013年前半までと全く異なる今後の経済状況を想定して、冷静な投資判断をお勧めしたい。

http://www.monex.co.jp/Etc/00000000/guest/G903/er/economic.htm  

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コメント
 
01. 2013年10月19日 08:38:59 : YH9pFgl3YU
「状況が想定より悪化した」」というのは無責任官僚の常套句ですな。

空港や娯楽施設などのハコモノを作る時、実態よりも極度に楽観的な予想を立て、
開業してみたら閑古鳥で大赤字。そしてこの常套句。

国民もいいかげん学習したらいいだろうと思うけど、地方の場合はそういうのでしか
まとまったカネが落ちてこないから、判ってても止められないんだろうね。
麻薬的公共投資の悪循環。どうせやるなら最初から投入した税金は返ってこない
ことを前提に予算化すればいいのよ。

ヨーロッパの交通機関には多額の税金が補助金として投入されているよ。
だから高水準のサービスを維持できている。
日本の場合は「独立採算」にこだわりすぎてインフラがどんどん退化している。


02. 2013年10月20日 00:55:30 : ArLVW38Mhw
『2%の物価目標を掲げている理由について、消費者物価指数は5年に一度しか改定されず「実際より高く現れる」ため、「消費者物価指数が1%でもデフレの可能性があるため」と説明した。』

そもそも物価目標の重要な指標としている「消費者物価指数」が定期的に改定されなければならないのはなぜか。しかも改定の頻度が少ないから「実際より高く現れる」ということは、こまめに改定しなければ正確な物価指数を反映できないということである。このような極めて不正確かつ曖昧な「指標」をもって日銀は「物価目標」なるものを掲げ、自国通貨価値を破壊し続けている。日本より一足先に異常緩和を始めたアメリカを見よ。生活者は公式発表の指数以上に物価の上昇を実感しているのに、実体経済は一向に上向かず、財政は火の車。政府・中銀は自ら信じて疑わないリフレジャブジャブ政策が思ったより実体経済に効果を及ぼさないので(株価等の資産価値や金利以外)、自らの理論・政策の過ちを認める変わりに、基準となる指標をあれこれと恣意的に、都合の良いように解釈し、「経済効果はあるが、十分ではない(効果が出るまで時間がかかる)」として、引き続き異常な金融緩和を継続(ひどければ追加)していくことになるのである。おそらく完全なる破綻か、その到来が誰の目にも明らかになるまで、このような異常政策が続くであろう。


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