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(回答先: 1,000倍の充電速度と1/30のサイズ、新バッテリー技術登場・・出力と蓄電容量の逆相関化!米イリノイ大が! 投稿者 墨染 日時 2013 年 4 月 25 日 09:38:10)
NEDO海外レポート NO.1075, 2011.7.13
http://www.nedo.go.jp/content/100156331.pdf
(資料.5-1)
<資料5. の関連詳細資料> 【再生可能エネルギー】 充放電 薄膜バッテリー 3Dナノ構造仮訳
エネルギー蓄積量を保ちつつ超急速充電を実現する新構造(米国)
マテリアルサイエンス教授のPaul Braun 氏(中央)、研究グループ大学院生
Xindi Yu 氏(左)、ポスドク研究員のHuigang Zhang 氏は、バッテリーカソードに用いる3D ナノ構造を開発した。
これにより、エネルギー蓄積量を低減することなく、飛躍的に急速な充放電ができるようになる。
写真提供:Brian Stauffer
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イリノイ大学のPaul Braun 教授の研究室で開発されているバッテリーは、一見、通常のバッテリーのように見えるが、その中には驚くべき機能が詰まっている。
Braun 教授の研究グループは、エネルギー蓄積量を低減することなく、飛躍的に急速な充放電を実現する3D ナノ構造を開発した。同研究グループの研究成果は、3 月20 日のNature Nanotechnology 誌ウェブ版に公開されている。
急速充電が可能な家庭用電化製品とは別に、多くの電力を蓄積でき、急速に充放電できるバッテリーは、電気自動車、医療機器、レーザー機器、軍事機器にとって望ましいものである。
マテリアルサイエンスとエンジニアリングを専門とするBraun 教授は、こう述べる。「我々が開発したこのシステムは、バッテリーのようなエネルギー量を、キャパシタのようなパワーで供給できるのだ。ほとんどのキャパシタが蓄積できるエネルギー量はごくわずかだ。キャパシタは超急速放電が可能だが、大量のエネルギーを蓄積することはできない。一方、バッテリーの多くは、かなり多くのエネルギーを蓄積できるが、急速に充放電することはできない。我々が開発したこのバッテリーでは、その両方が可能なのだ」と言う。
典型的なリチウムイオン(Li-ion)充電池やニッケル水素(NiMH)充電池の場合、これらを急速に充放電すると、その性能が大幅に低下する。
バッテリーに含まれる活物質でできた薄膜を使用すると急速な充放電が可能になるが、活物質の量が不足し、エネルギーをほとんど蓄積できないため、エネルギー容量は、ほぼゼロにまで低下してしまう。Braun 教授の研究グループは、薄膜で包まれた3D 構造を作ることで、大容量の活物質と大電流密度の両方を達成した。同研究グループは、数秒で充放電できるバッテリー電極を実証した。この充放電速度は、バルク電極と同等のバッテリーより10〜100 倍速いが、従来の装置でこれを用いても、通常どおりの性能で機能する。
このような性能があれば、携帯電話は数秒で、ノートパソコンなら数分で充電できるほか、高出力レーザーや除細動器の電源を、そのパルス間隔で立ち上げられるようになると考えられている。
同教授は、電気自動車のバッテリー能力については特に楽観的である。電気自動車にバッテリーを応用するにあたり、その製品寿命と充電時間が主な制約となっている。バッテリーの走行可能距離が100 マイルで、充電に1 時間を要する場合、長距離走行時には、スタートとストップを繰り返す独自の走行スタイルとなる可能性がある。
「何時間もかけて電気自動車の充電を行わずとも、急速充電さえ可能になれば、ガソリンの給油にかかる時間と同等な時間で充電できる自動車を持てるかもしれない。5 分で充電ができるなら内燃機関エンジンの燃料供給と同じだと考え、人々は充電スタンドに行き、自動車を充電するだろう」と教授は述べる。
この研究グループが利用したプロセスはすべて、産業界で広く活用されており、この技術は大規模生産にもスケールアップできるものと期待される。この研究グループが開発した新しい3D 構造の重要な点は、自己組織化である。彼らはまず、微細な球体の表面をコーティングし、これらを密充填し、格子を形成させた。別の方法でこのような均一な格子を作るには多くの時間を要し、実現が難しいが、これらの球体は、低コストに自然配列する。
その後、同研究グループは、配列された球体間の隙間を金属で埋めた。これらの微細な球体が溶解すると、多孔性でスポンジ状の3D の金属の骨組みが残る。こうして、電解研磨法という処理により、その骨組みの表面にエッチング処理を施すことでこの孔を大きくし、オープン気孔を持つ骨組みを作る。最終的に研究者たちは、活物質薄膜(活性物質で出来た薄膜)でフレーム表面を覆った。
この研究成果は、小さな接続部を有する、相互につながった電極構造であり、これによりリチウムイオンが急速に移動できる。これは、この電極が、拡散速度の速い活物質を材料とした薄膜と、優れた電気伝導率を持つ金属骨組みで構成されているためである。
同研究グループは、NiMH バッテリーとリチウムイオンバッテリーの両方を実証したが、その構造は広く一般的に活用できるものある。このため、金属骨組みに蒸着可能なバッテリー材料であれば何でも利用できると考えられている。
イリノイ州のマテリアルリサーチ研究所注1とべックマン高等科学技術研究所注2にも席を置くBraun 教授はこう述べる。「我々が注目するのは、この構造が非常に万能である点だ。だから、誰かが現れてさらに優れたバッテリー化学を提示すれば、すぐにこのコンセプトを応用できるのだ。これは、非常に特殊なバッテリーと関係はないが、これはむしろ、プロパティを拡張するための3D バッテリーについて考えた新しい理論的枠組みなのだ」
米国陸軍研究所と米国エネルギー省(DOE)がこの研究を支援した。また、同教授によるこの研究論文注3は、客員研究員のHuigang Zhang 氏と、元院生のXindi Yu 氏とともに共同執筆されている。
翻訳:NEDO(担当 総務企画部 原田 玲子)
出典:本資料は、イリノイ大学(University of Illionois)の以下の記事を翻訳したもので
ある。”Batteries charge very quickly and retain capacity, thanks to new structure”
http://news.illinois.edu/news/11/0321batteries_PaulBraun.html
注1 マテリアルリサーチ研究所 http://mrl.illinois.edu/
注2 べックマン高等科学技術研究所 http://www.beckman.illinois.edu/index.aspx
注3 同研究論文入手サイト http://www.nature.com/nnano/journal/v6/n5/full/nnano.2011.38.html
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