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(回答先: 円安進行 中日の競合が激化:「量的緩和競争の責は米国とEU」と日本を擁護:円安の主要因はECB=ユーロ圏の政策 投稿者 あっしら 日時 2013 年 1 月 31 日 01:53:40)
● 「ユーロ銀行危機」で生じた円高ユーロ安の“巻き戻し”としての円安ユーロ高
寝ながら、円安要因の説明がキャリートレードに傾きすぎていると反省した。
昨年とくに強まった欧州勢の日本国債購入という経緯があるので、「弱含みで低金利の円よりも高金利もあるユーロが有利」という認識になれば、ことさら円を借りなくても、日本国債を売却した円資金でユーロを買う動きが強まり、円安に振れる。
● 日本企業は「円安ドル高」よりも「円安ユーロ高」が好条件
日本は円安好きのかたが多いようだが、国民経済の観点で言えば、円安は好ましいものではない。
国民経済的観点として言うなら、国内各層に無理なく経済的利益を還元できる円高のほうが望ましい。そして、そのような結果として、円高が是正され、円安傾向が生まれる。
このような循環こそが、本来的な経済成長の姿なのである。
そうは言いながらも、デフレから脱却する条件として、企業の荒利や売上が増大する円安状況は好ましいと考えている。
さらに言えば、日本経済の国際分業構造において悪影響が少ない「円安ユーロ高」はより好ましい。
なぜなら、原材料の輸入のみならず、アジア諸国との国際分業が深化している日本経済の場合、「円安ドル高」は悪しき影響があるからである。
海外の生産拠点が、輸入・輸出ともドル(米国)に強く影響されていれば、日本企業の取り引きがドル建てか円建てかを問わず、「円安ドル高」は悪しき影響がある。
ユーロが、輸出に与える影響が大きい一方で、輸入に与える影響が小さいことから、「「円安ユーロ高」は日本経済にとって好条件である。
※ 円建てだから、外国為替レートの影響を受けないという話ではない。円建てであっても、輸入側は、「円安ドル高」で有利と考え輸入量を増やし、「円高ドル安」で不利と考え輸入量を減らす。
輸出側の日本企業は、円建ての円高であれば受注量が減り、ドル建ての円高であれば利益が減ることになる。
● 円安傾向は続くのか
これまで何度も説明してきたが、外国為替レートは、長期的にはインフレ率の差、とりわけ輸出品目のインフレ率の差に規定されて決まる。
輸出品目のインフレ率の差ということから見れば、1ドル=80円という水準は決して過ぎた円高とは言えない。
このような論理から、日本経済のデフレ状況が続く限り、ほどなく“適正水準”(現在なら80円)に戻る。
リーマン・ショックの余韻が残っている世界では、02年から08年までのような“狂気的円トレード”が続くとは考えられない。
「ユーロ危機」で日本国債に向かったエネルギーが解消されれば、円安傾向は落ち着くと予測する。
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