http://www.asyura2.com/13/genpatu34/msg/376.html
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(回答先: 被ばく線量下げる努力すべき 浪江町長が井上環境副大臣に 投稿者 戦争とはこういう物 日時 2013 年 10 月 24 日 18:26:35)
問題点を指摘しつつも、なぜか「原発全廃は現実的でない」という国連科学委員会の報告。それに対して解りやすい反論をしているサイトがあったので貼り付けておきます。
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【緊急】国連科学委員会・UNSCEARに日本市民から反論する意見書(団体賛同募集) 2013-10-20 19:02:17
http://ameblo.jp/datsugenpatsu1208/entry-11644890979.html
・・・・・転送;拡散希望・・・・・・
国連科学委員会の福島報告書に対し、日本の市民社会として反論する意見書も準備しています。長いですけれど、貼り付けます。
連名で名を連ねていただける団体は、21日午後9時までに info@hrn.or.jp
宛「科学委員会に対する声明」というタイトルでご連絡くださいますよう! お願いします。
日本の市民社会は、国連科学委員会の福島報告の見直しを求める。
1 国連科学委員会報告への懸念
国連科学委員会は、現在開催中の68会期国連総会に対して提出する予定の報告書
において、福島第一原発による放射線被ばくの程度と影響に関する研究結果 を掲載している。
私たち、下記の日本を本拠とする市民団体は、上記国連科学委員会の調査結果が客観性・独立性・正確性において疑問があり、被ばくの過小評価が住民の保護や人権尊重に悪影響を及ぼしかねないことについて深刻な懸念を表明する。私たちは、同委員会および国連総会第四委員会に対し、慎重かつ十分な討議により、その内容が最も脆弱な立場の人々を保護する人権の視点から見直すことを要請する。
私たちが最も懸念する科学委員会の結論部分は以下のとおりである。
・「一般市民への被ばく量は、最初の1年目の被ばく量でも生涯被ばく量推計値でも、一般的に低いか、または非常に低い。被ばくした一般市民やその子孫において、放射線由来の健康影響の発症の識別し得る増加は予期されない。」(39パラ)、
・「委員会は、福島県の成人の平均生涯実効被ばく線量は10
mSv以下であり、最初の1年の被ばく量はその半分か3分の1であると推定する。リスクモデルによる推定は癌リスクの増加を示唆するが、放射線誘発性の癌は、現時点では、他の癌と区別がつかない。ゆえに、この集団における、事故による放射線被ばくのせいである癌発症率の識別し得る増加は予期されない。特に、甲状腺癌リスクの増加は、乳児と小児において推測される。」(40パラ)。
2 調査の独立性の欠如
そもそも、国連科学委員会は、福島原発事故後、原発事故周辺地域に公式の事実調査に訪れたことはない。
同委員会による放射性物質による汚染や公衆や作業員等の被ばく、健康影響について予測は、日本政府、福島県等から提供されたデータのみに基づいて行われている。
日本の市民社会や各種専門家は、日本政府の提供したデータとは異なる独立した調査や測定を実施しているが、委員会がこのような、政府から独立したデータ等を収集したり、独自の測定等を実施した形跡は認められない。これでは、日本政府から独立した客観性のある調査とは認めがたい。
福島県が全県民を対象に初期被ばくを推測する行動調査を実施したが、回答率は20パーセント程度にとどまっており、そのようなデータで初期被ばくについて推測することは到底できないはずである。また、政府が公表している放射線測定データについては、実態を反映していないとの強い批判が住民から上がっており、この点については、国連「健康に対する権利」特別報告者のアナンド・グローバー氏も、福島での現地調査の結果、モニタリングポストと現実の放射線量の乖離について指摘をしている
。
昨今の汚染水に関する事態が示す通り、日本政府の情報開示の姿勢には重大な問題があり、情報開示に関する透明性が確保されているとは認めがたい。
私たち市民社会は、国連科学委員会および国連第四委員会に対し、このような報告を公表・承認するに先立ち、現地調査を含む独自の情報収集を徹底して行うことを求める。
3 委員会の結論が正確性を欠くこと
(1) 国連科学委員会は「一般市民への被ばく量は、最初の1年目の被ばく量でも生涯被ばく量推計値でも、一般的に低いか、または非常に低い。」とし、「福島県の成人の平均生涯実効被ばく線量は10mSv以下最初の1年の被ばく量はその半分か3分の1であると推定する」という。
しかしながら、現在日本政府は、年間外部線量20mSvを下回ると判断された地域について避難指示を出していないのであり、多くの人々が年間で10mSvを超える外部線量に日常的に晒されている。委員会がいかなる根拠でこうした推定をしたのか、根拠は今のところ示されていないが、この推定は現場の実態を正確に反映したものとは認めがたい。
また、実効被ばく線量の平均値を根拠として、集団全体について健康影響がないと決めつけるのは、平均より高いリスクを負う人々への影響を、予断をもって切り捨て、検討対象から外すものである。この態度は、非科学的と言わざるを得ない。
(2) また、国連科学委員会は、乳児と小児の甲状腺がんリスクの増加を推測する一方、他のがんリスクの向上を「予期されない」とするが、これは、最近の疫学研究が低線量被ばくの健康影響を明確に指摘しているのに矛盾するものである。
放射線影響研究所は広島・長崎の原爆被害者の1950 年から2003
年までの追跡結果をまとめた最新のLSS(寿命調査)報告(第14報、2012年)
を発表している。この調査は、全ての固形がんによる過剰相対リスクは低線量でも線量に比例して直線的に増加することが指摘されている。
カーディスらの行った15ヶ国60万人の原子力労働者を対象とした調査で、年平均2ミリシーベルトの被ばくをした原子力労働者にガンによる死亡率が高いことが判明している。
BEIRをはじめとする国際的な放射線防護界は、100mSv以下の低線量被曝についても危険性があるとする「閾値なし直線モデル」(LNT)を支持しており、100mSv以下の被曝の健康影響を否定していない。
さらに、今年になって発表された以下の2論文は、低線量被ばくの影響について重大な示唆を与えている。
まず、オーストラリアでなされたCT
スキャン検査(典型的には5〜50mGy)を受けた若年患者約68万人の追跡調査の結果、白血病、脳腫瘍、甲状腺がんなどさまざまな部位のがんが増加し、すべてのがんについて、発生率が1.24倍(95%信頼区間1.20〜1.29倍)増加したと報告されている 。また、イギリスで行われた自然放射線レベルの被ばくを検討した症例対照研究の結果、累積被ばくガンマ線量が増加するにつれて、白血病の相対リスクが増加し、5mGyを超えると95%信頼区間の下限が1倍を超えて統計的にも有意になること、白血病を除いたがんでも、10mGyを超えるとリスク上昇がみられることが明らかになった 。
科学委員会の見解は、低線量被ばくの影響を過小評価するものであるが、最近の疫学研究の成果は明らかにこれと反対の傾向を示している。科学委員会は最近の疫学研究を踏まえて、低線量被ばくについて、より慎重なアプローチを採用すべきである。
4 他の研究との整合性の欠如
健康影響がほとんどないとする科学委員会の見解は、WHOが2013年に公表した福島原発事故の報告書の予測とも著しく異なるものである。WHO報告書は、「福島県で最も影響を受けたエリアは事故後一年の線量が12~25mSvのエリアだとして、白血病、乳がん、甲状腺がんとすべての固形がんについて増加が推測される。子どものころの被ばく影響による生涯発症リスクは男性の白血病で7%増加し、女性の乳がんで6%、女性についてのすべての固形がんで4%、女性の甲状腺がんで70%上昇すると予測される」とし、事故後一年の線量が3~5mSvの地域でも、その1/3~1/4の増加が予測される、としている。さらにWHO報告は、低線量被ばくに関する科学的な知見が深まれば、リスクに関する理解も変化する、と結論付けている。
さらに、国連科学委員会は、今回の国連総会に対する報告で、福島原発事故の影響と並んで、子どもに関する放射線影響に関する研究( Scientific Finding B. “Effects of radiation exposure of
children”)を紹介している。この研究は、子どもに対する放射線被ばく影響については予測がつかないことから、より慎重に今後研究を進めていくとしており、評価しうるものである。ところが、子どもに関する放射線影響に関する研究についての報告に貫かれている慎重な視点は、福島原発事故に関しては全く反映されておらず、報告書の文脈は分裂している。
科学委員会は、子どもに関する放射線被ばく影響に関する見解と統一性のあるかたちで、福島事故後の健康影響について再検討すべきである。
5 福島の実情
福島原発事故により大気中に放出された膨大な放射性物質は、セシウムにして広島型原爆の少なくとも168.5倍とされ、今も汚染水等汚染物質の放出は拡大中であり、今も周辺住民、特に妊婦、子ども、若い世代は深刻な健康リスクにさらされている。
政府は事故直後に、従来からの告示・指定である「公衆の被ばく限度1ミリシーベルト」基準を大幅に緩和して、「年間20ミリシーベルト(以下、mSv)」を避難基準として設定したため、子どもや乳幼児、妊婦を含む多くの人々は避難・移住や放射線防護に関する支援をなく、十分な健康対策もないまま、高線量地域に居住を余儀なくされている。政府は、「100ミリシーベルト以下の低線量被曝は安全」との見解を普及し、低線量被ばくの影響を過小評価し、すべての政策をこうした見解に基づき、住民の意見を十分に反映しないまま決定・実行してきた。
チェルノブイリ事故後の1991年に旧ソ連が確立し、ベラルーシ、ウクライナ、ロシアで踏襲された政策「チェルノブイリ・コンセプト」ては、追加線量5ミリシーベルト以上を「移住地域」として、移住を全面的に支援すると共に移住で失う財物について賠償を行い、追加線量1ミリシーベルトから5ミリシーベルトの間の地域を「避難の権利地域」として、避難するか否かの選択権を住民に与え、避難を選択した者には、「移住地域」と同様の支援・賠償を実施し、留まる事を選択した者には、継続的な無料の医療支援と定期的・詳細な健康診断、外からの安全な食べ物の提供、1~2月の公費によるプログラムの適用を制度化し、住民を健康被害から保護する努力を続けたとされる。
日本での施策は、チェルノブイリ事故後の施策水準を大きく下回るものであり、20mSv基準の施策が今後も長期間継続すれば、チェルノブイリ事故を上回る健康影響すら懸念される。
汚染水に関しては、今年8月20日に東電が貯蔵タンクから300トンもの汚染水漏れがあったことを報告した。漏れた水の空間放射線量は毎時300ミリシーベルトだったと発表されている。
こうした深刻な実情が報告書には反映されていない。そもそも、汚染水等の事態が収束しない現状に鑑みるなら、健康影響について確定的な分析をすることは時期尚早と言うほかない。
6 国連人権理事会「グローバー勧告」を反映すべき
2013年5月27日、国連「健康に対する権利」に関する特別報告者アナンド・グローバー氏は、2012年11月の福島等での現地調査の結果を踏まえ、国連人権理事会に対し、福島原発事故後の人権状況に関する事実調査ミッションの報告書を提出し、日本政府に対する詳細な勧告を提起した。
特別報告者は、低放射線被ばくの健康影響に関する疫学研究を丁寧に指摘し、低線量被曝の影響が否定できない以上、政府は妊婦や子どもなど、最も脆弱な人々の立場に立つべきだと指摘し、「避難地域・公衆の被ばく限度に関する国としての計画を、科学的な証拠に基づき、リスク対経済効果の立場ではなく、人権に基礎をおいて策定し、公衆の被ばくを年間1mSv以下に低減するようにすること」(勧告78(a)) を勧告した。また、帰還について「年間被ばく線量が1mSv以下及び可能な限り低くならない限り、避難者は帰還を推奨されるべきでない」と指摘し、避難等の支援策や、詳細な健康検査は、年間1mSv以上の地域に住むすべての人に実施されるべきだと勧告した。
同報告は、最も影響を受けやすい脆弱な立場に立つ人に十分な配慮をして、健康に対する権利の保護のための施策を求めたものであり、日本の市民社会はこれを歓迎している。
ところが、日本政府は、国連科学委員会の見解に依拠して、グローバー勧告は「科学的でない」としてその勧告のうち多くのついて受け入れを拒絶している状況にある。国連科学委員会の見解が低線量被ばくを過小評価する結果、被害者救済や健康に対する権利を保障する政策にマイナスに働くような結果を招来することは、本来国連の意図するところではないと考えられる。
国連科学委員会、そして国連総会は、人権の擁護という国連の根本的な目的に立ち返り(憲章1条)、人権の視点に立脚した意思形成をすべきであり、科学委員会および国連総会の意思決定は、人権の視点に立脚したグローバー勧告を十分に反映するものであるべきである。
7 結論
以上により、私たち市民社会は、国連科学委員会と国連総会第四委員会に対し、人権の視点に立脚し、低線量被ばくに慎重な視点に立ち、また、調査・分析の公正・中立・独立性を重視する立場から、国連科学委員会の報告内容を全面的に見直すよう要請するものである。
以上
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