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原子力規制庁は19日、原発事故の際に服用して甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤について、住民への配布や服用対象を定めた手引をまとめた。国はこれまで「40歳未満」を服用対象としてきたが、新たな科学データを踏まえて40歳以上にも拡大。この結果、全年齢に広がり、人口は原発から半径30キロ圏内だけで推計480万人に膨らむ。
対象自治体は地元住民への事前説明会を開いたうえで、近くヨウ素剤の事前配布を始める。しかし、ヨウ素剤を供給できる製薬会社は国内に1社だけで、ヨウ素剤が速やかに住民に行き渡るかどうかが今後の課題になる。
手引は国の原子力災害対策指針に基づく。地方自治体の担当者向けと、医療関係者向けの2種類。旧内閣府原子力安全委員会は2002年、広島、長崎の被爆者を調べた疫学調査を受けて「40歳以上は放射性ヨウ素による甲状腺がんの発生確率は増えず、ヨウ素剤服用の必要はない」との方針を示していた。
一方、規制庁は「最近の研究によっては、甲状腺がんのリスクは年齢とともに減ることは確認されるものの、高齢者でもそのリスクが残る懸念がある」と判断。服用する場合は甲状腺機能低下などの副作用があることを理解してもらったうえで、40歳以上にも拡大することにした。【中西拓司】
http://mainichi.jp/select/news/20130720k0000m040062000c.html
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