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http://ameblo.jp/cyber-michi/entry-11504169777.html(いわき市民のブログ)
福島行-福島共同診療所建設委員事務局長の男性の話が終わると、ひとりの小柄な初老の男性が前に出てきた。マスクをしていた。診療所長の松江寛人医師だった。元国立癌センター放射線診断部医長のこの医師は昭和11年生まれで、癌センターに38年勤務し、定年後銀座に癌相談センターを開設していた-
1876to1945 2013-03-30 10:41:48
-福島診療所のよびかけに応じ、甲状腺検査を担っている。彼の診察に予約が殺到し、五月末まで待ちがでている。松江氏はまず宇都宮の大気の黄砂の話をし、花粉にどれだけ放射能があるかと話し始めた。福島駅に着いたときから鼻血が出たといい、マスクを外してからティッシュを丸めて右孔につめた。―
1876to1945 2013-03-30 10:49:39
-その様子に失笑があちこちから漏れる中「開設してまだ三カ月ではそれほどの報告はできませんが」と前置きして語り始めた。「まずびっくりしたのは医療に対する不信感がものすごいことです。福島県内では一般の疾患はまあふつうにみてくれるんですが、放射能に対する不安、検査はみてくれない。」-
1876to1945 2013-03-30 10:53:22
-子供が風邪をひきやすくなった、下痢しやすくなった、鼻血がでるようになった、そういうことに対して放射線の影響はない、心配しなくていいよ、と繰り返されるんですね。これでは不安は解決しない。私はこれは絶対に山下が悪い、と思うんです。」山下俊一氏の名を出して言うのだった。―
1876to1945 2013-03-30 10:55:52
-「彼は放射線による障害が無い、ということを放射線科の専門医を長崎でやってましたから、それを言うために駆り出されたんです。しかし、あれだけ堂々と絶対に放射線障害はないと断定するのはほかの医者なら言えない。彼以外には言えない。放射能はこわいよ、でも全員に障害がでるわけじゃない」-
1876to1945 2013-03-30 11:00:14
-それくらいのことしか言えないはずなんです。それで彼はこの春に長崎に戻るんですが、私が思うに彼は、身の危険を感じたんだと思います。彼は抑え込むために来たわけだけど、彼の言っていることがとんでもないよという力、うねりが、彼がいることでとんでもないことになった。-
1876to1945 2013-03-30 11:04:03
-ここらで引き揚げないと大変なことになる、そう感じたと思うんです。」それから診療所の報告に移っていった。「三か月の段階で80%がこどもの甲状腺の検査です。まず子供なんですが、福島のこどもは外で遊べないんですね。それで診療所にはまあちょっとした広さがありますから運動会のようになる-
1876to1945 2013-03-30 11:08:03
-傍目には小児科の診療所かと思われるかもしれませんが当面は仕方ない。最小は週に一度来てたんですが、今は週二。検査しました。トータルで3カ月で150人。ちょっと数字があげられないので恐縮ですが、9割以上が県の検査を受けてるんです。県の検査と言うのは結果をa.b.c.で分けます。-
1876to1945 2013-03-30 11:11:49
-さらにaをa1,a2で分けます。a1は異常なし、a2が”5ミリ以下の結節”かたまりですね、または”2センチ以下ののう胞だが、精密検査は必要としない”と言うんです。診療所の患者さんの半数はa2なんですが、ケッセツ、ノウホウと言われても分からないひとには何がなんだかわからない。―
1876to1945 2013-03-30 11:16:05
-そこでもっと詳しく知ろうとするんですが、県も逐一電話では応答できない。それで書類を出せ、と言うんです。検査内容の詳細を知りたい旨書類を出し、親子関係証明の戸籍謄本(ここでおどろきの声が若干があがった)、申請書だして認められたら、やっと送られてくる。でもそれも簡単な内容です。-
1876to1945 2013-03-30 11:21:52
-具体的な内容はないんです。超音波の写真コピーをもらうのがまた難しい、写真請求にも手続きがあって、それでも送られて来なかったとか、つまりどういう検査をしているのか分からない。a1は二年後に診るんですが、a2も異常があっても二年後。なぜこの二つを分けているのかが分からない。―
1876to1945 2013-03-30 11:25:51
-異常があっても精密検査の必要がない、と言われて県がしてくれない。それで親が心配して、この検査結果が通知され始めたおととしの三月以降、個人的に県内の医者にゆくと断れたというんですね。明らかに福島医大以外では検査しないでくれ、そうした内容をおそらく医師会を通じて回している。―
1876to1945 2013-03-30 11:28:51
-検査ができない。それでますます心配になるんです。」松江医師の話は続いて行った。一連のことは知っていたものだが、あらためて聞いてみると、原発事故後の行政の対応ははっきりとした「悪」であることを思い起こした。思い起こす程度に、自分の中で3.11が距離をとりはじめていたことを感じた―
1876to1945 2013-03-30 11:37:03
福島行-会場の会議室は満ちた人間の体温と左手から差し込んでくる日の光、暖房の温風で蒸すような状態になっていた。自分は着こんでいた服を脱いで、トレーナー一枚になった。松江医師の話は佳境に入っていった。「今度は、福島医大の甲状腺検査そのものが信頼できるのかなんですが」-
1876to1945 2013-03-31 12:34:37
-「一つは非常に検査時間が短い。診療所に来る親でも、あんまり子供が小さくて県の検査の時に付き添って検査手順を実際に見た方が多くいるんですが、ある親御さんは”五秒で終わった”言うんですね。僕からしてもそれはちょっとないと思うんですが、だけど、そんな印象を残した、ということなんです―
1876to1945 2013-03-31 12:41:24
-多くの親御さんの発言からすると、だいたい1、2分。手順として(かたわらにあった紙を丸めて喉にあてる)こうして機械を当てて、1、2分で終わる。私なんかにはそんなことはありえない。1、2分じゃ写真を撮る時間なんてないですよ。写真なしでばーっと観て異常なしとしているのかもしれない。-
1876to1945 2013-03-31 12:46:56
-写真を撮る時間がまずない。写真がなければ請求してもそれは出てこないんです。検査内容が安心できない、それでいいですかね、となるんです。私たちがどうやってるかというと、15分くらい。私は何十年も超音波やってますが、どの臓器でも15分が基準なんです。私の、これは個人的なやり方ですよ-
1876to1945 2013-03-31 12:50:36
-「私の検査としては、とくに観ていって問題がなさそうなら15分よりすこし前に終わる。なにか詳しく見てゆく必要があれば15分をオーバーする。そんな感じなんです。それで観た結果なんですが、とんでもないことを発見しました。診療所に来る患者さんに5ミリ、1ミリ、1ミリ以下ののう胞がある-
1876to1945 2013-03-31 12:55:21
-「これはほんとに驚いたんですが、まず嚢胞が30%くらい出てくる。県の検査でも35%。お話した県の短い検査では1、2ミリのものはおそらく見逃してると思うんですが、我々と医大とののう胞の数は検査では違いがありませんでした。ところが違うところが出てきた。―
1876to1945 2013-03-31 13:00:00
-その30%の約半分に、細かな嚢胞がぼこぼこぼこぼこ、無数に散っているんです。私なんかは”ハチの巣”みたいだと言うんですが、こんなものは今まで聞いたことがなかった。しかしそれが最近ですよ、えーとあそこの、神戸。神戸のある診療所さんがやはり福島から避難してきた子供を検査しました。―
1876to1945 2013-03-31 13:03:25
-「その神戸のお医者さんもハチの巣の報告をしていて、”これは一体なんだ”と。甲状腺の中の半分がですよ。ヨウ素は半減期が八日ですが、甲状腺全体に散って、全体になんらかの変化が起きてもおかしくない。甲状腺の半分がハチの巣状になっている、これは放射線に関係あると考えるのが常識なんです-
1876to1945 2013-03-31 13:11:00
―松江氏は言った。それがなにを意味しているのか、松江氏、そして杉井氏もこの問題について同じ発言をされた。杉井医師の言葉を借りれば「ハチの巣状」になった甲状腺の問題。それは蓄積したヨウ素が甲状腺の構造を変えてしまっている可能性がある、というのだった。―
1876to1945 2013-03-13 15:56:31
-この報告は福島医大の検査では全く述べられていません。気づいていない。それはそもそも放射線は安全であるとさかんに言ってきて、関係ないよと、そういう前提で観てたら小さいのを見落とすのはごく当たり前のことで、1、2分それ以下の時間じゃ1ミリ以下のものなんかきちんと捉えられる訳がない-
1876to1945 2013-03-31 13:17:29
-”これは相当の子どもの中に変化があるな”と気付いた次第です。まだ三カ月の段階で観た数もまだまだ発表できるほどの数ではないんですが、半年たったらおそらく何百と出てくる、そうしたら世に問いたいと思っています。-
1876to1945 2013-03-31 13:21:31
-「母親には絶対そうであるとは言えませんが、何らかのことで関係してるはずだからと伝え、これから短期的に、丁寧に観てゆくということを考えています。」ここまであげた医師の言葉をほぼ、編集なく書いている。松江医師の話はもう少し続いた。―
1876to1945 2013-03-31 13:27:43
福島行-松江医師の話はつづいた。「よくチェルブイリのことを比較として語られるんですが、あれはたしか、1900、えと86年、でしたね。チェルノ’では癌が増えたのは四年後からだった、と言うんです。でも1986年。相当前ですよ。この時期日本には質の悪い超音波はあったんですが、」
1876to1945 2013-04-01 12:43:11
-「当時のチェルノ’に超音波なんてあるはずがない。今のような精密検査をしてたとは思えない。90年代から今のような機器がでてきたんで、彼らは触診で、触ってみて、あ、なにかあるなと気付いて検査したから、それで四年たっていてもおかしくない。もっと早い段階で変化はあり得るということです-
1876to1945 2013-04-01 12:48:27
-われわれとしては、放射線が何らかの健康障害を引き起こす、という観点でこれからきちっと、観てゆくつもりです。今は甲状腺がメインになっていますが、白血病、悪性癌に関係ないものにも対応してゆく。-
1876to1945 2013-04-01 12:52:09
-心臓病、心臓発作に関して、これは直接患者さんは来ていないんですが、うちの近所で高校生がつい最近心筋梗塞で死にました、という話を二回ほど聞きました。高校生が心筋梗塞で死ぬ、こんなことは普通は考えられない。放射能の影響と考えるのが医者として常識なんです。-
返信 RT お気に入り 1876to1945 2013-04-01 12:54:06
-さいわい、私以外にも、お医者さんがいます。そうした方々に対応してもらって、もろもろ相談をお受けしてゆく、そんなつもりです。長くなりました。ありがとうございました。」松江医師の話はここで終わった。「それでは五分休憩をいれます」司会の女性が言った。自分は席をたった。―
1876to1945 2013-04-01 12:56:27
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