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(回答先: フクシマ被爆者は将来、医薬品関連産業のモルモットになるのか? 福島県立医科大学、医薬品関連産業と提携、産官学協同体制 投稿者 mainau 日時 2013 年 2 月 21 日 00:26:49)
(別の記事にコメントされた情報だが、興味深いので、フォローアップ投稿に内容をアップした。)
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20. 2013年2月20日 18:50:16 : Kse53zYp5s
「福島県民をいっそのこと徹底的に被曝させて遺伝子突然変異の症例を
できるだけたくさん作りだして、それを材料にしてヒト遺伝子の研究を
加速させて、遺伝子創薬の拠点にしてカネ儲けすっぺ！」
そういう意図らしいです。(苦笑)
↓
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【日経バイオテク 個の医療メール 2013/2/20 Vol.470】
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◆□◆□●皆さん、お元気ですか
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現在、那覇への夜間飛行中です。何となくロマンチックな響きですが、実態はほぼ
満席の飛行機の中、乗客の寝息を聞きながら、このメールを書いています。福島から
移動したため、気温差20℃の愚を再び犯しております。羽田で北日本行きの飛行便が
乱れていることを知りました。今年の冬は本当に厳しい試練を読者に与えています。
光は春なのに。。。今、暫くの辛抱です。どうぞ、ご自愛願います。
さて、個の医療です。
2月18日の福島医薬品関連産業!!!支援拠点化事業のキックオフミーティングを取材、
ひょっとしたら日本の創薬!!!を福島が変えるかも知れないと実感いたしました。アカデ
ミック受託研究機関（ARO）を希求する試みを東北大や京大などがこぞって予算を確
保しておりますが、福島県立医科大学!!!を中核としたAROは間違いなく成立し、10年後
にはスピンアウトした新しいCRO企業へと成長する可能性も示しています。新しい創
薬支援産業の芽生えを見ました。
その理由は、第一は東日本大震災の復興を目的に経産省が10年間で259億円以上の
基金をこの拠点化事業に投入したこと。資金的にクリティカルマスを越え、しかも10
年間という長期間継続して事業化を支援する十分なリスクマネーを確保できました。
いつもしみったれている我が国には異例の大盤振る舞いです。
第二は2011年度まで5年間、NEDOの支援によってこの拠点化プロジェクトの基盤となる研究事業が展開されており、産学連携!!!の経験と独創的な技術基盤が確立していることです。
基盤とは手術で切除されたがん組織の網羅的発現解析を4000試料以上にわたって行い、それが膨大な発現解析地図としてまとめられていることです。敢えて、技術進歩を止めて、研究期間を通じて同じDNAチップを同じプロトコールで使用し、総ての発現解析データを相互に比較可能にした遺伝子発現解析地図は、2013年度から始まる拠点化事業のインフラとなりました。がん組織ばかりでなく、対象として正常組織の遺伝子発現解析地
図も作製しており、これを見れば、少なくとも遺伝子発現上、私が手にしているヒト
細胞がどのような正確を持っているのか？どのがん細胞や正常細胞に近いのか？判断
することが可能です。細胞を遺伝子発現から、正確に記述できる術を手にいれたので
す。
私はこの大部の遺伝子発現解析地図を、福島の旧約聖書と渾名しております。実は
遺伝子解析技術の発展を止めたと言いましたが、技術開発をこのプロジェクトでは決
して止めてはいませんでした。今回明らかにされたのは、第一世代の遺伝子発現解析
では十分量のmRNAが解析に必要でした。このためにどうしてもがんの手術の試料が必
要でした。これで3万2000種の遺伝子発現解析を遂行していました。技術突破はサン
プル量の削減を可能にしました。
第二世代の遺伝子発現解析では、第一世代とのデータの比較可能性を担保しながら、解析に必要な総RNA量を5μgに抑えることに成功したのです。遺伝子解析可能な1万4400種の遺伝子に制約されましたが、この結果、1mm角の組織切片で解析が可能になったのです。これはある意味革命的な変化でした。生検によって得られる微量な組織試料が解析可能となったのです。
これによって、前回はがんに限定されていた解析対象を、今回の拠点化事業では全ての疾患に拡大できたのです。炎症から感染症までありとあらゆる疾患が対象です。手術適用がなくても、極微量の疾患組織を採取できれば、遺伝子発現解析が可能です。
現在、福島県立医科大学!!!のチームは、病理標本!!!のパラフィン切片を遺伝子発現解析!!!すべく第三世代の技術突破も目指しています。勿論、遺伝子発現と実際のたんぱく質の存在（細胞内濃度）は必ずしも関連していないことは科学的な事実です。
こうした隔靴掻痒を打破するため、13年度からヒトたんぱく質のプロテオームプロファイリングの研究に着手いたします。患者の試料!!!を徹底的にプロテオーム解析し、ヒト・プロテオーム地図作製を目指します。これができれば、ヒトの細胞の新約聖書ができあがる訳です。新旧両聖書を活用すれば、今まで不可能だったヒト細胞の詳細な記述と品
質管理が可能となります。細胞を使用した新薬スクリーニングを、一変してしまうイ
ンパクトです。
福島が成功を予感させる第三の理由にも繋がります。福島県立医科大学の全科を挙
げて!!!拠点化事業に参画する体制が取られたのです。これは各診療科が水面下で足を引
っ張り、決してまとまらない日本の大学の病的な伝統から、福島医科大学が遠く、し
かも、他の大学の影響下に大学としてまとまった意志決定のできない地方大学とは異
なり、自前の教授達によってまとまりのよい大学運営がされている、日本では福島県
立医科大学が希有の大学であることを意味しています。
おまけに、卒業者が福島県内で開業!!!しており、その強固なネットワーク!!!と大学の知恵で僻地医療対策の福島モデルを誕生させました。福島では僻地医療問題（医師の偏在）は解決済みなのです。こうした強固なまとまりと絆は、将来、拠点化プロジェクトから生み出される知見を新しい次元の医療サービスとして提供できる可能性を秘めています。また、プロジェクトで同定された創薬標的やバイオマーカーのバリデーションや誕生した新薬!!!の高度な臨床試験!!!!!をも可能とするでしょう。ゲノムコホート研究の展開にも繋がります。
福島の医薬品関連産業支援拠点化事業は、昨年末にJBiC(一般社団法人バイオ情報
化コンソーシアム）が研究開発業務の委託を受け、我が国の製薬企業!!!と診断薬企業!!!、19社が実際の実用化研究を展開することが既に決まっています。原則的には、新規の企業参加!!!にはいつでも門戸が開放されています。是非とも、読者の皆さんもこのプロジェクトへの参加を検討いただきたいと願っています。
今週も、皆さん、どうぞお元気で。
日経バイオテクONLINE Webmaster 宮田 満
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