板門店宣言における「完全な非核化」は単なるパフォーマンス 2018年05月01日 韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩委員長が4月27日、軍事境界線のある板門店で会談しました。この南北首脳会談は2000年6月(金大中大統領と金正日総書記)と2007年10月(盧武鉉大統領と金正日総書記)に続いて10年半ぶり3回目となります。 当然のように今回を含む3度の南北首脳会談は、韓国大統領が親北である時に開催されています。今回の文在寅大統領も本誌は以前から「親北というより北朝鮮そのもの」と何度も書いてきました。またこれまで2回の南北首脳会談で決めたことが、何か実現しているのかというと、それもほとんどありません。
今回も、たまたま親北の韓国大統領であるため、共同で作り上げたパフォーマンスでしかなく、その目的は北朝鮮に対する経済制裁を解除させることでしかありません。 そこで「板門店宣言」なるものが採択され、そのトップには朝鮮半島の「完全な非核化」を実現すると明記されていますが、そのスケジュールや具体的方法などは全く示されていません。米軍は1991年に韓国内の米軍基地から戦略核を撤去したと公表していますが、北朝鮮は信じておらず核やミサイルの開発に力を入れてきました。 だいたい北朝鮮の核放棄は「反故の歴史」で、1994年のクリントン政権時には米国が軽水炉を提供する代わりに北朝鮮が核計画を凍結する「米朝枠組み合意」を締結したものの、ブッシュ(息子)政権時の2002年末には一方的に核施設を稼働再開させました。 2005年の6か国協議でも北朝鮮が核放棄を約束し、見返りにエネルギー支援を受ける共同声明が採択されました。しかしその核放棄プロセスの検証があいまいで、結局のところ北朝鮮はエネルギー支援やテロ支援国家の指定解除などを「ただ取り」しただけでした。 そこにきて今回は、「もともと親北でいわば身内のような文在寅大統領」とパフォーマンス重視の合意をしただけで、その内容も過去に比べてもっとあいまいで、最初から「全く信用できない」と考えておくべきです。 ただ今回の「板門店合意」には、1953年に終結している朝鮮戦争において、韓国だけが終結協定に加わらず北朝鮮とは休戦状態となっていますが、それを正式に終結させて米中も加えて(日本は入っていません)平和協定にまで発展させるとの項目があり、これだけは「ある程度」進展するような気がします。北朝鮮はこれから韓国の(その後ろにいる米国も)動向にあまり敏感になる必要がなくなるからです。 北朝鮮はGDPを正式公表しておらず諸説ありますが、その最大のものでも400億ドルで、日本の0.7%、米国の0.2%しかない経済後進国です。しかしその中で軍事費(核やミサイルの開発費を含む)が60億ドル(GDPの7分の1)とも言われています。実際は北朝鮮のGDPはもっと少なく、軍事費はもっと大きいはずです。 世界には核保有を公言している国が9か国あり、国連安全保障会議の常任理事国5か国以外では、パキスタン(保有する核弾頭が140発)、インド(130発)、イスラエル(80発)、それに北朝鮮(20発)となります。 そんな北朝鮮が、韓国(GDPが世界10位の1.6兆ドル)だけでなく、米国、中国、日本といった経済大国を相手にして一歩も引きません。金正恩は先日中国を訪問して大歓迎され、近いうちにトランプ大統領まで(第三国にではありますが)呼び出して米朝首脳会談を開催する予定です。 まさにGDPが最大でも400億ドルしかない北朝鮮の、34歳の若造(金正恩)が国際政治バランスを読み取って手玉に取っている「通常では理解しがたい状況」がこれからも続くことになります。これが北朝鮮の保有するたった20発の核の恩恵となります。 繰り返しですが、北朝鮮については日本を含めて利用されるだけであることを「いい加減に」理解しなければなりません。とくに日本は北朝鮮との間で拉致問題を抱えていますが、小泉首相の時代に「たった5名」の拉致被害者を一時帰国(当初の約束は一時帰国でした)させるためだけに、経営破綻していた北朝鮮系金融機関に1兆円もの公的資金を注入して「援助」しています。 とりあえず南北首脳会談は「平和的に」終了しましたが、どうしても気になることは日本の存在感の薄さです。金正恩から「日本と対話する用意がある」と文在寅経由でメッセージが伝えられたようですが、そんな「ついでの話」では意味がありません。 今回の南北首脳会談のパフォーマンスと、たぶん実現する米朝首脳会談で、北朝鮮の(金正恩の)イメージだけは改善されるため、日本においては「北朝鮮リスク」がかえって高まったと考えておくべきです。 http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-2214.html 2018年05月01日 トランプと金正恩は何を合意するか 2人は何かを合意したというが、何も合意していない 画像引用:https://nordot-res.cloudinary.com/t_size_l/ch/images/362454985088189537/origin_1.jpg
アメリカの「見て見ぬふり外交」のツケ
歴史上前任者の失敗をなすりつけられて、汚名を着せられる大統領が存在する。 例えばブッシュJr大統領で、就任早々の2001年に911が発生して、ブッシュのせいということになった。 911の原因をつくったのは前任者のビルクリントン大統領で、甘ちゃん外交でアルカイダを野放しにし、国内に入れてしまった。 2007年からはサブプライムショック、続けてリーマンショックが発生して、これもブッシュのせいということになった。
サブプライムの不動産バブルを拡大させたのも前任のクリントン大統領で、ブッシュはバブルの後始末をさせられた。 トランプ大統領は北朝鮮の核ミサイル危機に対応しているが、北朝鮮をここまで増長させたのは、やっぱりクリントン、ブッシュ、オバマでした。 最後の最後に自分が後始末をするしかない状況を押し付けられて、北を攻撃するかそれとも「無条件降伏」かを迫られている。
北朝鮮には中国とロシア、韓国も加担していて攻撃すればこれらの国と戦争になるかも知れず、譲歩すれば北を核保有国として承認したことになる。 北の核保有を認めると、次に北朝鮮は国連常任理事国の地位を要求し、中国とロシアは支援します。 譲歩すればさらに危機が拡大
現在5カ国の常任理事国はアメリカ陣営3ヶ国、共産陣営2カ国だが、北が常任理事国になれば3対3で互角になるからです。 中国とロシアが計算しているのはこういうことで、間違っても世界のことなど考えたりはしていません。 4月27日に韓国の文大統領と北朝鮮の金正恩が首脳会談をおこない、抱擁して親睦を深めた。 半島の非核化など美しい言葉を並べたが、北朝鮮は具体的には何一つ行動を約束していない。
第一に金正恩が言ったのは「半島の非核化」であり、これは在韓米軍が撤退して「韓国と米軍が核放棄」するのを意味する。 せいぜい「在韓米軍が撤退したらわが国は非核化しますよ」という意味にすぎず、要するに核保有を進めるということです。 北朝鮮は核兵器を放棄すると言ってすらいないし、核査察を受け入れるとも、何日までに放棄するとも言っていない。
ミサイルについても同じで、拉致についても同じで何も合意せず、何も約束していません。 これで「平和が来た」と言っている人達には「アタマ大丈夫か?」と聞いてみたい http://www.thutmosev.com/archives/75949226.html [18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理 ▲△▽▼ そんなに核兵器が嫌ならまずアメリカ政府に核廃絶させればいいんだよ 他の国は核が無いとイラクやリビアみたいに人間が住めない国にされるからね: 後戻り不可能な非核化 2018-04-18 トランプ大統領は、昨日、米朝首脳会談に先立ち、「極めてハイレベル」の直接対話を既に開始したことを明らかにしました。 ところで、先日のシリアへの軍事攻撃決断には、新たに国家安全保障問題担当の補佐官に就任したジョン・ボルトン氏が影響を与えたと言われています。
ボルトン補佐官といえば「超タカ派」として有名ですが、核・ミサイル開発を止めようとしない北朝鮮に対し「先制攻撃」を唱えています。
日本のマスコミは、米朝首脳会談開催について、 「これで北朝鮮が非核化し、平和が来る」 的な、まさにお花畑の報道を繰り返していますが、現実がそれほど甘いはずがありません。
そもそも、北朝鮮が核を「放棄」するなど、到底、考えられません。また、なぜトランプ大統領がこのタイミングで、ボルトン氏を大統領補佐官に据えたのか。
先日の、チャンネル桜の討論、
【討論】激変する世界の真実[桜H30/4/7] https://youtu.be/16qNbZU3yuc で、西岡先生が解説して下さいましたが、アメリカは北朝鮮に対し「リビア方式」の核放棄を要求すると考えられています。
と言いますか、新補佐官のボルトン氏が、かねてから北朝鮮に関し「リビア方式」による非核化を唱えてきたわけです。
2003年、リビアのカダフィ大佐は、アメリカおよびイギリスとの秘密交渉を経て、核を含む大量破壊兵器の放棄を宣言。IAEAの核査察を受け入れ(西岡先生によると、CIAやMI6も受け入れたそうです)、核開発関連の全ての情報を公開。弾道ミサイルも廃棄しました。
まさに「後戻り不可能な非核化」ではあったのですが、アラブの春を経て、カダフィ大佐は欧米が支援する反政府勢力に殺害され、リビアは大混乱に陥ります。
北朝鮮の労働新聞は、 「米国の誘惑と軍事的恐喝によって銃床を下ろすことが、どれほど残酷な結果を招くかはイラクとリビアの悲劇的現実が物語る」 と、指摘しています。
カダフィ大佐の最期を知る金正恩が、「リビア方式」の核放棄に応じるとは、到底、思えません。逆に、アメリカ側は「後戻り不可能な非核化」以外は受け入れないでしょう。
今後数か月で全てが決まる可能性が高いわけですが、事態が「朝鮮半島の安定」に落ち着くことは、まずありないと感がるべきです。 https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12369259341.html
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