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(回答先: 欧州の白人は、将来、ヨーロッパ全体がイスラーム化するのではないかと、かなり本気で心配している/島田裕巳 投稿者 仁王像 日時 2015 年 12 月 09 日 20:06:35)
第2章 イスラーム教は危険な宗教なのか
≪イスラーム法はゆるい?≫
島田 …となると、イスラーム法は厳格だというイメージは崩れてくるが。
中田 現世で罰があるかどうかは、イスラームとしてはほとんど意味がない。罪の償いは最後の審判でするので、刑務所に閉じ込めて罪を償わせるような決まりはない。意外に思うかもしれないが、いくつかの禁止条項を除けば、基本的に罰則規定はない。
島田 かなりご都合主義?
中田 私が、最終的にイスラーム教徒を選んだのは、キリスト教徒よりも楽そうだったこと。
≪イスラーム主義のイブン・タイミーヤ≫
中田 おっしゃる通り、現在、一般にイスラーム原理主義とみなされるサラフィー・ジハード主義は、イブン・タイミーヤから始まったといって間違いではない。
島田 イスラーム国(IS)が聖廟や墓を破壊するのは、イブン・タイミーヤの思想から来ているわけですね。
中田 その通りです。だが、お墓参り自体は、むしろ推奨されている。でも聖者の墓をモスクにするのはいけない。
≪革命のジハード論≫
島田 「革命のジハード論」も元をたどれば、イブン・タイミーヤがつくった思想ですね。
中田 そうです。
≪政教分離には普遍性がない≫
島田 近代社会というのは、政治と宗教が分離した政教分離の社会であると、一般的には理解されている。だが、政教分離というアイデア自体、近代の西欧で生まれたものだから、西欧が自己正当化するための物差しのようなものにも捉えられる。
中田 米国宗教史を専門とした森孝一先生から、西洋にとっての政教分離は、政治と宗教の分離ではなく、国家と教会の分離のことだとよく聞いた。森先生の見方に賛成だ。
ローマのなかに、帝国の権力組織と教会の権力組織の二つが並び立つようで具合が悪い。そこで中世になって、二つの権力を分けようという妥協の産物が、西欧的な政教分離の原型になるものだ。普遍性がないのは当然なんです。
島田 イスラームの場合、政治と宗教の関係はどう理解すればよいか?
中田 西欧とは違う形の政教分離を考えると分かりやすい。
預言者ムハマンドの時代は、政教未分化で、政教一致といってもよい。しかしムハマンドの死後、正統カリフの時代になると、神とコミュニケーションできる人間はいなくなる。だからカリフが戦争をすると決めても、それに反対する人間もいる。そこで議論して決めるので、これは宗教的な決定ではない。カリフは、世俗の指導者で、神からの命を受ける宗教的指導者ではない(その時点で政教分離は実現されている)。
≪特殊な政教分離国家―日・仏・トルコ≫
島田 世界的に見れば、仏、日本、トルコの三つの国の方が特殊で、多くの国では政教分離をそれほど重くは考えていないように見える。米国大統領が聖書に手をおいて就任式をするのは有名。
ということは、イスラームだけが政教分離してないと非難するのは一方的。近代国家でさえ政教分離が国際的に絶対の原則になっているわけではない。
宗教学では、宗教の定義をやるが、仏のエミール・ヂュルケムの定義では、聖と俗とが分離されていることが前提で、聖なるものを信奉するものが宗教で、その領域は俗なる世界からは隔絶されている。
ところが、イスラームの場合は、聖と俗との分離がない。そうしたイスラームのあり方は、近代国家のあり方とは両立しないところがあって、さまざまな衝突が起きるのではないか。
中田 そうです。ムスリム諸国では、イスラームの教えにあからさまに反する西欧的近代国家は解体されるしかない。
・「イスラム国」の台頭を促す米国の戦争経済とキリスト教原理主義/宮田律
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投稿者 仁王像 日時 2015 年 3 月 26 日 20:11:07: jdZgmZ21Prm8E
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