http://www.asyura2.com/13/dispute31/msg/305.html
Tweet |
第一章 イスラム国、急拡大の背景
≪結果的に浮上してきたイスラム国≫
アサド大統領は、まず自由シリア軍を潰す戦略に出ました。すると、自由シリア軍と交戦していたイスラム系勢力の力が相対的に増して、今度はアサド勢力vsイスラム系勢力という色彩が濃くなります。
反政府系イスラム勢力は政治信条などが過激ですから、アサド大統領としては、「テロとの戦い」という大義を持ち出し、西側諸国に対し、「俺とテロリストのどっちを支援するんだ」という選択を迫りやすくなりました。
その結果、シリアではイスラム過激派が大量に生産され、この人たちがイスラム国として、力を拡大してきたのです。
実際、アサド大統領はイスラム国と真面目に戦ってきませんでした。
イスラム国の主な資金源は油田と言われています。アサド大統領は空軍を持っていますから、油田を空爆すれば、イスラム国の資金は一発でショートします。しかし、アサド勢力による油田への空爆は行われませんでした。イスラム国が存続してくれた方が都合がいいからです。
欧米諸国も、自国のイスラム過激派がシリアに流入しているという事実に無頓着でした。アサド政権と戦うのであれば、それを良しとしていたからです。シリアと長い国境を接するトルコも、国境を管理しようとはしませんでした。
ですから、イスラム国はアサド勢力と戦って勢力を伸ばしたわけではありません。アサド支持派や国際社会から放っておかれた間に、力をつけたといった方が適切です。アサドのイスラム過激派との戦争は、手加減と手抜きの戦争だったわけです。
イラクにおいてもシリアにおいても、敵対勢力が失策や思惑によって沈み込み、結果的に浮上してきたのがイスラム国だったと言えるでしょう。
【出典】「イスラム国の野望」高橋和夫/幻冬舎新書‘15年1月
・悪魔とも手を結ぶ、アサド政権とイスラム国の共同軍事作戦/佐々木伸
http://www.asyura2.com/15/kokusai11/msg/572.html
投稿者 仁王像 日時 2015 年 10 月 19 日 20:39:32: jdZgmZ21Prm8E
- 黒ターバンの意味〜アサド政権を倒すのは困難〜イラクの統一はもう無理/高橋和夫 仁王像 2015/10/26 20:49:45
(0)
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。