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指宿市3月議会へ提出した「指宿市が主体となって地熱発電開発をすることを求める陳情」
http://www.asyura2.com/13/dispute31/msg/290.html
投稿者 taked4700 日時 2015 年 10 月 08 日 22:05:04: 9XFNe/BiX575U
 

(回答先: 指宿市及び鹿児島県での地熱発電コストの公開 投稿者 taked4700 日時 2015 年 10 月 08 日 02:54:00)

http://blogs.yahoo.co.jp/taked4700/13385325.html
指宿市3月議会へ提出した「指宿市が主体となって地熱発電開発をすることを求める陳情」

これも不採択となりました。ところが、実際には、この時期、指宿市は、市内の市営温泉施設周辺の地熱開発事業を計画してい、その事業者募集も3月末から4月にかけて行われていたのです。しかも、その事業者選定委員会とか審議会メンバー氏名さえ非開示という運用がされている様子です。その他、どうも??な点が事業全体に幾つもあるのです。キーワードは秘密主義という印象を受けます。以下、陳情の文書です。

指宿市が主体となって地熱発電開発をすることを求める陳情
                     平成27年2月9日
指宿市議会議長 ****** 殿

陳情者
住所:
電話:
氏名:武田信弘

 次に挙げる理由により、指宿市が主体となって市内で地熱開発をすることを陳情します。

1.地方公営企業法は土地公社などと共に発電事業も公営企業の一つとしています。この意味は、電力供給が住民の生活に欠かせないものであるので、私企業が営利的に供給が難しい場合、自治体にその機能を担わせることにあるのでしょう。しかし、例えば現代においても宮崎県をはじめとして幾つもの自治体により、水力発電によって起こした電気を電力会社へ販売することが行われています。よって、営利事業だから指宿市はやらない方がいいということにはなりません。ただし、十分に利益が出ることが確認された段階で九州電力なりに有償譲渡し、その後は固定資産税などで税収を確保するということも可能です。

2.日本は地熱発電にとても適した国土を持ち、特に九州、鹿児島県は地熱資源の豊かな土地です。指宿市はその中でも飛びぬけて地熱発電に適した環境を持っています。山川発電所は全国でも例外的に平地にあり、市街地にほぼ隣接した地熱発電所ですし、また国立・国定公園の中でもありません。

3.従来、4万キロワット級の地熱発電所建設には150億円とか200億円が必要であるという報道がされてきましたが、山川発電所を見て、そのようなコストがかかるとはだれも思わないでしょう。従来の地熱発電所建設コストには山間部にある発電所敷地やそこまでの道路の整備費用、そして長距離の送電線建設費が含まれていたのです。2009年のNHKクローズアップ現代では4万キロワットの地熱発電所建設に150億円かかるとし、その根拠に、地熱井戸2000m級4本で25億円とか、5キロ程度の基幹送電線建設に20億円という数値が挙げられていたと記憶していますが、井戸はかなり地盤の固い所であっても現状で2000m級1本は2億円とされています。なお、これは配管費用などを含んだものです。指宿市の平地であれば、岩盤はある程度深いところに存在し、そこまでは軟らかい堆積層でしょうから、より安価に井戸が掘れるはずだと思われます。

4.国及び地方自治体財政が破たん直前にあるため、地方の財政的な自立が求められていること。このことについて、あまり実感がないという意見が多いと思いますが、実際は破たん直前です。平成13年に臨時財政対策債が導入されたましたが、結局景気は回復せず、高齢化と少子化で国の力の基本である人口構成は劣化が進むばかりです。臨時財政対策債は国の資金が枯渇したために将来の地方交付金で負担するという約束のもとに地方に借金をさせたものでしたが、結局国の財政も悪化するばかりで、単なる目先のごまかしでしかすぎませんでした。つまり、現状の公債頼みの歳入は持続できないものであり、地方は独自の財源を開発し、自立する必要があるということです。財政状況については15.で改めて詳しく述べます。

5.地方交付金の算定基礎に人口がありますが、このままでは人口減少と高齢化により、行政コストは増加するが地方交付金は減額されるという状況が予測されること。

6.安倍政権において、まちひとしごと法が制定され、地方の自立が国の政策でも求められていること。

7.伏目温泉の塩田跡地に放置されているように見えるパイプからは相当高温の、しかもかなり多量の蒸気が常時噴出しています。これをバイナリー発電に利用することはかなり容易にできるはずです。なのはな館とかフラワーパーク、かいもん荘跡地などもある程度の規模で地熱開発が可能であるはずです。

8.太陽光発電は電力会社によって受け入れが制限されていますが、これには発電が不安定であるというだけでなく、コストがかなり高いということがあります。太陽光のいいところは小規模に始めることが出来、初期費用が数百万円以下でも可能であるということです。しかし、1kw時当たりの発電コストはまだまだ非常に高いのです。そのため、現状で普通に一般市民が電気代を払う1キロワット時の価格の2倍程度の売電収入がFIT制度で保障されています。しかし、これは単に広く薄く一般市民へコスト転嫁をしているだけであり、行政がこれを行うことは間接的な徴税と同じです。しかし、地熱発電であれば、もともとの発電コストが1kw時で山間部に作った場合でも8円程度だと言われています。指宿市内であればより安価に生産が出来るはずで、九電に売電せず、直接消費者に供給するようにすれば工場誘致なども可能であるはずです。土地開発も条例により公営企業として可能になるのですから、指宿市自身が工場団地を発電施設と共に開発し、工場誘致をすれば、指宿市全体の将来にもプラスになるはずです。もし失敗に終わったら大変だという心配があると思いますが、例えば債務保証を独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が長期借入の8割に当たる約200億円行うということも既に実現しています。このことは、失敗しても心配ないという意味であるよりは、ほぼ確実にうまく行くという意味です。それほど、地熱発電は確実性の高いものであり、そのために世界各国で行われいるのです。なお、石油天然ガス・金属鉱物資源機構により200億円の債務保証がされた案件は秋田県湯沢市高松字高松沢・秋ノ宮字役内山の国有林ということで、山奥の国定公園内に位置するため、アクセス道路の建設や環境評価のコストも含まれていて、それが260億円という巨額な金額になっている原因です。(「債務保証制度」 http://geothermal.jogmec.go.jp/activities/support3.html )

9.核廃棄物処分について、フイクサーのような役割をやられていた方が指宿市内に別荘を持っているという報道が以前ありました。また、一般的に地熱開発には慎重な姿勢をされる方が多くいます。一つには温泉資源との関係であると思われますが、適正な資源量見積りを行うことで共存共栄が十分に可能です。たとえば、山川発電所の運転開始により市内の温泉が枯れたという事例はないはずです。地熱開発が影響した事例としてよく言われる大霧地熱発電所とえびの高原での温泉枯渇の関係ですが、たまたま地熱発電所建設と地下の火山活動の静穏化が同期した可能性があります。この数か月は地表面からの噴気がさかんに観測されているようです。

10.自治体でやるよりも民間による開発に任せるべきだという意見もあるでしょう。しかし、地熱開発はある程度大規模に行うほうがより優位であり、数百キロワットという規模ではあまり行政的な意味はありません。3万キロワットまでは行かなくとも1万キロワット程度での開発を目指すべきであり、そのためには行政の介入がどうしても必要です。また、行政が参加することで、事業主体の倒産の危険性が表面上明らかに減少しますから、金利負担なども少なくて済み、また銀行も貸し出しが容易です。更に、地熱開発は地熱資源全体の分布を見て開発をする必要があり、行政主導による開発の方が地域全体としてより資源の有効利用が出来るはずです。

11.今後、首都直下地震とか富士山噴火、または人口稠密地域での直下型のM7程度以上の地震などが発生すれば、一気に日本の財政は破たんし、急激な円安、株安、債券安に見舞われるはずです。こういった大規模自然災害は既にひっ迫しているとされ、そうなってしまえば指宿市における地熱開発も不可能なものになってしまいます。一刻も早い着手が必要です。

12.少なくとも、地熱開発について、その可能性を審議する外部委員会を組織し、その審議を一般に公開することが必要です。

13.実際の開発に当たっては九州電力や鹿児島銀行とチームを組むことになると思います。九州電力は川内原発・玄海原発を抱え、地熱発電に表向きあまり乗り気ではないでしょうが、実際には内部に相当に地熱発電に意欲を燃やしている方がいるはずです。だからこそ、311の大震災のあと、山川発電所でバイナリー発電の実証実験が開始されたのです。指宿市における地熱開発は、指宿市自身の将来をよいものにするだけでなく、九州電力の経営自体にも大いに役立つはずです。更に、日本の将来を担うビジネスに発展する可能性は非常に大きいものがあると思われます。

14.すべての活動の前提となるものが、地熱開発に関する理解です。電源別コスト比較についても、太陽光などの発電コストとして言われるのはパネル設置やパワーコンディショナーなどの発電設備のみの費用が取り上げられるのに対し、地熱発電は山奥の僻地に建設する前提で、そこまでの道路建設や消費地までの送電鉄塔建設費が含まれるのが普通でした。また、地熱井戸の掘削にしても、地盤状況によりその手間はかなり異なる様子であり、地盤の様相によりコストもかなり変動するはずです。また、いわゆる湯煙発電と称される簡易で小型なものから、山川発電所で実証実験が行われた普通の規模のバイナリー発電、更に山川発電所で建設当初から行われてきたフラッシュ発電、現在世界中で実証実験段階にある高温岩体発電があり、更には、2009年から2011年にかけてアイスランドでマグマ発電が実証実験されました。アイスランドでのマグマ発電については自分も数日前にやっとそれに関する記事を読んだという状況で、日本ではほとんど知られていないものの様子です。しかし、2100mの井戸で先端に細孔のあいたパイプを使って1000度の蒸気を約2年間取り出すことに成功したというものです。2年間というのは地上部のバブルの取り換えのため、井戸を閉鎖する必要があったためだということです。地熱発電をめぐる状況について、調査し、それを整理して一般市民へ公開することが必要と思われます。経済産業省から「地熱開発理解促進関連事業支援補助金」という事業が実施されていて、平成26年度は全ての応募案件が採択となっています。明確に国も地熱発電の普及を狙っているのです。それがあまり大きく取り上げられないのは、日本が地熱を本格的にやってしまうと国際的な大資本がいろいろ困ることがあるためと思われますが、アメリカ自体もシェール開発は実質的に地熱発電の基本技術である水平掘り技術や水圧破砕技術の普及を狙ったものの様子です。つまり、国際的にも地熱開発が今後大きなブームを迎えることは明白であり、国際的な大資本も圧力をかけ続けることはできないはずです。よって、国の補助金事業を利用し、例えば山川発電所の建設費や実証実験をやったバイナリー発電について、ある程度の明細を九州電力に開示するように求め、指宿市が市のホームページ上で公開するなどが良いと思います。

15.国及び地方自治体の財政悪化について。財政悪化は既に広く言われていますが、臨時財政対策債について述べます。この地方債は、「当初、平成13年度から平成15年度までの3か年の臨時的措置として導入された地方債であったが、国において地方交付税の原資不足が解消されないことから、現在に至るまでその措置は延長され、平成28年度まで(出典:平成26年度地方財政計画)とされている。」( http://ja.wikipedia.org/…/%E8%87%A8%E6%99%82%E8%B2%A1%E6%94… )ということです。臨時財政対策債の償還は20年であり、6年後の平成33年にはその償還が公的に始まります。実際に臨時財政対策債として発行されているのは10年債が多い様子で、既に償還期限を迎えたものは借換債の発行で対処がされています。つまり、毎年、地方自治体レベルで臨時財政対策債の借り換えが行われているわけで、もし国の財政悪化が本格化すれば、こういった借換債の発行自体が出来なくなる可能性が強くあります。

 実際、臨時財政対策債の発行状況は悪化しています。大和総研の2014年10月のレポート「地方財政分析と臨時財政対策債」
( http://www.dir.co.jp/…/theme_rpt/…/local/20141003_009008.pdf )によると、平成24年度末で都道府県と市町村を合わせた地方債残高(臨時財政対策債を含む)は144兆7266億円であり、平成19年末と平成24年度末を比較すると、地方債全体の規模が5%程度の増加であるのに臨時財政対策債は全体に対する割合が14.3%から28.1%へと約2倍ということです。地方債全体に対する臨時財政対策債の割合が平成14年度末では2.9%であったものが10年間で10倍にもなっているとしています。
 国全体の財政も危機的であり、2月9日のニュースでは「財務省が9日発表した2014年の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス取引、投資収益状況などを示す経常収支の黒字額は前年比18.8%減の2兆6266億円となった。経常黒字の減少は4年連続。比較可能な1985年以降の過去最少額を3年続けて更新した。貿易赤字が過去最大となったことが主因だ。海外子会社や証券投資の配当・利子の受け取り・支払いを示す第1次所得収支の黒字額は9.7%増の18兆712億円で、通年で最大となった。」ということです。2006年には経常収支黒字が20兆円程度、2007年は25兆円程度あったことから、7年で黒字額が約10分の1になったことになります。経常収支黒字が円の暴落を防いでいたわけで、現状の産業構造が続くと仮定しての見通しとしては、来年はある程度黒字額が拡幅し、しかし、その後数年の内に再び赤字に転落、そのまま財政破たんへ至るように思えます。本格的な円安とは1ドル200円とか300円を超えて円安が進行することを意味していて、輸入に60%を頼る食糧や100%を頼る化石燃料は数倍の価格高騰が避けれません。更に肥料や飼料なども値上がりし、農業の生産性も大幅低下する可能性があります。経常収支黒字幅の減少は2011年の大震災前からのものであり、基本的には韓国、中国、インドなどの発展途上国の工業化と日本自体の少子高齢化によるものです。まして、今後、原発は老朽化するばかりであり、高レベル核廃棄物の処分問題が表面化してきます。西日本がM6程度以上の地震の活動期に入った現状で、原発に電源を頼ることは5年とか10年というごく近い将来を見てもほぼ不可能であり、まして、今九州にある原発を再稼働させることは、せっかく数年間運転をしないで減少した半減期の短い、そしてそのため、強い放射線を発する放射性物質をまた増加させることになります。このことは、もし直下型の地震が原発近傍で起こった場合、少なくとも福島第一原発事故と同じ程度の放射能漏れになることを意味し、川内原発に対して、通年で風下に位置する指宿市も避難を強制される程度には汚染されるはずです。

 指宿市独自を見ても合併特例債は平成32年度まで活用できるということですが、全て借金に変わりはなく、国が大半を負担するということになっていますが、国自体が破たんすれば何の意味もありません。原発の再稼働を避け、または仮に再稼働をするにしても多少の長期を見れば現状の産業構造では指宿市自体もまた日本自体も財政が持たず、社会全体が破たんしてしまいます。財政赤字は昭和40年代に始まっていて、その後本格的に原発導入がされたわけですが、結局原発がフル稼働していた時代を通して財政悪化は続いていたわけです。このことだけを考えても原発稼働があるから地熱開発は必要ないとすることは正しい見方とは思えません。ぜひ、指宿市自身が中心となり、新しい産業構造へ転換し、少子高齢化から活気ある社会への転換をもたらすようにしていただきたいと思います。
                            以上
2015年10月08日21時45分 武田信弘  

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