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(回答先: 経済成長という信仰〜成長が止まる時期が「目前」に迫っている/水野和夫 投稿者 仁王像 日時 2015 年 1 月 24 日 13:51:53)
「資本主義の終焉と歴史の危機」水野和夫/集英社新書‘14年(第二〜三章から抜粋)
第二章 新興国の近代化がもたらすパラドックス
≪現代の「価格革命」が引き起こした実質賃金の低下≫
「価格革命」とは、供給に制約のある資源や食糧の価格が、従来の枠組みで説明できないような非連続的に高騰することで、通常のインフレとは異質なものです。
イギリスでは、1999年以降、企業の利益と雇用者報酬とが分離し、2006年に至っては企業の利益はあがっているのに、雇用者報酬が減少するという現象が起きた。日本でも同じことで、1997年をピークに、好不況にかかわらず実質賃金は激しく低下している。
雇用者報酬の伸び率がマイナスになったことは、1990年以前には決してなかった。ところが、20世紀末にグローバリゼーションの時代(国境に捉われることなく資本と生産拠点の移動が可能)になって、資本側が、労働と資本の分配比率を変えようとした。資本と労働の分配構造を破壊した。資本側の完勝と行っていいでしょう。
第三章 日本の未来をつくる脱成長モデル
≪先の見えない転換期≫
近代資本主義の枠組みのなかで、もはや覇権国家の交替はありません。中国が次の覇権国になるとの見方もあるが、近代化のプロセスを忠実に辿っている限り、覇権国にはなりえないのです。
≪バブルは資本主義の限界を覆い隠すためのもの≫
金融バブルの発生には、二つの条件を満たすことが必要。第一に貯蓄が豊かであること+陶酔(ユーフォリア)があること。第二に、「地理的・物的空間」拡大が限界を迎えてしまうこと。1980年代の日本は、七割の中間層の消費が飽和点に達し、成長が問題解決の決め手にならない領域に真っ先に突入した。
こうして金融バブル生成の二つの条件を満たし、実物経済とはかけ離れた資産価格の高騰、土地バブルが日本で起きたのです。
≪資本の絶対的優位を目指すグローバリズム≫
資本主義の最終局面では、経済成長と賃金との分離は必然的な現象なのです。このままグローバル資本主義を維持しようとすれば、「雇用なき経済成長」という悪夢を見続けなければならないということです。
そのことを雄弁に物語るのが、1999年の労働者派遣法の改正である。
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