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(回答先: 地球人類はエネルギーの過消費をどこかで抑え込むことが可能か?〜二夜連続のNスペを見た感想 投稿者 仁王像 日時 2014 年 5 月 26 日 20:29:41)
脱原発を進めるドイツでは一部の企業が電気料金の安い周辺国に流れている。すでに3%が流れ、さらに14%が計画中である。チャコやフランスである。チェコは石炭を大量に消費して安い電力を供給している(チャコの石炭は露天掘りの「褐炭」といって、CO2も大量に発生)。褐炭の採掘場と発電所に囲まれた村の村長は、澱んだ空気の中で嘆く。「他国の工場のために自国の環境が汚染されるのは望ましくない」。ドイツでは2020年にすべての原発が廃止される予定だが、チェコでは2040年に原発による発電を50%にする予定だ。
原発大国フランスでは、ドイツとの国境の川の対岸で原発が稼働している。
ドイツがクリーン化を目指すと周辺国ではかえって核廃棄物や大気汚染が増大するという。ドイツのハンス・ベルナー・ジン教授は、この現象を「グリーン・パラドックス」として批判している。米国のリチャード・ハインバーク主任研究員は、「大量消費を前提とする社会を変えなければならない」という。
モンゴルには大量の石炭とウラン鉱が埋蔵されているが、掘り出された大量の石炭の大部分は中国に輸出されている。これが深刻な大気汚染を引き起こしている。中国では、この10年の間に肺がん患者が6割増えた。深刻な大気汚染は一刻の猶予もならなくなっている。中国政府は、この3月エネルギー消費に占める石炭の割合を65%以下にすることを決めた(が、専門家は難しいと見ている)。
また、モンゴルではウランを売りやすくするために、政府は、核廃棄物を国内に引き取る政策を密かに進めてきたが、これがある時期明るみ出て、反対運動が起って今は沙汰やみになっている。
人口大国インドとインドネシアの電力需要も爆発的である。エネルギー消費量世界第3位のインドでは停電は日常茶飯時に起きている。盗電も盛んだ。電力需要を賄うため、原発の増設計画もある。
インドネシアでは環境汚染よりも経済成長を重視し、石炭による発電の依存度を53%から66%にする道を選択した。原発の実用化を目指した実験も行っている。
(私見)
中国がなりふり構わず南シナ海に進出しているのは、石炭による深刻な大気汚染から逃れようと必死にもがいている姿にも見える。中国では今年に入って石炭を大量に使う工場が有無を言わさず爆破解体されている。人が生息できないほどの大気汚染に、彼らの焦りとあわてぶりが尋常でないことが見て取れる。
インドネシアの決断は、資本の論理に人も積極的に加担しているわけだが、やがて中国と同じ運命が待っていると説教を垂れたところで、経済発展に無我夢中になっている彼らは聞く耳をもたないだろう。
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