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日中関係の悪化は、フクシマよりはるかに大きなリスクを日本経済に与える 想定以上の実体経済悪化 安倍新総裁の「上げ潮」
http://www.asyura2.com/12/warb10/msg/217.html
投稿者 MR 日時 2012 年 9 月 28 日 19:13:15: cT5Wxjlo3Xe3.
 


【肥田美佐子のNYリポート】米政治学者イアン・ブレマー氏に聞く

「日中関係の悪化は、フクシマよりはるかに大きなリスクを日本経済に与える」
2012年 9月 28日 18:30 JST
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 中国での反日デモは鎮静化したものの、日本政府が沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)を国有化したことによる日中関係の悪化は、依然として大きなリスクをはらんでいる。

 米東部時間9月26日(日本時間27日)、国連総会出席のためニューヨークを訪れている野田佳彦首相は、国連での演説後、記者会見に臨み、尖閣諸島は日本固有の領土だと明言。「領有権の問題は存在しない」として、妥協の可能性を一蹴した。

 一方、日本の同盟国である米国は、パネッタ国防長官の「尖閣問題について、日中いずれの側につくこともない」という発言など、日米中関係の距離の取り方に苦慮しているようにもみえる。

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Annabel Moeller
ユーラシア・グループ代表、イアン・ブレマー氏
 米国の対アジア政策は、どこに向かうのか。米大統領選の結果は、日本と中国の関係をどう変えるのか。日中関係の不安定化は、G8(主要国)やG20(20カ国・地域)を経て、主導国不在の「Gゼロ」時代に突入した世界にどのような影響を及ぼすのか。「『Gゼロ』後の世界」(日本経済新聞出版社)を著し、「世界10大政治リスク」の分析で知られるニューヨークのコンサルティング会社ユーラシア・グループのイアン・ブレマー代表に話を聞いた。

――ユーラシア・グループが今年初めに発表した「世界10大政治リスク」の7位位に中国が入っていた。

ブレマー氏 当時は、中国経済の差し迫った減速について懸念はなかったが、米国が外交政策の軸足をアジアに移したのは明らかだ。東南アジアや東アジアの同盟国が、米国のさらなる関与を強く求めていることが理由の一部である。安全保障面での中国の影響力を非常に危惧しているのだ。

 中国は、いずれ世界最大の経済大国になるだろう。だが、民主主義体制にのっとった先進工業国の政治経済制度とはかい離したシステムを採っているため、中国の急激な台頭は、米国やその同盟国に懸念を招く。

――中国全土での反日デモは、10月の国家主席交代を控え、政治権力移譲の産物である「政治劇」にほからないという声もある。

ブレマー氏 中国が日本との戦争を望んでいないのは明白だが、反日デモは、中国政府の憤慨と中国市民の実際の感情を反映している。中国には日本への反感があるため、(デモという形で)組織化しやすいという土台がある。

 一方、中国が成長を続けるなかにあって、日本が(状況によって軸足を移し、対外政策を変えることでリスクヘッジする)「ピボット国家」になるのは、さらに難しくなっている。日本は、米国と軍事同盟を結び、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の締結にも乗り出しているからだ。言うまでもなく、中国はTPPの加盟国に含まれていない。

 中国が軍事力と経済力を拡大し、内政上の課題も増えるにつれて、もともと安全保障や領土の問題で非常に難しい関係にある日中の間には、さらなる緊迫感が漂うだろう。要するに、中国と日本の対立は多くの理由から、構造的に増大していくものと思われる。

――日中関係の緊迫化は、主導国なき「Gゼロ」時代を迎えた世界にどのような影響を及ぼすのか。

ブレマー氏 面白い質問だ。そもそも世界がGゼロ(時代)になりつつある背景には、過去何年間かで勢力を増した国々が、民主主義下の先進産業諸国と基本的に非常に違っているという事情がある。Gゼロは、「違い」の増大によって生まれた。だから、(かじ取りが)難しい。

 Gゼロ下の世界では、グローバルな機関がもはやかつての機能を発揮せず、グローバルなリーダーシップも構造も存在しない。その代表が中東とアジアであり、明らかに衝突が増えている。西半球もグローバルなリーダーシップは不在だが、依然として米国が支配的な役割を演じている。

 アジアにとって、グローバルなリーダーシップの不在は、中国と米国が影響力の行使をめぐって対立を深めることを意味する。米国は安全保障の見地から、より支配的な影響力を持つが、中国は、経済的な面で、より優勢な影響力を及ぼしている。こうした状況は、長い目で見てサステイナブル(持続可能)ではない。アジア諸国が、どちらかの国を選ばなければならなくなるからだ。

 台湾は、安保上の関係では米国側かもしれないが、事実上は中国を選んだ。他国もこうした難しい選択を余儀なくされる。日本にとって、こうした選択がより難題なのは明らかだ。Gゼロ以前は、民主党が親中派で自民党が親米だという議論がなされたものだが、今やそんなことは関係ない。民主党だろうが自民党だろうが、日本が中国と大きな問題を抱えていることに変わりはない。Gゼロ環境の下では、中国は日本にとって、より大きな脅威となる。

――東アジアは、さらに不安定化するのか。

ブレマー氏 そう思う。中国と米国のやり方は非常に違うため、難しい。東アジア諸国は、どちらの国を選ぶかという決断を避けたいだろうが、ずっと回避し続けるのは困難だ。中国は、経済的影響力が増すにつれ、他のアジア諸国が米国と政治・安保上の関係を維持することを嫌うだろう。

 一方、米国は、(東アジア圏での)安保を提供し続けるならば、アジアや米国の同盟国との関係から、より大きな恩恵を手にできる。そうした意味で、米国は、グローバルな圧力にさらされている。

――米高官からは、「日中とも頭を冷やせ」「米国は、領土問題について、どちらの側にもつかない」といった声も聞かれる。

ブレマー氏 米国人は、日本側にくみしている。米政府は、東シナ海(の領土)の問題では、どちらの肩ももたないと言った。中国を激高させないためだ。しかし、状況が悪化すれば、米国は日本側につかざるをなくなる。日本は米国の同盟国だが、中国は違うからだ。

 (9月に訪中した)パネッタ国防長官が、「(アジアで)ピボット外交を展開するのは、アジア太平洋地域における中国の拡大に手を貸すためだ」と言ったのには、思わず笑ってしまった。スピーチライターの腕が悪かったのだろう。米国がやろうとしているのは、中国に対し、より建設的な行いをするよう促すことであって、中国の拡大を助けるためではない。もし建設的な行いを引き出せないなら、さらなる中国の拡大に対してリスクヘッジをかけるのが、ピボットの目的だ。

 面白いことに、(共和党大統領候補の前マサチューセッツ州知事)ロムニー氏は、米国にとって最大の地政学上の敵はロシアだと言い、オバマ大統領は、アルカイダだと言う。だが、答えは中国だ。誰もが知っているが、皆、口にしたがらない。衝突を避けたいからであり、賢明なやり方だと思う。

――あなたは、直近の英紙への寄稿で、「米国に必要なのは、アジア最良の同盟国である日本だ」と書いている。

ブレマー氏 疑う余地がないことだ。とはいえ、日本が非常に内向きになっている点や、しょっちゅう首相が代わることなどから、米国政府のなかには、そう考えない人が大勢いる。だが、日本は、世界第3位の経済大国であり、米国の戦略的同盟国だ。米国にとって、日本との関係は特別なものである。

――ロムニー氏のほうが対中強硬路線に訴えるのではないか、という声もある。大統領選の結果は、日中関係をどう変えるのか。

ブレマー氏 オバマ大統領が再選されるだろうが、仮にロムニー氏が勝ったとしても、レトリック(修辞)上の強弱の違いくらいで、政策的には、オバマ大統領と非常に似たものになるだろう。ロムニー氏は、大統領になったあかつきには、就任1日目に中国を為替操作国と名指しする、と公言している。だが、実際にはやらないだろう。

 中東や欧州からアジアに照準を移したピボット外交は、クリントン政権で始まり、オバマ大統領が踏襲した。ロムニー氏が勝ち、ボブ・ゼーリック前世界銀行総裁が国務長官になったとしても、米国の方針は変わらないだろう。レトリックは強くなっても、政策への実際的な影響は限られる。

――日本では、中国が政治指導者の交代という微妙な時期に、十分な根回しなどもせず、あえて尖閣諸島の国有化に踏み切った民主党への批判も聞かれる。一方で、東京都による買い取りを強硬に主張し、国有化せざるをえない状況に野田政権を追い込んだ石原都知事の責任のほうが大きい、と指摘する声もある。

ブレマー氏 後者の意見に賛成だ。野田政権は、国内の(政治的)闘争や圧力にからめ捕られ、立ち往生しないよう、十分に強硬な姿勢をとろうと努めている。

 日本政府、民主党、そして自民党は、今、中国政府との戦いのさなかにあるという事実を強く認識する必要がある。これは、日本にとって大きなリスクだ。長期的に見れば、日中関係の悪化が日本に及ぼすリスクは、フクシマが日本経済に与えたリスクをはるかに上回る。フクシマに対応できるかどうかは、日本の人々にかかっているが、中国に対処できるかどうかは、日本の人たちの手にゆだねられてはいないからだ。

 中国が戦争を望んでいるとは思わない。日本も、中国とは相対的に友好的な関係を望んでいるはずだ。日本は、中国と貿易や経済の点で大きくかかわっている。今、それがリスクにさらされているのは間違いない。

*****************

肥田美佐子 (ひだ・みさこ) フリージャーナリスト


Ran Suzuki
  東京生まれ。『ニューズウィーク日本版』の編集などを経て、1997年渡米。ニューヨークの米系広告代理店やケーブルテレビネットワーク・制作会社などに エディター、シニアエディターとして勤務後、フリーに。2007年、国際労働機関国際研修所(ITC-ILO)の報道機関向け研修・コンペ(イタリア・ト リノ)に参加。日本の過労死問題の英文報道記事で同機関第1回メディア賞を受賞。2008年6月、ジュネーブでの授賞式、およびILO年次総会に招聘され る。2009年10月、ペンシルベニア大学ウォートン校(経営大学院)のビジネスジャーナリスト向け研修を修了。現在、『週刊エコノミスト』 『週刊東洋経済』 『プレジデント』『ニューズウィーク日本版』などに寄稿。『週刊新潮』、NHKなどの取材、ラジオの時事番組への出演、日本語の著書(ルポ)や英文記事の 執筆、経済関連書籍の翻訳にも携わるかたわら、日米での講演も行う。翻訳書に『私たちは“99%”だ――ドキュメント、ウォール街を占拠せよ』、共訳書に 『プレニテュード――新しい<豊かさ>の経済学』『ワーキング・プア――アメリカの下層社会』(いずれも岩波書店刊)など。マンハッタン在住。 http://www.misakohida.com

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http://jp.wsj.com/Japan/Economy/node_520874?mod=WSJFeatures

 


想定以上の実体経済悪化を警戒、日本のデフレも円高要因と嫌気
2012年 09月 28日 15:12 JST
[東京 28日 ロイター] マーケットの想定以上に実体経済の悪化が進んでいる。受注や生産が落ち込む一方で在庫が積み上がるなど、在庫調整進展への期待が後退。日本のデフレが止まらないことも円高要因と嫌気されている。

大胆な金融緩和や景気対策期待などで市場心理は下支えられているものの、積極的なリスクオンは乏しい。

<生産下振れを警戒>

一部のエコノミストが年後半に景気が持ち直すと予想している背景には、在庫調整が一巡するとの期待がある。だが、27日に発表された米国の8月耐久財受注(航空機除く非国防資本財)では、出荷が2カ月連続でマイナスとなる一方、在庫が増加。調整が進むどころか、在庫がどんどん増えていく状況であり、企業は生産調整の判断を迫られることになりかねない。

日本の8月鉱工業生産は前月比1.3%低下と市場予想(0.5%低下)よりもさらに悪い結果となった。在庫は前月比1.6%低下し、市場では「見た目ほど悪くない」(国内シンクタンク)との声も出ているが、生産のマイナス分を差し引けば0.3%の低下にとどまる。中国問題などでさらに生産が減少すれば、在庫調整が思うように進まない可能性も大きい。岩井コスモ証券の投資調査部エコノミスト、田口はるみ氏は「思った以上に生産が伸びておらず、足元の中国の状況を考慮すると10、11月には一段と生産や需要が落ち込み、厳しい状況が続くとみられる」と生産の下振れを警戒する。

前場の日経平均.N225は続落。年初来高値の1万0255円を付けた3月27日に対する絶対期日が到来しているため、信用期日に絡む売り物などが出ているという「特殊事情」もあるが、マーケットでは「鉱工業生産の内容が悪かったのが日本株の売り要因になっている」(外資系証券)との指摘もある。追加金融緩和期待や景気対策などで、市場のリスクセンチメントは維持されているものの、海外勢のリスクオンの動きは一服し、「いったん引いてみている感じだ」(大手証券トレーダー)という。

<日米の期待インフレに格差>

日本のデフレが依然として深刻であると示されたことも日本株の上値を抑えている。米国などでは量的緩和第3弾(QE3)の導入でインフレ予想が強まっており、日米のインフレ期待の差がドル安・円高として表れやすいためだ。

8月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合、コアCPI)は前年比0.3%低下と4カ月連続でマイナス。先行指標である9月の東京都区部コアCPIは前年比0.4%低下とマイナス幅は8月の0.5%から縮小したものの、市場予想(0.3%低下)を下回った。娯楽サービスや交通などが悪く、「特に、宿泊料や航空運賃の下落が目立っている。海外景気減速の影響もあるだろうが、対中国・韓国との関係悪化が長期化すれば、来日外国人数が減少する可能性がある」(国内金融機関)という。

野村信託銀行・資金為替部次長の網藏秀樹氏は、名目金利がゼロ近辺に張り付く中では期待インフレの差が為替を動かす原動力となりやすいと指摘。「QE3によるインフレ予想が強くなってきた米国と、依然デフレの日本をみれば、ドル/円の上値は重くならざるを得ない」との見方を示している。

<スペイン改革策に冷静な見方>

スペインが27日、歳出削減に重点を置いた2013年予算案を提示するとともに、経済改革の行程表を発表したことは、発表直後の海外市場ではポジティブ要因として受け止められたが、マーケットでは徐々に冷静な見方が多くなってきている。

1つは政策の前提となる2013年の成長率見通しの甘さだ。改革策が歳出削減策に重点を置いている点を評価する声もあるが、「マイナス0.5%の成長率は最も楽観的な見通し」(IGマーケッツ・ブローカレッジのソレダド・ペロン氏)とされ、市場を納得させるには不十分。緊縮財政が国民の理解を得るまでには紆余曲折が予想されていることに加え、「バブル崩壊後の緊縮財政はスパイラル的な経済収縮を招きかねない」(国内金融機関)と指摘されるなど、市場では厳しい見方が出ている。

スペインはきょう国内銀の資本不足額を特定する為に実施したストレステストの結果を公表するが、野村証券・金融市場調査部チーフ為替ストラテジストの池田雄之輔氏は「これを受けて格下げとなれば、リスクオフ的な展開が広がりそうだ。為替市場は格下げを2―3割程度しか織り込んいないとみられ、週明けにユーロ安と円高が進行する可能性がある」と指摘している。

(ロイターニュース 伊賀大記;編集 山川薫)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE88R03L20120928


スペイン、13年予算案と改革行程表を発表:識者はこうみる
2012年 09月 28日 07:34 JST
[27日 ロイター] スペインは27日、歳出削減に重点を置いた2013年予算案を提示するとともに、経済改革の行程表を明らかにした。全面支援を要請した場合、履行の義務付けが想定される財政再建の条件に対し、同国が先手を打って対応する狙いがあると受け止められている。

予算案では、省庁の歳出を8.9%削減。公務員給与を3年連続で凍結する。

市場関係者のコメントは以下の通り。

●支援要請での厳しい条件回避の狙いも

<コメルツ銀行(ニューヨーク)の金利ストラテジスト、デビッド・シュノウツ氏>

経済相は、実際に求められている以上の内容と言っていたが、おそらく市場が望んでいたことだろう。支援を要請する際に多くの条件を課されることを避ける狙いがあったとみられる。

現状打破といった内容ではない。正しい方向だが、市場は依然、国債利回りが長期間にわたって高過ぎる水準にとどまった場合に新たな支援を求めるとした26日の首相発言に注目しているようだ。支援要請は時期の問題となっており、回避できるものではない。

●成長率見通しが過度に楽観的

<IGマーケッツ・ブローカレッジ(マドリード)のソレダド・ペロン氏>

多くの数字が示されたが、来年の成長率見通しをマイナス0.5%としたことで信用性を欠く。国際通貨基金(IMF)などの見通しをみれば、マイナス0.5%の成長率は最も楽観的な見通しを言えるだろう。それでも、歳入増より歳出削減を重視していることが明確なため、初めのうちは好意的に評価されるだろう。

●歳出削減の即効性低い、いずれは支援要請との見方

<シティグループのストラテジスト、アレッサンドロ・テントリ氏>

歳出削減に重点が置かれているのは興味深い。だが(経済への)影響という点では即効性は低く、より長期的なものになるだろう。

市場のポジションから判断して、欧州中央銀行(ECB)の新たな債券買い入れが実施されるまでは、スペインをショートにするのは避けたいようだ。

スペインが早期に支援要請を余儀なくされるとのコンセンサスがあり、ショートにすることには抵抗がある。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE88Q06020120927

G7では新財務相が歴史的円高のデメリット説明へ=安住財務相
2012年 09月 28日 13:07 JST
[東京 28日 ロイター] 安住淳財務相は28日、閣議後の会見で、為替動向について「歴史的な円高水準にある」と述べ、近く東京で開催される予定のG7財務相・中央銀行総裁会議では、円高による経済の下振れリスクなどデメリットが大きいことを新財務相が説明することになるとの認識を示した。

日米欧7カ国(G7)は、IMF・世銀総会開催に会わせて、来月11日に東京で財務相・中央銀行総裁会議を開く予定で調整を進めている。

G7で円高を議題にする考えはないかとの問いに安住財務相は、「(歴史的な円高で)日本がどういう状況にあり、どういう下振れリスクがあるか。新しい財務相がIMF・世銀総会でのバイ会談を含め、円高要因が日本経済にとって非常にデメリットが大きいことを説明することはいい」と語った。

<景気下振れリスク、補正予算はデータを総合判断>

秋の補正予算編成の必要性については判断を留保した。安住財務相は、不安定な世界経済が日本経済の下振れリスクになっているとし「財政的なサポートは重要な課題だ。そのやり方、方法については、新しい内閣で総合的にデータを勘案しながらやりたい」と語った。

一方で、「特例公債法が通らないで、大型補正というのも物理的に難しい」とも指摘。「その制約のなかで、限られた予備費等を使って下支えができるのか、いろいろなことを検討していかなければならない」と慎重な見方を示した。

<安倍新総裁の消費税発言に反論、「ちゃぶ台返し」は不毛>

自民党の安倍晋三新総裁が消費税上げに慎重とも受け止められる発言を選挙戦で展開したことに関連しては、データを共有し同じ土俵でかみ合った議論をしたいと呼びかけた。

安倍新総裁は消費税の引き上げ時期を間違えると景気の腰を折るとして、「デフレが続いている間は上げるべきではない」と先送りも視野に入れる発言を行った。

これに対して安住財務相は、消費税引き上げを含む社会保障・税一体改革法でも、景気に配慮した弾力条項を明記しているが数値を条件にしたものではないと繰り返し、「『ちゃぶ台返し』は不毛な対立を呼ぶ」とけん制した。成立した法案には自民党も賛成したとことだと強調し、法律に従って対応すると語った。

そのうえで安住財務相は安倍新総裁について「政治経験も長く、行政運営全般、財政状況も含め知っている。財政再建の必要性も十分認識がある」と評価し、前向きの論争を期待した。

<減額補正の具体案提示を、特例公債法成立で呼びかけ>

特例公債法成立に向けては、自民党の安倍新総裁も石破新幹事長も「政争の具にすべきではない」と言及したことを上げ、「総理との党首会談で合意が得られれば日本にとってよい」と期待した。

さらに、安倍新総裁が就任後の記者会見でも、12年度予算の減額補正が特例公債法への協力の条件としたことに関しては、具体的に減額補正の中身と規模を出してほしいと呼びかけた。「減額補正をすれば特例公債をというのであればどういう減額補正が必要かということを提示してもらえれば、政府として受け止める可能性はある」と述べ、具体的な提案が示されれば「真剣に党としても受け止めたいし、財務省としても真剣に議論したい」と前向きに取り組む考えを示した。

(ロイターニュース 吉川裕子)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE88R02B20120928?sp=true


中国は世界の景気減速を甘くみていた=人民銀金融政策委員
2012年 09月 28日 09:40 JST
[北京 27日 ロイター] 中国人民銀行(中央銀行)の陳雨露金融政策委員(中国人民大学学長)は27日、中国は今年の世界経済減速についてかなり甘く見積もっていたとした上で、銀行の預金準備率や金利をさらに引き下げるかどうかは外部環境が一段と悪化するかどうかに左右されるとの認識を示した。

世界経済や資本フローに関する会議に出席した際、記者団に語った。

同委員は「われわれは外部の経済環境の厳しさを甘く考えていた」と述べ、世界経済はしばらく低迷が続く可能性があるとの見方を示した。

中国人民銀行が銀行に民間への貸し出しを促すため、さらなる利下げや預金準備率の引き下げを実施するかとの質問には「外部環境がどの程度悪化するかにかかっている」と答えた。

人民銀行は6月と7月に金利を引き下げたほか、2011年終盤以降3度にわたって預金準備率を引き下げてきたが、最近は内外の需要が一段と冷え込む兆しが見られるにもかかわらず、リバースレポを通じた短期資金の供給に依存する姿勢を見せている。

これについてアナリストは、不動産価格上昇やインフレリスクに対する中国政府の懸念を反映したものとみている。

陳雨露委員はこの点について、政策当局者は政策の緩和が行き過ぎ、再び住宅価格の上昇を招くリスクを認識していると指摘、「金融政策はジレンマに直面している。(人民銀行は)経済成長を安定させる必要がある一方で、不動産価格の問題を強く懸念している」と述べた。

さらに、市場でのオペを多用していることは、金融セクターの改革を推進する人民銀行のスタンスを反映したもので、人民銀行は価格決定の上で市場にもっと大きな役割を委ねたいと考えていると指摘。中央銀行は構造改革を促す必要もあるため、単純に政策を緩和するわけにはいかない、と述べた。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE88R00E20120928


【第5回】 2012年9月28日 瀧口範子 [ジャーナリスト]
中国は“1930年代の日本”への意識を引きずっている
東京都の購入を防いだ「尖閣国有化」は正しい判断だ
――ジョセフ・ナイ元米国防次官補(現ハーバード大学教授)に聞く
東京都の尖閣諸島買い取り構想などを契機に領有権問題で日中両国の緊張が高まるなか、中国国内では反日行動が全国的に広がっている。こうした日中関係の悪化に対してアメリカは、キャンベル国務次官補が尖閣諸島は日米安全保障条約の適用対象であることを明言しつつも、日中の領有権問題についてはいずれの側にもつかないことを明確にしている。こうした立場を保つアメリカは、今回の日中両国間での領有権問題をどう捉えているのか。また、今後の日中関係については、どのような展開を望んでいるのか。カーター、クリントンら米国の歴代民主党政権で国務次官補や国防次官補などの要職を歴任し、オバマ政権の対アジア外交にいまだ隠然たる影響力を持っているといわれるジョセフ・ナイ氏(現ハーバード大学教授)に聞いた。(聞き手/ジャーナリスト 瀧口範子)

「尖閣諸島国有化」をした
野田政権の判断は正しい

――領有権問題で日中両国間の緊張が高まっている中、日本政府は尖閣諸島を個人地主から買い上げて国有化した。この動きをどう評価するか。


ジョセフ・ナイ(Joseph Nye)
ハーバード大学教授。同大学ケネディスクール前学長。カーター政権で国務次官補、クリントン政権で国防次官補を務めるなど、米民主党政権下で要職を歴任。米国を代表するリベラル派の学者であり、知日派としても知られ る。クリントン政権下の1995年、ナイ・イニシアティブと呼ばれる「東アジア戦略報告」をまとめ、米国が東アジア関与を深めていくなかで対日関係を再評 価するきっかけを与えた。2000年代には、同じく知日派として知られるリチャード・アーミテージ元国務副長官らと超党派で政策提言報告書をまとめ、台頭する中国を取り込むために日米同盟を英米同盟と同じように深化させるべきと説いた。オバマ政権誕生時には一時期、駐日大使の有力候補に浮上。国の競争力に ついて、ハードパワー(軍事力や資源)とソフトパワー(文化的・政治的影響力)を組み合わせた「スマートパワー」の重要性を提唱していることでも有名。 1937年生まれの75歳。
 今、日本にとって重要なのは中国のナショナリズム(国粋主義)を刺激しないことだ。その意味で、日本政府は適切に行動していると考える。中国は年内の政権移行を控えており、この時期には政治指導者間の権力闘争が増して、とかくナショナリズムが高まる傾向がある。自分たちの方がより国家を護っていると、それぞれが誇示しようとするからだ。したがってこの時期は、日本が穏健で抑制がきいた対応をするのが賢明だ。尖閣諸島を購入した野田政権の判断は正しい。そうすることによって、石原慎太郎東京都知事のような人物が中国を激怒させることが防げたからだ。国有化ついて、私は批判的ではない。

――政府が買い上げるのと、東京都が買い上げるのとでは大きな違いがあるということか。

 日本政府が買い上げたことによって、この問題をコントロールするのは政府であることを野田政権はアピールした。国内の一知事が自分の政治目的のために利用するのを阻止したことは正しい。

――しかし、中国を刺激しないという意味で言えば、あのままにしておけなかったのだろうか。

 それについての回答は持ち合わせていない。地主が何を望んでいたのか、あるいは別の地主希望者が出てきたからなのか、そうしたことも不明だ。

悪化する反日デモの
キーマンは誰か

――今夏、中国で反日行動が起こり始めた際、あなたはその中心になっているのはナショナリズム的なブロガーらだと見ていたが、その後反日デモは中国全土に広がって暴力的になっている。

 確かに悪化した。政権移行期は政治指導者らがはっきりした行動に出にくいものだが、現在はこのナショナリズムの高揚を利用しているところもある。中国は専制主義的国家なのでデモはいつでも止められるが、それでもこの状態は危険だ。ナショナリズムは尖閣諸島問題だけでなく、南シナ海の領有権問題でも同じように起こっている。私は中国政府高官に「中国はソフトパワーを使い損ねて、攻撃的になり過ぎている」と伝えたのだが、その時に返ってきた答えは「この時期にはどうしようもない」というものだった。つまり、政権内部での闘争がそうさせているのだ。

――そうしたデモ運動の実際の音頭取りをしているのは誰か。

 いろいろな人間がいる。人民解放軍(PLA)など政府関係者のサポートを得ている個人やグループということもあるだろう。あるいは、過去100年間中国はずっと犠牲を強いられてきて、これからは抑圧に抵抗すべきだと主張する普通の学生や国民もいる。こうした主張をする人口が存在し、彼らがある程度世論を反映していることを中国政府は以前から認識しており、それが政府の足かせとなってきた。

――政権移行が完了すれば収まるのか。

 そう望みたいが、まだ移行のあり方がはっきりはわからない。だからこそ、権力闘争が起こっているのだ。だが次期国家主席の習近平は、この状態が続くと中国にとっての損失があまりに大きくなるとわかるだろう。1970年代、ケ小平は「島嶼問題は自分たちの世代で解決するには難しすぎる。ずっと後の世代に託すしかない」と語り、中国はこれまでこれに沿って行動してきた。中国がその政策に戻るよう希望している。

尖閣は日米安保の適用対象と明言しつつ
日中との中立を保つ米国の意図

――習近平は、対米関係については強硬派だという見方もあるが、どう分析しているか。

 今年2月の訪米でワシントン側が受けた印象は現実的な人間であり、胡錦濤よりは強い国家主席だが、協力関係は築けそうだというものだった。とは言え、中国政府高官は就任までは何も明らかにしないよう最大限の注意を払っているので、正確にはわからない。

――先頃中国は空母を配備した。これは何を意味するのか。

 これは日本だけではなく、ベトナムやフィリピンなど南シナ海沿岸諸国にも向けた軍事力の誇示だ。しかしクリントン国務長官がかつて明言し、最近キャンベル国務次官補も繰り返したように、尖閣諸島は日米安全保障条約の適用対象だ。アメリカは、19世紀から由来する尖閣諸島問題について、究極的な持ち主が誰であるかについて日中いずれの側にもつかないことを明確にしている。だが、安全保障の観点においてはアメリカがカバーする。そのため、中国が日本に対して軍事力を行使することはないだろう。ただし、南シナ海については多少の影響があるかも知れない。

――アメリカは、環太平洋合同軍事演習「リムパック2014」に中国を招待したが、その意図は何か。

 日米中三国にとってベストなのは、日米、日中、米中という三角形の関係が向上することだ。PLAがアメリカに対して、軍事行動に出るのではないかという疑いを持つことは、三国にとっていいことではない。しかし、軍部同士の交流や協力によってそうした疑惑のレベルを下げることができる。中国はいつも同意するわけではないが、米国はずっとこの立場を保ち続けてきた。

近隣各国との関係悪化でも
領有権紛争から足が抜けない中国の事情

――先頃、尖閣諸島周辺には、台湾の漁船や巡視船も姿を現した。

 南シナ海のほとんどの地域を領土とする「9つの破線」は、もともと中国国民党政府が作成した地図で、共産党の地図ではない。つまり、中華民国が描いた地図を台湾が引き継いでいる。台湾は、ナショナリズム的という意味では北京と同じような立場をとっているが、現在以上の行動には出ることはないだろう。今回の行動も、国としての威信を示せという国内でのプレッシャーのせいかもしれない。

――中国は多方面で領有権紛争を起こしているが、領有権について何らかの一貫した政策があると見るか。

 南シナ海では、「9つの破線」で囲まれた島嶼地域を中国のものとして主張し、これが中国を難しい立場に陥れているのだが、今さら足が抜けないという苦しい状況になっている。近隣諸国との関係悪化を生む愚かな外交政策であるにもかかわらず、ここであきらめるとナショナリストのグループから弱腰と大きな非難を浴びることになる。

――中国政府で実際に保全や領有権についての政策を定めるのは、誰か。

 9人で構成される中国共産党政治局常務委員会や、国務委員の戴秉国が中心となる政策を立てているはずだ。その下に外交部(日本の外務省に当たる)があり、そこも多少の役割を果たしている。しかし、それ以外にも外交を専門にする高官もいる。ことに領有権のような問題になると、漁業担当、海事担当高官、PLAの高官など官僚組織のさまざまな部分がそれぞれの言い分を競っている。

今後、日米両国がとるべき対中政策とは

――あなたは先頃、元国務副長官のリチャード・アーミテージと共同で『アーミテージ・ナイ報告書』を出した。なぜこのタイミングで発表したのか。

 アーミテージ氏と私は、日米協力関係は非常に重要な政策で、超党派的なアプローチで臨むべき課題であると考えている。アーミテージ氏は共和党派、私は民主党派だが、過去においても大統領選挙を控えた時期に両党に日米関係の重要性を訴えるためにレポートを発表してきた。

――そのレポートの中に「日本は国家防衛のために、積極的な責任を果たさなければならない」という一節がある。この積極的な責任というのは何を示すのか、そして日中関係では何を意味するのか。

 日本が1930年代のような攻撃的な立ち位置に戻るべきだと言っているのではない。集団的自衛に関わる力を備えた国家という意味だ。日本は好戦的でもないし、攻撃的になる危険性もないと見ているが、一方で普通の国として振る舞いながら集団的な自衛に参加できるはずだということだ。

――自衛隊の活動をさらに拡大せよということか。

 いい例が中東やペルシャ湾で自衛隊が行っている海賊対処行動だ。中国との関係で言えば、沿岸警備能力の中で領有権問題のある地域についてはモニター活動を行い、防衛するということだ。ただし、日中間の紛争を引き起こすようなことだけは避けなければならない。

――領有権問題を別にすれば、日本は対中政策をうまく舵取りしてきたと思うか。

 道理にかなった方法で対処してきたと考える。安全保障上、日本にとっての目前の脅威は北朝鮮だ。中国は、日米安全保障条約があるかぎり日本に向かって軍事行動を起こすことはないと見ている。したがって長期的には、日米両国の目標は中国と分をわきまえた関係を持続させ、日米、日中、米中間の良好な関係を持続していくことだ。その三角形の関係の安定が、東アジア地域の平和と繁栄のための基礎だ。中国に対して敵意を抱くことは、日米両国がやってはならないことだろう。つまり、中国との関係は、長期的な前向きの関係を築いていくことだ。他方、北朝鮮との関係は、不安定な政権が発する軍事行動のとばっちりを受けないようにすることだ。

――日米安全保障条約がある限り中国は日本を攻撃しないということだが、日本の一部には、アメリカの地政学的戦略の駒にされて犠牲を払ってきたという意識もある。日本は、日米中という三角形の関係を離れて、どの程度二国間関係として中国に向き合うことができると思うか。

 日米両国が、非常に多くの利益を共有していることは確かだ。日本が自国の安全保障において持つオプションは何かというと、ひとつは中立になって国連だけに頼ることだろうが、これはあまり保障にならない。ふたつめは中国の同盟国になることだが、これは中国が日本に対して強硬になりすぎる危険性をはらんでいる。3つめは、日本が一方的な核兵器開発を行い、核政策よって中国に対する抑止力を備えることだが、これはかなり危険だ。そして4つめのオプションが、日本がアメリカとの同盟関係を保ち、中国が責任感のある一国家となるように図っていくことだ。そうした意味で、日米は似た目標を共有しており、アメリカが日本を操作しているとは思わない。

――オスプレイの沖縄配備についてはどう見ているか。配備が日中関係にどんな影響を与えると思うか。

 オスプレイ配備については、日本国民がアメリカ国民以上の危険を冒すよう迫られる理由はない。アメリカの防衛省は、オスプレイは安全だとし、アメリカでも人々の生活圏の近くを飛ぶことになっている。つまり、自分たちが受け入れられる以上のことを日本に求めているわけではない。また、日中関係にこの配備が直接与える影響はないだろう。日米同盟関係が弱体化すれば話は別だが、オスプレイ問題が弱体化をもたらすとは考えていない。

中国は1930年代の日本への意識を
未だに引きずっている

――アメリカから見て、中国は日本をどう捉えていると思うか。

 残念なことに、中国は1930年代当時の日本への意識を引きずっている。決して健康的なことではないが、それが事実だ。それがなければ、日中両国の間にこれまでもっと協力関係があっただろうし、尖閣諸島問題のような緊張も起こらなかった。これまで何度もそうした機会を逃してきたが、たとえば国連の平和活動やエネルギー問題、気候温暖化などの課題で協力関係を築けるはずだ。

――中国の政権移行期を含む今後数年間、日本は中国に対してどういった態度で臨むべきか。

 むやみに挑発的に見える行動は抑えて良好な関係を保ちつつ、自国の利益が冒されそうになった際には毅然と向かい合って、それを護ることだ。
http://diamond.jp/articles/print/25528

コラム:人民元国際化に政治の壁、通貨危機リスクも=竹中正治氏
2012年 09月 26日 16:41 JST
竹中正治 龍谷大学経済学部教授

[東京 26日 ロイター] 中国人民元の国際通貨としての台頭については、このフォーラムでも斉藤洋二氏、加藤隆俊氏が慎重ながらも将来的にその現実性は十分あると述べられている。

こうした比較的慎重な意見の一方で、「国内総生産(GDP)で日本を抜いて世界第二の経済大国になったのだから、人民元のプレゼンスが国際通貨として高まるのは自然」といった論調も中国内外で横行しているようだが、それは実に危うい俗論だ。

国際通貨化のプロセスは必然的に中国国内の経済・金融にまたがる既得権益のほぼ解体的な再編を意味するものであり、本気でそれを実現するならば「第二の革命」とでも呼ぶべき、高い政治的なハードルを乗り越える必要がある。その過程において政治体制の不安定化や、制度・政策の不整合を原因にした金融危機的な状況すら起こり得ることを指摘しておこう。

<人民元先物為替市場の構造的問題>

まず、今日のドルや円、ユーロのような「国際通貨」とは、貿易、投資、金融などの国際取引に世界中で使用されるものだ。したがって、世界の外為市場で自由に交換、売買できる条件が満たされる必要がある。

たとえば、日本と中国の間で「ドルや円ではなく、人民元建てで契約しましょう」と言われた場合、為替相場の変動リスクは日本の契約者が負うことになる。当然、日本の契約者は人民元の為替リスクをヘッジできる環境がなければ、一方的に為替リスクを負うことを拒む。外国為替のリスクヘッジ手段としては、先物為替取引が最も一般的であり、先物為替取引で人民元相場の変動リスクを回避する反対取引ができれば問題はない。ところが、現在、人民元については十分な流動性のある先物為替市場はできていない。

一方、ドル建てで契約すれば、日本の契約者はドルと円の為替変動リスクをドル円の先物取引でヘッジできる。また、中国の契約者にとっては、十分な流動性のあるドル・人民元先物市場はないものの、中国政府が常時大規模な外為市場への介入で事実上対ドルでの為替変動リスクを抑制しているので、短期なら大きな為替リスクを負わずに済む。そのため、日中間でもドルで契約される場合が一般的になるのだ。

では、なぜ流動性の高い人民元先物為替取引市場ができないのか。その理由は相互に関連した二つの事情による。

第一に、海外の金融機関などが中国の国内銀行に資金決済用の人民元口座を保有することを中国政府が禁じているからだ。そのため海外の銀行は中国国外で人民元と他通貨の交換取引をしようにも決済することができない。これは中国政府が人民元相場をできるだけコントロールする目的でそうしているのだ。

第二の理由は、中国が内外の資金移動を規制しているからだ。ドル、円、ユーロなど先進国通貨の間では居住者・非居住者の区別なく相互の交換、国境を越えた資金移動、各通貨建ての各種金融資産の売買が自由にできる。一方、中国政府は海外との間でそうした取引を依然厳しく規制している。少し専門的になるが、流動性の高い先物為替市場は二国間の資金移動が自由である条件の下で金利裁定原理に基づいた価格形成が行われて初めて可能になるのだ。

以上二つの事情の結果、海外では人民元の資金決済を前提としないNDF(ノンデリバラブル・フォワード)と呼ばれる外為相場取引しか利用できない。この市場は中国国内の外為市場と分離され、金利裁定原理も働かないので、流動性の乏しい狭隘なものにとどまっている。

なぜ中国は内外の資金移動を規制しているのか。それを理解するために国際通貨制度におけるトリレンマ(不可能の三角形)の命題を理解しておく必要がある。それは内外の資金移動の自由、自国の金融政策の独立性、為替相場の安定、この三つを同時に満たす通貨制度は原理的に不可能であり、同時に満たせるのは二つまでであるという原理だ。

なぜ同時に三つを満たすことができないのか。たとえば、日本が米ドルに対して1ドル=100円の固定相場制を採用したとする。同時に日本銀行と米連邦準備理事会(FRB)は独立した金融政策を行っており、10年物日本国債利回りは1%、同じくアメリカの10年物国債利回りは3%だとしよう。

この場合、もし内外の資金移動を自由にしておくと、日本の投資家は、保有していた日本国債を売って、米国債に大規模にシフトするだろう。固定相場制で為替リスクがほとんどないのだから、低利回りの日本国債から高利回りの米国債にシフトするのは当然だ。その結果、外為市場では投資家の円売り・ドル買いが殺到し、ドル相場は上昇しようとする。

それを抑えて固定相場を維持するためには、日本政府はドル売り介入をしなくてはならない。しかし、民間のドル買いの動きは、数百兆円もの日本国債が米ドルにシフトするか、あるいは日米金利差がゼロになるまで尽きないので、到底政府の介入では抑えることができない規模になる。つまり、固定相場は維持できなくなるのだ。もし固定相場を維持するなら、内外の資金移動を規制するか(「内外の資金移動の自由」の放棄)、あるいは日米間の金利差をゼロにする(「自国の金融政策の独立性」の放棄)しかない。

<トリレンマの原理とアジア通貨危機の教訓>

このトリレンマの原理に反した制度・政策は最終的には厳しい市場のしっぺ返しを食らう。その典型例が1997―98年のアジア通貨危機だ。

タイをはじめとするアセアン諸国は90年代に内外の資金移動の自由化を進めながら、同時に政府の外為市場介入で米ドルに対して固定的な相場を維持していた。一方、国内経済は日本を含む先進国からの直接投資の増加などもあって好況で、タイ・バーツの金利がドル金利を大幅に上回る状態となっていた。つまり、トリレンマの三つの条件を結果的に同時追求してしまった。

その結果、高金利の自国通貨と低金利のドルの金利格差に誘引されて、ドルで借り入れ、バーツに転換して国内投資に充てる取引残高(ドル・ショート・ポジション)が現地の企業や各種機関で莫大に積み上がった。それに目を付けたのがヘッジファンドだ。

彼らの仕掛けたバーツ売りでバーツの対ドル相場が下落し始めるや、ドル債務(ドル・ショート)を抱える企業もリスクヘッジのためにドル買い・バーツ売りに殺到した。途中までドル売り介入でバーツの下落を抑制していたタイ政府も外貨準備の底が見えてくると、介入を止め(97年7月)バーツ相場は急落した。その結果、ドル債務のバーツ換算額が急拡大し、莫大な為替損で企業は債務不履行となり、融資していた銀行にとっては不良債権の山となった。こうして通貨・金融危機に陥ってしまったのだ。

そして、インドネシアやマレーシアなど同様の構図にあった他国に危機は一気に伝染した。

当時、アジア通貨危機が中国に伝染しなかったのは、ひとえに中国が内外の資金移動を厳しく規制し、その意味でトリレンマの原理に整合的な制度をとっていたからだ。現在の中国は、為替相場は完全な固定相場ではないが、一種のクローリング・ペッグ(じわじわと変動させる半固定的相場制)を採用し、為替相場の変動を抑制している。その結果、内外の資金移動も規制している。

<人民元国際化は既得権益層の解体を招く>

ところが、中国人民元の国際化を進めるのであれば、必然的に内外の資金移動の規制緩和・自由化を進めることが必要となる。では、内外の資金移動の規制緩和・自由化がどうして中国の現在の既得権益層の解体的な再編につながるのか。最後の論点を説明しよう。

ご承知の通り、中国では現在まで預金金利も貸出金利も当局によって規制・管理されている。現在、輸出や中国国内景気の失速によって中国系企業の利益は大きく減少しているが、国有銀行を中心とした銀行部門は規制された預金と貸出の利鞘のおかげで空前の高収益を上げている。中国の銀行部門の利益のほとんどは制度的に保護された利鞘(経済学では「エコノミック・レント」と呼ぶ)と言えよう。

そして、国有企業や地方政府は国有銀行から優先的な融資を受けることで、不動産事業などで莫大な収益を稼ぎ、国有銀行・国有企業・地方政府(その経営陣は党組織の官僚も兼ねている)に共通する強い既得権益構造ができあがっている。ところが、内外の資金移動を自由化すると、必然的に国内の規制金利体系は維持できなくなる。

人民元の海外市場での金利の方が国内規制金利より高ければ、資金は海外に流出し、国内の資金需給は逼迫する(金利上昇圧力)。反対なら海外から資金が流れ込んで、国内の資金需給は余剰になる(金利低下圧力)。規制金利と市場金利の格差を裁定する取引も活発になり、規制金利は市場金利に収斂(しゅうれん)せざるを得なくなるからだ。その結果、中国銀行部門のエコノミック・レントとしての利鞘も消滅するだろう。これは前述の国有銀行・国有企業・地方政府・党官僚の強固な既得権益を損なうことになる。

日本では円の国際化と金利の自由化は80年代に進んだ。日本でこの動きが政治的に大きな変化なく起こったのだから、中国でも同様だと考えるのは、大きな間違いだろう。当時の日本には今の中国のような国有銀行・国有企業・地方政府・党官僚の強い既得権益構造に相当するものはなかったからだ。

失脚した薄煕来一族が巨額の資産を海外に移転していたように、この既得権益構造で莫大な富を稼いだ超富裕層は、自らは特権的な地位を利用してその資産を海外に移す一方で、もし対外投資を自由化すればもっと大規模に富裕層の資産が海外に移転し、制御できない事態になる危険性をよく承知している。

したがって、現実に起こりそうなシナリオとしては、人民元の国際化の前提条件となる内外資金の規制緩和は、それが引き起こす「都合の悪い」変化が見えてくれば、既得権益層の政治的な抵抗で頓挫させられるだろう。この既得権益層の利害に逆らって、経済・金融構造の変革(第二の革命)を成し遂げるような政治勢力は今の中国には見られない。

また、自由な市場機能にそもそも信頼を抱いておらず、官僚による指令主義的志向の強い中国政府は「管理された人民元国際化」を志向しているとも言われる。しかし、それは概念矛盾に他ならない。既述の通り、トリレンマの原理が示す選択肢は「管理されたローカル通貨」か「取引自由な国際通貨」しかあり得ないのだ。

あるいは、国内の規制金利を維持しながら、「人民元国際化=内外資金移動の規制緩和」という政策的に不整合な路線を志向してしまうかもしれない。政治的な理由で経済原理に反した制度・政策の大きな不整合を犯した場合、最終的には巨大なしっぺ返しを引き起こすことは、すでにアジア通貨危機を例に述べた。また、現下のユーロ圏のソブリン金融危機が見せつけてくれていることでもある。同種の過ちを中国が将来犯す危険性は、筆者は決して低くないと思っている。

*竹中正治氏は龍谷大学経済学部教授。1979年東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行、為替資金部次長、調査部次長、ワシントンDC駐在員事務所長、国際通貨研究所チーフエコノミストを経て、2009年4月より現職、経済学博士(京都大学)。
http://jp.reuters.com/article/jp_forum/idJPTYE88P02820120926

ブログ:安倍新総裁の「上げ潮」に期待できるか
2012年 09月 27日 11:11
ブログ
ブログ:ベンチャー政党という選択
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ブログ:近現代重視の歴史教育を
ブログ:QE3乗り切れど、円高懸念は消えず
山口 貴也

次期首相候補の前哨戦となった26日の自民党総裁選で、安倍晋三元首相が選出された。安倍氏は2006年9月からの1年間の首相時代に、旧通産省出身の尾身幸次氏を財務相に起用するなど、上げ潮派として知られる。総裁選前にもデフレ下での消費増税引き上げに難色を示し、2、3%の緩やかで安定的なインフレ達成に言及している。

だが、その上げ潮ぶりとは裏腹に、金融・資本市場ではその政策に期待する声は高まっていない。安倍氏への政策期待の高まりは、日本国債の利回り曲線の格差拡大と株高に裏付けられる。しかし、長期金利指標となる10年債利回りには低下圧力がかかり、27日には0.7%台の高値で空中戦を繰り広げている。

日経平均株価は、中国景気の減速感に加えて9月中間期末の株主配当などの「権利落ち」が響き、心理的節目の9000円台を割り込んでいる。

安倍氏は現政権の早期解散を迫る構えだが、その解散・総選挙の時期は、なおはっきりしない。野田首相は内閣支持率や党支持率が低迷する中での解散に消極的にならざるを得ず、さらに「違憲状態」にある衆院定数配分をめぐって仮に10月とみられる臨時国会で改革法が成立しても、新たな区割り法案の準備や周知徹底の期間を考慮すれば「年内の解散は難しいのでは」(政府筋)との見方もある。

今のところは静観といったところか。

(東京 27日 ロイター)

関連ニュース
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アングル:安倍新総裁で意識される中国リスク、株安・債券高も 2012年9月26日
情報BOX:自民総裁選、主要課題での各候補の政策 2012年9月25日
〔情報BOX〕自民総裁選、主要課題での各候補の政策 2012年9月25日
http://jp.reuters.com/article/jp_blog/idJPTYE88Q00R20120927

コラム:安倍新総裁に2つのシナリオ、判断間違えれば危い首相の座
2012年 09月 26日 18:35 JST
コラム
コラム:人民元国際化に政治の壁、通貨危機リスクも=竹中正治氏
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コラム:「通貨の秋」は想定外頻発、円安転換にも要注意=斉藤洋二氏
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田巻 一彦

[東京 26日 ロイター] 自民党の新総裁に当選した安倍晋三・元首相にとって、野田佳彦首相から衆院解散を引き出すことは相当に高いハードルだ。安倍氏には2つのシナリオが待ち受けていると考える。

1つは野田首相と宥和し、特例公債法案の成立に協力する代わりに2012年度補正予算案や13年度予算案の編成にかかわり、来年の解散まで閣外協力のようなスタンスを取ることであり、もう1つは政府・民主党と全面対決する道だ。後者の選択肢では、一部の行政サービスに支障が出て、批判が安倍・自民党に集まるリスクもある。判断を間違えれば、有望視される首相の座も危うくなる。安倍氏は新総裁の就任早々から、重い決断を迫られるだろう。

<注目される解散と特例公債法案>

今後の政治動向を予測するうえで、最も注目される衆院解散の時期は、今年度予算の執行に欠かせない赤字国債の発行を認める特例公債法案の行方と密接にリンクしている。衆院解散を何としても早期に果たしたい自民党にとって、特例公債法案は貴重なカードと言える。

ただ、解散権は憲法で首相に認められた"大権"であり、野田首相が決断しない限り、実現することは不可能だ。谷垣禎一前総裁が挑んで、乗り越えることができなかった「高い壁」とも表現できる。一方、野田首相は民主党役員人事で早期解散に慎重な輿石東幹事長を留任させ、一時は盛り上がっていた「10月解散説」が政界では急速に後退。安倍新総裁にとって解散の実現は、相当な難関であることは間違いない。

<国民会議が呼び水になる可能性>

野田首相と安倍新総裁は、解散と特例公債法案をめぐって虚々実々の駆け引きを展開していくことになると予想されるが、野田首相は社会保障制度改革国民会議での議論を突破口に民主・自民の接近を図ってくるはずだ。国民会議は消費増税とセットになっており、公的年金、医療保険、介護保険、少子化対策の社会保障4分野のあり方を議論することが法律で決まっている。民・自・公の3党合意を機能させることを大義名分として、政府・民主党側は対話推進のスタンスを明確化させるだろう。

その先には、消費増税の実施を前提にした税制の手直しを含めた税制改正の議論を3党で進めることが、浮上してくると思われる。食料品などの軽減税率の導入の可否や、自動車取得税や自動車重量税の廃止問題も入ってくる。

<3党で税制改正・予算編成するシナリオ>

国家運営の根幹である税の問題を共同で議論することになれば、事実上、3党間で閣外協力的なムードが出てくるのも自然の流れと言える。そこまでくれば、2012年度補正予算案や13年度予算案の編成に自民、公明が実質的にかかわることも可能になると予測する。自公両党にとっても、早期解散が困難なら予算編成に関与して「名より実を取る」戦術に転換するメリットもある。

そういう情勢になれば、必然的に特例公債法案に対し、自公両党の反対の態度も軟化し、どこかの時期に臨時国会が召集され、同法案が成立するというシナリオが描ける。ただ、このケースでは衆院解散が年明けに先延ばされ、13年度予算案と関連法案の成立が実現した4月以降になる可能性が高まるだろう。

<正面攻撃の選択肢も>

安倍新総裁がこの選択肢を拒否して、あくまでも"正面攻撃"で解散に追い込む戦術を取るシナリオでは、世の中の緊張度が一気に高まる気配となる。前通常国会で参院は野田首相の問責決議案を可決しており、政治情勢の展開次第では、秋に臨時国会が召集されても、参院で審議が進まず、法案が1本も通らないという事態に直面しかねない。

特例公債法案が成立していないため、2012年度予算の執行が抑制され、執行できない歳出項目が秋の深まりとともに多くなっていく展開が考えられる。今まで経験したことのないような行政サービスの低下が起きるリスクも、テールリスクとして片付けられない局面がやってくるのではないか。

<赤字国債の未発行、批判は自民に向かう危険性>

その時に国民の批判が集中するのは野田首相ではなく、「赤字国債の発行」を人質に取った安倍総裁になると予想する。もし、このチキンレースで安倍総裁が敗れるようなことになれば、現在は有望視されている次期衆院選での自民党の比較第一党への躍進も、蜃気楼のように失せてしまう危険性がある。

安倍新総裁は26日夕の就任会見で、臨時国会では参院での首相問責決議があるものの、「いっさい審議に応じないというつもりではない」と述べ、柔軟に対応する方針を示した。しかし、野田首相が解散をめぐって示した「近いうち」との表現は「国民との約束」と指摘。「お互いステーツマン(政治家)として約束を果たしていきたい」と述べ、話し合い解散への強い期待感をにじませた。

最終的に安倍新総裁が、対政府・民主党でどのようなスタンスを選択するのか──。決断次第で、その後の日本経済のたどる軌跡は大きく変わることになる。


関連ニュース
3党党首会談、それぞれの態勢が整った上で行う=官房長官 2012年9月26日
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安倍自民党新総裁には、国民会議の一日も早い設置で協力を=輿石民主幹事長 2012年9月26日
安倍自民新総裁には国民会議の一日も早い設置で協力を=民主幹事長 2012年9月26日

http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPTYE88P05Y20120926?sp=true


【無料】スペイン救済申請期待で上昇
2012/09/28 11:31

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◆商品市場概況
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「スペイン救済申請期待で上昇」
昨日の商品価格は軒並み上昇した。スペインが2013年の予算案を発表し、救済支援要請時に要求されると見られる緊縮案をクリア出来るとの見方が強まったことが材料となった。
ECBが発表したOMTプログラムは救済支援国が救済支援をしない限り発動せず、更に追加緊縮策を要求される可能性が高いためスペインはこの申請を躊躇していた。しかし、昨日の予算案は救済申請が間近であるとの見方が強め、市場の安心感を誘うものであった。
【エネルギー】
◆主要商品の終値
WTI :91.85(+1.87) 米灯油 :315.73(+5.05)
Brent :112.01(+1.97) ICEガスオイル :981.00(+18.75)
米ガソリン :314.43(+6.32) 米天然ガス :3.30(+0.27)
◆昨日のエネルギー市場の総括
 「スペインの2013年予算を好感、中国追加対策期待で上昇」
◇本日のエネルギー市場の見通し
「スペイン救済申請期待で上昇も、期末の益出しで上値重い。」
【ベースメタル】
金 :1777.38(+24.63) CME銅 :374.4(+3.00)
銀 :34.63(+0.68)
プラチナ :1649.30(+14.55)
パラジウム :634.45(+5.15)
◆昨日のメタル市場の総括
 ベースメタル:「スペインの救済申請と中国の経済対策期待で上昇」
 貴金属:「スペイン予算案を好感、ユーロ高/ドル安進行で貴金属セクターは上昇」
◇本日のメタル市場の見通し
 ベースメタル:「欧州問題の進捗、中国の追加対策・掛け込み需要で堅調」
 貴金属:「スペインの救済観測の高まりで上昇。PGMはスト拡大が材料に。」
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◆デイリー割安・割高銘柄トラッカー
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【前日比上昇率上位5銘柄】
商品名 商品分類 前日比上昇率 年初来上昇率 前期末比上昇率
1 米天然ガス エネルギー 9.03% 10.27% 25.95%
2 NYコーヒー その他農産品 2.86% ▲23.16% 19.86%
3 排出権 その他 2.76% 12.05% 17.69%
4 欧州コーヒー その他農産品 2.72% 23.90% 17.11%
5 WTI エネルギー 2.08% ▲7.06% 16.71%
【前日比上昇率下位5銘柄】
商品名 商品分類 前日比上昇率 年初来上昇率 前期末比上昇率
33 東京小麦 穀物 ▲1.58% 31.06% ▲10.13%
32 トウモロコシ 穀物 ▲1.17% 10.79% ▲9.87%
31 東京トウモロコシ 穀物 ▲0.85% 11.36% ▲7.64%
30 大豆ミール 穀物 ▲0.42% 52.91% ▲6.73%
29 東京ガソリン エネルギー ▲0.33% 4.53% ▲4.76%
◇ひとことコメント
 「昨日の商品価格で最も上昇したのは天然ガスだった。気温低下予報が材料となった。足元、米国の天然ガス需給は徐々に改善している。次に大きかったのがアラビカ豆。リスクオン姿勢が強まる中、2013-2014年の裏作による生産減少と、割安感が材料となた(年初来上昇率は▲23.16%)。次いで上昇幅が大きかったのが排出権。石炭価格の下落と天然ガス価格の上昇で、石炭+排出権の裁定が働いているため。最も下落率が大きかったのが東京小麦。穀物類は収穫が進んでいることもあり、ひと相場終わった感じは否めない。」
※小職が重要と考えるコモディティ33銘柄の騰落率です。
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◆【雑感】
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【ラッパー】
ぐるなびタイムセール
というのが送られてくる。
ぐるなびの会員に対して、時間制限付き等で
割安商品を案内するサービスだ
売り手からすれば商品のプロモーションになるので
相当値引きをしているはずだが、薄利でもメリットがある
これで過去に購入したのは
うどん
スモークサーモン
タン塩
切り落とし生ハム1キロ
等である。いずれも相当美味しかった。
と、言うこともあるのでなるだけ気を付けてみるようにしているのだが昨日、
「銀ダラカマー塩」
という訳のわからない商品を紹介してきた。
新しいラッパーか何かのCDだろうか!?
全然分からない。
ぱッと見分からないと
連日送られてくるスパムメールと同じように見えてくる
クリックしてはいけないのではないか?
と、思いつつクリックしたら
「銀鱈カマいちじお」
でした...
「銀・ダラカマー・塩」
じゃありませんでした。
銀ダラは銀鱈、と書いて欲しいと思ったのは
私だけじゃぁないはずです。
最近の記事
最新のレポートです(2件)
2012/09/28
【無料】スペイン救済申請期待で上昇
2012/09/27
【無料】リスクオフで下落
https://commodity-board.com/2012/09/post-6742.html  

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