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(回答先: 中国“膨張”で米はアジア回帰 米中露「覇権の時代」再び 尖閣売却 国と大筋合意 中国、首脳会談拒否か 輸入規制強化も 投稿者 MR 日時 2012 年 9 月 06 日 11:42:21)
クリントン米国務長官の訪中、外交問題解決に進展なし
2012年 9月 6日 13:51 JST
【北京】クリントン米国務長官が中国を訪問している間、難しい外交問題解決に向けた両国の話し合いに目に見える進展はほとんどなかった。領土問題からシリアに関する懸案事項について、米中両国とも終始、従来の立場を主張するにとどまったからだ。
一方、中国の次期最高指導者と目される習近平氏が5日に予定されていたクリントン氏との会談をなぜ突然中止したかについて、中国政府は口を閉ざしたままだ。米政府当局者は、習氏は腰の問題を抱えているとしている。
中国政府による上級幹部に関する情報の隠匿はしばしば、好奇心旺盛でネットから得られる情報に通じた多くの人たちの臆測を呼ぶ。
国務長官としては最後になると見られる今回のクリントン氏の訪中は、オバマ政権が外交政策の要としてアジア太平洋地域に防衛戦略の軸足を移動させたことから、注目を集めていた。
米中両国は一連の協議や会談の場で、米中関係の重要性を謳（うた）ったうえで、対立より協力が必要との考えを強調した。
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Associated Press
胡錦濤国家主席と握手を交わすクリントン国務長官（5日）
しかしクリントン氏は中国政府と世論の懐疑的な見方に直面していた。中国の国営メディアやほとんどの世論は、クリントン氏が中国と周辺諸国の間にくさびを打ち、中国の政治的および経済的影響力を抑えようと試みていると批判していた。クリントン氏は5日、米国の同地域における動きは中国をターゲットにしたものではないと、あらためて主張した。
クリントン氏は楊潔チ外相との共同記者会見で、「地域的にも世界的にも、中国は安全保障と平和、安定と繁栄において重要な役割を持っているとわれわれは強く信じている」とし、「われわれが共通して抱える世界の難題に取り組むうえで、米国は中国のリーダーシップを頼りにしている」と述べた。
最近の中国の上級幹部による公の場での発言は、外交問題で中国の協力を取りつけたい米当局者が直面する困難さを如実に表している。
中国と周辺諸国の間で持ち上がっている南シナ海での領有権問題は、クリントン氏と中国指導部との協議で今週話し合われた懸案事項の一部だ。クリントン氏は北京の人民大会堂で胡錦濤国家主席と5日朝に会談した。
石油や天然ガスが存在するとみられる南シナ海での領有権問題を巡っては、楊氏はあらためて周辺諸国の主張を退けた。
米国の長年の同盟国であるフィリピンは、中国と領有権問題で争っている国の1つだ。
楊氏は「南シナ海の島々と付帯する海域の領有権は中国にある」と主張したうえで、「（中国の主権を明確にする）歴史的、法的な証拠は豊富にある」と述べた。
米国は領有権問題で特定の立場はとらないが、大洋航路として重要な南シナ海の自由な航行を維持する立場をとると主張した。米国のアナリストらによると、この海域を経由して行われる米の貿易規模は年間で総額約1兆2000億ドル（約94兆円）相当に及ぶ。中国と周辺諸国の間で緊張が高まれば、同地域での米国の利益にも影響が及ぶのではないかと米国は恐れている。
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Agence France-Presse/Getty Images
中国外務省で協議中のクリントン国務長官（左から3人目、4日）
楊氏は米指導部の懸念を和らげるため、「南シナ海の自由な航行と安全は確保される」とし、「現在、この地域に問題はない。将来においても問題が起こることはない」と断じた。
シリアに関してクリントン氏は、最善策は国連安全保障理事会を通じた対策だと述べた。中国は以前、対シリア制裁決議を拒否権を使って阻止した。
クリントン氏は「ロシアと中国が国連安全保障理事会による制裁強化を阻止したことに（米国が）失望したことは隠すまでもない。シリアの暴力行為終結へ向けた確かな道筋の陰でまとまり続けるよう期待する」と述べた。
一方、楊氏はシリア危機の解決法を外側から押しつけるべきではないと述べた。
両国の協議は米中ともに政治リーダーの交代を控えているなかで行われた。米国は11月に大統領選挙を控えており、中国では10年に一度の指導部の交代が数週間もしくは数カ月以内にあるとみられている。
東シナ海における領有権問題も熱を帯びている。中国は日本が実効支配する沖縄県・尖閣諸島（中国名・釣魚島）の領有権を主張している。また、台湾も同様に領有権を主張している。
日本の報道機関は5日、日本政府が尖閣諸島の主要3島を買い取ることで地権者と合意したと報じた。実現すれば、尖閣諸島は国有化され、日本の支配がさらに強まることになる。
藤村修内閣官房長官は、この報道の真偽を特定することを控えたが、政府は地権者とまだ話し合いを続けており、具体的な内容は言えないと述べた。
中国の外務省は反発した。「日本は一方的に島の売買プロセスを押し進めている。これは中国の領有権を深刻に侵害し、中国国民の心情を傷つけた」と同省の洪磊報道官は5日の定例会見で述べた。
同報道官は「日本は、中国と日本の関係をどこに導こうとしているのかと問わずにはいられない」と述べた。
年内にも胡氏の後任として共産党の新最高指導者に就任し、2013年には国家主席になるとみられている習氏とクリントン氏との会談を中国が中止したことで、中国国内のネット世界では早速、さまざまな臆測が生まれている。
中国の検閲当局は「ツイッター」のようなマイクロブログサイトを使った政治ゴシップを鎮めることに苦労している。マイクロブログサイトは中国では流言の培養器と化しているのだ。流言が生まれるのは、少なくとも部分的に中国の上級指導部の生活や仕事ぶりについて情報が欠乏していることが原因だ。上級指導部の名前自体がネット上では規制されているのだ。
新浪グループのマイクロブログサービス、Weibo（微博）には検閲をなんとかすり抜け、習氏とクリントン氏の会談がなぜ突然中止されたかを巡る臆測が飛び交っている。
「日本が釣魚島を購入することと関連がありそうだ」とあるユーザーは投稿した。中国は軍事作戦の準備をしているかもしれないと同ユーザーは想像をたくましくしている。
楊氏は習氏の会談中止について、「不要な臆測」をすべきではないと述べた。
中国外務省の洪報道官は5日の定例会見で、会談の中止は通常の「スケジュール調整」だと表現した。
米国のある当局者は習氏が会談を中止したのは腰の問題だとしたが、それ以上の詳細はわかっていない。
米国務省の上級幹部によると、習氏はシンガポールのリー・シェンロン首相との会談もキャンセルした。
習氏は1日に行われた政府による毎夜恒例の公式ニュース報道で姿を見せたきり、公の場に姿を現していない。この公式ニュースは定期的に上級幹部らの活動を紹介するものだ。
記者: Brian Spegele、Monica Langley
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http://jp.wsj.com/World/China/node_507299
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