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(回答先: 子供や部下の情緒不安定、原因はあなたに 第63回 意外と知られていない「感情が伝染する」事 投稿者 軽毛 日時 2016 年 6 月 17 日 13:40:00)
アドラーの心理学を知れば人生の悩みが消える
子供は怒っても叱ってもいけない、そして褒めてもいけない
2016.6.17(金) 西 妙子
北京の小学校で児童ら体調不良、校庭を調査へ
中国東部・山東省高密にある学校の校庭の砂場で遊ぶ子供〔AFPBB News〕
人生の悩みを消し去る勇気を持つために
?アドラーの心理学がブームになっている。韓国などではすでに超人気でアドラー本が売れに売れているが、ここに来て日本にも多くのファンが誕生している。
?その背景には一向に良くならない経済環境、将来への不安、そして企業が成果主義人事を徹底させるようになって働く人の気持ちに余裕がなくなってきていることなどが挙げられるだろう。
?人工知能やロボットの発達で人間の職業は今後、次々と機械に取って代わられる危険性もある。そうした厳しい時代を私たちはどのように生きて行くべきなのか――。
?実は、厳しい時代は何も今に始まったことではない。人間の長い歴史の中で厳しくない時代を探し出す方が難しい。組織の中でしか生きることができない人間にとって、いつの時代も悩みはついて回るのだ。
?だからこそ、時代を超えてアドラーは私たちに多くの的確な示唆を与えてくれる。アドラーの心理学を学ぶことで、今まで悩み続けていたことが、目から鱗が落ちるように解決される場合も多い。
?日本におけるアドラー心理学の第一人者、岸見一郎さんにアドラー心理学の真髄を聞いた。以下は岸見さんのお話である。
アドラーが注目する3つの点
?アドラーは、「人間の悩みは1つの事柄に行きつく。すべて対人関係の悩みである」と断言しています。そのうえで、次の3点に注目し、「より大きな共同体の声を聞け」と説いています。
1.怒りとは出し入れ可能な道具である。
2.他人は、あなたの期待を満たすために生きているのではない。
3.自由とは、他人から嫌われることである。
?赤面症の少女をカウンセリングしたことがあります。その子に「もし赤面症が治ったら何をしたい?」と聞いたら、「男の人とつき合いたい」と言う。
?赤面症であることを理由に人生の課題から逃げているわけです。そこで、「人生の目標を変えてみよう」とアドバイスしました。
アドラー心理学を教える岸見一郎氏
?他人の評価に自分を合わせる必要はありません。人間の悩みの大半はここに起因しています。つまり、他人のイメージから自由になれば、その悩みは解消します。
?自分をよりよく見せないことが、自分の価値を認めることの第一歩だとアドラーは説いています。他人から嫌われることを厭わない、それこそが自由なのです。
?少女にはそのように話し、人生の目標を変えることで自信をつけられるような援助をしました。
?アドラーは、「私は自分に価値があると思うときにだけ、勇気を持てる」と言います。さらに「私に価値があるのは、私の行動が共同体にとって有益であるときだけである」と続けています。
?人は1人では生きられない(共同体感覚)、人とのつながりの中で生きているのだから、生きる喜びや幸福感を持ちたければ、対人関係に飛び込む勇気を持たなければなりません。
?それには、自分は人の役に立っているという思い=貢献感が必要になります。
「叱らない・誉めない」対等の関係
?1920年代に、アドラーは「子供と大人は対等だ」と言っています。だから子供を「叱らない」し、「誉めない」。
?叱るのも誉めるのも、相手を対等とみなしていないからです。
?普段、我々は親という仮面、子という仮面を被っていますが、仮面は役割分担にすぎません。その仮面を外せば親も子も対等の関係になれるのです。
?親子関係では、アドラーは「親は子供の人生の邪魔をしてはならない」と説きます。一般的に、親は子供に何かしてやれることはないかと思いがちですが、子供の課題に親は踏み込んではいけないと言うのです。
?勉強しない子に向かって「勉強しなさい」と説教するのではなく、勉強しないことでその子が被るかもしれない困難に気づかせる。
?危険な行為だとはっきりしているなら、感情的にならずに制止すればいい。毅然とした態度と威圧的な態度を区別して、誰に対しても基本的に同じ行動を取ること。改善すべき点を言葉で説明して、致命的なこと以外は見守る勇気が必要です。
?では、叱らない・誉めない代わりに子供には何と言えばいいのでしょうか。
?それが「ありがとう」という言葉です。
?例えば血液検査の場で、子供が注射針を怖がらずにスムーズに採血を終えたとしても、「偉かったね」と誉めてはいけません。一般に大人の採血では「偉かったね」とは言わないでしょう。
?誉めるのは、能力のある人が能力のない人に対する行為です。しかし、子供は誰からも下に見られることを嫌います。大人にも子供にも不愉快だと思われない言葉、それが「ありがとう」なのです。
?「ありがとう」と言われると、自分は誰かの役に立っているという「貢献感」を持つことができる。貢献感を持てたとき、自分に価値があると思えて勇気を持てる。自分の課題に逃げることなく取り組む勇気が持てるようになります。
貢献感を持って生きる
?アドラーは、「過去にも未来にもとらわれない、過去にあった問題は今の問題の原因子ではない」と、言っています。過去に縛られなければ後悔することはないし、未来はまだやって来ていないのだから不安がることはない。
?今を生きるとは、何かを遺すことでもあります。
?内村鑑三は『後世への最大遺物』で、遺せるものとして「お金」「事業」「思想」「生き方」の4つを挙げている。この中で、誰にでも遺せるのが「生きること」です。
?無名の人でも、こんな人物が生きていたということは遺せる。今日を今日のためにだけ使う。今を生きるその生き方が後世につながっていく・・・。私はそんな人生を生きたいと思っています。
?私は虹を見るのが好きで、ブログに自分で撮った写真を使っています。虹はこの世(此岸)とあの世(彼岸)をつなぐ架け橋です。
?虹は誰だって見ようと思えば見られるのに、空を見上げていないと虹に気づかない。出会いの不思議を感じるかもしれませんが、人と人の関係も同じで、積極的に良い出会いがあると思ってないと、その人とは出会えないのです。
いまなぜアドラーブームなのか
?アドラーと出合って四半世紀が経ちました。アドラーを知ったきっかけは、子供の保育園入園でした。親の思惑通りにいかない子供とどう関わっていくかをアドラーから学びました。その頃は日本でアドラーを知っている人は少なかったと思います。
?日本でアドラーが普及してこなかったのは、大学(アカデミズムの場)で教えなかったことが大きな理由でしょう。もともとアドラーの思想は、個々人の実践の場で少しつずつ学ぶのが理想だと思います。
?20世紀の個人心理学を確立したアドラーのシンプルで力強い教えは、個々の人々を勇気づけてきました。
?2013年刊行の『嫌われる勇気』が135万部(韓国でも115万部)と、アドラーブームの火付け役になったと言われていますが、それはアドラーが新しい思想だとうすうす感じていた人たちが読んで納得してくれたのだと思います。
?若い人たちが「このままではダメだ」と危機感を持ち、「親世代に言われたことを聞いてばかりではいけない、自分のことは自分で決めよう」と、思い始めたのではないでしょうか。
?18歳選挙権を含めて、いろいろな変化が押し寄せていると感じます。
?アドラーをより深く理解していただきたいとの思いで、今月、2008年に発表した『生きる勇気とは何か?アドラーに学ぶ』『人生に悩んだらアドラー読もう』の2冊を同時に電子書籍化(幻冬舍)しました。
<岸見一郎氏プロフィール>
1956年京都生まれ。東都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。現在、明治東洋医学院専門学校講師、京都カタリナ高校看護専攻科非常勤講師。日本アドラー心理学会公認カウンセラー、日本アドラー心理学会顧問。著書に『アドラー心理学入門』(KKベストセラーズ)『アドラー人生を生き抜く心理学』(NHK出版)『アドラーを読む』『アドラーに学ぶ2』(ともにアルテ)、訳書に『アルフレッド・アドラーの個人心理学講義』『生きる意味を求めて』『人生の意味の心理学上下』『人間知の心理学』『性格の心理学』『人はなぜ神経症になるのか』『子供の教育』『教育困難な子供たち』『子供のライフスタイル』『個人心理学の技術1・2』『性格はいかに選択されるのか』『勇気はいかに回復されるのか』(以上アルテ)、『エドワード・ホフマンのアドラーの生涯』(金子書房)など。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47095
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