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(昨夜の報ステ)
〔「貧困を追う」 子どもたちの現実/ゲスト:安部彩〕
古舘「安部さんは、子供の深刻な貧困に関してこんな表現をされることがある。かつて日本は、”絶対的貧困”であった。今は、”相対的貧困”と言われる。この違いを弁えないと、今の貧困が一見して見えずらくなるということです」
ここは、さいたま市の委託を受けた無料の「学習支援教室(NPO法人が運営)」である。利用しているのは生活保護世帯や児童扶養手当を受ける世帯の中学生と高校生だ。
荻原伊織さん(中学3年生)は、この教室に通うようになってから成績が上がり、志望する高校に合格した。アパートで母、妹との三人暮らし。母、由利さん(36)は、パニック障害に伴う「抑うつ症」で働くことができず、生活保護を受給している(月20万円ほど)。伊織さんは、大学か専門学校で絵を学びたいが、家系への負担増を考えると、その夢を追いかけるべきかためらう自分もいる。
由利「私は親に小さいころから、大学には行かせられない、と言われてきたので、息子には連鎖してほしくない。家の事情で行きたい道をあきらめざるを得ないというのは可哀そうな気がする」
こちらは、部屋でただ一人、母の帰りを待つ小学生。帰りが夜8時を過ぎる日も少なくない。市営住宅で兄と三人暮らし。母親は司法書士として地方都市で働くが、手取りは18万円ほど。元夫は養育費を支払ってくれない。ご飯は一日2合。作れるおかずも限られ、栄養は偏りがちだ。
母「お菓子も買えず、子どもたちが我慢しているのがつらいです」
中学生の兄が起こしたある出来事。母「文房具とお菓子を万引きしてしまったことがあった。筆箱とかもずっと買ってあげられなかったですし、消しゴムも一つあれば十分でしょと思っていたところが、周りの子たちはやはりちょっと違っていたりとかあって、たぶん我慢していたものが何かのきっかけで万引きしてしまったと思う」
一家に追い打ちをかけるのが、給食のない夏休みだ。見かねた学校側のはからいで、フードバンクという支援を受けた。企業などから寄付された食品をNPOが無償で提供する活動である。学校では15世帯ほどが、フードバンクを希望したという。ただ、この支援は定期的なものではない。(子どもがお菓子の入った小型ダンボールを夢中で開けている映像)
母「本当に1か月の給料で生活するのがいっぱいなので、子どものこれからというかすごく不安です。お金の面でこれ以上どこから出せがいいのか想像できないです」
〔「子供の貧困」”6人に1人”の現実〕
安部彩(首都大学東京教授)「母子世帯の貧困率は50%なので、2世帯に1世帯の割合になる。ただ母子世帯は全体の3割程度なので、残りの7割は普通の二親世帯だが、二親世帯のご家庭でもやはり親御さんのお給料が低く貧困状態にある」
「絶対的貧困というのは、食べる物もなく飢え死にするような状態や家もなくホームレス状態のこと。相対的貧困は、その社会の中で、当たり前とされているようなこと、生活ができない。たとえば、学校に行く前に朝ご飯を食べることができない。小学生が体操着や上履きが買えない等々、貧困の実態が見えずらくなっている」
古舘「確かに西日本新聞に貧困特集をやっていたが、女の子を修学旅行にやることができる旅費はあったが、女の子は行かなかった。真新しい下着を一式用意できなかったからというのがあった」
安部「今は、破れてない下着でないと恥ずかしい、人に見せたくないと子どもは思う。何とか隠そう隠そうとするので、貧困が見えにくくなっている」
貧困率の変化を男性で見ると、1985年には圧倒的に老人が高かったが、2012年では20代の若い世代の比率が高くなっている。女性でも若い世代の変化は男性と同じだが、加えて老人の貧困率が高く、1985年も2012年もほとんど変わっていない。老人世代の貧困率の分布の年齢が5年ぐらい後ろにズレこんでいるだけ。
安部「貧困の連鎖は、その通りで、子どもの学力は親の所得にきれいに比例している。大学に行こうとすれば沢山のコストがかかる。日本は先進諸国のなかでは自費負担の非常に多い国である。だから経済力が豊かでないと学力をつけることも学歴を高めることもできないという状況にあるので、貧困は連鎖することになる」
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