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1月20日 東京新聞「核心」 :「日々担々」資料ブログ
捜査力強化に偏り 冤罪(えんざい)防止の切り札と期待される取り調べの録音・録画(可視化)。だが、刑事司法改革を検討している法制審議会の特別部会で示された部会長試案で、逮捕から起訴までの全過程の可視化を義務付けているのは、殺人などの裁判員裁判事件だけ。それでは、パソコンの遠隔操作事件で起きたような自白誘導は防げない。一方、通信傍受拡大など捜査力強化には積極的で、「バランスがおかしい」との批判も上がる。 (池田悌一、加藤益丈)
●消極的
「可視化にあまりにも消極的だ。とても残念だし不安。検察の取り調べだけでも全事件でやれないか」。試案がまとまって初の会合となった十八日の特別部会。試案について、村木厚子・厚生労働省局長が、本田勝彦部会長に迫った。
特別部会は、二〇一〇年九月に発覚した大阪地検特捜部の証拠改ざん事件を機に、翌年六月に設置された。改ざんの引き金になった厚労省文書偽造事件に巻き込まれ、無罪が確定した村木さんは、冤罪被害の当事者として委員に選ばれた。
試案に沿えば、村木さんが問われた虚偽有印公文書作成・同行使罪や、パソコンの遠隔操作事件の威力業務妨害罪など、起訴事件の97%が可視化の義務付けの対象から外れる。コストや捜査機関の負担への配慮などが理由だ。
「一年半、一生懸命言ったことが何も伝わっていない」。委員の一人で、痴漢冤罪事件を題材にした作品がある映画監督の周防正行さんも不満をあらわにした。
●脱タブー
「日本独自の制度が新しい時代に合わなくなってきている。次のステップにいかないといけない」。検察OBの委員はこう語り、通信傍受ができる事件の拡大などの「武器」が試案に盛られたことを評価した。
最高裁は一九九九年、「傍受は重大犯罪で真にやむを得ない場合に限る」とする判例を示したが、試案は振り込め詐欺や組織による窃盗を対象に追加。電話会社の立ち会いが必要な現行手続きの省略も含め、「法改正を具体的に検討する」と踏み込んでいる。
日本でタブー視されてきた捜査手法の導入の是非も、試案の検討課題に掲げられている。共犯者や組織についての情報提供を受けるのと引き換えに刑を減免する「司法取引」や、証人に法廷で自分に不利な証言をして首謀者らの関与を明らかにしてもらう代わりに罪を問わない「刑事免責」などだ。
●反対論
法務省幹部は「捜査権限の強化は、弁護士会や革新政党の拒絶反応で議論することさえはばかられる時代が長く続いた。だが、状況は大きく変わった」と歓迎する。
米国では、司法取引などが組織犯罪の解明などに威力を発揮している。その一方で、取り調べに弁護士の立ち会いが求められるなど、捜査側にとって厳しい縛りもある。
特別部会でも、弁護士立会制度は論議された。だが、警察や検察の委員を中心に反対論が強く、試案では検討課題から外れている。
元東京地検検事の落合洋司弁護士は、試案に対し「可視化が中途半端な一方で、捜査機関に有利なさまざまな手段を与えようとしている。本来は車の両輪であるべきなのに、バランスがおかしい」と疑問を投げ掛ける。
◆欧米など「密室化」防止に工夫
諸外国ではどのような刑事司法制度が導入されているのか。
録音・録画(可視化)は、欧米諸国のほか、韓国でも実施されている。これらの国では取り調べに弁護士の立ち会いも認められ、「密室化」を防ぐ工夫がされている。
取り調べで供述を得やすくする手法として、欧米では「司法取引」が確立しており、犯罪を働き掛けたりする「おとり捜査」や「潜入捜査」も行われている。日本では対象が組織犯罪に限られている「通信傍受」は、米国では一般的な殺人事件などにも適用される。
捜査段階での身柄拘束期間は、米国の連邦制度では最長六十日間。法務省幹部は「ドイツ、フランスはさらに長く、日本の最長二十三日は極端に短い」と語る。 (横井武昭)
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