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自民党や民主党松下政経塾系などが考えている「集団的自衛権」容認政策は、米国の世界戦略に組み込まれたかたちで日本が軍事力を行使できるようにしようというものである。
記事中に「(1)公海上で米艦船が攻撃された際に自衛隊の艦船が援護する(2)米国に向かう弾道ミサイルを自衛隊が撃ち落とす」とか、記事の末尾に用語解説的に「▼集団的自衛権 自国と密接な関係にある他国が第三国から武力攻撃にあった場合、自国が直接攻撃を受けていなくても自国への武力行使とみなして武力で阻止する権利」とあるが、これは、「防衛同盟」と「攻守同盟」の区別もしない危険な考えであり、国民をだますゴマカシ言動と言っていいものである。
「防衛同盟」なら、米国がA国に戦争を仕掛け、A国が米国艦船や米国領土に反撃を行った場合、同盟国は米国を支援する義務を負わない。
そのようなケースでも無条件に支援を行わなければならないのは「攻守同盟」であり、米国に反撃を加えた国家が、米国を支援した日本も参戦したと判断し、日本領土に攻撃を加えても国際法的に正当な行為となる。
記事にあるような“集団的自衛権”の説明は、「攻守同盟」と区別がないものであり、日本を米国の国策に委ねる愚かで危険極まりない考えである。
安倍首相のように、無媒介的に、「日本を守るために活動する米艦船が攻撃を受けて自衛艦が救助しないとどうなるか。その瞬間に日米同盟は危機的状況になる可能性がある」とか、「米国に向かう弾道ミサイルを自衛隊が撃ち落とす」といった類の話を持ち出す政治家は売国の輩と言って過言ではない。
“米国が相手国に軍事的ないし準軍事的行動を起こしていない”という条件付きであればまだしも、そうでなければ、日米関係を“防衛同盟”であった「日独伊三国同盟」を超える“攻守同盟”に変質させようというとんでもないものである。
「日米安保条約」は、日本政府が米軍に基地を提供することで米国が日本を防衛する可能性を明文化したものに過ぎず、日本が米国防衛の義務を負わないことから、“防衛同盟”にも当たらない軍事条約でしかない。
「攻守同盟」は、弱小国で他に生き延びる余地がない国家が渋々選択したり、好戦的国家が庇護国を戦争に引きずり込むための手段としたり、好戦的国家が参戦の機会を得るための手段としたりするものである。
戦後史を顧みればわかるように、米国政権は、自分たちの“世界戦略”を現実化するため、数多くの先制攻撃を行ってきた。
そのような米国との関係で、“集団的自衛権”を「自国と密接な関係にある他国が第三国から武力攻撃にあった場合、自国が直接攻撃を受けていなくても自国への武力行使とみなして武力で阻止する権利」と考えるのは、危険極まりないものであることは自明であろう。
安倍政権は、領土の一部を軍事基地として米国に提供し、米国の国策に基づく軍事行動に経済的支援を行うにとどまらず、米国が国策として一方的に発動した軍事行動であっても、自衛隊を参加させ日本本土が攻撃されることも厭わないという危険で愚かな政策を国策化しようとしているのである。
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集団的自衛権、行使を再検討
安倍政権、法整備は参院選後に
安倍晋三首相は政府が憲法解釈で禁じてきた集団的自衛権の行使を可能にするための検討に再び乗り出す。米国を狙った北朝鮮の弾道ミサイルを自衛隊が迎撃することなどを想定しており、日米同盟の強化につなげる狙いだ。前回の首相在任中に設けた有識者会議の報告書をもとに行使を実現するための作業に入り、具体的な法整備は今夏の参院選後を念頭に置く。
第1次安倍内閣は2007年、集団的自衛権行使の是非などを検討する有識者会議として、座長の柳井俊二元駐米大使ら13人で構成する「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)を設置した。
首相は(1)公海上で米艦船が攻撃された際に自衛隊の艦船が援護する(2)米国に向かう弾道ミサイルを自衛隊が撃ち落とす――など4つのケースで集団的自衛権を行使する可能性があるとしてそれぞれの検討を指示。安保法制懇はこのうち2つで集団的自衛権の行使が必要だとする見解を示し、憲法解釈の変更を提言した。
ただ、首相は報告書の取りまとめを待たずに07年9月に退陣。後を継いで報告書を受け取った福田康夫元首相は行使に消極的で、報告書はたなざらしになった。首相は昨年12月26日の就任会見で「もう一度、あの時の有識者から(意見を)伺うことでまた検討を始めていきたい」と表明した。
集団的自衛権の行使を再検討するのは、日本を取り巻く安全保障環境が緊張を増しているためだ。中国が東シナ海などでの海洋活動を拡大しているほか、北朝鮮が昨年12月に発射した事実上の弾道ミサイルは米本土を射程に収める可能性が取り沙汰されている。
首相は就任前の昨秋、国会質問で「日本を守るために活動する米艦船が攻撃を受けて自衛艦が救助しないとどうなるか。その瞬間に日米同盟は危機的状況になる可能性がある」と指摘。行使を可能にすることが日米同盟を強化し、東アジア地域の安定につながると訴える。自民党の衆院選の政権公約にも集団的自衛権の行使を可能にすると明記した。
自民党は政府が憲法解釈を変更する場合を想定し、行使する際の国会手続きなどを定めた法整備を検討しており、昨年7月には具体案として国家安全保障基本法案をまとめた。安保法制懇の報告書は「関係法律において、(集団的自衛権に基づく)具体的措置の範囲及び手続きを規定する」ことを提案しており、適用するケースなどを法律で裏付けるよう求めている。
ただ自民、公明両党が参院で過半数割れする現状で法整備は容易ではない。連立を組む公明党は行使に反対の姿勢で、山口那津男代表は2日、都内での街頭演説で「日本の針路を過たないような賢明な抑止力としての公明党の役割が重要だ」と強調した
。
集団的自衛権に関しては日本維新の会が行使のための法整備が必要だとしており、「参院選で維新が一定の勢力を確保すれば連携の余地が出てくる」との見方が自民党内にある。首相は憲法改正なども含め「安倍カラー」の強い政策の実施に関しては参院選の結果を見極める構えで、集団的自衛権に関する具体的な法整備も選挙後になる見通しだ。
▼集団的自衛権 自国と密接な関係にある他国が第三国から武力攻撃にあった場合、自国が直接攻撃を受けていなくても自国への武力行使とみなして武力で阻止する権利。自国を標的にした攻撃への反撃は個別的自衛権になり、国連憲章はいずれも加盟国の「固有の権利」として認めている。
日本政府は集団的自衛権について「わが国を防衛するための必要最小限度の範囲を超える」として、保有するが行使できないと解釈してきた。憲法9条が戦争放棄、戦力不保持、交戦権の否認を明記しているのを踏まえたものだが、自衛隊と米軍の共同活動が増えるに伴い、米側から行使を求める声が強まっている。
[日経新聞1月3日朝刊P.2]
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