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(回答先: 安倍総裁は経済オンチなのか? 二つの選挙前編 投稿者 MR 日時 2012 年 11 月 09 日 17:35:26)
予め断っておくと、デフレが続く限り予定されている消費税の税率アップは実行しないという“公約”を除き、安部氏の経済政策を支持するわけではない。
しかし、安倍総裁や前原国家戦略担当大臣の経済政策に関するオンチぶりを批判している小笠原氏の経済政策が、
「 私、思うのですが、日本の経済を活性化させるためには人口減少にまず歯止めをかけ、そして、
子どもの真の学力向上に努めることが必要だと思うのです。
それに、政治家としてやるべきこととしては、日銀の尻を叩くことより、特例公債法を早期に成立させることが先でしょう。 」
というレベルなのでがっくりした。
特例公債法案は、経済政策と言うより極超短期の国庫金資金繰りの策(明日のデート代がないからサラ金で借りるようなもの)で、人口減少の歯止めや子ども学力向上といった政策は、効果が10年以上先という中長期的なものであろう。
現実の問題である肝心なデフレ状況に対する政策は打ち出されていない。
小笠原氏は、インフレと景気の関係について、「逆ではないのでしょうか? 景気がよくなるからインフレになるのだ、と。それを物事の順序を変えてインフレにしたら何故景気がよくなると言えるのか? 」といったようなことを述べているが、インフレと景気の関係はそれほど直接的なものではない。
スタグフレーションという概念があるように、不景気のままインフレが亢進する経済状況もあるし、戦後しばらくのように供給力の不足から賃金水準を無視したかたちでインフレだけが進むといったことも起きる。
インフレが景気に“貢献”するとしたら、膨大な機械設備に資本を投じ、その多くが借入金によって賄われていることから、インフレは減価償却や債務履行の負担を軽くするので、新規の設備投資や起業も活発化することである。待てば待つほど物価が上がるのだから、採算に見通しがあるのなら、設備投資や起業は早いほうがいい。
(デフレは逆のインセンティブが働くから、デフレ状況は早急に脱却すべきだと考えている)
小笠原氏は、「彼(引用者注:安部氏)が想定していることは、恐らく長期国債などを今よりも遥かに大量に日銀が購入することだと思うのですが、だったら、モノの順序として、日銀による国債の直接引き受けを禁止した財政法を改正するのが先決ではないのでしょうか? 」とも指摘しているが、日銀は金融機関などが保有する既発債を買っているわけだから、600兆円を超える国債残高がある現状では、財政法を改正する必要はない。
むろん、日銀が既発債を買うことは、それまで既発債を保有していた金融機関が新規国債を購入することを“誘発”する行為だから、“実質”的に日銀の国債引き受けと見ることはできる。
小笠原氏の「日銀が長期国債を大量に購入すると言う前に、政府がもっと積極的に財政出動することがインフレを起こすために必要だと思うのですが、そこのところをどう考えているのでしょうか?」という問いには、安部氏 は、「国土強靱化法」なる公共投資を果敢に実行すると応えるであろう。
続いて、「そもそも消費税の増税を行うべしと言っていたのは自民党であって、だとすれば、自民党の基本的な考え方は財政の健全化努力は怠ってはならないというものだと思うのですが、その考えとどう調和させることができるのでしょうか?」という疑問については、言葉にはできないが、消費税増税は財政の健全化とは無関係で、グローバル企業の競争力強化策であると答えるであろう。
小笠原氏は、「もし、物価が上がることによって景気がよくなるというのなら、何故失業率が未だに8%近くにあるアメリカはその考えを採用しないのでしょう? 税収が減って困っている南欧を抱えたユーロ圏は、何故インフレ容認の姿勢を示さないのでしょう? 」と疑念を呈しているが、金融家が経済コントロールの実権を握っている欧米先進国は、通貨の価値が劣化するインフレを嫌っており、通貨価値の維持を犠牲にしてまで多数派の生活条件を良くする意思はないのである。
小笠原氏は、最後に、「インフレ率が3%のときに、賃金が3%以上上がれば、確かに労働者にとっては有難い話で、そうなれば消費が刺激されることも期待できるのですが、その一方で、賃金が3%以上上がるということは、企業にとっては収益悪化の要因になるのではないでしょうか? それにあのケチな経団連の面々がそう簡単に賃上げに応じると思いますか?
仮に税収が少々増大したとしても、インフレのために政府の支出も増大せざるを得ない訳ですから、そうなれば財政赤字が減るとも言えないのです 」と批判の論点をまとめている。
「賃金が3%以上上がるということは、企業にとっては収益悪化の要因になるのではないでしょうか?」という疑念は、商品の販売価格アップによる減価償却や債務履行の軽減度合いとの兼ね合いだが、膨大な機械設備に支えられている大企業は収益良化の要因になるケースが多いだろう。
労働集約型ではなく膨大な資本形成に支えられている大企業は、インフレ率が3%で賃金が5%アップという状況でも、利益が増大するのである。
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