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Re: テレビで「集団行進」の美しさを見せる意味は?
http://www.asyura2.com/12/senkyo137/msg/169.html
投稿者 五月晴郎 日時 2012 年 10 月 12 日 20:13:24: ulZUCBWYQe7Lk
 

(回答先: テレビで「集団行進」の美しさを見せる意味は? 投稿者 矢津陌生 日時 2012 年 10 月 12 日 10:15:54)

http://www.pit-japan.com/ws30/nikki_50.html

2005/4/26

 北朝鮮から流れてくる映像と戦前・戦中の日本の記録映像との類似性を指摘する声は非常に多いですね。先の戦争を体験している年配の方が、よくそんな感想を述べられています。特に、アナウンサーがあの独特の声調で読み上げるニュースは、「大本営発表!」で始まるニュースそっくり。そしてもう1つはマスゲームで、これも戦前の日本で行われたマスゲームに似ている…と指摘する人がいます。何でも北朝鮮でマスゲームが行われるようになったのは、植民地時代に日本人が伝えたからだとか…  北朝鮮のマスゲームについては、他にも冷戦時代に東欧の社会主義国から伝えられた…との説もあり、真偽のほどはわかりません。でも私は「マスゲーム」という妙な集団体操(?)は、いったい誰が、いつ始めたのかとても気になります。そして、日本の植民地時代の朝鮮半島でマスゲームが実際に行われていた、という事実はあるのでしょうか? ネットのソースだけで、簡単に調べてみました。

 まずはWikipediaで「マスゲーム」を検索すると、次のように書いてあります。
 マスゲームとは、多人数が集まって体操や演技をすることである。語源として多人数を表す「マス」(mass)と「ゲーム」(game)を合わした和製英語である。日本においては、運動会における演技や国民体育大会の開会式などに行われる。また、共産国においては人民の団結を見せつけるため、国家的に盛大に行われる。

 マスゲームの起源については、あまり資料がありません。Web上で探してみたら、「イラストと写真でみるマスゲーム」という本の紹介記事があり、その中で「ソコル」というチェコスロバキアの体操団体がマスゲームの起源の1つとして紹介されています。チェコのマスゲーム専用施設(当時のものらしい)として「ププラハのストラホフスタジオン、観客22万5000人を収容可能な世界最大のマスゲーム専用施設である。縦205m×横330m、フィールドでは同時に3万3000人の演技が可能。伴奏音楽は地下にある112個のマンホール型スピーカーから流れるよう になっており、それによってフィールド上の位置による音のバラつきを回避している。手前の建物は控室(9棟ある)、それに加えて病院が1棟用意されている」…などと書かれていますが、すごいですね。
 こちらに、ソコル(チェコ語で鷹を意味する言葉)とは、「愛国的」な体操団体であり、第二次世界大戦前の最盛期には百万以上の会員を擁していた巨大な結社…とあります。また、当時(1926年の第8回ソコル祭典)行われた集団体操の写真がありますが、これはすごい光景ですね。
 こちらの資料によれば、ソコルは1862年に設立されたとのこと。最も盛んだ時期は1880年代から第一次世界大戦までの時期で、むろんこの間はチェコは第一共和国時代で共産主義体制ではありません。共産主義政権下でソコルは一時は「ブルジョア反動的」な存在として忌避されたらしいですね。
 その後、このマスゲームはドイツで広まったようです。比較的集団行動を好むドイツ人の性向に合ったのかもしれません。 「ドイツのスポーツと体育」という資料には、古代ギリシャの体操とJ.J.ルソーの自然主義の教育思想の影響、体操の創始者であるグーツムーツ(18世紀の体育理論家)の体操の話、そしてスエーデン体操の影響の話などと並んで、次のような記述があります。「ヒトラーの体育:この項については、2つのエピソードを紹介したい。サッカーはハンドボールとともに「格闘競技」として、ナチス政権下では推奨されてい たという話が一つ。もう一つはマスゲームの発展のきっかけである。アーリア人としての立派な身体づくりと、兵士教育のために体育の授業数が増える。体育教 師の数が不足して、一人の教師が数クラスの生徒をまとめて指導する状況が生まれる。マスゲームはそのような状況に合った教材となった…」とあります。 確かにリーフェンシュタールの「民族の祭典」には、ナチスによって行われた、現代の北朝鮮に勝るとも劣らないマスゲームの様子が「美しく」描かれています。
 また、「ニュルンベルク、『ナチス党大会会場資料館』が問いかけるもの!」…という日経新聞の記事には「ナチスが古代ローマのコロシアムをまねて建てた巨大な集会場。未完成のまま戦後放置されていた会場の一角に、ニュルンベルク市が2001年11月に開業させた資料館があります。ニュルンベルクが年1回の党大会を開く都市に制定されたのは、ヒトラーが政権に就いた1933年。資料館は党大会でのマスゲームやナチス党員の行進、歓声 を上げる市民の写真や映画フィルムをふんだんに紹介しています。ナチスがどのように人々を威圧・洗脳し、ユダヤ人虐殺などの国家犯罪に導いていったかに焦 点を当てています」…と書かれています。
 いずれにしても、「全体主義とマスゲーム」は切っても切り離せない関係のようです。
 参考までに、ヨーロッパにおける体育教育史についてよくまとめられているのが、こちらの「近代体育とクーベルタン:体育学の教育思想史」です。

 さて、マスゲームの起源がヨーロッパらしいということはわかりましたが、日本ではいつ頃からマスゲームが行われていたのでしょう。
 日本におけるマスゲームは、「運動会」で行われたのが最初のようです。その運動会の起源についてはこちらの資料に、「運動会の始まりは東京である。明治政府が招いた英国の軍事顧問団の提案により一八七四年、築地の海軍兵学寮で「競闘遊戯」として行った。十八種目。大半が日本初だった」…とあります。
 運動会は「軍隊」が始めたものなんですね。…まあ、想像通りです。「日本と諸外国の運動会の違いとは?」というソースには、「第2章 日本の運動会の特徴・問題点」に、次のように書かれています。「運動会の起源のひとつとして海軍兵学寮によるもの、その発展によって戦前は戦意高揚に利用され、やがて、内容的には授業成果の発表を中止とするものに変わっていった。これらに基づいて行われる運動会の主な特徴として、全員強制参加型、順位付け、徒競走、休みの日に行われる、観客が大勢見に来る、軍隊意識による団体の重視といったことがあげられる」…と書かれています。
 さらに、運動会とともに、「体操」もまた明治時代に伝えられました。「はじめて物語」というソースには、「日本の体操は明治11年(1878)よりというのが定説ですが、明治5年(1872)の学制公布とともに、「体術」として学校の授業に登場しました。その内容はドイツ、スウェーデン、デンマーク等のいいところだけをとって今日に至っています。民間では盛り上がりがいまひとつ、と感じている人々も多い ようですが、昭和29年から行われている日本体操祭や国体のマスゲームでは世界的にも大きな評価を得ています」…とあります。
 日本スポーツ史年表によると、1869(明治02)年:高知藩で綱引、操練、器械体操、号令の稽古実施、1870(明治03)年:弘前藩、この年開所の津軽藩弘前伝習所でフランス式体操(器械体操)を実施…などとあります。
 運動会の起源も体操の起源も明治時代ですが、明治時代にマスゲームが行われた…という記録は、ほとんど見つかりませんでした。 しかし大正時代以降になると、マスゲームの記録は飛躍的に増えます。こちらには大正時代の女学校の運動会でのマスゲームの様子を写した写真があります。
 まや、こちらは、1932年に行われた明治学院の前身である東山学院創立55周年の大運動会で行われたマスゲームの写真、なかなか壮観です。
 さらに昭和に入って軍国主義の空気が濃くなってくると、マスゲームは国策として大々的に広まり、運動会はもとより、様々な催しで行われるようになります。ここらへんは、ナチスドイツと同じですね。
 「私的昭和の風景」という資料には、「昭和10年前後の小学校では秋の新学期が始まると同時に運動会の練習一色だった。軍国主義の時代だから先生の指令のもと一糸乱れず行動しなくてはならな い。午前と午後の最初に全校児童2000名が学校の行新曲を歌いながら400メートルのトラックを何周も歩く総行進は現在の高校野球の入場行進にそっく り。マスゲームの練習はきつかった」…とあります。
 NHKドキュメンタリー「昭和の映像の記録」には、「割烹着を着て日章旗を持ってマスゲームに励む国防婦人会のご婦人」…という写真があります。「割烹着を着て日章旗を持ってマスゲーム」ですから、大変なものです。

 さて、こうして軍国主義化の日本で隆盛を見たマスゲームは、植民地時代の朝鮮半島へつたわっていたのでしょうか。当然伝わっていたと思います。戦前の朝鮮半島では、初、中、高等学校ともに日本の学校制度がそのまま持ち込まれました。当然ながら運動会が開催され、そこではマスゲームも行われました。
 さらにこちらのソースに拠れば、「植民地時代の朝鮮において最大のスポーツ大会として開催された朝鮮神宮競技大会は、競技種目の増加、開催期日の長期化、開会式を彩るマスゲームの導入、またラジオ中継を行うなど、その規模は年々拡大され、朝鮮における最大の「スポーツ大会」として確立されていく…」とあります。やはり、朝鮮半島では国策による大規模なマスゲームが行われていたようです。
 こうなると、現代の伊朝鮮におけるマスゲームのルーツは、社会主義化された戦後にヨーロッパの社会主義国から伝わった…という説よりも、それ以前に伝えられていた日本植民地時代をルーツとする…という見方には、ある程度の根拠と可能性がありそうです。
 ところで、「全体主義とマスゲーム」という視点で見ると、以前は創価学会が北朝鮮に勝るとも劣らない大規模なマスゲームを行っていたことが知られていますね。まあ、この一文に他意はありません。  

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コメント
 
01. 2012年10月12日 21:17:38 : dC3hIRJ7Vc
金日成は明らかに日本を真似たよ
自分の位置づけも戦前の天皇制から学んでる

それに敵意をむき出しにする、日本の右翼。しかも正体は朝鮮カルト

なんという倒錯、なんという不健全w


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