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政治ゲームの標的となった特例公債法案 成立させず混乱を起こした方が日本のため!?
http://www.asyura2.com/12/senkyo137/msg/135.html
投稿者 MR 日時 2012 年 10 月 12 日 00:26:53: cT5Wxjlo3Xe3.
 

【第36回】 2012年10月12日 森信茂樹 [中央大学法科大学院教授 東京財団上席研究員]
政治ゲームの標的となった特例公債法案
成立させず混乱を起こした方が日本のため!?
 「社会科学に実験はない」という。自然科学ならば、一定の仮説を立てて、モデルや数式を使い、実験室の中で、様々な結果を比較検証することが可能である。変数をいろいろ変えていくことによって、科学的にその変化を比べていけば、様々な有益な結論が導き出されることが多いだろう。

 しかし、社会科学の分野である現実の政策に、実験的アプローチを行うことは難しい。実験をしなかった場合の状況と、実験の結果生じた現象との比較が難しいうえ、ひとたび悪影響が出ればただちに中止します、というわけにはいかないからだ。

 とりわけ経済政策などに、実験的な政策を導入すると、実験的な政策に沿って行動した人々に不慮の損失や不利益などが生じた場合、国家はそれをどう認定し、損失をどう補てんするのかなども考えておかなければならない。そのようなことを事前に議論することすらはばかられるだろう。

 そこで、社会科学、とりわけ国家の経済政策には、小規模なものを除き、実験的手法はなじまないといわれてきた。

本格的な財政危機に向かう
引き金になるかも知れない

 こんなことを考えるきっかけとなったのは、与野党で特例公債法案の取り扱いを巡る政治ゲームが続いていることからである。

 今年度予算歳入総額90兆円のうち、税収・税外収入部分は46兆円あまり、財政法第4条に基づき発行できる建設国債6兆円弱と合わせて52兆円の財源は確保されるが、残りの部分、つまり歳入の4割強を占める赤字国債38兆円強は、特例公債法が国会で通らないと発行できない。

 このまま、年末まで法案が通過しなければ、どのようなことが、わが国の国民生活や国債市場、さらには国家への信頼というものに影響を及ぼすのだろうか。

 頭ではおよそのことが理解できている。政府の資金が底をつくということは、行政サービスを行う財源がなくなるということなので、国はパスポートや自動車免許証発給などの行政窓口サービスを縮小することになろう。実際、米国クリントン政権で生じた国民生活への危害について、よく例に出されるのがこの窓口事務などの停止である。

 地方交付税の支給もままならなくなるので、地方の行政サービスにも多大な影響が出る。国・地方公務員の給与支給が滞れば、彼らの生活への影響だけでなく、国防、警察、海保、税関、税務など様々な機能が弱体化する。中国や韓国にはもってこいの状況が生じる。

 国債市場も混乱をするだろう。当面は品薄になる(発行ができなくなるので)わが国国債を巡って、投資家の需要が供給を超過することになるので、一時的に国債価格は上がり金利はその分低下するだろう。

 しかし、時間がたち冷静になれば、「国家の財政危機だ」ということになり、投資家は日本国債への投資を危険と判断することになるだろう。それは国債価格の暴落を招き、本格的な財政危機に向かう第1歩、引き金になるかも知れない。

政治ゲームの愚かさを
正してくれるのは「市場の警告」だけ

 問題は、このような頭で考えたストーリーが、政治家には全く共有されていないことだ。彼らは、相変わらずのチキンゲームに終始している。このままにらみ合いを続け、マスコミの批判が民主党、自民党のどちらに向かうかによって、その時判断しようというような魂胆も見えてくる。

 このような体たらくの政治の状況を目の当たりにすると、「このまま行き着くところまでいってはどうか」と考えたくなる。実際に、特例公債法が成立せず、わが国の国・地方の行政サービスや国債市場の混乱を味わってみたらどうか。当然、その結果生じる混乱は、すべて民主・自民の政治家全員の責任ということである。

 このような過激なことを考えたのは、ひとえに決められない政治への危機感である。政治ゲームの愚かさを正してくれるのは、維新の会でも小沢政治でもなく、ただ、ひたすら、資本主義経済の根幹をなす「市場の警告」しかないだろう。つまり、運営する資金がなくなればサービスは提供できない、お金が借りられなければ、信用を失い、その後は高い金利を払わなければならない、というあたりまえの冷徹なルールなのである。

「社会科学に実験はない」という。しかし、政治家や国民が、財政危機や国家の信用といった目に見えないことを、少しでもリアルに体験することは、その後のわが国の国家や経済運営にとって、大きな利益をもたらしてくれるかもしれない。そうであれば、このまま12月までいって生じる混乱は、少し長い目で見れば、かえって安いものかもしれない。
http://diamond.jp/articles/-/26186  

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コメント
 
01. 2012年10月12日 03:20:37 : VbWAbFllIA
特例公債法案に関してはどうも騒ぐことも無いようだ。
仮に11月に成立しなくても財務省の短期証券や日銀の
民間銀行へ特融で借り入れが出来るので次年度予算に
つけ回しても問題は無いとの事。
もちろん利子は来年度の予算で支払うことになるが。
この分国民の負担が増える。

それよりも毎年首相が替わるのはこの法案がある事が大きい。
これでは仮に自民政権になったとしてもまた同じ事が
起きる可能性もある。
世界的にみてもこんなに首相の替わる国はほとんど無い。
これを防ぐ方法としては特例公債法案を予算案とリンクさせること。
財政の崖の問題はあるが、これに気をつければ問題は無いはず。
公債法での毎年の政争劇には飽き飽きする。


02. 2012年10月12日 06:57:51 : 0bkcHk06js
役人が自分からすすんで歳出を減らすことはない。

まして行政経費の削減など絶対にない。屁理屈をつけて金を捻出してくるはず。それでも公共事業の発注を遅らせることぐらいは起こる。

確実にやることは政治家が悪いとの方向に誘導しこれをマスコミが一大キャンペーンで後押しすることになるだろう。


03. 新自由主義クラブ 2012年10月12日 09:02:53 : 41xQYjMxutK66 : FUviF2HWlS
01さんの「特例公債法案に関しては成立しなくても、財務省の短期証券や銀行からの借り入れでやりくりできる」という知識を、「国民の生活が第一」代表の小沢一郎さんは政府・民主党に教えてあげてはどうだろうか?

このような提言を小沢一郎氏が政府・民主党に対しておこなったことが広く世間に知られれば、「さすが小沢一郎さんだ。深い知識をもっていらっしゃる。次の投票先は『国民の生活が第一』だ。」ということになるでしょう。


04. 2012年10月12日 13:43:24 : pLM1ATIzB6
「財務省の短期証券」については財務省が難色を示したハズ。
消費税増税が決まったので野田はお払い箱というのが財務省の意向。

なので解散するか大混乱を起こすかしか道は残ってないように聞いたが。。。


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