http://www.asyura2.com/12/senkyo134/msg/761.html
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(回答先: 幻想に操られる日本人 藤原肇博士と小室直樹博士対談 1982年12月刊行の「脱ニッポン型思考のすすめ」 =雑談板リンク= 投稿者 五月晴郎 日時 2012 年 8 月 24 日 00:22:13)
Roentgenium:苫米地英人氏の著作『洗脳支配―日本人に富を貢がせるマインドコントロールのすべて』 より、一部抜粋。
◆ ◆ ◆
本書では、サブプライムローン問題の「カラクリ」を世界で初めて明らかにしています。この問題こそ、資本主義というマネーゲームのカラクリそのものなのです。その渦に巻き込まれた日本人は、必死で貯めた預貯金を海外に吸い上げられ、それが100倍、1000倍の外資に化けることで、より多くの資産を奪われています。そして意図的に作られた絶望の中で、本来送るべき生活水準よりも遥かに低い生活を強いられ、奴隷のように働かされているのです。
洗脳経済の泥沼に引き摺り込もうとする支配者はこう言って私達に安楽を与えています――。
「何も知らないことが、一番の幸せだ」「奴隷でいることが一番の幸せだ」
そんな幸せであなたは満足ですか?
〔苫米地英人 著『洗脳支配―日本人に富を貢がせるマインドコントロールのすべて』 第1章 日本人に掛けられたヒルガードの洗脳 より P.12−P.51〕
■催眠学者の知られざる戦後日本での功績
アメリカを代表する洗脳の専門家に、アーネスト・ヒルガード Ernest Ropiequet Hilgard(1904−2001)という人物がいます。催眠学者で、スタンフォード大学教授、旧米軍と関係があったことは余り公にされていませんが、大変著名な人物です。(中略)
ヒルガード教授が没した2001年に、スタンフォード大学 Stanford University が彼の追悼文を発表しました。それをたまたま読んだ私は、驚いてしまいました。そこには、ヒルガード教授の功績の1つとして、「戦後日本の教育の非軍事化の為」にGHQ(連合国最高司令官総司令部)に呼ばれて来日したと書いてあったからです。
催眠学者が、何故日本の非軍事化の為に教育に一役買わなければならなかったのでしょうか。私は、即座に理解しました。
■日本人に掛けられたWGIPという洗脳
戦後占領下の日本で、GHQが「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム War Guilt Information Program(WGIP)」を徹底的に推し進め、日本人に戦争犯罪人として罪の心をこれでもかと刻み込んだことは、公文書として残っている事実です。
『漱石とその時代 第1部〜第5部』(新潮社 1970〜1999年刊行)などの文芸評論で知られる慶応大学の故・江藤 淳(江頭淳夫 1932−1999)教授は、晩年、このWGIPの実態を掘り起こし、占領下で行われたアメリカによる新聞検閲と、専横としか言い様のないGHQの力による徹底的な思想統制について、糾弾する著作を次々に著しています〔※『閉された言語空間―占領軍の検閲と戦後日本』(文藝春秋 1989年刊行 ※文庫版は1994年刊行)〕。
もちろん、当時の戦勝国アメリカとしてみれば、神風特攻隊や玉砕などを見て、日本人を徹底的に再洗脳すべきと判断したことは理解出来ることでもあります。とは言うものの、WGIPのことを私が洗脳と言うのは、例えばこういうことです。
原爆投下の理由について、新型爆弾である原爆を当初、米国の原爆を開発した科学者達は、呉などの軍港の、それも沖合いに投下するという説明を受けていました。それを、当時の米国軍部は原爆の威力を測定する意味合いで、都市部に落とすことに変えました。人体実験を目的として日本に落としたと言えます。このことは、残された米軍の資料など、様々な証拠から明らかになっています。
ところが日本人の多くは、「第2次世界大戦を早く終らせる為に、アメリカは日本に原爆を投下せざるを得なかった」と教育され、いまだにそう思い込んでいます。
実際、1945年(昭和20年)の東京大空襲など、一連の空爆による日本全土焼き払い作戦の時から、米軍部は日本に戦争遂行能力がないことをはっきり知っていました。日本全土を焼き払うこと自体、既に人体実験です。一般国民が無差別に死んでいく中で、戦争の恐怖がどの様に天皇を頂点にした国家を変えていくのか、研究していたのだと私は見ています。そして、その次に原爆投下です。敗戦前の少なくとも半年の間、日本人は国ごと一部の米国人の実験用モルモットとして、やりたい放題に殺されたというのが歴史の事実です。(中略)
しかしながら、おかしなことに、私達には被害者としての実感が余り湧いてきません。とんでもない大量殺人を実験として行われ、同胞が見るも無残な殺され方をしたのですから、本来ならば、筆舌に尽くしがたい悲しみと恨みを占領軍に抱いて当然のはずです。
にも関わらず、「ギブ・ミー・チョコレート」「進駐軍、いい人」みたいな根拠のない好感を伴いながら、戦後一貫してGHQによる日本の支配というものを受け止めているではありませんか。これは極めておかしな心情と言わなくてはなりません。
日本人の心に、「戦争を起こした私達は愚かな罪人だ」という情報の書き込みが行われたことは確かなことです。だからこそ、GHQは新聞の徹底的な検閲を行い、都合の悪い記事は削除して、日本人を先ず、洗脳に必要な「情報遮断」の状態に置いたのです〔※現在の日本に置き換えれば、例えば、「輸出戻し税」(や経団連の献金)のことなどを知らないまま消費税増税を受け入れている人達にも共通して言えること〕。(中略)
GHQが占領下の日本にWGIPを遂行する背後には、もちろん本国アメリカ政府のコントロールがあったでしょう。(中略)もしもヒルガード教授の指導でGHQが洗脳教育を行ったとすれば、それが新聞検閲や情報操作、要人の洗脳程度の生易しいもので済むわけなどないのです。
ところで、このような視点に立つと、いま日本で起こっている経済の問題も、相当に根が深いことが分かります。アメリカという世界最大の赤字国をあらん限りの力で支え、これでもかと資金を貢ぎ続けている日本は、今でもヒルガード教授の洗脳にがんじがらめにされているということが出来ます。
〔資料〕Ernest Ropiequet Hilgard(1904−2001) - Wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Ernest_Hilgard
〔資料〕米国教育使節団報告書(要旨)1946年3月31日|文部科学省 ※Ernest Ropiequet Hilgardの名前あり
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpbz198102/hpbz198102_2_034.html
〔資料〕戦争犯罪宣伝計画 War Guilt Information Program(WGIP) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AE%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0
〔資料〕江藤 淳(江頭淳夫 1932−1999) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%9F%E8%97%A4%E6%B7%B3
〔資料〕江藤 淳 著『閉された言語空間―占領軍の検閲と戦後日本』(文藝春秋 1989年刊行 ※文庫版は1994年刊行)
http://www.amazon.co.jp/%E9%96%89%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E8%A8%80%E8%AA%9E%E7%A9%BA%E9%96%93%E2%80%95%E5%8D%A0%E9%A0%98%E8%BB%8D%E3%81%AE%E6%A4%9C%E9%96%B2%E3%81%A8%E6%88%A6%E5%BE%8C%E6%97%A5%E6%9C%AC-%E6%96%87%E6%98%A5%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%B1%9F%E8%97%A4-%E6%B7%B3/dp/4167366088
■富を約束された人達
1990年代の後半から、「勝ち組」「負け組」という言葉が流行りだし〔※元々『日経新聞』紙上やテレビ東京(日経が筆頭株主)で多く用いられていた→新自由主義者達の巣窟である日経・CSISバーチャル・シンクタンク〕、最近では「格差社会」「下流社会」といった言葉が広く人々に使われるようになりました。ビジネスの場における優勝劣敗がはっきりし、その結果、社会的地位を得て所得を増やす人と、世の中の片隅に追いやられ不遇を託(かこ)つ人との差がはっきりついてきたわけです。
格差が人間の活動を回転させるエンジンとして働くのであれば、それは喜ばしいことかも知れません。少なくとも、頑張った人が報われる社会にしようという格差肯定論の意図はそこにありました。
ところが、格差は付いたが「負け組」に敗者復活戦の機会はない。これが日本の現状です。08年の春闘では賃上げを行うことが決りましたが、大手企業が軒並み史上最高益を稼ぎ出している現状から見ると、労働者に対する配分は微々たるものと言わざるを得ません。それが、サラリーマンの労働実感でしょう。
格差肯定と言っても、実際日本で巨額の報酬を貰える様な人は、ほんの一握りの限られた人達だけです。この人達は、言わば「お約束の人物達」で、お調子者の評論家が「頑張った人が報われる仕組み」と幾ら説いて回ったとしても、殆んどのサラリーマンには一切関係のない仕組みだと言うことが出来ます。(中略)
実は、本当の「勝ち組」は別のところにちゃんといるのです。それが「約束された人物達」です。この人達は、これまでどのような時代になっても、身分や収入が危ぶまれるようなリスクに晒されることはありませんでした。仕事が出来る、出来ないには大して関係なく、資産も収入も固く守られて生きてきた人達です。
■明治維新は外資によって成し遂げられた
話は飛びますが、明治維新の時の日本を想像して下さい。
明治政府になって、その後、日本の民主主義は急速に発展を遂げていきます。資本主義が発展する為には、先ず資本がなくてはならないはずですが、その資本は何処からやって来たのでしょうか。工業や重工業の発展に連なる経済の基礎は、誰がどのようにして築いたのでしょうか。
カネの存在を抜きにして、歴史を考えることは出来ません。大政奉還(1867年)から明治維新、そして明治新政府が成立する歴史の転回点で、日本に巨額のファイナンスを行った勢力がいたわけです。
戊辰戦争(ぼしんせんそう、1868〜1869)の戦費に使われたカネにしても、同様のことが言えます。倒幕軍の戦費は、薩摩と長州が自分達の金蔵から出してきたものではありません。幕府軍の戦費にしても、徳川家が全額賄(まかな)ったものではないでしょう。現代の国際紛争モデル、或いは内戦モデルから類推すれば、戊辰戦争が外国の2大勢力による代理戦争という性格を色濃く持っていたことは容易に想像が付きます。
実際、政権交代を目指す薩長勢力にはイギリスが、政権維持を目論む幕府勢力にはフランスが、潤沢な資金を供給していました。もっとはっきり言えば、当時の財政破綻状態のイギリスやフランスの事実上のオーナーとも言えたイギリスのロスチャイルド家とフランスのロスチャイルド家が、日本に隠然たる影響力を行使する為、薩長勢力と徳川幕府の双方へ資金を供給したと見るべきなのです。
■世界の富の95%近くを持つ人々
ロスチャイルド家は現代においても、例えば、ソロモン・ブラザーズ Salomon Brothers、ゴールドマン・サックス Goldman Sachs などの投資銀行、証券銀行を擁し、世界金融を支配する金融シンジケートを構成しています。日本の日本銀行に当るイングランド銀行 Bank of England(1694年〜)もロスチャイルド傘下の銀行です。
実に不思議なことに、何かにつけこういった人々の名前が表に出ることは先ずありません。世界の富の95%近くを所有するほどの人々であるにも関わらず、これらの人々の活動は謎に包まれ、全貌は杳(よう)として掴めないというのが実態です。とにかく厚いベールに覆い隠された存在なのです。
これらの人々はこのように、私達の想像を超えた強大な権力を行使しているはずですが、その直接的な活動は何処にも見当たりません。そんな存在に対して、全ての原因を都合よく求めること自体、分析事実の信憑性を疑われて当然かも知れません。
しかし、東インド会社やアフリカ開拓の昔から、イギリスやフランスの海外進出は、ヨーロッパを代表する幾つかの名家の莫大な富を背景に行われてきたという動かし難い事実があります。
日本という極東の島国は、彼らにとって格好の前線基地であり、アジア大陸への進出を考えた場合、補給或いは兵站(へいたん)の要衝でもあります。
日本人の教育水準は高く、国民性は勤勉で、当時としては相対的に進取(しんしゅ)の精神に満ちていたと言うことが出来ます。しかも、既に宣教師を大量に送り込んでいたので、キリスト教徒に帰依しなくとも理解を示す者が増え、また外国人受け入れという地ならしも出来ています。つまり、日本の投資環境は申し分ない状況にありました。
諸外国の覇権主義、植民地主義の矛先は、当然のことながら日本に向けられました。だからこそ、開国か否かで日本に国を二分する内戦が起こったわけです。当然、日本に開国を迫ったイギリスやフランスに、そうした外交政策の立案やその遂行資金を提供した人物達がいることになります。
もちろん、ロスチャイルド家だけでなく、その他の名家も名を連ねていたでしょう。そうした名家達による意思決定が明治維新を実現させたと言っても過言ではないのです。
■日本における「勝ち組」の正体
ところで、徳川幕府に取って代わった明治維新の新勢力は、結局どのような人物達でしょうか。もちろん、薩摩と長州の武士達です。脈々と現代に生き続ける、日本の「勝ち組」の正体は、実はこの薩摩と長州を中心とする勢力だと言うことが出来ます。事実、この21世紀の今、政治家、官僚共に、鹿児島県、山口県出身者は数多く、そこには大変な偏りが見られます。
明治維新以来、昭和21年に日本国憲法が施行されるまでの間に任ぜられた延べ45人の内閣総理大臣のうち、薩摩出身者は延べ5人、長州出身者は述べ11人に上っています。倒幕に参加した土佐藩からは延べ1人、肥前藩からは延べ2人で占有率は実に42%を超えてしまいます。大蔵大臣、外務大臣などの主要ポストも薩長閥が殆んどです。
中央省庁の中でも、特に警察庁と防衛省は、薩長の牙城です。鹿児島県、山口県の出身者が多く、事情を知る関係者の間には「鹿児島県、山口県の出身者でなければ出世出来ない」という暗黙の了解があるほどです。最後まで新政府軍と戦った会津藩の福島県には、昭和になってようやく国立大学が創られたというのも有名な話です。
〔資料〕格差社会 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%BC%E5%B7%AE%E7%A4%BE%E4%BC%9A
〔資料〕内閣総理大臣の一覧 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%85%E9%96%A3%E7%B7%8F%E7%90%86%E5%A4%A7%E8%87%A3%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7
〔資料〕萬晩報:園田義明のコラム ※薩長因縁の昭和平成史、他。重要
http://www.yorozubp.com/sonoda.htm
〔資料〕≪鬼塚英昭 著『黒い絆 ロスチャイルドと原発マフィア』 より要約(19)≫|MelancholiaT ※大化の改新と明治維新
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-10978824023.html
〔資料〕日本人が知らないニッポン―隠されてきた歴史から読み解く世界の成り立ち - THINKER
http://thinker-japan.com/thinkwar.html
〔資料〕源氏と平氏の政権交代 1〜3 - ルーツ調査研究会 2011年3月7〜10日
http://roots-origin.jugem.jp/?eid=3
http://roots-origin.jugem.jp/?eid=4
http://roots-origin.jugem.jp/?eid=5
■日本で平民が政権を獲ったことは一度もない
話は明治維新に戻ります。政権交代後のセオリーとして、権力を握った新勢力は、人物から社会システムまで、旧来の悪弊を徹底的に叩き悪口を言います。ところが、旧勢力が使っていたシステムを徹底的に破壊することはしません。支配の為に好都合な旧来の仕組みは残しておき、巧く利用するのが常套手段です。
先ず、旧勢力のやり方を徹底的に叩いたことについてですが、その痕跡は、私達が受けた教育にはっきりと残されています。日本史の教科書には、徳川幕府が倒されて文明が開化した、と言うようなステレオタイプの記述があります。
それまでの武家社会が崩壊し、平民が代表される議会制度が作られ、その代表者は平民による投票で決る。或いは、優秀な人材であれば、身分に関係なく取り立てられ、官僚として国を動かす仕事が出来る。封建制度から、そうしたフェアな制度に世の中の仕組みを変えた。また、鎖国対策を行っていた暗黒時代の日本を、新しい近代国家に変えた、と。
しかし、それは分かり易く巧妙に加工された嘘というものです。実は現代においても同じなのですが、日本では平民が政権を獲ったことは一度もなく、平民が選ぶ平民の代表者は武家階級か、或いはその階級から取り立てられ、階級の仲間入りを果たした人物に限られていたからです。
例えば、平民宰相と言われた原 敬にしても、生れは盛岡藩の藩士で、家は家老職を務めた上級士族です。原 敬は分家して平民籍に入るのですが、それだけの理由で一般市民と同じ平民という括(くく)りで語るのは無理があるというものです。原 敬にしても、藩閥に接する機会を得ることで外務省に入省し、政治家としての足掛かりにしているのです。
明治政府が優秀な人材を適材適所で取り立てたということにしても、それは専(もっぱ)ら人口の1%にも満たない下級士族のことを指していました。平民を積極的に登用するなどということは、薩長の権力者の念頭にはなかったはずでしょう。
仮に、戊辰戦争で幕府軍が勝ったとしても、日本に文明開化はやって来たはずです。仮に、明治、大正、昭和、平成の時代へと徳川幕府が存続していたとしても、日本人の性格から諸外国を参考にして憲法が制定され、資本主義が根付き、議会制度が制定され、婦人参政権も確立されていたはずです。
このように考えると、明治維新が革命と呼べるような性格のものではなかったことがはっきりします。
■不平不満を収める常套手段
次に、支配の為の統治システムを残した、という点についてです。
例えば明治政府は、官僚制を残しました。私達の多くは、明治政府が官僚制を作ったかのような印象を植え付けられていますが、それは全く誤った認識です。律令制を起源とする日本の官僚制は、6世紀末の飛鳥時代から存在していました。つまり、明治維新からの官僚制については、薩長の新勢力がその装いのみを改め、存続させた支配システムであると言うことが出来ます。
同様に、天皇を中心とした統治権力も、明治政府は残しています。これは、当然のことかも知れません。天皇による統治こそ、日本を丸く治める歴史的に確立したシステムだからです。天皇制の存続については、第2次世界大戦後、GHQがやはり同じことをしました。もちろん、天皇を尊重したからではなく、日本人を従順な子羊としておくには、天皇制を残すことが最良の道という支配者としての判断が働いたからです。
もちろん、薩長の討幕軍は、天皇のお墨付きを象徴する「錦の御旗」を掲げて幕府軍の戦意を喪失させたわけですから、天皇はその新政権樹立構想に初めから組み込まれた存在だったということでしょう。
しかし、このように明治維新の成果として、開国をした、廃藩置県を行って大名を廃した、国会を開催して議会制民主主義を生んだ、色々と並べ立てることは出来るでしょう。しかし、たとえ徳川幕府が続いていたとしても、幕府は同じような改革を成し遂げたことでしょう。たとえ明治以降も幕府がまだ政権を握っていたとしても、民主主義に移行していた可能性は高いし、婦人参政権は確立されていたはずです。
幾ら徳川幕府と言えども、馬鹿ではないのです。逆に太平洋戦争は避けられたかも知れません。明治政府になろうがなるまいが、日本は近代化したのです。世界の趨勢(すうせい)がそうなっていく以上、それに歩調を合わせていかざるを得ないのが、社会の自立的な発展というものだからです。
明治維新が仮に革命と呼べるものであるとしたら、江戸時代の権力者は皆殺しにあっていて当然です。少なくとも、徳川家など旧勢力の代表者や要職にあったものは死罪、旗本はお家取り潰しにしていかなければなりません。革命と言い張るなら、それ以外のやり方では格好など付かないのです。
しかし実際のところ、例えば徳川一族は、松平一族を含め、みな貴族として生き残りました。彼らの地位はその後もずっと守られ続けています。今でも東京の一等地に広大な家屋敷を構え、外部からは簡単に窺い知れない事業内容の会社を経営し、財団法人や社団法人の理事、或いはスポーツの国際委員会などの団体理事など、名誉職を幾つも兼任し、軽井沢の一等地に別荘を持ち、悠々自適の生活を送っています。
確かに、政権の座から徳川一族は下ろされましたが、21世紀の平民が決して手の届かない世界で、手厚い警備の下、堂々と生きています。彼らの周りには当然、人脈、海外コネクションなど、徳川幕府時代から受け継がれてきた無形資産もふんだんにあることでしょう。
徳川一族を存続させた理由は、そうすることが薩長勢力にとっても都合がいいからです。維新後も貴族として存続させたほうが、徳川の親藩だった勢力の不平不満を収め易い。過去にそのようにして行われた政略と計算によって、「勝ち組」は「勝ち組」独自の世界とネットワークを張り巡らしていくわけです。
■武家社会がそのまま続いている現代の日本
資本主義という建前の下、徳川家がどのようにしてカネを稼いで一族の繁栄を築いているのか分かりませんが、明治維新の立役者達が徳川家以上に発展していなければ、勢力のバランスが取れず、その不均衡は必ず衝突を生み出してしまいます。つまり、明治政府の中枢を占めた薩摩と長州の勢力も、その後その地位を守るばかりか、維持発展させているということです。
このように見てみると、日本の支配者はいまだに江戸以前からの武家社会に所属する人々である、と理解することが出来るでしょう。日本は、武家社会の階級がいまだに押さえている国なのです。
例えば、日本経団連がいい例です。日本経団連のメンバーになるということは、商人のトップとして認められ、支配者である武家階級に出入りを許されるということです。
余談かも知れませんが、日本経団連会長の代名詞となった「財界総理」という言葉は、日本経団連と時の政権との微妙な関係性をうまく表している呼称だなと感心させられます。要するに、日本経団連のメンバーは支配者達の為にお金を集めて上納するサポーターである、だから会長は「財界総理」として物申す、と聞こえてくるわけです。
日本経団連の会員企業を見てみると、明治以前からの支配階級の一員であるか、もしくは支配階級の許に出入りしていた人物が興した会社ばかりです。ここしばらくの間に、ソフトバンクや楽天、ライブドアなどIT関連企業〔※情報技術 Information Technology(IT)〕が相次いで会員に加えられもしましたが、ちょっとした新参者では先ず、余程成功を収めていないと経団連のメンバーにはなれないわけです。
ライブドアは、有価証券虚偽記載が発覚した後、日本経団連から無期限活動自粛の処分を受けました。また同様に、介護保険の水増し請求問題が発覚したグッドウィル・グループは、除名処分を下されています。当り前の処分かも知れませんが、新参者には厳しく、元からの会員企業へは甘さが余りにも際立っているのではないでしょうか。
例えば、戦後最大の疑獄であるロッキード事件の丸紅にお咎めが下ったと言う話は聞いたことがありません。また、ODA(政府開発援助)を巡る不祥事やディーゼルエンジンのデータ捏造など、度々不正事件を起こしている三井物産についても、日本経団連が何らかのアクションを取った事実は一度もないのです。
ライブドアやグッドウィル・グループが悪質なルール違反を犯したことは事実です。しかし、日本経団連も経団連で、その処分は全く恣意(しい)的で御都合主義だと言わなくてはなりません。ここにも支配階級の論理が働いているのです。
とは言え、これはまだほんの序の口です。
≪≪明治の資本主義の黎明期に起こった日本を代表する企業群の成り立ちを見れば分かるように、日本の経済は元々「勝ち組」による莫大な利権の争奪戦として発展してきました。エスタブリッシュメント達はそこに群がり、時に相手を出し抜き、時に談合し、結果的には抱えきれないほどの果実を程好く分け合って、自分達だけの「約束された世界」を作り上げました。
そうした自分達の縄張りに、新参者がやって来ても、自分達の利益になるうちはチヤホヤするでしょうが、一度(ひとたび)不利益を被(こうむ)るとなれば冷たくあしらうのが当然です。≫≫
〔資料〕伊藤忠兵衛(1842−1903) - Wikipedia ※伊藤忠商事・丸紅の創業者
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E8%97%A4%E5%BF%A0%E5%85%B5%E8%A1%9B_(%E5%88%9D%E4%BB%A3)
〔資料〕日本経済団体連合会:人事一覧及び政策提言
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%9B%A3%E4%BD%93%E9%80%A3%E5%90%88%E4%BC%9A
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/index.html
〔資料〕経団連の政党「通信簿」 仕組みは?思惑は? - しんぶん赤旗 2007年2月4日 ※日本経団連の政治献金は贈収賄
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-02-04/2007020425_01_0.html
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik3/2004-01-29/03_01.html
〔資料〕キヤノン・トヨタなど経団連企業・団体 自民党に献金7.7億円超 派遣切りのさなかに - しんぶん赤旗 2009年10月1日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-10-01/2009100102_03_1.html
〔資料〕消費税増税 やっぱり大企業減税穴埋めの為:法人税の減収額と消費税税収の推移 - しんぶん赤旗 2010年6月20日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-06-20/2010062002_01_1.html
〔資料〕税金で政党CM 自民・民主とも 100億円超 電通・博報堂が受注トップ - しんぶん赤旗 2007年6月2日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-06-02/2007060215_01_0.html
〔資料〕毎年税金60億円 電通・博報堂・産経新聞社など事業請け負い 「安全神話」刷り込み - しんぶん赤旗 2011年7月16日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-07-16/2011071603_02_1.html
〔資料〕≪斎藤貴男 著『消費税のカラクリ』 第3章 消費者が知らない消費税の仕組み、他 より抜粋(1〜11)≫|MelancholiaT
http://arsmagna2.jimdo.com/melancholiaT-roentgenium-資料保管庫-目次/
〔資料〕消費税増税に経団連が賛成するのは“輸出戻し税”ある為 - NEWSポストセブン 2012年2月21日 ※社会保障財源が補助金として輸出大企業の懐に
http://www.news-postseven.com/archives/20120221_89211.html
〔資料〕消費税10%なら大企業は6兆円(一般会計の7分の1に相当)のボロ儲け - 『日刊ゲンダイ』 2012年4月10日
http://gendai.net/articles/view/syakai/136076
※消費税増税の先にあるもの
http://9300.teacup.com/donannto/bbs/1481
〔資料〕国際公共政策研究センター(CIPPS):組織・スタッフ ※小泉進次郎(CSISエージェント)の支持母体。日本経団連会員企業(理事会をクリック)、共に日経・CSISバーチャル・シンクタンクに在籍
http://cipps.org/group/index.html
〔資料〕国民政治協会 大口献金一覧 - 地 獄 へ の 階 段 2009年5月6日
http://blogs.yahoo.co.jp/voteshop/913249.html
※国民政治協会(自民党の献金窓口) 2010年収支報告:8〜24頁
http://www.kokuseikyo.or.jp/syuushi/h22.html
※国民改革協議会(民主党の献金窓口) 2008年収支報告
http://www.dpj.or.jp/sub_link/kenkin/gaiyou.html
〔資料〕日経・CSISバーチャル・シンクタンク CSIS-Nikkei Virtual Think-Tank ※リンクを参照。CIAや連邦準備制度理事会(FRS)と繋がっている。小泉進次郎(CSISエージェント)や前原誠司政調会長はじめ松下政経塾も名を連ねる新自由主義者達の巣窟
http://www.csis-nikkei.com/
http://blog.goo.ne.jp/kenken_3981/e/feb54de4e0f2172acfa8619cb0afdef8
〔資料〕≪関岡英之 著『国家の存亡―「平成の開国」が日本を滅ぼす』 より抜粋(7)≫|MelancholiaT ※【日経・CSISバーチャル・シンクタンクの顔触れ(新自由主義者達の饗宴)】 【CSIS-HGPI】細川佳代子 【三極委員会】
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〔資料〕≪斎藤貴男 著『消費税のカラクリ』 第3章 消費者が知らない消費税の仕組み、他 より抜粋(4〜11)≫|MelancholiaT ※小泉純一郎・竹中平蔵らによる「構造改革」の正体、竹中平蔵の正体、(対日)年次改革要望書、松下政経塾の正体、MRA、郵政民営化研究会、郵政選挙と広告代理店(BBDOとFleishman-HillardはロックフェラーのOmnicom Group Inc.傘下企業)、他
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※岡田克也(―三菱グループ)について
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〔資料〕≪苫米地英人 著『現代版 魔女の鉄槌』 より抜粋(8)≫|MelancholiaT ※Shock Doctrine(惨事利用型資本主義)、ヘーゲルの弁証法(正・反・合)鳩山・菅・野田
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〔資料〕≪「対日年次改革要望書」とTPP:日本語翻訳 PDFファイル(1996年〜2011年)≫ ※東北大震災、福島原発事故、TPP、余りにも出来過ぎた一連の流れ
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〔資料〕田中康夫議員がTPPと野田政権の本質を斬る - Kaleidoscope 2012年2月7日
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〔資料〕衆議院会議録情報:第180回国会 総務委員会 第3号 2012年(平成24年)1月27日 ※輸出戻し税、田中康夫・新党日本代表による質疑と野田佳彦(松下政経塾第1期生)総理の答弁
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〔資料〕衆議院会議録情報:第180回国会 総務委員会 第9号 2012年(平成24年)6月20日 ※吉井英勝・日本共産党議員による質疑
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〔資料〕全国商工団体連合会の国分稔会長が2月27日の衆院予算委員会で行った意見陳述(要旨) - 全国商工新聞 2012年3月12日 ※輸出戻し税、ちなみに衆議院会議録情報では「第180回国会 予算委員会 第16号」が欠けている
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〔資料〕野田新首相 財務相当時の昨年10月 経団連会長から接待 税制論議のさなか - しんぶん赤旗 2011年9月2日 ※野田佳彦(松下政経塾第1期生)総理―日本経団連・米倉弘昌会長、丹呉泰健
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※丹呉泰健
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11273446031.html
http://kaleido11.blog111.fc2.com/blog-entry-1125.html
〔資料〕【新春に語る】海外計画継続で原発の輸出拡大 三菱重工・大宮英明社長「日本政府は輸出を拡大する姿勢だが、国内が脱原発だと矛盾するので、国内の再稼働をサポートしながら、海外展開も強力に進めたい」 - SankeiBiz 2012年1月3日
http://www.sankeibiz.jp/business/news/120103/bsc1201030500000-n1.htm
〔資料〕Crowley Files of 1996 ※ジェラルド・カーティス、船橋洋一(CIAへの情報提供者)―CIA
http://cryptome.org/cia-2619.htm
〔資料〕あのジェラルド・カーティス(と船橋洋一)の正体はCIAへの情報提供者だった!そのカーティスが菅首相を操ろうとしている By 中田安彦 2010年7月1日 ※CSISのエージェント教育―中曽根康隆・小泉進次郎
http://www.asyura2.com/10/senkyo89/msg/614.html
http://nakasone-family.blog.so-net.ne.jp/2010-04-28-2
http://8413.teacup.com/julia/bbs/646
http://8413.teacup.com/julia/bbs/647
〔資料〕ジェラルド・カーティスとそのCIA疑惑が問われたFCCJ講演会(加筆済み) - ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報 2012年4月27日
http://amesei.exblog.jp/15782104
〔資料〕ジェラルド・カーティスが野田首相(と岸本周平)に消費税法案の21日までの成立を、再度厳命した - ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報 2012年6月16日
http://amesei.exblog.jp/16063592
http://amesei.exblog.jp/16083083
〔資料〕大蔵省スキャンダルと増税議員・岸本周平の米留学からわかること - ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報 2012年6月28日 ※岸本周平―ジェラルド・カーティス
http://amesei.exblog.jp/16162343
〔資料〕米澤敏雄弁護士の陰謀 検察審査会で『起訴相当』とされた小沢幹事長、他 - 糾弾 ※谷垣禎一ら
http://www.kyudan.com/opinion/ozawa07.htm
※囚人のジレンマ(スケープゴートとしての小沢事件と2つの観点)
http://9300.teacup.com/donannto/bbs/1477
http://www.kyudan.com/opinion/ozawa.htm
(2頁へ続く)
(1頁からの続き)
■丸の内をつくったのはポンドである
三菱財閥の成り立ちを例にとって、話を進めてみましょう。
創業者の岩崎弥太郎(1835−1885)は、土佐藩の出身で、幕末の風雲児、坂本龍馬(1836−1867)と繋がりがありました。岩崎自身は、地下(じげ)浪人の出身で、龍馬の出身である郷士よりも更に低い身分だったとされています。
海援隊の経理を担当していた岩崎は、龍馬が起こした海難事故の賠償で7万両という賠償金を目の当りにします。その価値は正確には分かりませんが、現代の貨幣価値に換算して、およそ36億円とも言われています。岩崎は龍馬の死後、この賠償金を元手に、三菱財閥の前身である三菱商会を設立したと言われています。
岩崎弥太郎は、政府高官の後藤象二郎(1838−1897)と盟友となり、政商としての頭角をどんどん現していくことになるのですが、だからと言って1代で簡単に三菱財閥が築けるものでしょうか。36億円という元手が事業資金として十分か否か、ここではそれを問題にしません。私は、もっと遥かに巨額の金が動いていたと見るからです。
東京・丸の内は、よく三菱村と称されます。三菱地所(じしょ)が土地を所有し、三菱グループ企業のそれぞれの本社が、テナントとして瀟洒(しょうしゃ)なビルを構えています。
丸の内は、東京駅と皇居のお堀端に挟まれた正真正銘の一等地です。江戸時代には、大名の江戸藩邸が立ち並び、南北の町奉行所や勘定奉行所などがあった場所です。維新後、陸軍の練兵場として整地され、それが明治23年に岩崎家に払い下げられました。そこに東京駅が誘致され、ロンドンを模して、岩崎家はここに赤レンガのビル群を建て、それが「一丁ロンドン」と言われる街並みとなったわけです。
もちろん丸の内の買収資金は岩崎家のものだったことでしょう。ところが、この一丁ロンドンの建設資金は、政府調達のもので、実はその殆んどが一丁ロンドンの名に相応しくポンドだったと言われています。これは、どういうことでしょうか。
■真の「勝ち組」企業の成り立ち
明治政府は二度、財政破綻しています。一度目は1881年(明治14年)、大隈重信(1838−1922)の大蔵卿の時代、二度目は1904年(明治37年)からの時期で、第1次桂内閣が御前会議で日露戦争開戦の決定を下した時代です。ちなみに、「工場払い下げ概則」が制定され、官営工場の民間払い下げによって財閥がはっきり形成され始めたのは、この前年の1880年(明治13年)です。
政府が最初に財政破綻をきたした時、三菱や三井、住友といった財閥が政府に対して莫大な資金援助を行っています。岩崎弥太郎の弟で三菱財閥第2代総帥の岩崎弥之助(1851−1908)が丸の内の土地を陸軍から買い取ったのもこの時期の1890年(明治23年)です。もちろん、援助を行うに当っては、様々な見返りの要求があって当然です。丸の内に東京駅が出来たのもその為です。
政商の下には国内に限らず、海外の資金ルートも当然あり、そうした海外の資金提供者に対する収益の配分も行わなければなりません。ちなみに、丸の内の土地を購入した岩崎弥之助は、総裁の座を弥太郎の長男・久弥(1865−1955)に譲り、44歳の若さで第4代日銀総裁の座に就いています。この後、三菱は財閥として急成長を続けました。
先に述べたように、明治維新そのものが海外の資金によって成し遂げられたようなものですから、そうした資金ルートが政商達の企業活動によってむしろ整備されていたと言っても過言ではないと思います。政商とはそういうものですし、そうでなければ1代で巨万の富を築くことなど出来ない相談です。
重工業が発展する為には、巨額の初期投資が必要ですし、鉄鉱石といった1次産品の採掘、輸送網などを整備する必要にも迫られます。これが国内の資金だけで賄(まかな)えるはずはありません。当然のことながら、海外からのファイナンスが必要になります。
これは三菱をはじめとする財閥に限ったことではありません。明治期に創業した日本の基幹産業の大半は、何らかの形で外国資本を利用して事業を発展させました。そうした主要企業は、ヨーロッパ名家の後ろ楯で政権を握った薩長勢力の意を受け、殆んど国策として薩長閥かそれに連なる人物が興しているわけですから、彼らにとって外資の利用が極当然の成り行きだったことは想像に難くありません。
GHQによる財閥解体を受けて、日本経団連の前身である経営者団体連合会が発足したのは敗戦の翌年、1946年(昭和21年)のことです。その会員は、右記の様な明治期資本主義の流れを汲む日本の基幹産業であり、明治維新以来、薩長の「勝ち組」の下でビジネスを勝ち抜いてきた企業群です。
その日本経団連が丸紅や三井物産に厚く、ライブドアやグッドウィル・グループに冷たいとしても、彼らにとっては極自然な振る舞いだと言えるわけです。
〔資料〕龍馬が後藤象二郎へ宛てた直筆の手紙 書き損じ見つかる - 朝日新聞 2010年6月16日
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〔資料〕武士の名前の構造
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1047001500
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〔資料〕三菱財閥 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E8%8F%B1%E8%B2%A1%E9%96%A5
〔資料〕日本資本主義確立期の三菱財閥 By 立松 潔 1973年7月1日(PDF、全20頁)
http://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/rs/bitstream/10086/6612/1/kenkyu0002500830.pdf
〔資料〕三菱財閥, 岩崎彌太郎-彌之助-久彌の多角化理念 By 小林正彬 2002年7月31日 (PDF、全19頁)
http://ci.nii.ac.jp/els/110001074285.pdf?id=ART0001232024&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1341378373&cp=
〔資料〕日中戦争下における三菱財閥の再編過程 1〜3 By 浜淵久志 1980年3月(PDF、全118頁)
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〔資料〕太平洋戦争期における三菱財閥の再編過程 1〜6 By 浜淵久志 1981年11月〜1984年3月(PDF、全215頁)
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〔資料〕三菱財閥の役員兼任関係と統制機構:大正10年〜昭和19年 By 長沢康昭 1981年3月30日(PDF、全30頁)
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〔資料〕ビッグ・リンカー達の宴2 最新日本政財界地図(19) By 園田義明 - 萬晩報
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〔資料〕日本人が知らないニッポン―隠されてきた歴史から読み解く世界の成り立ち - THINKER
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〔資料〕源氏と平氏の政権交代 1〜3 - ルーツ調査研究会 2011年3月7〜10日
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〔資料〕東京駅:地下水上昇問題 - Wikipedia
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■金を合法的に持ち去られた日本
ところで、現代の日本で新興企業が目覚しい成長を遂げる背景には、外国資本によるファイナンスが絡んでいることがよくあります。マネー経済に国境線は無くなりましたし、株式や債券、通貨などありとあらゆる国際市場がありますから、今では起業家にとって外国資本と手を組むことも当り前になっています。
ところが、一昔前、外為法(外国為替及び外国貿易法)での円の流出、ドルの流入を規制されていた時は、そうはいきませんでした。1980年代後半のバブル経済も、そうした環境の中で生れました。
日本が円を刷りまくり、その円を当局が市中から回収しなかった為に生じた「経済事故」という見方も出来ます。1985年(昭和10年)のプラザ合意 Plaza Accord でG5(先進5カ国蔵相・中央銀行総裁会議)が「ドル安」に向けた協調介入を決めた為、輸出企業を中心にした景気の悪化を心配した日本政府が、湯水のように円を市中に供給したからです。国境に守られ、国内に溢れた円が、不動産や株式市場などに流れ込み、バブルを生み出しました。
第2次世界大戦後のIMF(国際通貨基金)による国際通貨管理体制の下で育った私達には、マネーが自由に世界を駆け巡る今の時代がとても新鮮に感じられるはずです。しかし、日本が通貨の国外流出を法律で規制し始めたのは、実はそんなに遠いことではありません。
日本では1932年(昭和7年)に、外為法の前身となる「資本逃避防止法」が作られています。その翌年には、外国為替銀行制度の導入により「外国為替管理法」が制定されています。その後、1936年(昭和11年)に、大蔵省令によって貿易為替管理が始められました。戦時体制への移行に伴い、「外国為替管理法」が改正され、規制が強められたのは1941年(昭和16年)のことです。
明治の頃に必要とされた貿易に使うお金の決済は、かなり原始的だったと言えるのではないでしょうか。1871年(明治4年)に「新貨条例」で金貨を日本の通貨としました。それまで流通していた銀貨と金貨のどちらを統一的な通貨とするかを決めたのですが、横浜や神戸の港では海外銀貨で決済されることが多かったと記録に残っています。
諸外国の狙いの1つは、日本の「金(純金)」を合法的に持ち去ることでもあったことでしょう。1881年(明治14年)の財政破綻を機に、政府は金本位制を取り下げましたが、明治政府は金の国外流出に随分頭を悩ませたようです。
当時、諸外国にとって、日本は魅力ある産金国でした。誰でも名前を知っているような欧米の名門財閥をはじめとする外国資本がその魅力に吸い寄せられ、食指を伸ばしてくるのは当然です。
時代が時代ですから、管理された為替市場などなく、国民の監視が届くような国際金融システムも存在しません。北朝鮮への送金ルートを引き合いに出すまでもなく、現代においても、ファイナンスの抜け道は幾らでもある状況です。投資収益の見返りさえ約束すれば、外資は自由に流れ込んで来たことでしょう。
明治政府は、軍備の殆んど全てを外資から提供して貰ったと言っても過言ではありません。もちろん、例えば外国の名門一族の誰かが訪ねて来て、直接、資金を提供したわけではなく、色々なルートでその資金がファイナンスされたということです。
こうした資金を元に、日本は資本主義を発達させ、近代化を成し遂げました。先にも述べましたが、仮に薩長が天下を取っていなかったとしても、徳川氏を中心にして同じような社会発展を辿ったことは間違いありません。もちろん、その時の資金の大半はイギリスではなく、フランスのロスチャイルド家がファイナンスすることになったことでしょうが。≫≫
〔資料〕外為法(外国為替及び外国貿易法) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%96%E5%9B%BD%E7%82%BA%E6%9B%BF%E5%8F%8A%E3%81%B3%E5%A4%96%E5%9B%BD%E8%B2%BF%E6%98%93%E6%B3%95
〔資料〕プラザ合意 Plaza Accord(1985年) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%B6%E5%90%88%E6%84%8F
〔資料〕外国為替管理のコントロールと国際通貨基金協定加盟国の一般的義務(一):8条2項b節の Interpretation にみるその対応 By 大西公照 1988年3月31日(PDF、全34頁)
http://ci.nii.ac.jp/els/110004723210.pdf?id=ART0007466996&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1341307592&cp=
〔資料〕経済夜話:資本逃避防止法実施と影響 By 松藤秀雄 1932年7月20日(PDF、全5頁)
http://ci.nii.ac.jp/els/110002528869.pdf?id=ART0002794898&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1341306543&cp=
〔資料〕国際私法における外国為替管理法 By 岡本善八 1961年2月1日(PDF、全22頁)
http://ci.nii.ac.jp/els/110000400986.pdf?id=ART0000839483&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1341307298&cp=
〔資料〕金融・資本市場制度改革の潮流:施行された改正外為法 By 野村資本市場研究所 1998年(PDF、全14頁) ※表1・図1参照
http://www.nicmr.com/nicmr/report/repo/1998/1998spr04.pdf
〔資料〕金 - 資源について
http://resource.ashigaru.jp/gold.html
〔資料〕黄金の国ジパング再来、金輸出100トン突破へ 個人の換金売り殺到で - Bloomberg 2011年12月8日
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LVCPOM1A1I4H01.html
■支配の為の「装置」と「道具」
このように外資の力を借りながら、薩長勢力を中心とした貴族、政治家、官僚は、様々な治世の綻びを経験しながらも、磐石な基礎を築いたと言えます。彼らは「武家社会」の支配階級を温存する国家システムを創り、表面上はそれが見えないように一般国民から隠し、髷(まげ)を落とし、洋装に改め、平民に苗字を与え、あたかも武家社会の権力基盤と権力者が一掃されたかのような一大キャンペーンを行いました。
私は、「勝ち組」がそのようにして、法律を始めとする支配の為の「装置」や「道具」を生み出し、確固たる支配のグランドデザインを練り上げたのだと考えます。いつの時代でもそうですが、権力を手中にした者は、自らの保身と権力の強化、維持を第一に政策を考え、遂行していくものです。それこそが、彼らにとって「国家百年の大計」だったと言えます。
現代の日本を眺めると、今もあちこちにその仕掛けが生きています。先ず目立つのが、名家出身の国会議員の存在です。彼らはそのルーツを遡ると、江戸時代の藩主や上級士族に辿り着きます。それが2世、3世、4世という具合に、まるで世襲制のように常に政治の表舞台に登場するのは、本当に個人の能力と資質に因るものでしょうか。
このことは官僚にも当て嵌まります。3代、4代続く国家上級公務員も決して珍しい存在ではありません。
人間が何か特別な集団を作る時、その人員の採用の仕方をちょっと考えてみて下さい。その集団に加入が認められるのは、目的と利害を共にする人物でその意思と能力があり、かつソサエティの先人達にそのように認められた人間だけです。企業が社員を採用する時も、こうした手続きを踏んでいます。つまり、新参者は、集団の利益を維持発展させる能力があると集団の構成者たちに認められて初めて仲間に加えられるわけです。
国を動かす政治家と官僚は、元々薩長勢力の牙城でした。選挙に当選し、或いは国家公務員試験に合格し、その牙城に入ることが許されるのは、薩長勢力が自分たちの仲間として認めた人間だけだ、ということになります。逆に言えば、新参者達もまた、最初からそうした勢力に加えられることを希望して、政治家や官僚という集団の門を叩いていることになります。
こうした両者の暗黙の了解は、それと無縁な第三者に直ぐにピンとくるものではありません。大抵の場合、両者の間にある利害関係は、私たちの目に触れないように隠されているからです。これが、一般的な多くの国民にとって、国会議員や国家公務員の世界が身近に感じられない理由の1つになっています。
しかし、そういう世界で生まれ育った当事者達にとって、その利害は直感的に了解される代物です。例えば、先に紹介した、薩長出身が防衛省と警察庁における出世の条件というようなことも、「西郷隆盛以来、薩摩隼人は軍人に向いている」というような何気ない言い回しで、親から子に利権の存在が口承され、その強化が計られてきたわけです。
■親から子へ存続され続ける莫大な権益
貴族制度こそなくなりましたが、皇族に連なる旧宮家、或いは元大名などの貴族も、現在(いま)に息づく存在です。先の徳川一族を引き合いに出すまでもなく、大名や公家の多くは、その家系と権益を現代に脈々と受け継い出来ました。実際、854名の華族以上の旧貴族とその嫡男が会員とされる霞会(社団法人霞会館、旧華族会館)という団体が今もあります。
同社団法人が編纂の『華族会館の百年』(霞会館 筑摩書房事業出版 1975年刊行)によると、霞が関ビルのオーナー法人でもあり、大変な含み資産を持った団体です。霞が関ビルの土地3000坪を所有しているので、数千億から1兆円位の資産を持っていることになります(2007年の会計報告によると、何故か簿価はたった90万円という税務上の優遇を受けています)。ちなみに霞が関ビルを経営する三井不動産は旧三井本社であり、三井家と言えば明治維新で薩長に付き、華族に取り上げられた新興の華族でした。
「あそこの家は、元は伯爵だったそうだよ。実は・・・・」さも価値のあることのように、時々こんな話をする人もいます。そういう人は、そこに謎めいたものを感じて話題にしているはずですし、多かれ少なかれ、その謎めいたものの正体が社会的地位や人脈、財産といった権益であることに気が付いているはずです。
貴族がどのようにして自らの資産と権益を代々継承してきたのか、その存続の方法をここで一々論(あげつら)うようなことは控えます。ただ、親から子へと行われる権益の継承は、能や狂言、華道、茶道といった伝統芸能の世界を例に採れば、おおよその骨格が分かるはずです。
例えば、家元制度では、その技と知識、地位、暖簾などが親から子へ世襲されますが、一方でその技と知識は先生から弟子へと伝えられます。家元を維持する為に、多く弟子を獲得しなければなりませんから、これは当然のことです。ところが、家元制度の世襲を守る為には、先ず、家元の跡継ぎの子供よりも技量が上というお弟子さんを、絶対に作らないようにしなくてはなりません。そうしないと、家元の家元たる理由が失われてしまいます。
つまり、伝統芸能の世界において、相続知識としての秘伝は一子相伝であり、かつ家元という地位の継承権と共に受け継がれます。このようにして地位の継承権を守るからこそ、権力もお金も全てそこに集中する仕組みが維持出来るわけです。
制度的な身分を失った貴族の場合も、彼らがその権力の承継を続けていくことが出来るのは、伝統芸能の場合と同様、その承継者にだけそっと伝えられる「秘伝」が存在するからです。土地や金などの財産以外に、一体何があるかと言えば、一般人には手の届かない人脈であり、密約ということになるでしょう。
能や狂言にしても、華道、茶道にしても、その家元は元々大名の元に出入りを許された一エンターテイナーに過ぎません。それが現代に、大変な資産家一門として残り、或る種の特権階級を構成しています。私は或る時、或る伝統芸能の家元から、「僕達にとって、金は便所のチリ紙と同じだよ」と、彼らの金銭感覚の一部を聞いたことがあります。かつて一エンターテイナーの一族でさえこうなのですから、貴族や旧宮家が代々存続してきた権益が、私達の想像を遥かに超えるものであることは間違いないことです。
〔資料〕霞会館 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9C%9E%E4%BC%9A%E9%A4%A8
http://www.disclo-koeki.org/02a/00286/index.html
〔資料〕霞が関ビルディング - Wikipedia
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〔資料〕三井財閥 - Wikipedia
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〔資料〕三井財閥の企業形態展開史論的考察 By 吉田準三 1988年10月(PDF、全16頁)
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〔資料〕坂本雅子 著『財閥と帝国主義―三井物産と中国』(ミネルヴァ書房 2003年刊行):書評 By 須永徳武(PDF、全4頁)
http://www.ide.go.jp/Japanese/Publish/Periodicals/Ajia/pdf/2004_07/06.pdf
〔資料〕戦後秘史/伏せられ続けた日本帝国軍の中国「阿片戦略」の詳報 By 木村愛二 - 木村書店
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〔資料〕≪NHKスペシャル『圓の戦争』 より文字起こし≫|MelancholiaT
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〔資料〕戦前「朝鮮紡織」と中外コンツェルン By 鄭 安基 2002年(PDF、全16頁)
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〔資料〕三井財閥の「境界」と鐘淵紡績 By 鄭 安基 2007年(PDF、全26頁)
http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/151197/1/kronso_180_1_71.pdf
〔資料〕日本の株式所有の歴史的構造(1):4.三井財閥と三菱財閥の株式所有構造 By 増尾賢一(PDF、全16頁)
http://wwwlib.cgu.ac.jp/cguwww/02/23_01/023-01-01.pdf
■森ビルの建設資金
勿論、現代のビジネスでも、外資の思惑としか表現出来ない不思議な現象を幾つか挙げることが出来ます。例えば森ビルです。森ビルは、東京・六本木の新名所となった六本木ヒルズの建設で日本中に知れ渡る存在になりました。森ビルという会社は、虎ノ門や新橋など、港区に何十棟ものオフィスビルを経営している優良企業ですが、それらの貸しビル群は創業者の森 泰吉郎(もり たいきちろう 1904−1993)氏が殆ど一代で築いたものです。
森 泰吉郎氏は、アメリカの経済紙『Forbes』の世界資産家ランキングに登場したこともある資産家です。森ビルが経営するオフィスビルは、地の利からか、中央省庁の分室が入居することもあるなど、なかなか立派な造りをしています。さぞや立志伝中の人物かと言えば、実はそうではなく、森氏は横浜市立大学の商学部長を務めた教授で、経営史学の研究者でした。クリスチャンでもあり、森ビルが六本木に建てた商業ビル、アークヒルズの中庭の壁には、聖書の1節が記されています。アークヒルズは、「箱舟の丘」とも訳すことが出来ます。
そうした人物が一代で、世界資産家ランキングに取り上げられるほどの大金持ちになりました。港区の一等地に何十棟ものオフィスビルを建てた、その建設資金は何処から調達したものなのでしょうか。
また、ハンバーガーチェーンの日本マクドナルドを創業した藤田 田(ふじた でん 1926−2004)氏も、同様の意味で不思議な存在です。藤田氏は、元々輸入雑貨販売店の経営者でしたが、日本マクドナルドの経営にも大変な才能を発揮しました。同氏は、フジタ未来経営研究所というシンクタンクを設立し、霞が関の官僚達の論文に対しフジタ未来経営賞という賞を与えていたことでも有名です。ですが、米マクドナルドが日本での営業権の譲渡先を本気で探したとすれば、もっと資金力があり、好条件を提示するパートナーを幾らでも見つけることが出来たはずです。
〔資料〕森ビル - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A3%AE%E3%83%93%E3%83%AB
〔資料〕森 泰吉郎(1904−1993) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A3%AE%E6%B3%B0%E5%90%89%E9%83%8E
〔資料〕水交社→MASON→ACCJ(在日米商工会議所 第39メソニック森ビル) - ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報 2008年2月4日
http://amesei.exblog.jp/3862975
http://d.hatena.ne.jp/rainbowring-abe/20060913
http://www2.gol.com/users/lodge1/links-j.html
〔資料〕藤田 田(1926−2004) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%97%A4%E7%94%B0%E7%94%B0
〔資料〕世界最大の穀物商社・カーギル社の対日食糧戦略 - 板垣英憲「マスコミに出ない政治経済の裏話」 2005年4月3日
http://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken/e/47040a3b1c2b2c72b2cba890e478c0c0
〔資料〕地球上でマクドナルドのハンバーガーを「食品」と認識する生物種は人類のみだった! By Mike Adams - Beyond 5 Senses, tamekiyo.com 2010年10月17日
http://tamekiyo.com/documents/healthranger/happymeal.html
〔動画〕浜岡原発の危険を語る。(5-5) - YouTube [3分01秒] ※フライドポテト・ポテトチップスと産地ハンフォード
http://www.youtube.com/watch?v=p18qIyiNh3g
http://ameblo.jp/jikyuujisoku/entry-10100707192.html
http://blog.goo.ne.jp/okawaraarishige/e/355dbcf1df57e3a4ad084ada5dcd7a1f
■西部グループの謎
更に、時代は些(いささ)か遡りますが、西部グループの創業者であり、衆議院議長でもあった堤 康次郎(つつみ やすじろう 1889−1964)氏も、実に不思議な存在です。西部グループは、プリンスホテルや西武鉄道、国土計画を中心とする新興財閥です。西部グループを、康次郎氏はどのようにして一代で築くことが出来たのでしょうか。
プリンスホテルの名前は、現在も皇室専用ホテルとして存在している千ヶ滝プリンスホテル(旧・軽井沢プリンスホテル)から始まっているようですが、これは元々皇室の土地でした。皇室から払い下げて貰うこと自体、普通の起業家には出来ないような難事業です。その後、北白川宮邸、東伏見宮邸、竹田宮邸、李王家邸などを次々と買い取って高輪プリンスや赤坂プリンスなどのホテルにしています。
このように、当時GHQに断絶させられた宮家達が次から次へと、堤 康次郎氏に土地を売却していくのですが、当時のGHQでしたら、皇族の土地はそのまま国有にし、宮内庁の管理下に置くことも出来たのです。
それを敢えて堤氏に売却というシナリオを描き出したのは、一度民間にすることで外資が買い取ることを可能にするという目論見があったと見ます。実際、多くの西部グループの資産は現在シティグループに売却されています。しかも、土地の払い下げとホテル建設に掛かった資金の出所ははっきりとしていません。
西部グループについてはもう1つ謎があります。
康次郎氏の跡を継いだ堤 義明(1934−)氏は、日本オリンピック委員会のドンでした。1998年の長野オリンピックをプロデュースし、成功に導いたことはまだ記憶に新しいはずです。その長野オリンピックの競技の会場となった土地の多くも堤家の土地でした。その土地を開発し、新幹線を通し、そこに堤 義明氏はオリンピックという世界の一大イベントを持ってきました。堤家の、このような桁外れの政治力が、果たして個人の商才だけで生み出せるものでしょうか。
〔資料〕堤 康次郎(1889−1964) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A0%A4%E5%BA%B7%E6%AC%A1%E9%83%8E
〔資料〕堤 義明(1934−) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A0%A4%E7%BE%A9%E6%98%8E
〔資料〕Prince Hotels, Inc. - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%AB
〔資料〕西武HD傘下のプリンスホテル(旧コクド)のスキー場一覧 ※多くの売却先がCiti Group(―David Rockefeller, Sr)
http://homepage3.nifty.com/yomoyama_banashi/sc/seibu.htm
■「勝ち組」の仲間入りを許された人々
ここに挙げた例は、松下電器やソニー、或いはマイクロソフトやグーグルなどの企業成長とは全く異なっています。新技術の発明や新製品の開発によって彗星の如く現れたわけではなく、まるで棚から牡丹餅(ぼたもち)が落ちてきたかの様に、突如としてアメリカ流の不動産ビジネスやチェーン・ビジネスが生まれるのです。明治の三菱財閥が、官営工場や錬兵場の払い下げを受け、グループ企業を増やし、丸の内ビルを建てたケースにどこかそっくりだと言えないでしょうか。
思い起こして頂きたいのですが、日本では、ほんの一昔前まで、銀行は土地担保なしに事業資金の貸し出しを全くしませんでした。時価総額によるレバレッジ(梃子)という資金調達方法にしても、その概念さえない状態でした。
1980年代半ば、アップルやマイクロソフトといった米ベンチャービジネスの勃興に刺激され、日本の若者も起業家への夢を膨らませビジネスを立ち上げようと意気込みました。しかし、僅かばかりのソフト開発費、人件費を調達することが出来なかった多くの優秀な若手起業家が敗北していきました。その時、私達が胸に刻んだのは、資本主義はそんなに甘いものではない、という皮膚感覚だったと思います。
ところが、こうした実感とおよそかけ離れた世界が、この世の片隅にはしっかり存在しています。豪華ホテルチェーンや瀟洒(しょうしゃ)なオフィスビル群の建設資金は、ベンチャー起業家が必要とした開発資金とは比較にならないほど巨額です。ハンバーガー店のチェーン展開事業にしても、必要資金の桁は比較にならないほど違います。
≪≪とすれば、一体どのような理由から勝者と敗者が選別され、はっきりと色分けされたと言うのでしょうか。その鍵を握るのが、この日本で営々と利権を受け継いできた「勝ち組」たちの存在です。これまで見てきたように、明治以来、国の実権を握り続けてきた「勝ち組」には、スポンサーがいます。政商達は、下働きをし、利益を上納することで、自らもその配分に与(あずか)って来たのです。≫≫
ポピュラーな例として、ここでは森氏、藤田氏、堤氏の3人を紹介するに留めますが、これはほんの一部に過ぎません。彼らは新興財閥の経営者、或いはその候補者として、何故か巨大外資から白羽の矢を立てられたのです。
憶測に過ぎないという批判は甘んじて受けるとして、私は、こうした起業家達の背景に、明治から続く外国資本の力と思惑が横たわっており、それ故に政治と行政の強い協力があったはずだと思います。彼らは皆、出身地もまちまちで、一見、薩長勢力とは無関係に見えますが、何かのきっかけで薩長勢力から仲間入りを認められた人物と言えるでしょう。
■国民とは私達のことではない
≪≪日本の経済は、いわゆる動脈の部分では国民に新しい血液を送り生命活動を支える役割を果たしていますが、一方の静脈の部分では、国民から搾り取った血肉を我々の知らない相手に捧げるように作られています。
例えば、防衛省の装備品調達でおよそ40億円の水増し請求が発覚し、またアメリカへは2007年度で2173億円の思いやり予算を拠出することが決まりました。また、社会保険庁は、自らの怠慢で招いた年金未払い問題で、年金を貰えないまま死んでいく国民に対して、「それがどうした」と開き直りました。こうした事件で政府が驚くほど冷たい対応を取る度に、私には、然(さ)もあろうという気持ちが生じてきます。
彼らは、国民の為に働いたことなど一度もないのです。明治以来140年間に亘(わた)り、彼らは薩長勢力の一員として武家社会の頃と同じ支配者に仕え、その高邁(こうまい)な自己保身計画の為だけに働き、そうすることで自分の地位と収入を維持して来たのです。彼らは薩長勢力の使用人であり、薩長と関わりのない人間など国民として扱いません。
そのような人達に、国民の利益を第一に考えるよう求めても全く無理な話です。彼らが国民主権という時、国民とは薩長勢力のことであり、私達が考える国民ではないことを肝に銘じなくてはなりません。こうした言葉の摩り替えに満ち満ちた政治と行政に、騙されてはならないのです。≫≫
■支配者の本音
私は既に、或る特定の集団と、その集団に所属することを望む新参者とが、暗黙の了解で結ばれていることについて指摘しました。薩長勢力と政商との関係がそうですし、更に巨大外国資本と薩長勢力との関係も同じです。ヨーロッパの名家を頂点とする外国資本の意向を受けつつ、薩長勢力は日本に、言わば彼らの王国を築いたということです。
しかも、その王国には、象徴天皇はいても、はっきりと目に見える王様はいません。まるでカフカ Franz Kafka(1883−1924、ユダヤ人)の小説『城 Das Schloss』(1922年執筆、1926年刊行)のような世界が広がっているばかりです。
≪≪実は、この王様の姿を隠すという仕掛けこそ、私達を騙し洗脳する巧妙な罠と言えます。
私達には、日本のトップである総理大臣の姿しか映りません。総理は言わば王様の補佐役で、本当の王様は王座に姿を見せることも、私達の前で演説することもありません。どのようなビジョンを持っているのか、私達に何を求め、何を与えようとしているのか、王様の考えも分かりません。何か問題が起こると、トップの首は挿げ替えられます。その度に、私達は新しい風が吹くことに期待を寄せ、その期待は必ず裏切られます。トップが誰に代わろうと、薩長支配、武家社会支配がそのまま続くのですから、それは極自然なことなのです。
その結果、まるでパチンコ通いに興じる人間のように、毎日少しずつ持ち金を減らしながら、一時の快楽をむさぼり、明日に僅かな希望を託しつつ、飼い馴らされ、人生を磨り減らし続けていくのです。
少々マシな識者は、日本の進路選択に当り、王様が何を考えているのか慮(おもんばか)り、「こういうことに違いない」とマスメディアで発言します。アメリカの動向などを気にする評論家などが、その代表でしょう。しかしながら、王様の考えは単純明快です。日本人や世界の人々が考えている平和や理想については、何も考えていません。あるのは、自分の権力を守り、その為に人間を奴隷化し、お金を儲けることだけです。
姿を隠し、沈黙を守っているのは、そうしていれば人々が落ち着かなくなり、何か意図や思惑があるのではないかと勝手に推測し、行動を始め、益々奴隷化の深みに嵌まってくれるという計算があるからです。薩長勢力はそれを知りながら、王様を受け入れ、国民の犠牲と引き換えに自分達の権力基盤を強化して来たわけです。
その結果として、当然のことながら、静脈の世界を通して私達が稼いだ金はどんどん海外に流出しています。明治の頃、日本の金貨がどんどん海外に流出していった時とほぼ同じ状況と言えます。≫≫
薩長勢力は現在(いま)、国民の懐から掠め取ったお金をスポンサーサイドに益々流し込もうとしているのですが、この根深い問題については、第3章でじっくり考察していくことにしましょう。
〔資料〕Franz Kafka著『城 Das Schloss』(1922年執筆、1926年刊行) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9F%8E_(%E5%B0%8F%E8%AA%AC)
〔資料〕銀行という名の搾取システム - Anti-Rothschild Alliance
http://rothschild.ehoh.net/main/04.html
〔資料〕日本人が知らない 恐るべき真実 目次 - Anti-Rothschild Alliance
http://rothschild.ehoh.net/truth/part1/find.html
〔資料〕日本人が知らないニッポン - THINKER
http://www.thinker-japan.com/thinkwar.html
〔資料〕Richard A. Werner著『知れば知るほどコワくなる!日本銀行24のヒミツ―不況をつくり、悪化させたのは日銀だった!』(実業之日本社 2003年刊行)
http://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-62645-1
http://rothschild.ehoh.net/material/new_05.html
〔資料〕≪苫米地英人 著『利権の亡者を黙らせろ―日本連邦誕生論』 より抜粋(3)≫|MelancholiaT ※FRS―日経・CSISバーチャル・シンクタンク(1頁添付資料を参照)、中央銀行に関する添付資料多数
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11253445914.html
(3頁へ続く)
(2頁からの続き)
〔苫米地英人 著『洗脳支配―日本人に富を貢がせるマインドコントロールのすべて』 第2章 みそがれた階級 より P.54−P.87〕
■差別思想の根源にある穢れの概念
戦場ジャーナリストの長井健司(1957−2007)さんが兵士の銃撃によって殺されたのは、ミャンマー軍事政権が民主化勢力の抗議行動を武力鎮圧した2007年9月27日のことでした。長井さんは私の友人で、彼を派遣したAPF通信社の代表〔※山路 徹(1961−)〕も私の古くからの友人です。
長井さんの葬儀が10月8日に、東京の青山葬儀所で行われました。告別式の受付を済ませると、葬儀所の職員らしき礼装の人物が、私に塩を渡そうとしました。「家に帰ったらこれを撒(ま)いてお清め下さい」と言うのです。(中略)
お清めに塩を撒くという習慣は、仏教にはありません。浄土真宗などでは禁止していますが、何故か一部の仏教宗派ではそれを許しています。長井さんの御家族は真言宗の分派だそうですが、青山葬儀所の職員の説明によると、社会的な慣習として、通常塩を配っているということでした。
死の世界が穢れているという思想は、中国の道教の影響から来たもののようです。日本の神道は、道教の影響を強く受けていますから、それ故に、死の世界が穢れの世界であるという考えが根を張っているのでしょう。実際、神道では塩を撒くことが重要な御祓(おはら)いの儀式であると位置付けられ、穢れの概念が塩を撒くという行為に直結しているわけです。
この穢れの概念こそが差別思想の根源であり、私達から自由を奪う洗脳の道具に他なりません。単純化して言えば、支配階級は、誰が一番クリーンであり。誰が一番穢れているかという恣意(しい)的な判断基準を私達に押し付け、階層を作り、私達をその中に閉じ込めたわけです。
私が青山葬儀所で怒り心頭に発したのは、長井さんと私、そして仲間達の多くが、そうした支配階級の思想の対極に自分を置き、その打破を共通の目的として、常々活動してきたからです。
〔資料〕穢れ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%A2%E3%82%8C
〔資料〕神道と塩 - 西野神社 社務日誌 2008年6月24日 ※「気枯れ(生命力の枯渇)」と清め塩
http://d.hatena.ne.jp/nisinojinnjya/20080624
〔資料〕天皇大帝 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E7%9A%87%E5%A4%A7%E5%B8%9D
〔資料〕道教:日本における道教 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%93%E6%95%99
http://fleshwords.web.fc2.com/dt/dt067.htm
■宗教という支配の為の道具
日本人は歴史的に差別意識がとても強い民族です。支配階級で言うと、一番クリーンな人とは、例えば神社やお宮の中にいる人達、一番穢れているのは死体を扱う人達で、その間に幾つもの階層を作りました。そうすることで、社会の順位を決めることが出来ます。一番クリーンな人に近付けば近付くほど身分が高いというわけです。
体から流血した血も穢れとされてきましたから、女性は月経があるので、女人禁制で代表される差別の対象でした。
信教の自由は当然ありますから、宗教としてこれを信じることに異論を唱えるつもりはありません。ですが、宗教は“あの世”の論理です。“あの世”の論理を“この世”に持ち込んで来ることは、許せないわけです。まして、それを国の論理に持ち込むとしたら、見逃して済む問題ではなくなります。
キリスト教社会でも、同じようなことが行われていました。バチカン Civitas Vaticana(英:Vatican City)に近い人達ほど偉いとされ、中世の頃の王様は、如何にしてバチカンに破門されないようにするか、大変に頭を悩ませました。そのようにして、バチカンは権威を維持してきたわけです。
政教分離を掲げる今の日本でも、こうした支配者の論理はちゃんと維持されてきました。それが、青山葬儀所で塩を撒くということに繋がります。そこには、誰が一番クリーンで、誰が一番穢れているのかという概念が、目立たないように、でもはっきりと参列者の記憶に残るよう、入り込んでいるわけです。
■不思議な「日本教」の存在
≪≪天皇家の宗教は、古くはいわゆる神道であり、少なくとも聖徳太子〔※大山誠一氏の著書を参照(または添付資料)〕以後は本来は仏教であったはずです。と言うよりは、宗教学者の島田裕己(しまだ ひろみ 1953−)氏が指摘するように、明治に入って「宗教」という概念が導入されるまで、日本には「宗教」という概念そのものが無かったので、神道と仏教は2つの別々な宗教に分けられていなかったのです。
1例を示すと、「門跡(もんぜき)」という言葉があります。今では寺の格を表す言葉とされていますが、元々は天皇家から出家して寺に入ると、その法統を継ぐ意味で「門跡」と呼んだわけです。門跡は幾つもあるのですが、徳川家康(1543−1616)が恐れた一向一揆の一向宗の浄土真宗にさえあるのです。もし天皇家の宗教が本来仏教でないとすれば、あり得ない話です。
つまり、儀礼としての古神道の伝統は守りつつも、天皇家の宗教は明治維新まで仏教でした。天皇家の宗教が神道として仏教から分けられたのは、明治政府以来の話です。
では、その仏教が、本当の仏教なのかと言えば、これもおかしいのです。仏教で釈迦は、僧侶は葬式をしてはいけないと教えています。ヒンドゥー教式の輪廻転生という教えもありません。にも関わらず、日本では仏教の葬式がありますし、バラモン教(古代ヒンドゥー教)のままのような輪廻転生を信じています。
かつて私は、仏教研究の第一人者、ひろ さちや(増原良彦 1936−)さんと対談したことがあります。その時、ひろさんが仰っていたことは、日本には仏教は伝わっていない、ということでした。
私は、日本の仏教は中国道教に強い影響を受けた仏教と、ヒンドゥー教が密教として混じって出来たものだと思います。だからこそ教義にも、ヒンドゥー教のままの輪廻転生があり、アートマン思想の霊魂がいて、更には穢れの思想まで許した仏教宗派があるといった具合に、本来の仏教にあるはずのない存在があるのでしょう。
とすると、今私達に多かれ少なかれ影響を与えている仏教は「日本教」である、と言うことが出来ます。この不思議な日本教の存在によって、青山葬儀所の職員が私に塩を渡そうとし、“あの世”の論理であるはずの穢れの論理がこの世に持ち込まれ、差別主義を助長することで国民が権力者の意のままに動かされている、というわけです。≫≫
青山葬儀所は東京都の公共の施設です。此処で来場者に塩を渡しているということは都議会で問題にすべきです。
〔資料〕島田裕巳 著『日本の10大新宗教』(幻冬舎 2007年刊行)
http://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE10%E5%A4%A7%E6%96%B0%E5%AE%97%E6%95%99-%E5%B9%BB%E5%86%AC%E8%88%8E%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E5%B3%B6%E7%94%B0-%E8%A3%95%E5%B7%B3/dp/4344980603
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20080117/144741/?rt=nocnt
〔資料〕霊友会 - Wikipedia ※―石原慎太郎
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9C%8A%E5%8F%8B%E4%BC%9A
http://yokoze.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/yokoze_ec52.html
〔資料〕≪鬼塚英昭 著『黒い絆 ロスチャイルドと原発マフィア』 より要約(24〜26)≫|MelancholiaT ※石原慎太郎の虚像の裏側
http://arsmagna2.jimdo.com/melancholiaT-roentgenium-資料保管庫-目次/
〔資料〕≪広瀬 隆 著『地球のゆくえ』 第3章 細川政権誕生の謎、他 より抜粋(5)≫|MelancholiaT ※藤原不比等と聖徳太子
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11086519906.html
〔資料〕バラモン教(古代ヒンドゥー教) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%A9%E3%83%A2%E3%83%B3%E6%95%99
〔資料〕ヒンドゥー教 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%A5%E3%83%BC%E6%95%99
〔資料〕梵我一如 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A2%B5%E6%88%91%E4%B8%80%E5%A6%82
〔資料〕道教 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%93%E6%95%99
■エスタブリッシュメントの論理
≪≪「日本教」を頂く現代社会においては、一番みそがれた人達と、みそがれていない人達というのが、善人と悪人の差になっています。一番みそがれた人達というのは、大変小さな集団として、一般の人間には見えない日本の裏側で、のほほんとして生きている人々です。これが日本の「勝ち組」です。
〔※1990年代の後半から、「勝ち組」「負け組」という言葉が流行りだしたが、元々『日経新聞』紙上やテレビ東京(日経が筆頭株主)で多く用いられていた→新自由主義者達の巣窟である日経・CSISバーチャル・シンクタンク〕
そして、いい大学を出て、上級公務員試験に合格して官僚になった人達、或いはいい大学を出て、一部上場企業に入社し、社長に昇り詰め、日本経団連に加盟出来た人達は、その末席に並ぶことを許されるのです。
そうしたエスタブリッシュメント達 Establishment〔※社会的な権威を持っている階層〕の牙城を切り崩そうとする者が現れると、彼らは直ぐに潰しに掛かってきます。そのいい例が、ライブドアの堀江貴文(1972−)〔※―Lehman Brothers〕でしょう。
堀江がやろうとしたことは、主に2つです。1つは、ライブドアの株価を吊り上げて時価総額を増やし、その金で企業買収を繰り返したこと。もう1つは、テレビ局に手を出して買収しようとしたことです。
彼は、投資事業組合という道具を使って、かなり強引にライブドアの高株価を演出しました。時価総額を使って企業買収を繰り返す手法は、買収した企業の株式を再び公開することで時価総額を更に大きく見せることが出来る為、更なる企業買収を可能にします。手法自体は、当時既にアメリカでは当り前になっており、早晩、日本でも誰かが使うだろうことは明らかでした。
もちろん、手法自体に違法性があったわけではなく、見せ掛けの利益を操作したことが問題だったのです。ただ、時価総額を梃子(てこ)にした買収が問題であるかのようなイメージが定着し、新興企業が既存企業を同様な手法で買収することが極めて難しくなりました。
一方、今日本で、不動産投資信託(REIT)を使って不動産を買い漁っている外国人達は、手法は堀江と同じですが、当局に問題にされることなく、やりたい放題です。彼らは、REITの株価(証券価格)高を演出し、その時価総額をベースに新たなREITを作って土地や建物を買い占めているのです。(中略)
しかも、日本では2007年5月、外資による三角合併さえ解禁されました〔※2002年10月23日付「(対日)年次改革要望書」の商法の項目において、三角合併を認める法案を2004年度までに国会提出しろと米国側が命じている。添付資料を参照〕。外国の会社が、自社の株式で日本の会社を買収出来るようにする仕組みです。外国企業の日本法人が親会社の株式との交換で日本企業を買収出来るようになりました。これにより日本企業の100%吸収合併を一切の現金を使わずに外国企業が出来るようになったのです。
アメリカの企業は、社債や株式発行など、有利な資金の調達を行う際に、全て株式時価総額の大きさで勝負をしています。経営者達が血眼(ちまなこ)になって高株価の演出に奔走するのは、株価がこのように、資金調達にダイレクトに結び付く仕組みになっているからです。その熾烈な競争に晒され日々鍛えられている海外企業に三角合併を許したら、日本の企業は一溜りもなく買収されてしまいます。
ところが、それがあっさり認められてしまったわけです。≫≫
〔資料〕堀江貴文と「坂本龍馬」という幻想 - ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報 2011年4月29日
http://amesei.exblog.jp/13477889
〔資料〕ライブドア事件:マネーロンダリング疑惑(クレディ・スイス)、野口英昭の自殺について - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%89%E3%82%A2%E4%BA%8B%E4%BB%B6
http://www.murakami-bocho.com/district/070124/kotani2.html
http://www.murakami-bocho.com/
http://www.asyura.com/0510/nihon18/msg/822.html
※新じねんより、ライブドア事件を巡る様々な相関図、小泉純一郎、竹中平蔵、安倍晋三、松下政経塾、他
http://9300.teacup.com/donannto/bbs/t1/244
〔資料〕収支報告に映る故永田寿康議員の叫び? - 地 獄 へ の 階 段 2009年9月12日 ※野田佳彦、前原誠司
http://blogs.yahoo.co.jp/voteshop/6929511.html
http://blogs.yahoo.co.jp/voteshop/2095544.html
〔資料〕何故「日経新聞」は年次改革要望書についてまともに報じないのか? - ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報 2006年12月7日
http://amesei.exblog.jp/4323374
〔資料〕日経・CSISバーチャル・シンクタンク CSIS-Nikkei Virtual Think-Tank ※リンクを参照。CIAや連邦準備制度理事会(FRS)と繋がっている。小泉進次郎(CSISエージェント)や前原誠司政調会長はじめ松下政経塾も名を連ねる新自由主義者達の巣窟
http://www.csis-nikkei.com/
http://blog.goo.ne.jp/kenken_3981/e/feb54de4e0f2172acfa8619cb0afdef8
〔資料〕≪関岡英之 著『国家の存亡―「平成の開国」が日本を滅ぼす』 より抜粋(7)≫|MelancholiaT ※【日経・CSISバーチャル・シンクタンクの顔触れ(新自由主義者達の饗宴)】 【CSIS-HGPI】細川佳代子 【三極委員会】
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11076818385.html
〔資料〕≪斎藤貴男 著『消費税のカラクリ』 第3章 消費者が知らない消費税の仕組み、他 より抜粋(4〜11)≫|MelancholiaT ※小泉純一郎・竹中平蔵らによる「構造改革」の正体、竹中平蔵の正体、(対日)年次改革要望書、松下政経塾の正体、MRA、郵政民営化研究会、郵政選挙と広告代理店(BBDOとFleishman-HillardはロックフェラーのOmnicom Group Inc.傘下企業)、他
http://arsmagna2.jimdo.com/melancholiaT-roentgenium-資料保管庫-目次/
※岡田克也(―三菱グループ)について
http://9300.teacup.com/donannto/bbs/1453
〔資料〕進行形の「日本再占領」に日本の統治機構はどのように臨むべきか。 - ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報 2011年6月23日 ※日経・CSISバーチャル・シンクタンク
http://amesei.exblog.jp/13859223
〔資料〕≪苫米地英人 著『現代版 魔女の鉄槌』 より抜粋(8)≫|MelancholiaT ※Shock Doctrine(惨事利用型資本主義)、ヘーゲルの弁証法(正・反・合)鳩山・菅・野田
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11273446031.html
〔資料〕≪「対日年次改革要望書」とTPP:日本語翻訳 PDFファイル(1996年〜2011年)≫ ※東北大震災、福島原発事故、TPP、余りにも出来過ぎた一連の流れ、【国会質疑の中で取り上げられた「(対日)年次改革要望書」 両院会議録記述一覧(43件)】
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11066706411.html
〔資料〕三角合併 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E8%A7%92%E5%90%88%E4%BD%B5
http://japan2.usembassy.gov/j/p/tpj-jp0260.html#商法詳論
■ホリエモンが潰された本当の理由
堀江は狙い撃ちにされたものですが、彼のどこが薩長勢力の気に障ったと言うのでしょうか。理由は2つあります。
第1に、彼は支配階級に受け入れられた人間ではなかったということです。彼は東京大学に合格しましたが、上級公務員になったわけでも、日銀など「勝ち組」の登竜門に合格したわけでもありませんでした。第2に、堀江が本気でテレビ局を手に入れようとしたことです。
新聞とテレビは、日本のマスメディアの中でも、法律によって強力に守られた存在です。新聞については別のところで触れますが、テレビ局は電波法、放送法などによって、簡単には買収出来ないよう、様々な網を被(かぶ)せて守っているのです。
放送は、立法、行政、司法に並び、第4の権力に数えられるほどの力を持っています。特にテレビが持つ映像と音声の影響力は強く、大衆操作(プロパガンダ)も容易です。極当然のことですが、テレビ局は、早くから薩長とそのシンパ勢力に牛耳られ、支配階級の厳しい管理下で運営されてきた事業と言えます。(中略)
些(いささ)か余談になりますが、テレビ局は特権的な地位を保っている企業です。役員、社員は年収が高いだけでなく、様々な副収入を得る機会に恵まれています。会社が儲かっているのだから問題ないと言いますが、そもそもテレビ局の発展を築いた資金は、草創期に注ぎ込まれた莫大な税金であることを忘れてはいけません。また現代でも地上デジタル放送の移行に膨大な税金が注ぎ込まれています。
薩長の支配階級が自分達の勢力を拡大する事業分野や組織は、常にこのような方法で発展し、特権を築いてきました。もちろん、その秩序を掻き乱す新参者には、常に手荒い洗礼が待っているということです。
〔資料〕≪苫米地英人 著『利権の亡者を黙らせろ―日本連邦誕生論』 より抜粋(4)≫|MelancholiaT ※談合マスコミの電波利権の実態、“絆=談合”の裏側
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11255176418.html
※2009年9月9日、第45回衆議院議員総選挙の結果を受け民主・社民・国民新党は党首会談を行い、3党による連立政権を組むことで合意。総務省は地上波テレビ・ラジオ放送局195社のうち107社(前年比43社増)において2008年度の収支で純損失を計上。記録が残っている1975年度以降の業界全体の計でも初めて赤字に転落したと纏めた。
〔動画〕自分の金は出さない芸能人の募金活動 - YouTube [1分43秒] ※「人気者」の利用価値(権威付け)、“絆=談合”にも利用
http://www.youtube.com/watch?v=h-hKMPZNDLA
〔資料〕恐るべき電通の歴史 1〜2 - ブログ de なんで屋@東京
http://blog.goo.ne.jp/nande_ya/e/97eb215734bf1795ad54f27da77267c2
http://blog.goo.ne.jp/nande_ya/e/efaf6c4fa9c64880684b4423f94d753b
〔資料〕税金で政党CM 自民・民主とも 100億円超 電通・博報堂が受注トップ - しんぶん赤旗 2007年6月2日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-06-02/2007060215_01_0.html
〔資料〕毎年税金60億円 電通・博報堂・産経新聞社など事業請け負い 「安全神話」刷り込み - しんぶん赤旗 2011年7月16日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-07-16/2011071603_02_1.html
■家系や血筋という価値
さて、みそがれた人達の話に戻ります。
日本で一番みそがれた人は、天皇ということになります。ここでは、天皇制の是非については、主題から離れる為論じません。
お見合いという制度があります。見合い結婚では、自分の経歴をかなりい詳しく相手に伝えるよう求められます。親は誰で、場合によっては祖父や祖母は誰か。家系図まで持っている人もいて、それが有力者の血を引く一族という証明書になっています。そうやって職業や家柄をお互いに交換し合って、「これなら大丈夫」と言って結婚する。恋愛結婚にしても、婚約する時は家同士で、似たような手続きを踏むわけです。
私達の大半は平民出身で、お家柄など元々問題ではないはずです。であれば、お見合いでは、相手の氏名と携帯電話番号だけの情報があればいいはずです。私達は家系とか血筋といったものに、どことなく価値を置いてしまいます。職業に貴賤は無いという教育を受けながら、その実、職業に貴賤があるように振舞ってしまうのも同様です。しかも、私達の多くはこの矛盾に向かい合っても胸の底から不思議だと考えることもありません。実に奇妙なことです。
子供は親の考え方を自然に受け継いでいく存在ですから、そうした価値観が生れる原因を、親の影響に求めることは出来ます。しかし、親はどうでしょうか。親はその祖父や祖母に、ということでしょうか。では、祖父や祖母はどうでしょう。曾祖父や曾祖母に、ということでしょうか。こう考えていくと、ひたすら遡(さかのぼ)るだけで、いま家系や血筋に価値を求めるかのような行動を取る理由が、段々あやふやになってきます。
とすれば、今に息づく日本教に原因があるのでしょうか。私達の多くは、熱心な信者ではありません。葬式や結婚式など、私達が祭儀に触れる度に、そうした情報が私達の無意識に刻み込まれているとしても、それだけの問題ではないはずです。
実は、これは私達に掛けられた洗脳なのです。私達は知らず知らずのうちに、機会ある毎(ごと)にそうした考えを心に書き込まれ、植え付けられているわけです。
■日本人の多くは奴隷である
≪≪こうした洗脳が行われている目的は何でしょうか。
実は、私達の多くが既に奴隷として扱われています。奴隷とは何か。それは、労働に対して正当な報酬が与えられない存在のことです。
例えば、次のようなことを考えてみて下さい。
現代は科学技術が発展し、社会資本は整備され、教育が行き届いています。私達は、訓練された能力を元に、最新の道具を使いこなして仕事をし、日々成果を上げているはずです。生産性も、史上かつて無いほど高まっています。
では、それに伴って私達の生活は果たして豊かになったでしょうか。確かに、身の回りには物が溢れています。しかし、それが何だと言うのでしょうか。収入面で十分かと言えば、それも違います。
30代、40代の人は住宅ローンや子供の教育費に頭を悩ませ、10代、20代の人は毎日の食生活でも汲々としているはずです。週40時間に労働時間が短縮したとしても、それは見掛けだけのこと。サービス残業は増え、朝から晩まで働いていた江戸時代のお百姓さんの労働時間と、大差があるとは思えません。
むしろ江戸時代のほうが、たとえ物質的には貧しくとも、人々の衣食住は豊かに見えます。生産性が上がり、私達が本来受け取るべき正統な報酬が、実は想像以上に搾取され、何処かへ消えているのです。何処に消えていくのか。もちろん、みそがれた人達の下に流れていくのです。
何故か。みそがれた高貴な集団にとっては、それが当り前のことであり、武家社会、或いはそれ以前から続いていることだから。ただ、それだけの理由です。
■不正当な報酬の支払いと理不尽な搾取
みそがれた高貴な集団は、私達からどんどん合法的にお金を奪っていきます。
例えば、賃金です。かつて正当な労働対価と言える賃金が、サラリーマンに支払われたことがあったでしょうか。賃上げにしてもそうです。トヨタ自動車は、営業利益1兆円企業に躍り出た2006年でさえ、ベアゼロを続けました。トヨタの労働組合はそれを受け入れたばかりか、我慢を続けて更なる会社の発展を誓ったと言うことです。本当にこれは素晴らしいことなのでしょうか。
正当な報酬の支払いは抑制しつつ、大企業では不透明な資金の流れは止まりません。つい最近では、大分県のキヤノンの工場建設に絡んで、或る人物に6億円が渡ったことがニュースになりました。どのような性格のカネで、どのような人達に渡ったのか、詳細は分かりません。キヤノンと言えば、会長の御手洗冨士夫(1935−)氏は、薩長勢力を支えるビッグビジネスの総本山、日本経団連の会長でもあります。
また、山田洋行の事件に限らず、薩長勢力の政治家、高級官僚の懐には何かに付け貢ぎ物が転がり込むようになっています。こうした権力者への利益供与に使われたお金は、一体誰が稼ぎ出したものでしょうか。
搾取の最たるものは、税金と言えるかも知れません。税収が適正に使われていれば、そのお金は国民の懐にそっくり返ってくることになり、お金は循環し、経済は成り立ちます。ところが、本来循環すべき税金が途中で何処かに消えてしまうのです。みそがれた高貴な集団に属する人々の懐に流れたお金は、次なる搾取を行う為の事業資金などに使われ、奴隷を更に奴隷化する為に使われていくというわけです。
消費という面でも、奴隷の搾取は強化されています。
差し迫った必要性が無く、利幅ばかり大きい商品を買わされることで、少ない実入りから更に搾取を重ねられるわけです。支配者はその為に「ブーム」を作り、消費を煽ります。ブランドブームなどはその1つです。≫≫
〔資料〕脱税疑惑:大分のコンサル会社、所得30億申告せず キヤノン進出事業、鹿島から裏金 - 毎日新聞 2007年12月9日
http://ratio.sakura.ne.jp/archives/2007/12/09231320/
〔資料〕鹿島の裏金工作は常習か 大分県と高松市の疑惑は符合、他関連記事 - 四国タイムズニュース 2008年1月号(平成20年1月5日発行)
http://www.shikoku-times.com/html/back_number/2008_01/index.html
〔資料〕大分・徳島・香川の相似点 各知事には建設癒着の疑惑あり - 四国タイムズニュース 2008年2月号(平成20年2月5日発行)
http://www.shikoku-times.com/html/back_number/2008_02/index.html
〔資料〕西松建設から「大光」大賀規久社長へ数千万円 - 匿名党 2009年2月16日、他続報 ※大賀規久社長(御手洗の同郷・大分県佐伯市の後輩であり兄同士が親友という間柄)のオフィスが民主党本部の真上の階に
http://tokumei10.blogspot.jp/2009/02/blog-post_16.html
http://tokumei10.blogspot.jp/2009/02/9f.html
http://tokumei10.blogspot.jp/2009/02/ob.html
〔資料〕カネに物言わすイオンの姿勢 - 四国タイムズニュース 2007年8月号(平成19年8月5日発行)
http://www.shikoku-times.com/html/back_number/2007_08/index.html
〔資料〕西松建設とイオンの深い仲 寺岡会長の配下に二代目若林組が - 四国タイムズニュース 2009年4月号(平成21年4月5日発行)
http://www.shikoku-times.com/html/back_number/2009_04/index.html
http://www.nishimatsu.co.jp/cnstrct/ken/com/list.htm
※岡田克也(―三菱グループ)について
http://9300.teacup.com/donannto/bbs/1453
〔資料〕≪鬼塚英昭 著『黒い絆 ロスチャイルドと原発マフィア』 より要約(25)≫|MelancholiaT ※鹿島建設―中曽根康弘、石原慎太郎、原発利権
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-10991718897.html
〔資料〕キヤノンの工場無人化は遅過ぎた - 三田典玄の「体育館の裏話」 Ver.3.0 2012年5月14日
http://report2.mita.minato.tokyo.jp/article.php/20120514091138181
〔資料〕キヤノン[7751]:大株主 - Ullet
http://www.ullet.com/%E3%82%AD%E3%83%A4%E3%83%8E%E3%83%B3/%E5%A4%A7%E6%A0%AA%E4%B8%BB
〔資料〕外国人持ち株比率ベスト100 999銘柄(常時更新) - StockWeather 個人投資家向け投資・株式情報 ※外国人持ち株比率が高く、法人税もろくに納めない経団連のグローバル企業は“日本企業”と呼べるのか?
http://www.stockboard.jp/flash/sel/?sel=sel533
http://stockboard.jp/flash/ranking.html
〔資料〕キヤノン株式会社 CSR活動:適正な情報開示と利益還元 外国人投資家との対話
http://web.canon.jp/csr/report/or/04.html
※日本経団連会館のフクロウ
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/2972
〔資料〕田中康夫議員がTPPと野田政権の本質を斬る - Kaleidoscope 2012年2月7日 ※輸出戻し税については1頁の添付資料を参照。
http://kaleido11.blog111.fc2.com/blog-entry-1088.html
〔資料〕衆議院会議録情報:第180回国会 総務委員会 第3号 2012年(平成24年)1月27日 ※輸出戻し税、田中康夫・新党日本代表による質疑と野田佳彦(松下政経塾第1期生)総理の答弁
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/180/0001/18001270001003a.html
■日本における奴隷制の定義
話は些(いささ)か逸れるかも知れませんが、ここで日本人がいつから奴隷になったのか、もう少し掘り下げてみたいと思います。
近代の奴隷制は、東インド会社の設立にその起源を求めることが出来ます。ことは非常に単純で、奴隷制は元々、人間とは何かという定義から始まりました。その経緯はおおよそ次のようなものです。
現在ではカトリックと言えば博愛主義の代名詞で、バチカンは世界の戦争や差別を無くす中心的な役割を果たす機関となっています。ところが中世の頃のバチカンはそうではなかったのです。
1600年、インドに渡ったヨーロッパの貿易商は肌の黒いインド人を見て、同行した神父にこう訊ねました。「この肌の黒い人は人間ですか?」。その神父はその場で答を出さず、バチカンにその回答を求める質問状を送るのですが、随分して戻ってきた返書には「人間ではない」と認(したた)めてありました。その理由は“キリスト教徒ではないから”というものです。
アフリカに渡った時も、同じ手続きが踏まれました。商人から同じことを訊かれた神父が、やはりバチカンに、人間かどうかの判断を仰ぐ質問状を送っているのです。すると、こちらも「人間ではない」と言う回答がきちんと帰ってきました。そういう記録が残っていると言うのです。
こうした当時のバチカンの判断によって、奴隷制が始まったと言われています。魔女狩りや異端審問がピークの時代です。東インド会社が行った最大の交易は、人身売買ですが、その背景にはキリスト教徒ではない者は人間ではなく奴隷であると言う判断があったわけです。
このことは、日本の場合にも当て嵌まると思います。
戦国時代、日本は海外から鉄砲の調達を始めました。織田信長(1534−1582)がその近代兵器を駆使して勝利を収めたことは有名ですが、その為には高性能の火薬、つまりガンパウダー Gunpowder〔※黒色火薬(英:Black Powder)のこと〕が必要になります。当時のガンパウダーの値段はどのように付けられたかと言うと、1樽につき、娘50人です。織田信長の時代から戊辰戦争(1868〜1869)の時代まで、鉄砲隊のガンパウダーは、日本人の若い女性を海外に売ることで調達したのです。
この事実は裏を返せば、日本人の人身売買を行うに当り、日本人は「人間ではない」というお墨付きがあったということになります。もし、人間を売買したとなると、キリスト教の教義に反し、大変なことになります。しかし人間ではないから、鉄砲を求める戦国武将との間で、売買が成立したわけです。その為、当時、大量の日本人の娘がヨーロッパに売り渡されたと言う記録が残されています。
つまり日本における奴隷制は、鉄砲隊がその引き金を引くと同時に始まったと考えることが出来るわけです。
〔資料〕奴隷貿易:日本人奴隷の貿易 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%B4%E9%9A%B7%E8%B2%BF%E6%98%93
〔資料〕日本宣教論序説 第16回 第2部 キリスト教の土着化 第3章 キリシタンの土着化 By 皆川尚一(PDF、全13頁) ※1.キリシタン迫害の理由 (2)奴隷売買
http://www.christ-ch.or.jp/5_torinashi/back_number/2005/2005.04.pdf
〔資料〕イエズス会宣教史考:日本人女性人身売買考 - れんだいこブログ
http://www.marino.ne.jp/~rendaico/jesukyo/iezusukaico/zinshinbaibaico.htm
http://www.marino.ne.jp/~rendaico/nihonchristokyoshico/tuihorei.htm
〔資料〕「日本人奴隷」について読んでおかなければならないテキストのメモ(日本語のみ) - 愛・蔵太の気になるメモ 2007年8月30日、他 ※元ネタを検証http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20070830
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20070831
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20070904
〔資料〕日本人奴隷の謎を追って=400年前に南米上陸か! 連載1〜10 - ニッケイ(日系)新聞 2009年4月9日 ※重要
http://www.nikkeyshimbun.com.br/2009rensai-fukasawa3.html
〔資料〕池本幸三・下山 晃・布留川正博 共著『近代世界と奴隷制―大西洋システムの中で』(人文書院 2003年刊行)
http://www.amazon.co.jp/%E8%BF%91%E4%BB%A3%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%A8%E5%A5%B4%E9%9A%B7%E5%88%B6%E2%80%95%E5%A4%A7%E8%A5%BF%E6%B4%8B%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0%E3%81%AE%E4%B8%AD%E3%81%A7-%E6%B1%A0%E6%9C%AC-%E5%B9%B8%E4%B8%89/dp/4409590014
http://www63.tok2.com/home2/ahonokouji/sub1-1.html
〔資料〕イギリス領西インドの奴隷法について By 池本幸三 1976年3月25日(PDF、全10頁) ※奴隷の処遇について(白人を傷付けた場合、他)
http://ci.nii.ac.jp/els/110000198718.pdf?id=ART0000567676&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1341756314&cp=
〔資料〕池本幸三 著『近代奴隷製社会の史的展開―チェサピーク湾ヴァジニア植民地を中心として』(ミネルヴァ書房 1987年刊行):書評 By 布留川正博 1988年1月20日(PDF、全9頁) ※グローバル資本主義(新自由主義)と奴隷制
http://doors.doshisha.ac.jp/webopac/bdyview.do?bodyid=BD00001068&elmid=Body&lfname=3920007.pdf
〔資料〕15、6世紀 ポルトガル王国における黒人奴隷制〜近代奴隷制の歴史的原像〜 By 布留川正博 1〜2 1988年(PDF、全51頁)
http://doors.doshisha.ac.jp/webopac/bdyview.do?bodyid=BD00001097&elmid=Body&lfname=4020002.pdf
http://doors.doshisha.ac.jp/webopac/bdyview.do?bodyid=BD00001106&elmid=Body&lfname=4030003.pdf
〔資料〕ウィリアムズ・テーゼ再考〜イギリス産業革命と奴隷制〜 By 布留川正博 1991年3月(PDF、全36頁)
http://doors.doshisha.ac.jp/webopac/bdyview.do?bodyid=BD00008265&elmid=Body&lfname=007000460003.pdf
〔資料〕入江節次郎 著『世界金融史研究』(藤原書店 1991年刊行):書評 By 布留川正博 1992年6月(PDF、全10頁)
http://doors.doshisha.ac.jp/webopac/bdyview.do?bodyid=BD00001187&elmid=Body&lfname=4340005.pdf
〔資料〕下山 晃 著『世界商品と子供の奴隷―多国籍企業と児童強制労働』(ミネルヴァ書房 2009年刊行):書評 By 藍澤光晴 2009年12月15日(PDF、全9頁) ※グローバル資本主義(新自由主義)と奴隷制
http://repo.lib.ryukoku.ac.jp/jspui/bitstream/10519/622/1/r-kz-rn_049_03_008.pdf
〔資料〕日本人が知らないニッポン - THINKER
http://www.thinker-japan.com/thinkwar.html
〔資料〕天皇=売春業者 - オルタナティブ通信 2007年5月2日
http://alternativereport1.seesaa.net/article/49608120.html
〔資料〕≪広瀬 隆 著『地球のゆくえ』 第3章 細川政権誕生の謎、他 より抜粋(7)≫|MelancholiaT ※本文及び添付資料
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11090371588.html
(4頁へ続く)
(3頁からの続き)
■現代にも行き続ける奴隷制
ところで、人間ではないという奴隷の定義は、実は現代にも生き残っています。
2003年3月末のこと、私は、ハワイのホテルでテレビの『ラリー・キング・ライブ Larry King Live(L.K.L)』(1985〜2010、CNNの看板トーク番組)という番組を観ていました。イラク戦争が始まった頃のことで、カトリック Catholicus(英:Catholic)の神父、プロテスタント Protestant の牧師、ユダヤ教のラビ(宗教指導者)、そしてイスラム教の導師(宗教指導者)、そしてインド人のニュー・エイジ系指導者の5人が出席し、視聴者からの質問に答えるという番組でした。
その中で「何故、我々はイスラム教の人々を殺す(murder)のですか?これは許されることなのですか?」という質問が出たのです。すると、ユダヤ教のラビが「キル(kill)とマーダー(murder)は違います。これはキル(kill)であって、マーダー(murder)ではありません」と答えたのです。
この時のニュアンスは、人殺しはマーダー(murder)であり、人以外のものを殺すのがキル(kill)。それは英語の用法で、普通のアメリカ人ならそう受け止めます。実際、家畜を殺す時に、マーダー(murder)を使うことはありません。もちろん中間的な言葉としてキル(kill)を人間にも使いますが、マーダー(murder)には許されないものという意味が強く含まれています。
私はその時強い違和感を受けましたが、カトリックの神父も、プロテスタントの牧師も、イスラム教の導師も、誰一人として異論を唱えず、「その通り」という顔ですっとその場が流れてしまいました。つまり、カトリックの神父も、プロテスタントの牧師、イスラム教の導師も、「あなた方にとって私達は家畜だし、私達にとってあなた方は家畜なんだよね」という感じです。
『ラリー・キング・ライブ Larry King Live(L.K.L)』(1985〜2010、CNNの看板トーク番組)は、結構な視聴率を取っているCNNの番組です。その番組で、平然とこのような発言が出て、しかも一同が誰も文句を言わないのです。そこで私は認識を新たにしました。元々宗教の論理の中では、その宗教を信じている人以外は、人間ではない、もしくはその宗教を信じていない人を殺すことは許される、ということなのです。
アメリカ南部10州では、いまだに1年に1回は妊娠中絶医が撃ち殺されるという事件が起きています。妊娠中絶はキリスト教では禁止されており、その教えを破る妊娠中絶医は人間ではないと判断されるわけです。たとえ妊娠中絶医が「私はキリスト教徒です」と主張したところで、生れてくる赤ん坊は洗礼を受けてキリスト教徒になる。そのキリスト教徒を殺した中絶医は非キリスト教徒であり、死刑が相応しい。だからこそ、そうした悲惨な事件が後を絶たないわけです。
〔資料〕Catholicus(英:Catholic) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
〔資料〕Protestant - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%86%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%88
〔資料〕CNN『Larry King Live(L.K.L)』(1985〜2010) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96
http://ukmedia.exblog.jp/16446227
〔資料〕メタトロンの魔力 - LEGACY OF ASHES 2009年8月14日 ※聖書における神の殺人命令、Vatican:Vatis=Diviner and Can=Serpent(蛇)から由来
http://angel.ap.teacup.com/gamenotatsujin/22.html
■人間に順位をつける支配システム
さて、こうして始まった奴隷制を支えるのが、先に述べた、みそがれた人とみそがれていない人を対置し、その間で人間の順位を決める方法です。先のお見合い制度も、人間の順位を決める為の大いなる仕掛けです。一番みそがれた人が頂点にいて、一番みそがれていない人が最底辺にいる。その社会の中で今どのポジションに位置するか、その情報を交換し合って、結婚を決めるのがお見合いというわけです。
社会の理想や倫理とは別にして、人間の順位を探り合うことこそ、私達が一番やってはいけないことです。何故なら、その差別思想を受け入れることは、自ら進んで奴隷になる道だからです。武家社会からの支配階級である薩長の勢力は、政治家も官僚も財界人もみなこれを受け入れて奴隷となり、支配階級の論理の虜と化し、更なる奴隷を生み出すことに躍起になって醜悪な姿を晒しています。
人間の順位を決めることは、人間を洗脳し、奴隷化する技術の1つです。
それはカルト宗教のやり口を見れば、直ぐ理解出来ます。カルトでは、頂点と最底辺との間に細かい階層を作り、身分を分けていくことを基本にしています。有名なオウム真理教に限らず、いわゆるカルトはみなそうです。信者本人でないと分からないような細かいランキングが決められ、その中で互いに自分達の貴賤を確認し合うのです。
修行を積むことで身分の階段を1つずつ上ることが出来、それを喜びにして上からの命令を受け入れる。つまり、奴隷の連鎖です。教祖以外、一つ一つの階層が、全て奴隷化されているわけです。
ここ数年流行している富裕層マーケティングも、こうした支配原理を応用した細かい階段の新メニューと言えます。マーケティングの対象とされる年収3000万円、4000万円、5000万円、或いは金融資産1億円以上の富裕層は、薩長勢力の支配階級から見ると富裕層と言うには程遠いレベルの存在です。にも関わらず、「富裕層」と名付け、マスコミを使ってセレブだ何だと持ち上げることしきりです。
彼らが進んで奴隷の度合いを強め、更に下の階層がその姿を目指し、それをテレビで眺めている人々の奴隷の連鎖をも強化する、仕組まれた支配システムだということです。
(後略)
■支配階級の頂点にいる人物の正体
さて、一番みそがれた人を頂点にする武家社会以来の支配システムは、情動に流され易い日本人の洗脳に好都合で、明治維新以来140年間、薩長勢力と外国資本はそれを巧く利用し、支配と収奪の社会システムを築いてきました。
その結果、現代の日本人は、ほぼ完全に彼らの手中に閉じ込められているのですが、私達に悟られないように、そのことは表から隠されています。第一、私達は権力者その人の存在さえもはっきりつかむことが出来ません。何故かと言えば、1つは「偽装」、そしてもう1つは「情報を隠す」からです。
彼らは何を装っているのでしょうか。先ず、私達は権力者ではありませんよ、と装っています。場合によっては、お金持ちではありませんよ、とも装っています。そして一番の装いは、私達はあなた方と同じなんですよ、ということでしょう。
彼らが大多数の国民と同じであるはずがありません。もっとも、同じなんですよと装いながらも、その人達はやはり私達とは異なる何かを醸(かも)し出します。他人から見て、やっぱりこの人は違うな、というニュアンスを発するわけです。すると、その人の周りにいる他人は、その人と同じようになることが良いことだと思い始めます。そして、その人に同化することが、ブランド化していくわけです。
そうやって、みんながその人の真似を始めると、益々その人はその中に隠れ込み易くなります。そうして生れた集団のカルチャーの中に、彼らはひっそり隠れているわけです。
例えば、日本人従業員200人、300人規模の商社や銀行のニューヨーク支店、アメリカ支社などで、日本社会の縮図とも言うべきそうした集団をよく見受けます。会合に出席する奥さん達の席は、夫の職制上の位に従った順番になっています。一番上座に座るのは、支店長か支社長の奥さんです。そこでは支社長の奥さんのスタイルやカルチャーを真似し、自分がその世界の一員であり、更にあたかも自分がその中心に近いかのように、これでもかと態度で示すようになります。
宗家の奥さんを中心にしたお茶やお花の世界の集まりでも、同じような光景が見られます。宗家の奥さんを取り囲む奥様連中が、如何にその中心人物に似たことを言うか、如何に似た考え方をするか、如何に似た服を着ているか、それを競って示そうとする。自分達のアイデンティティが同一化してくると、自分が宗家であるかのように振舞い始めます。
ここでは女性を例に挙げましたが、男性の集まりも似たような状態です。
そうすると、何か起こるのでしょうか。周囲の人が中心人物に同化し始めると、その人も周囲に合わせようとし始めるわけです。私は何も特別ではなく、あなた方と同じですよ、という具合に。周囲の人はそれを受けて、更にその中心人物を守るようになります。これが虚栄心であり、恥の文化の裏返しの作用です。
権力者は先ず、そうした関係性の中に隠れ込んでいます。私達が、その存在になかなか気付かない第一の理由はこれです。
■支配に都合の好いリアリティ
≪≪次に、「情報を隠す」ということも、彼らが得意とするところです。
例えば、世界の本当の中心にいる人物は、絶対に正体を見せません。ヨーロッパ名家の本当の当主といった人々は全くと言っていいほど表に出て来ないのです。
しかも、ただ隠すだけであれば何も存在しないのと同じですから、彼らは代わりの何かを見せるわけです。代わりの何かと言うのは「リアリティ」です。彼らは、何かを装うのではなく、人々の周りにリアリティを作るのです。
例えば、人間は自分の周りに作られたリアリティの中で毎日、ベストの選択をします。選択においては誤った選択などありません。完全な選択などない中で、選択の結果を齎(もたら)されることは、何が起こってもベストの結果だと言えます。
ところが、ベストの選択であるはずの結果なのに、自動的に支配者にとって都合の好い結果が生れるようリアリティが設計され、作られているとしたら、その人がどのように足掻いたところで彼らの思う壺です。
それが、今六本木ヒルズや東京ミッドタウンといった高層ビルの外資系投資銀行や弁護士事務所などで働く年収3000万円から1億円稼ぐビジネスマンの姿です。普通の会社勤めなら年収は30台でせいぜい500万、600万でしょう。その5倍から20倍稼いでいるわけですから、彼らの「俺は、凄いだろう」という気持ちは分かります。ですが、その「凄いだろう」という世界そのものが、支配者が作り上げたリアリティでしかないわけです。
もう少し具体的に言えば、彼らの会社がある高層ビルは、不動産投資信託(REIT)で建設資金を手当したハリボテ(張りぼて)〔※張子(はりこ)で或る形に作ったもの、張子作りの芝居の小道具などを指す。「混凝紙(こんくりがみ)」で作られ、中空であるため外観と比較して軽いものが大半であり、見掛けや威勢ばかりで中身の伴わないことを指す「張子の虎」という諺(ことわざ)の語源となった〕のビルです。私がハリボテと言うのは、土地や建物が上げる収益性に基づいて造られたビルだということです。
収益性?本当でしょうか。その収益の源泉は、金融業とそれに付随する顧問業で、これまたハリボテの事業と言うことが出来ます。彼らは、他人が持って来たお金を投資し、その利ザヤを稼ぐだけで、何も生み出しはしません。言わば他人の預金通帳を右から左に動かして、それを意味のある仕事のように勘違いしているだけのことです。
つまり、ハリボテがハリボテを支えている格好です。六本木の高層ビルと、其処に入っているものの正体は、そんな程度のものなのです。にも関わらず、当事者は「俺は凄いだろう」と考えるわけです。リアリティは全部、支配者に都合好く作られたものだと言うのに。
今、年収1000万円の人と年収1億円の人とで買えるものと言えば、実は殆んど差はありません。1億円なら「グッチ GUCCI(伊 PPR Group)」や「ルイ・ヴィトン Louis Vuitton(仏 LVMH Group)」の本店で、1000万円なら伊勢丹や丸井になるのかも知れませんが、買える商品に機能面だけから見れば差は殆んど無いのです。素材そのもの価値は殆んど差が無く、違いと言えばまさにブランド名ぐらいのものでしょう。
私達は、元々そうした世界に生きているはずです。にも関わらず、ハリボテの住人達は「俺は1億円だから凄いだろう」と考え、「お前は1000万円だから、大したことないよ」と考えるのです。
これが、リアリティを作る、ということなのです。支配者は、自分達の情報を隠し、代わりに遠隔操作でリアリティを作った。そして、そのリアリティの上に、森ビルの六本木ヒルズや三井不動産の東京ミッドタウンのような「REITビル」を作っていくわけです。≫≫
〔資料〕≪中田安彦 著『ヨーロッパ超富豪 権力者図鑑―世界を支配する欧州の覇者たち』 より抜粋(1)≫|MelancholiaT ※ブランドという権威付け、LVMH Group、PPR Group、他
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-10913517225.html
〔資料〕張子(はりこ) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%B5%E3%82%8A%E5%AD%90
■煩悩を巧みに利用する支配者の罠
≪≪私達は、支配者が作るリアリティによって洗脳され、騙されます。これが人間の自由を奪い、目を曇らせ、考える力を喪失させる「支配者の罠」です。私達が闘い、勝ち取るべき第一は、この作られたリアリティからの解放と言えます。
私達が取るべき闘い方の鍵は、こうしたリアリティの形成過程に隠されています。
先ず問題にすべきは、私達が持っている「煩悩」の存在です。御存知の通り、煩悩は、脳幹という脳の一番古い器質に刻み込まれた物理的欲求によって齎(もたら)される、食欲、性欲、睡眠欲などに纏(まつ)わる様々な欲求です。側坐核(そくざかく)、扁桃体、辺縁系といったところのプリミティブ Primitive(最も基本的)な情報処理です。支配者が作るリアリティは、この物理的欲求が、あたかもそうではない、もっと抽象度の高い前頭前野外側部の高貴な欲求のように見せ掛けられ、生み出されているのです。
分かり易い例として、ワインを取り上げてみましょう。
ボトルに詰めて日本に運んで来る手間賃や運賃が高いのかと言えば、そうではありません。フランスの瓶入りミネラルウォーターなどは、スーパーマーケットで200円、300円で販売されていますから、瓶代や運送費が高いというわけではないのです。中身がミネラルウォーターから葡萄になった瞬間に値段が上がる。
フランス政府が上手いのですが、私達がそれを美味しいと思うのは、詰まるところ洗脳されているからです。味噌と醤油のアミノ酸食文化で育った日本人が全員、ワインを美味しいなどと思うわけがありません。ところが、ワインが口に合わないとはっきり言える日本人はかなり稀です。実際にそう感じていても、そんなことを口にすると、まるで野蛮人のように受け止められるからです。
日本人は、そのように教育され、洗脳され、その結果、高いワインを有難がるように仕向けられているのです。
例えばソムリエは、ワインの細かい味を利き分け、それがさも素晴らしいことのように品評します。確かに、細かい味の違いが分かるというのは良いことです。ですが、この味はボルドーの中でもどの辺りの土壌に特有のもので、この年の夏は日照りがとても良く・・・・・・、そんなストーリーとたかだか1本のワインとが結び付き、それがさも貴重なことのように演出されるのですから、やり過ぎも目に余るというものです。
この時ソムリエ本人は、ワインの利き酒をするという本来の役割から外され、リアリティを作る支配者のシステムに嵌め込まれてしまっています。そして私達は、1本5万円、10万円という世界を受け入れてしまうように誘導されるわけです。
ところで、ワインが美味しいと言っているのは、今日はちょっと羽目を外して酒が飲みたいと要求する、私達自身の煩悩です。人間誰しも煩悩があり、聖人君子でない以上、或る程度、それを満たしてやることは重要です。ところが、自分の偽りのない煩悩であると思っていたものが、ふと気付くと、違うものに化けているのです。つまり、いつの間にか、「酒」から「年代ものボルドー赤」にすり替えられているわけです。≫≫
■目的の摩り替えとブランド志向
もう少し、例を引きましょう。
例えば、子供が有名私立小学校に入ったとします。「うちの子はどこどこに入ったんですよ」と、親は誇るでしょう。もちろん、明治時代から続いているような会社のオーナーは、有名私立小学校に子供を入れていくと、将来は付属の大学にも入れるだろうし、有名大学は言わば薩長大学ですから薩長勢力にも迎え入れられ易く、何かと好都合でしょう。三菱に慶應出が多いのはまさにこれでしょう。
ところが、こうした情報が小学校をブランド化してしまいます。そして、有名小学校に子供が入ったことに虚栄心の満足を感じるようになるわけです。本当は有名小学校がブランドなのではなく、有名小学校に入学した子供の中に本当のブランドがいますよ、という話に過ぎないはずなのですが。
こうした勘違いを生み出す情報操作が、やはり世の中のどこかしらで度々行われています。そうして情報価値を受けて洗脳された親達が、自分の子を何とか有名小学校に入れようと、必死になってお受験に取り組み、無駄な受験テクニックを子供に教え込む為に高いコストを掛けるのです。
ここでも、子供に良い教育を受けさせるという本来の目的が、見せ掛けのブランドを手に入れるということに、いつの間にか摩(す)り替えられているのです。
ここが重要なポイントで、煩悩に働き掛けられると、人間は容易く摩り替えを許してしまいます。沢山の嘘が紛れ込んだ情報価値が、私達の脳幹に訴え、物事の本質とは異なった考えの虜にしてしまうわけです。
もちろん、ライブドアの堀江がそうであったように、強い煩悩に従って仕事をし、支配者達を一時(ひととき)超えるような存在になる人間もいます。そのような人間が現れると、支配者達は最初は無視します。その存在を認めた途端に、自分達の価値が下がるからです。それでも無視し得ないほど相手が大きくなってきたら、最後は権力を揮(ふる)って踏み潰しに掛かります。こうして潰された人間は、過去、何人もいます。
煩悩が強いこと自体は悪いことではないのですが、煩悩の力だけでは支配者に勝てません。そして、私達の煩悩そのものは、支配者がリアリティを作り、私達を操る為の道具として好いように利用されるのが常なのです。
(5頁へ続く)
(4頁からの続き)
〔苫米地英人 著『洗脳支配―日本人に富を貢がせるマインドコントロールのすべて』 第3章 マネー経済の奴隷 より P.110−P.136〕
■郵政民営化の裏の顔
(略)≪≪民営化すれば、資金運用に市場原理が働いて、儲けの出るところに資金が流れていくはずだという理屈です。これが、「小泉構造改革の目玉」と言われた郵政民営化が持つ表の顔です。
ところが、実は郵政民営化には、これとは別の大きな狙いが隠されているのです。それは、郵政民営化に当り、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構が設立され、その資産がそっくり渡ったことからも分かります。
郵貯の貯金の運用対象の殆どは、日本の国債でした。その国債は、郵貯から管理機構に移されました。民営化して、効率的な資産運用を行うのであれば、保有している国債の保有、処分は、全てゆうちょ銀行に任せるのが、本来のあり方であるはずです。ところが、いまの制度では、民営化以前に購入した国債は管理機構に移管し、民営化後に購入する国債はゆうちょ銀行が保有する仕組みになっているわけです。
そもそも民営化に伴って、独立行政法人を創ること自体、極めて怪しいことです。管理機構設立の目的は、郵貯、簡保の事業承継をスムーズにすることだとしていますが、その心は、国債が市場に流れ、国債相場が暴落しないよう、蔵の中に封印しておくことなのです。
御存知の通り、小渕恵三内閣以来、日本は大量の赤字国債を発行してきました。累積総額は800兆円にも上り、今後、国債の大量償還を控えています。国債相場が暴落すれば、当然、政府は今後、おいそれと国債を発行出来なくなります。勿論、国債は民間銀行も引き受けています。国債価格が暴落すると、国債の表面金利が上がる為、途端にに逆ザヤが生じ、表面的には収まったかのように見えていた「銀行の不良債権問題」が直ぐにでも再燃し始めるわけです。
日本の不良債権問題は、実は何も解決していません。90年代後半から2000年代にかけ、銀行は、貸し出しを極端に抑制し、更に貸し剥がし貸しを行うことで、不良債権化しそうな取引先を倒産に追い込み、命を存(ながら)えてきました。
ところが、最大の不良債権と言うべき国債の処理については、何ら有効な対策が取れません。薩長勢力の支配者達が発した「国債を引き受けてくれ」との命令に、出入りの両替商が逆らえるはずもなく、政府が巧いトリックを拵(こしら)えてくれることをひたすら待っていたのです。
そのトリックの手始めが、管理機構の設立でした。国債相場の暴落を阻止することが出来れば、日本の不良債権問題は先送りすることが出来ます。ゆうちょ銀行にしても、保管機構に国債を買い取らせ、移管してしまえば、政府が発行する新発国債を今後もたっぷり飲み込むことが出来ると言えるのではないでしょうか?
現に、ゆうちょ銀行の資金運用先は、郵政民営化法で、「国債、地方債、政府保証債」と、「銀行への預金」という具合に、極めて狭く限定されています。民営化されたゆうちょ銀行をこのように規制すること自体、極めて不可解なことなのです。しかし、そこに国債購入という暗黙の了解が存在しているのですから、これが如何に見せかけの民営化であるか、推して知るべきでしょう。
いまでは、2007年3月期発効の「新BIS規制 BaselUAccord」によって、民間銀行には輪を掛けて厳しいリスク管理をすることが義務付けられるようになりました。
これは国債の発行が1965年に始まって以来、これまでずっと銀行の保有する国債はリスクゼロで計算することが許されていたのが、市中金利が上昇すると、預金金利を国債利回りが下回る逆ザヤリスクがある為、保有する国債の逆ザヤ損失リスクを計算することが義務付けられたことです。
「新BIS規制」が2007年3月期から日本に課せられたのは、2007年10月の郵政民営化に合わせてであることは明らかです。
このような事情から、ゆうちょ銀行が今後、国債を引き受けにくくなることは確かでしょう。国債の表面利率は大変低く抑えられています。国債の購入が、やがてゆうちょ銀行への批判に変わる日もそう遠くないはずです。となると、ゆうちょ銀行は国民の貯金を効率よく増やす為の、有効な資金運用先を持てない、ということになります。
実際、2007年末には、ゆうちょ銀行自身から「金利リスクのコントロール手段を確保する」という理由で運用対象の拡大が政府に対してリクエストされています。この資金運用先の問題は、民営化のほとぼりが冷めた頃、「新BIS規制」を主たる理由に掲げ、そっと拡大されることでしょう。実は、ここが日米の密約のポイントと言える核心部分なのです。≫≫
〔資料〕≪「対日年次改革要望書」とTPP:日本語翻訳 PDFファイル(1996年〜2011年)≫ ※【国会質疑の中で取り上げられた「(対日)年次改革要望書」 両院会議録記述一覧(43件)】
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11066706411.html
〔資料〕郵便貯金・簡易生命保険管理機構 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%83%B5%E4%BE%BF%E8%B2%AF%E9%87%91%E3%83%BB%E7%B0%A1%E6%98%93%E7%94%9F%E5%91%BD%E4%BF%9D%E9%99%BA%E7%AE%A1%E7%90%86%E6%A9%9F%E6%A7%8B
http://www.jp-bank.japanpost.jp/information/mineika/inf_mn_index.html
〔資料〕≪宋 鴻兵 著『通貨戦争―影の支配者たちは世界統一通貨をめざす』 より抜粋(20)≫|MelancholiaT ※郵政民営化「運用委託」
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11028633661.html
■FRBという事実上、不可侵の存在
≪≪ここで、アメリカの経済について、若干の説明が必要だと思います。アメリカという国は、乱暴な言い方をすればヨーロッパの属国です。政治的には大英帝国の植民地から独立しましたが、経済の核心部分ではヨーロッパの支配階級がオーナーを務めている国ということです。
〔※補足〜「FRB」「FRS」という略称について:連邦準備制度 Federal Reserve System(FRS)、連邦準備制度理事会 Board of Governors of the Federal Reserve System(FRS)/Federal Reserve Board of Governors(FRB)、12の地区連銀である連邦準備銀行 Federal Reserve Banks(FRB)。尚、日経・CSISバーチャル・シンクタンクのウェブサイトでは、連邦準備制度理事会 Board of Governors of the Federal Reserve System(FRS)としている〕
一番の証拠は、FRBの主要株主がヨーロッパの個人銀行主である点です。FRBは、金融政策を決定する最高意思決定機関であり、準備制度における中央銀行であるアメリカの連邦準備銀行のことですが、連邦準備銀行そのものは民間銀行であり、その株主はロンドン銀行をはじめとする、主にイギリスを中心としたヨーロッパ系なのです。
またFRBには、1913年12月23日のクリスマス休暇中に、ヨーロッパ名家や、ロックフェラー家 Rockefeller Family やモルガン家 Morgan Family〔※ロックフェラーとモルガンの両財閥については、広瀬 隆 著『億万長者はハリウッドを殺す《上・下巻》』(講談社 1986年刊行)を参照〕をはじめとするアメリカの名家の息の掛かった議員だけが突然集められ、成立したFRS(連邦準備制度)法案により成立させられたという驚くべき経緯があります。
面白いのは、アメリカの所得税法が、連邦準備銀行への利払いの為に導入されたものだという事実です。
アメリカでは、所得税の徴収は憲法違反とされていました。その後、1913年の合衆国憲法修正第16条に「議会は income に対して税を徴収することが出来る」とあることが、所得税徴収の根拠となっていますが、この income は、事業の利益(gain)のことであり、個人の労働報酬は income ではないとされており、個人所得税は連邦裁判所で違憲の判決が何度も出ているほどです。その為、アメリカには日本のような所得税法は無く、言ってみれば所得税徴収法があるのみなのです。
通貨であるドルの発行方法は、先ずアメリカ政府が財務省証券を発行します。これは日本で言うところの国債です。これをFRBが同額の小切手を発行することで引き受けます。この小切手をアメリカ政府がFRB傘下の銀行に入金することでドルが生み出されるのです。
財務省証券には金利が付いていますから、政府はFRBに対して利払いをする必要が生じます。その利払いの原資を確保する方法として、そもそもアメリカはFRBが創設された1913年に所得税を導入したという経緯(いきさつ)があるのです。連邦裁判決では、トマス・ジェファーソン Thomas Jefferson(1743−1826、第3代米大統領任期:1801〜1809)〔※―Freemasonry, Illuminati〕がかつて「税は平等に負担されるべきである」としたように、個人所得税は累進性がある為に違憲とされています。
実は。アメリカでは所得税を納めない高額所得者に対して、情け容赦ない強権を揮(ふる)います。内国歳入庁 Internal Revenue Service(IRS、いわゆる国税庁)所属の特殊部隊が銃を携帯して押し掛け、本人を連れ去ってしまうことさえあります。逮捕容疑は所得税徴収法違反で、最高15年の禁固刑です。
そうした強権を上流へと遡(さかのぼ)っていくと、FRBに辿り着きます。或る意味、FRBは大変恐い存在と言えるわけです。所得税法が無いのに、所得税を強引に徴収し、更にはそれをFRBへの国民からの利払いとして徴収しているのです。
アメリカの税収は、日本円に換算しておよそ600兆円。所得税は、その内の約380兆円です。その中のかなりの部分が、アメリカ政府がFRBに払っている利払い金とまで言われています。いわばヨーロッパのオーナー達に自国の通貨を印刷して貰う「印紙代」の支払いにアメリカ人が毎年、全員汗を流して働いているという構図です。
更に、FRBの議長人事は、大統領の指名になるわけですが、大統領はFRBが用意する候補者リスト以外の人選を行うことが出来ません。また、政府によるFRBへの監査権も無く、FRBは事実上、不可侵の存在になっているのです。
こうしたことを考えると、金本位制時代にアメリカから金準備が無くなっていった背景も何となく見えてきます。そもそも、1国の金準備がすっかり無くなってしまうなどということが、どうすれば起こるのか、私達はもっと想像力を逞(たくま)しくして理解する必要があるはずでしょう。
〔資料〕≪苫米地英人 著『現代版 魔女の鉄槌』 より抜粋(10)≫|MelancholiaT ※添付資料全般
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11279468141.html
〔資料〕G. Edward Griffin著, 吉田利子 訳『マネーを生みだす怪物―連邦準備制度という壮大な詐欺システム』(草思社 2005年刊行)
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%82%92%E7%94%9F%E3%81%BF%E3%81%A0%E3%81%99%E6%80%AA%E7%89%A9-%E2%80%95%E9%80%A3%E9%82%A6%E6%BA%96%E5%82%99%E5%88%B6%E5%BA%A6%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E5%A3%AE%E5%A4%A7%E3%81%AA%E8%A9%90%E6%AC%BA%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0-%E3%82%A8%E3%83%89%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%B3/dp/4794214545
〔動画〕『資本家の陰謀(1972年)』 By G. Edward Griffin 1〜5 - YouTube [47分12秒]
http://www.youtube.com/watch?v=hy3tPen4saM
http://www.youtube.com/watch?v=DqV3ASrKM20
http://www.youtube.com/watch?v=zUVuebhwapo
http://www.youtube.com/watch?v=vb4-Hbu9h2Y
http://www.youtube.com/watch?v=RGHI0AuYf3Q
■日本人が米財務省に払う税金
こうしたFRBの強権は、これまでも度々日本に及んでいます。かつて財政危機の時、宮澤喜一(1919−2007)元首相が財務省証券を売りたいとアメリカに打診したことがあります。アメリカ側は、日本がそれを売るということは宣戦布告と見なす、、と言ったそうです。アメリカ政府の強硬な発言で宮澤首相は震え上がり、以来、この話を一切出さなかったと言います。
〔※補足:三極委員会メンバーの中で日本側の委員長も務めた宮澤喜一は、三極委員会設立後、翌1974年外相、77年経企庁長官、80年官房長官、86年蔵相、87年副総理兼蔵相を歴任し、91〜93年の3年間首相となり、首相退任後も98年小渕内閣で蔵相、2000年森内閣で蔵相と財務相を務めた。
ちなみに、小泉純一郎(1942−)は宮澤内閣で郵政大臣(1992〜1993)に就任している。本人は郵政民営化をあくまで持論と主張しているが、この頃には既にエージェント化していたものと考えられる。
首相だけでなく、これだけ繰り返し経済担当大臣を務めた政治家は稀であり、宮澤が活躍した時代、つまり三極委員会が設立されて以後の日米関係は、より一層アメリカ主導になった。
85年プラザ合意、89年ブッシュ父大統領 George Herbert Walker Bush(1924−)の提案による日米構造協議、93年宮澤首相・クリントン大統領間で日米包括経済協議が開始されたが、首脳会談を行う宮澤喜一とビル・クリントン William Jefferson “Bill” Clinton(1946−)の2人は、共に三極委員会メンバーだった。翌94年から、米国による(対日)年次改革要望書という命令書が毎年送られてくるようになった〕
また、橋本龍太郎(1937−2006)元首相も、同じような目に遭っています。バブル崩壊後の経済不況の中で訪米した橋本首相は「これだけ苦しんでも経済が良くならない。財務省証券を手放してしまいたい誘惑に駆られることもある」と、会見で話してしまったのです。その時のアメリカ側の反応に恐れをなした橋本首相は、翌日、直ぐにその発言を撤回してしまいました〔※添付資料≪広瀬 隆 著『赤い楯』 第4章 最後の隠れ家:5「スイス銀行の金庫」、他 より抜粋(21〜22)≫を参照〕。
アメリカの財務省証券は、日本では日銀が主に引受けています。ここ数年、アメリカが発行する財務省証券の3分の1に当る30兆から40兆円を、日本が毎年大量購入しています。
日銀のホームページを見ると、財務省証券の保有高が公開されていますが、実はこれ、財務省証券のうちの為替介入で売買される、いわゆる短期物に限った数字になっているのです。
財務省証券には、10年、20年、30年といった長期物があり、これを日銀は大量購入しているはずですが、その保有残高は公表されていません。隠しているとすれば、凄い話です〔※『日本のゆくえアジアのゆくえ』より【図30・31・32A・32B・32C・33・34】『私物国家』より【日本人の個人金融資産(96年12月31日現在) 日銀統計】〕。
財務省証券については日米間で、或るルールが取り交わされています。日本が購入した財務省証券が満期を迎えると、償還されたお金で再び財務省証券を購入するというものです。
つまり、アメリカ側から見ると、借り換えです。永久に返さなくていいということです。財務省証券という紙と引き換えに、日本が常にお金を貸し続けてくれるというわけです。その結果、現在の日本は400兆円程度の財務省証券を保有しています。
最も、日本銀行券そのものも実は紙っぺらです。1万円札が持つ1万円という貨幣価値は、政府が裏書きしているわけでも、金準備があるわけでもありません。しかし、少なくとも日本のサラリーマンにとっては、1万円は自分が提供した労働対価としての価値があり、それを使って生活しているわけです。
そのお金が、日本では通用せず、換金も出来ず、償還もされない財務省証券と引き換えにアメリカへ吸い上げられることは、日本人が米財務省に毎年30兆円以上の税金を払っているということになります。≫≫
これ以上の出来事が更に、ゆうちょ銀行という「カラクリ」を通じて、私達に襲い掛かろうとしています。そのシナリオとは、私が掴んでいる限りでは、次のような筋書きです。
■新BIS規制という罠
≪≪ゆうちょ銀行の資金運用は、現時点では外国政府が発行する国債の購入には充てられないことになっています。ただ、ここには罠があります。それが、2007年3月期に郵政民営化に合わせて導入された「新BIS規制 BaselUAccord」です。≫≫
かつてのBIS規制では、自国の国債は、リスクゼロで評価していいことになっていました。国債保有分については、銀行の自己資本は毀損(きそん)されないとなっていたわけです。ところが、新BIS規制では、国債についてもリスク評価を行い、引当金を積まなくてはなりません。
日本の国債は、海外のそれに比べて低い評価がされています。日本という国は、バランスシート上は既に債務超過、つまり破産状態です。その発行する債券ですから評価が低いのは当然です。日本の財政が赤字国債の発行に依存していることは、先に述べた通りです。
しかも、国債がダブついており、その市中消化が危ぶまれていることも、既に指摘しました。消化が困難になって、国際価格が暴落すると、日本の財政は一溜りもありません。そこで、郵政事業の民営化に際して、独立行政法人の管理機構を作り、其処にこれまで郵貯が保有していた国債を放り込んで、とりあえず蓋(ふた)をして隠してしまいました。
しかし、このような経済状態を続けている日本の国債に高い格付けが付けられるはずはありません。ゆうちょ銀行は、引き続き新発債の購入を行うでしょうが、国債価格の下落により、逆ザヤとなってしまい、それが出来なくなるのは時間の問題です。
現在のところはゆうちょ銀行は誰にも貸し出しをしていないということで、民間銀行で唯一、新BIS規制の対象外と金融庁はしていますが、国債を買うということ自体が国への貸し出しですから、この論理をBISは何れ排除するでしょう。実際、国債購入のリスク計算をせよと言っているのですから。また、ゆうちょ銀行自体が住宅ローンへの参入を表明していますから、どちらにしてもこの論理は近々成り立たなくなります。
そのうち、制限された資金運用対象の改正が行われ、その中に当然、アメリカの財務省証券が含まれるようになるでしょう。新BIS規制の下、国民の貯金を守り、安定した利回りを続ける為に、そうせざるを得なくなるわけです。アメリカ財政も火の車ですが、日本国債よりも遥かに安全性が高く、また利回りがいいからです。単純に日本国債では逆ザヤで預金が目減りするからとも言えます。
■予(あらかじ)め仕組まれた日本
とすると、貯金はどんどん財務省証券に化けていくことになります。何と言っても、「俺の言うことを聞け」と言われて、イランへの送金を直ぐに停止してしまう銀行ですから、筋書きさえ出来ればアメリカ財務省に苦労はありません。
つまりアメリカ財務省は、当分の間、ある時払いの催促無しで、かつ返済計画さえ立てなくて済むようなファイナンスのルートを、日本から引き出したということです。
ゆうちょ銀行の帳簿上は、日本国債が財務省証券に取って代わるだけですから、現金の取り付け騒ぎでも起こらない限り、問題は何も生じません。貯金が取り崩され、減っている状況ならともかく、まだ増え続けていますし、安全神話に包まれた世界最大の銀行というブランド価値の力もあって、この趨勢(すうせい)があっさり崩れるとも思えません。
≪≪要は、新BIS規制という網が掛かった時点で、日本人の預金はアメリカ財務省のものになるように予(あらかじ)め仕組まれたのです。そうなると特別会計の原資が無くなり、日本は完全に破算です。≫≫
郵政民営化の議論が喧(かまびす)しく交わされた小泉純一郎元首相時代(2001〜2006)の国会論戦で、郵貯貯金が丸ごと乗っ取られるのではないか、という質疑がありました。しかし、その論点は深く掘り下げられることもなく、尻すぼみのまま消えていきました。
私はこの時も、ネオコン的な圧力があったのではないかと見ています。それが、FRBからのものなのか、それともブッシュ政権からのものか、それとも「Aがダメだと言っている」という手合いのものか、判然とはしません。ただ、宮澤元首相や橋本元首相が慌てふためいたと同じようなことが、実はあったのではないでしょうか。
そして、ゆうちょ銀行と直接関わりがあったかどうか分かりませんが、安倍晋三(1954−)前首相の降板にも、同じ支配者の影が差していると感じられてならないのです。
〔資料〕Michael Hudson著, 広津倫子 翻訳『超帝国主義国家アメリカの内幕』(徳間書店 2002年刊行) ※原著は1972年刊行
http://www.amazon.co.jp/%E8%B6%85%E5%B8%9D%E5%9B%BD%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E5%86%85%E5%B9%95-%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%B1%E3%83%AB-%E3%83%8F%E3%83%89%E3%82%BD%E3%83%B3/dp/4198615209
〔資料〕Bill Totten 著『日本は日本のやり方で行け―アメリカに負けない方策』(PHP研究所 1998年刊行)
http://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AF%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%82%84%E3%82%8A%E6%96%B9%E3%81%A7%E8%A1%8C%E3%81%91%E2%80%95%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AB%E8%B2%A0%E3%81%91%E3%81%AA%E3%81%84%E6%96%B9%E7%AD%96-%E3%83%93%E3%83%AB-%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%86%E3%83%B3/dp/456960143X
〔資料〕日本の「バブル経済」はアメリカによって仕掛けられた壮大な罠だった - にほん民族解放戦線 2007年7月28日 ※重要
http://blog.goo.ne.jp/nanbanandeya/e/5409b785e5b1d90fa5e0acbf95863dc6
〔資料〕日本は何故「負債大国」となったか? By Michael Hudson 1〜9 - kobaの開拓日誌
http://square.umin.ac.jp/koba-Riv/keizaigaku/keizaigaku%20index%20.html
「日本の有権者は、大蔵省や与党が何故消費税増税を迫っているのか、その理由を理解すべきである。これは極めて重要なことなのだ。日本の歳出を補う為に必要な税金を投資家が支払っていない為に、消費者が代わって税金を払わなければならないのである」
「日本の財政問題や国債残高の問題を語る時、日本政府は国民への課税が少な過ぎる、或いは歳出が多過ぎる、という言い方をする。これは金融、保険、不動産部門の税負担が低過ぎるという事実から焦点を逸らして、日本国民全体がもっと税金を支払うべきだということを仄(ほの)めかす為である」、他
〔資料〕むしられ続ける日本:日本政府、日本企業が所有する米国債の実体 - 本山よろず屋本舗 2001年1月14日
http://homepage2.nifty.com/motoyama/bond.htm
〔資料〕≪広瀬 隆 著『地球のゆくえ』 第3章 細川政権誕生の謎、他 より抜粋(3)≫|MelancholiaT ※Lazard Frères&Co.―澄田 智
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11084724762.html
〔資料〕≪広瀬 隆 著『地球のゆくえ』 第3章 細川政権誕生の謎、他 より抜粋(6)≫|MelancholiaT ※Lazard Frères&Co.―澄田 智―日本ユニセフ協会―細川佳代子、他
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11089234073.html
〔資料〕≪関岡英之 著『国家の存亡―「平成の開国」が日本を滅ぼす』 より抜粋(7)≫|MelancholiaT ※【日経・CSISバーチャル・シンクタンクの顔触れ(新自由主義者達の饗宴)】 【CSIS-HGPI】細川佳代子 【三極委員会】
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11076818385.html
〔資料〕世界の中央銀行金保有ランキング(IMFの国際金融統計2010年9月版に依拠) - 哲野イサクの地方見聞録 2010年11月10日
http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/world_data/world_gold_council.html
〔資料〕財務省証券(米国債)の保有者 2010年12月発表 - 哲野イサクの地方見聞録 2010年12月23日
http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/Economy_of_the_US/05.htm
〔資料〕アメリカ財務省証券(米国債)国外保有者 2009〜2010年の推移 アメリカ財務省及び連邦準備制度 2011年2月28日発表 - 哲野イサクの地方見聞録 2011年3月2日
http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/Economy_of_the_US/06.htm
〔資料〕他国をダミーに大量のアメリカ国債(財務省証券)を保有していた中国 - 哲野イサクの地方見聞録 2011年3月2日
http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/zatsukan/021/021.html
※本文内容に関する誤りの指摘
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1424620119
〔資料〕緊急事態法制:2.アメリカ (B)国際緊急事態経済権限法(IEEPA) By 清水隆雄(PDF、全12頁)
http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/document/2003/1/20030105.pdf
〔資料〕売れない米国債を購入したゆうちょ銀行 - 世界の真実の姿を求めて!2010年7月15日
http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/130.html
http://members.jcom.home.ne.jp/u33/i%20think%20091123urenai%20beikokusai.htm
〔資料〕≪広瀬 隆 著『赤い楯』 第4章 最後の隠れ家:5「スイス銀行の金庫」、他 より抜粋(21〜22)≫|MelancholiaT ※The Basel Club、日本を“狙い撃ち”した「BIS規制」の嘘、他
http://arsmagna.jimdo.com/melancholiaT-roentgenium-資料保管庫-目次/
〔資料〕≪斎藤貴男 著『消費税のカラクリ』 第3章 消費者が知らない消費税の仕組み、他 より抜粋(4〜11)≫|MelancholiaT ※小泉純一郎・竹中平蔵らによる「構造改革」の正体、竹中平蔵の正体、(対日)年次改革要望書、松下政経塾の正体、MRA、郵政民営化研究会、郵政選挙と広告代理店(BBDOとFleishman-HillardはロックフェラーのOmnicom Group Inc.傘下企業)、他
http://arsmagna2.jimdo.com/melancholiaT-roentgenium-資料保管庫-目次/
〔資料〕≪宋 鴻兵 著『通貨戦争―影の支配者たちは世界統一通貨をめざす』 より抜粋(20)≫|MelancholiaT ※郵政民営化「運用委託」
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11028633661.html
〔資料〕竹中平蔵「日銀は変化球やめ国債購入の直球投げよ」 vs. 白川方明「際限ない国債買い入れは制御不能なインフレ招く」 - 園田義明めも。 2012年4月22日
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2012/04/22/6421833
〔資料〕やさしいデリバティブ 目次 - 知るぽると 金融広報中央委員会
http://www.shiruporuto.jp/finance/kinyu/deriv/index.html
〔資料〕国際決済銀行 Bank for International Settlements(BIS):BaselUAccord(新BIS規制) - Wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Bank_for_International_Settlements
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E6%B1%BA%E6%B8%88%E9%8A%80%E8%A1%8C
〔資料〕Banking:The Basel Club - TIME 1963年6月23日
http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,839561,00.html
〔資料〕Google books - 東谷 暁 著『BIS規制の嘘―日本と世界の金融危機を招いた元凶』(PHP研究所 2009年刊行)
http://books.google.co.jp/books?id=wF2iDgVM3BIC&printsec=frontcover&hl=ja&source=gbs_ge_summary_r&redir_esc=y#v=onepage&q&f=false
〔資料〕安倍晋三と日本の闇 - 日本人が知らない 恐るべき真実 2006年8月14日
http://d.hatena.ne.jp/rainbowring-abe/20060814
〔資料〕≪NHKスペシャル『圓の戦争』 より文字起こし≫|MelancholiaT ※ミャンマー―麻薬利権・天然ガス、小泉進次郎(CSISエージェント)、安倍夫妻
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11287692118.html
■「勤倹貯蓄」という不確かな国民性
ところで、日本人は勤倹貯蓄に励む国民性を有していると言うことが、いつの間にかしきりと言われるようになり、私達もすっかりその気になっています。しかし、本当にそうでしょうか。
ゆうちょ銀行の話をするついでに、郵政事業の生みの親である前島 密(まえじま ひそか 1835−1919)のことを思い付いたのですが、残された当時のエピソードを読むと、日本人が必ずしもそのような国民性に染まっていたわけではなかったようです。
イギリスの郵便貯金事業を視察して帰国した前島は、明治8年、郵便局に郵便貯金制度を導入しました。ところが、制度はスタートしたものの、一般の国民はまだ貯蓄意識が低く、郵便貯金にはなかなか集まらなかったのです。弱った前島は、識者や地域のオピニオンリーダーに、広く国民に貯蓄思想を普及する手助けをして貰おうと頼んで回ったものの、「国民の気質に合わない」と断られることが多かったと言うのです。
明治、大正の文献を読んでもそうですが、日本人が勤倹貯蓄に励む国民性であるとする確たる証拠は殆んどありません。現代においても、郵便貯金を奨励する郵便局などが、日本人の勤倹貯蓄を美徳として謳い文句にしていることが目立つくらいです。
私は、実は勤倹貯蓄を奨励する風潮は、前島 密の郵便事業の導入と共に広まっていき、それが戦後の焼け跡を生き抜こうとする日本人の合言葉として定着したのではないかという仮説を持っています。
もしそうだとすれば、これは皮肉なものだと言わざるを得ません。何故なら、美徳として囃(はや)し立てられ、その気にさせられて蓄えた貯金が、ものの見事に強者に吸い上げられるという結果を招いているからです。
■マネーサプライは「借金総額」
そもそも貯金や預金をすることは、決して良いことではありません。私は、貯金、預金は即刻止めるべきだと考えていますし、折に触れてそのように話をしてきました。実際に私の会社では、社員の年金積み立ての代わりに、純金(金塊)を積み立てることが出来ないかと検討したほどです。純金(金塊)を購入出来れば、預貯金することなく将来必要なお金を用意出来るからです。
預貯金のカラクリは、マネーサプライ Money Supply(通貨供給量)/マネーストック Money Stock(通貨残高)という経済用語を吟味すると、解ってきます。マネーサプライは、市中に供給されたお金のことを指す言葉だと一般に理解されていますが、これだけではそれが私達にどう関係することなのか、本当の姿を把握することは出来ないでしょう。
経済の虚飾を削ぎ落として言えば、マネーサプライとは借金の総額である、と言うことが出来ます。お金の供給が増える、つまりマネーサプライが増えるというのは、言わば見せ掛けのお金、それも借金が増えるということなのです。
ところで、不幸なことに、私達が勤倹貯蓄して預けた郵便貯金は、やがて私達を苦しめる結果を齎(もたら)すはずです。そのことについて述べる前に、マネーサプライの何処に問題があるのか、その点を明らかにして論を進めていきましょう。
先ず、銀行の成り立ちを考えてみてください。
銀行は、人が預けたお金を他の人に貸して、その金利で稼いでいます。実は、日本では人から100万円を預かった場合、そのおよそ1000倍の10億円ものお金を他の人に貸すことが出来るのです。これが銀行の信用創造機能と言われるものだと、経済学の教科書にはもっともらしい解説が載っています。但し、教科書では何故か、現在でも10倍という数字が使われていますが。
銀行は随分特権的なやり方で営業を行うことが出来るわけですが、何故それが許されているのか調べても、納得のいく根拠は何処にも見当たりません。
〔資料〕「支那事変国債」売り出し宣伝ポスター - 『写真週報』 にみる昭和の世相
http://www.jacar.go.jp/shuhou/topics/topics01_03.html
〔資料〕貯蓄奨励ポスター - 『写真週報』 にみる昭和の世相
http://www.jacar.go.jp/shuhou/topics/topics01_04.html
〔資料〕公的年金制度における年金記録管理問題の歴史的経緯 By 密田逸郎 2008年9月(PDF、全15頁) ※「厚生年金」は戦費調達、「国民年金」は財政投融資による長期年金資金の活用を目的としたもの
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/ss/sansharonshu/442pdf/03-02.pdf
〔資料〕年金積立金は、本当はいくら残っているのか? - 学習院大学教授・鈴木 亘のブログ(社会保障改革の経済学) 2012年3月29日
http://blogs.yahoo.co.jp/kqsmr859/36208916.html
〔資料〕マネーサプライ Money Supply(通貨供給量)/マネーストック Money Stock(通貨残高) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4
〔資料〕前島 密(1835−1919) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%8D%E5%B3%B6%E5%AF%86
〔資料〕内閣記録局 編『法規分類大全 運輸門之巻(1891年)』:第7 郵便局所・郵便区画線路・郵便為替・郵便貯金・飛信 - 近代デジタルライブラリー
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/994235
〔資料〕郵便貯金制度の歴史的意義〜大蔵省預金部資金の形成過程〜 By 伝田 功 1972年(PDF、全26頁)
http://libdspace.biwako.shiga-u.ac.jp/dspace/bitstream/10441/8402/2/KEIZAI%20SHIRYOKAN%20KIYO_005_001-026Z.pdf
〔資料〕藤沢利喜太郎の保険思想:12.簡易保険の創成と藤沢 By 小林惟司(PDF、全47頁)
http://www.jili.or.jp/research/search/pdf/C_90_1.pdf
〔資料〕明治期郵便貯金制度の歴史的展開〜大衆資金動員システム形成に関する試論〜 By 田中 光 2008年(PDF、全33頁)
http://jww.iss.u-tokyo.ac.jp/publishments/dp/dpj/pdf/j-170.pdf
〔資料〕日本人の貯金性向の淵源〜郵便貯金制度に着目して〜 By 岩崎浩之(PDF、全2頁)
http://www.soc.titech.ac.jp/publication/Theses2011/graduate/07-03463.pdf
〔資料〕高度成長期郵便貯金の発展とその要因〜郵便貯金増強メカニズムの形成を巡って〜 By 伊藤真利子(PDF、全18頁)
http://www.teipark.jp/display/pdf/research_01_06.pdf
〔資料〕安定成長期の郵便貯金〜郵便貯金増強メカニズムの変化とその要因〜 By 伊藤真利子(PDF、全16頁)
http://www.teipark.jp/display/pdf/research_02_05.pdf
〔資料〕バブル経済下の郵便貯金〜「90年ショック」を巡って〜 By 伊藤真利子(PDF、全24頁)
http://www.teipark.jp/display/pdf/research_03_05.pdf
※『郵政資料館 研究紀要』PDF資料一覧
http://www.teipark.jp/display/pdf/
(6頁へ続く)
(5頁からの続き)
■信用創造のカラクリ
≪≪さて、信用創造を行う為に必要な銀行が保有する預金額のパーセンテージ Percentage(百分率、百分比)を「預金準備率(支払準備率)」と言います。銀行はこの準備率に見合うお金を、日銀の当座預金に預けるよう義務付けられています。要するに、銀行が貸出を行う為の証拠金ということです。
準備率は、特に決った数式で導き出されるパーセンテージがあるわけではありません。その算定根拠はやはり希薄で、経済学の教科書では「準備率を仮に10%とする」という記述が見られるだけです。
余談ですが、中国人民銀行(中国の中央銀行)は当初、準備率を10%としていました。それが引き上げられ、今では13.5%になっています。資本主義を学びたてだった中国共産党は、準備率の決め方が分からず、教科書通りに信用創造を始めたということでしょう。
現在(いま)の日本の準備率はと言えば、定期性預金ならば、0.05〜1.2%、その他の預金なら0.1〜1.3%に過ぎません。驚くほど僅かな証拠金と言えます。
話を簡略化する為に、日本の全ての預金の準備率が1%だったと仮定しましょう。銀行は100万円を預かると、全額を日銀に預け、9900万円を借り手の口座に創設することが出来ます。つまり合計の預金残高は1億円になります。1%の準備率でマネーサプライは100倍に増えるのです。日本の現在の準備率は0.1%程度ですから、100万円の預金があれば10億円が創造されるということです。
これが、マネーサプライ Money Supply(通貨供給量)/マネーストック Money Stock(通貨残高)が増えるカラクリです。つまり、準備制度の下では、銀行は信用(つまり借りてから見ると借金)を元手の100倍や1000倍生み出すことが出来る、というのがマネーサプライのカラクリです。
と言うことは、例えば皆さんがマンションの購入に銀行から30年ローンで4000万円の借金をしたとします。この為には銀行は、元手として4万円から40万円の預金があればいいということです。バブルの崩壊は、担保としての不動産の価値が2分の1とか10分の1になることで起こりましたが、実際は100分の1とか1000分の1にならない限り銀行は損をしていないのです。
ですから、本来、銀行業に「不良債権」という概念は無いのです。
実際のところ、4000万円のローンでは、恐らく皆さんは毎月20万円とかの元利払いを30年間し続け、合計7300万円の総額を支払うことになるでしょう(金利4.5%の場合)。ところが、銀行は最初の元利払いが始まった時に元手は回収していて、その後の30年間は元手無しのボロ儲け状態が続くのです。これが準備制度のカラクリです。
いわゆる「不良債権」という概念は、単純に言えば日本の銀行を潰す為、もしくは日本のバブルを崩壊させる為に、わざわざ銀行に一般企業のような会計制度を導入し、借り手の返済能力の低いローンを不良債権と呼び、それが多い銀行は不健全であるとしたものです。
実際は借り手がローンの100分の1とか、1000分の1を返したところで全てのローンは不良債権ではないにも関わらずです。当時の日本政府が欧米の圧力により日本の銀行を潰し、欧米に譲り渡したのです。≫≫
■死に物狂いで働く日本人
≪≪このように、マネーサプライは信用の合計金額であり、借金の総額です。
日本はマネーサプライが増えているので良い状態だ、とコメントする経済評論家を時々見掛けますが、本来なら借金が増えて良かったと言う人はいないはずです。現代のマネー経済では、そうした嘘が巧く使われているわけです。
このようにマネーサプライは借金の総額ですから、世界中で21世紀の借金チャラ令が出た瞬間に、マネーサプライそのものが消滅します。
私が「経済をやめてしまって、マネーサプライなんかなくしてしまえ」とでも言おうものなら、「マネーサプライがなくなると、世界が潰れる。大変なことになりますよ」と、即座に激しい反論が返って来るでしょうが、本当にそうでしょうか。借金が無い世界のほうが、ずっと健全な世界のはずです。世界にしても、潰れることなどあり得ません。
単純に言えば、マネーサプライ増大の結果生れた、国の借金800兆円を返す為に我々は日々働いているのです。もしくは、マネーサプライ全体に対する本来存在する必要のなかった金利を返す為に我々は日々働いているのです。日本人の金融資産の合計は1400兆円と言いますが、逆に言えば、借金の合計が1400兆円ということでもあります。その金利負担は全て、直接、間接的に我々が負うのです。
しかしながら、「借金が大きいほど健全で、借金チャラのほうが恐ろしい世界である」と、どうしても思い込むような心理を作り上げてしまっています。
それは、お金の見掛け上の数字が大きければいい、という話に過ぎません。私達は、完全にそう信じ込まされているだけで、そうした洗脳がマネーサプライ制度の本質だということです。
支配者はリアリティを作る、という話を先に述べました。今日本を席捲している外資のハゲタカファンド、或いは投資銀行に勤め、「俺の年収は凄い」と自画自賛している日本人は、こうしたマネー経済の作られたリアリティの虜になり、更なる奴隷を生み出そうと死に物狂いで働いています。実際は、もしマネーサプライが無ければ、我々は遥かに裕福な生活をしているはずなのに、です。≫≫
〔資料〕準備預金制度:準備率と運用 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BA%96%E5%82%99%E9%A0%90%E9%87%91%E5%88%B6%E5%BA%A6
〔資料〕財政赤字、銀行、マネーサプライについて人々が知らない7つの真実 By Mike Adams - NaturalNews.com 2011年8月2日
http://rockway.blog.shinobi.jp/Entry/602/
■「勤倹貯蓄」が招く悲劇
≪≪その結果、何が起こるでしょうか。
郵便貯金で国債を購入し、その資金で財務省証券が購入されるというルートによってアメリカ財務省に吸い上げられた皆さんの郵便貯金が、FRBを通じてアメリカ国内の信用創造で何百倍にも膨れ上がり、その資金がハゲタカファンドに流れ込んで、日本の土地や企業を買い漁っていきます〔※『日本のゆくえアジアのゆくえ』より【図30・31・32A・32B・32C・33・34】『私物国家』より【日本人の個人金融資産(96年12月31日現在) 日銀統計】〕。
〔※補足〜「FRB」「FRS」という略称について:連邦準備制度 Federal Reserve System(FRS)、連邦準備制度理事会 Board of Governors of the Federal Reserve System(FRS)/Federal Reserve Board of Governors(FRB)、12の地区連銀である連邦準備銀行 Federal Reserve Banks(FRB)。尚、日経・CSISバーチャル・シンクタンクのウェブサイトでは、連邦準備制度理事会 Board of Governors of the Federal Reserve System(FRS)としている〕
銀行預金にしても同じことが言えます。元々日本人のお金だったものが、預金の運用先が海外金融商品になることでいつの間にか海外の投資家が自由に使える1000倍のお金に変わり、そのお金で日本人が持っている資産を持っていかれるわけです。つまり、お金も、日本に固有の資産も、奪われるのです。
例えば、仮に「自分の親は実家だけでなくもう一軒家を持ちそれを貸しているし、結婚相手の実家も同様だ。合計で4軒の家があり、将来的に自分達が暮らす不動産には困らない」というような人がいたとします。確かに、少子化と核家族化で、将来的に日本人が暮らす為のマイホームの絶対数が余る時代がやって来るかのように感じられますが、これは大いなる誤解と言わなくてはなりません。
何故なら、そのマイホームはその時既に外資の所有物になっているはずだからです。日本人がせっせと貯めた貯金が海外に流れ、それが100倍、1000倍になって日本に返って来て、そのお金で日本の土地や建物が買われている。それは近い将来起こることではなく、既に東京・六本木などで現実に起こっていることです。私達が貯蓄したお金が、まさにこのような結果を招いています。
このように、今起こりつつあることは、勤倹貯蓄に励んだことが、自分の資産をごっそり奪っていくという、極めて深刻な事態です。これ以上に屈辱的な奴隷化が、国際経済の中でかつてあったでしょうか。だからこそ、私は、貯金を即刻止めるべきだと言っているのです。≫≫
■国債の購入で預貯金は目減りする
≪≪日本を支配する薩長勢力の一部は、恐らくこのことを早くから理解していたはずです。
例えば、竹中平蔵(1951−)元大臣が推進した郵政民営化のスキームは、明らかに郵貯の丸取りプロジェクトだったと言えます。国民の目からが隠されていましたが、郵貯を民営化して、そっくりそのまま外資に持たせる、その意図が見え見えでした。つまり、2000年、日本長期信用銀行を外資に売った時と同じルールに則(のっと)ってやる、ということでしょう。
ところが、これにはさすがの官僚達も抵抗したのでしょう。独立行政法人の管理機構を作り、少なくとも貯金そのものを譲り渡すことはしませんでした。その為の法律まで作り、そこに「国債以外は買えない」と明記しました。
大したものだ、よくそこまで抵抗したよ、という感じですが、それは即(すなわ)ち「アメリカに郵貯を渡してしまったら絶体絶命だ」という裏事情を、図らずも雄弁に物語る抵抗でもあったわけですが。何しろ官僚の利権そのものである特別会計200兆円の原資を丸々持って行かれてしまうリスクを彼らがよく解っていたということです。
もう1つ、2007年3月期導入の新BIS規制に対しても、それが罠であることを感じ取ったのか、官僚達は少なからず抵抗しました。
新BIS規制に従うと、相場によって金利が変動する国債は、市中金利との逆ザヤが生じる可能性があり、リスク商品ということになります。だから、国債をも厳格に査定しなくてはならないということになるわけですが、それに対して官僚は「ゆうちょ銀行は、貸し出していないのでそのケースには当らない」と突っぱねようとしたのです。
その時の官僚の理屈は、こうです。
<
《新BIS規制がリスクと言う時、それは預金者保護を目的としている。貸し出しをする側のリスクだと解釈出来る。そうしてみると、郵貯は事実上、貸し出しをしていない。何故なら、郵貯は全て国の特別会計に組み入れられているからだ。お金を貸していない銀行であるゆうちょ銀行に、新BIS規制のリスク要因を当て嵌める必要はない》
>
郵貯は実際にはお金を貸し出しています。個人でも、郵貯からお金を借りることは出来るのですが、銀行のように人からお金を集めて、準備率で1000倍にも増やして貸し出すということは今のところやっていません。彼らは、それを強調したわけです。しかし、そんな理屈はいとも簡単に破られてしまいます。
第1に、そんな銀行が民間銀行になったら、直ぐ潰れます。銀行法により堂々と利用可能な準備制度を利用せず、また、預金利回りより有利な運用の出来ない銀行はアウトです。
第2に、論理がなっていません。貸出先にお金を貸していないことが問題なのではなく、新BIS規制では、預貯金が目減りするリスクを問題にしているのです。貸し出していようがなかろうが、リスクはリスクなのです。このことは次章で述べますが、国債を購入することで、実際預貯金は目減りするのです。
第3に、国債を購入するということは、国に貸し出しをしているということです。その日本という国は借金800兆円の債務超過の国です。貸し倒れリスク計算をするのは当然のことです。「ゆうちょ銀行は貸し出していないので、新BIS規制は当らない」という日本政府の言い分は子供騙しのレベルでBISには通用しないでしょう。
恐らく、政府官僚がこう発言したのは、これしかないという確信犯であったのだと思います。虚しいことに、こうした抵抗も、ゆうちょ銀行完全民営化までのささやかな抵抗に終ります。ゆうちょ銀行は今後2009年に株式上場というスケジュールを控えていますから、日本国債の暴落という問題は、時限爆弾として依然、時を刻み続けているわけです。
政府保証債と赤字国債の残高は、財務省のホームページではおよそ600兆円とあります。税収が50兆円に満たない国で、年々借金を増やしていながらこの残高です。返せるわけがありません。そしてそれは全て、日本国民の預貯金が買っている国債の総額です。決して日本国民が直接買っている国債の総額ではありません。
政府はここぞとばかりに個人向け国債をPRし、さも国民が買っているかのように見せ掛けています。国債を個人に引き受けさせてしまおうというスキームも既に俎上(そじょう)に上(のぼ)っています。今時、表面利率がせいぜい1%台の金融商品を買う個人など、何処を探してもいないのです。もしいたとしても、それは騙されてしまった一部の国民というに過ぎないのです。
郵政民営化と新BIS規制――。
この2つの仕掛けによって、ゆうちょ銀行の貯金がアメリカの財務省証券、もしくはアメリカの投資銀行が仕掛けた海外金融商品に換わる日は、もう直ぐそこです。そして、日本という国は、国債の消化が出来なくなり、国債相場の暴落の日をひたすら待つだけだと言えます。
そして何よりも、一般会計と特別会計合わせて実質300兆円という日本の国家予算の原資の3分の2である200兆円が無くなるということです。国家は破産し、民間は大不況となり、国民はハイパーインフレ Hyper Inflation に窮するでしょう。≫≫
■更なる奴隷国家へ
日本がIMF(国際通貨基金)の管理下に置かれることを、臆面もなく話題にする政治家や官僚も既に出始めました。確かにこのまま行けば遅くとも5年以内に、日本がIMF管理下に置かれることは、先ず間違いありません。日本はもはや債務超過であり、その問題を先送りすることも出来なくなりましたから、当然のことです。郵政民営化でこれが決定的になりました。
日本がIMF管理下に置かれるということは、政治的に独立国ではなかった日本が、経済的にも独立国ではなくなるということです。
その結果、既にIMFの管理下に置かれた韓国と同様、極端な外資の導入、企業の徹底的な再編が待っているということです。韓国はそうした社会、経済改革を行って一時はV字回復を遂げましたが、その後、数々の改革の矛盾に直面し、経済状況は悪化、雇用面でも大きな不安を抱えたまま、先の大統領選挙を迎えました。
日本の場合にも言えますが、財政破綻寸前の状況が露呈するわけですから、それが茨の道であることに間違いはないのです〔※『日本のゆくえアジアのゆくえ』より【図32A・32B・32C・34・47A・47B・47C・48・49・50A・50B】〕。
そこで、私達は何をどうすればいいのでしょうか?見せ掛けのマネー経済に踊らされる奴隷から、自らを解放する為に、次章ではこの問題をもう少し深く掘り下げてみましょう。
〔資料〕如何にして富が世界に貧困を齎すのか By Michael Parenti - Anti-Rothschild Alliance
http://rothschild.ehoh.net/material/12.html
〔資料〕貧困と飢餓が起こる真の原因構造(世銀が貧困と飢餓を拡大させた) - にほん民族解放戦線 2008年10月2日
http://blog.goo.ne.jp/nanbanandeya/e/21a36493c36282262689f2221bb30bf2
〔資料〕アジア通貨危機 Asian Financial Crisis - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A2%E9%80%9A%E8%B2%A8%E5%8D%B1%E6%A9%9F
〔資料〕韓国の経済どうなる?1〜IMFの介入により、外資に乗っ取られた国内企業・金融機関〜 - 金貸しは、国家を相手に金を貸す 2008年11月5日
http://www.financial-j.net/blog/2008/11/000724.html
〔資料〕韓国の経済どうなる?2〜紙幣を刷る中央銀行が赤字?〜 - 金貸しは、国家を相手に金を貸す 2008年11月20日 ※大手7行の株主保有構造
http://www.financial-j.com/blog/2008/11/000730.html
〔資料〕韓国証券市場 外国人の保有分が33.3%に上昇 - 聯合ニュース 2012年7月15日
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2012/02/10/0200000000AJP20120210000900882.HTML
http://d.hatena.ne.jp/vnasoinvro/20100808/1281254601
〔資料〕朴 槿恵(1952−) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%B4%E6%A7%BF%E6%81%B5
http://www.afpbb.com/article/politics/2888832/9234879
〔資料〕≪苫米地英人 著『現代版 魔女の鉄槌』 より抜粋(12)≫|MelancholiaT ※朦朧会見とIMF9兆円融資の真相、消費税増税―IMF=財務省
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11284541707.html
〔動画〕第180回国会 参議院予算委員会 第22回 2012年7月10日 森ゆうこ・国民の生活が第一議員の質疑 - YouTube [17分44秒] ※IMFへの融資額について
http://www.youtube.com/watch?v=l5HvhsYqLQg
〔資料〕日本の借金時計 - team-nippon 平山 誠
http://www.team-nippon.com/
〔資料〕野田総理(松下政経塾第1期生)は、IMFの要求通り消費税を上げる - 国際金融と日本 2012年4月1日
http://zaiseijapan.blog.fc2.com/blog-entry-208.html
〔資料〕消費税増税、IMFからのお墨付き? - 「生きる権利、生きる自由、いのち」が危ない! 2012年1月25日
http://ameblo.jp/hirumemuti/entry-11145542277.html
※消費税増税の先にあるもの
http://9300.teacup.com/donannto/bbs/1481
◇
〔資料〕インタビュー #251 新自由主義は、人間の尊厳をかえりみない By 斎藤貴男 - MAMMO.TV ※重要
http://www.mammo.tv/interview/archives/no251.html
〔資料〕≪斎藤貴男 著『消費税のカラクリ』 第3章 消費者が知らない消費税の仕組み、他 より抜粋(4〜11)≫|MelancholiaT ※小泉純一郎・竹中平蔵らによる「構造改革」の正体、竹中平蔵の正体、(対日)年次改革要望書、松下政経塾の正体、MRA、郵政民営化研究会、郵政選挙と広告代理店(BBDOとFleishman-HillardはロックフェラーのOmnicom Group Inc.傘下企業)、他
http://arsmagna2.jimdo.com/melancholiaT-roentgenium-資料保管庫-目次/
〔資料〕≪宋 鴻兵 著『通貨戦争―影の支配者たちは世界統一通貨をめざす』 より抜粋(20)≫|MelancholiaT ※郵政民営化「運用委託」
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11028633661.html
〔資料〕≪「対日年次改革要望書」とTPP:日本語翻訳 PDFファイル(1996年〜2011年)≫ ※東北大震災、福島原発事故、TPP、余りにも出来過ぎた一連の流れ、【国会質疑の中で取り上げられた「(対日)年次改革要望書」 両院会議録記述一覧(43件)】
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11066706411.html
〔資料〕売れない米国債を購入したゆうちょ銀行 - 世界の真実の姿を求めて!2010年7月15日
http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/130.html
http://members.jcom.home.ne.jp/u33/i%20think%20091123urenai%20beikokusai.htm
〔資料〕≪広瀬 隆 著『赤い楯』 第4章 最後の隠れ家:5「スイス銀行の金庫」、他 より抜粋(21〜22)≫|MelancholiaT ※The Basel Club、日本を“狙い撃ち”した「BIS規制」の嘘、他
http://arsmagna.jimdo.com/melancholiaT-roentgenium-資料保管庫-目次/
〔資料〕竹中平蔵「日銀は変化球やめ国債購入の直球投げよ」 vs. 白川方明「際限ない国債買い入れは制御不能なインフレ招く」 - 園田義明めも。 2012年4月22日
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2012/04/22/6421833
〔資料〕やさしいデリバティブ 目次 - 知るぽると 金融広報中央委員会
http://www.shiruporuto.jp/finance/kinyu/deriv/index.html
〔資料〕国際決済銀行 Bank for International Settlements(BIS):BaselUAccord(新BIS規制) - Wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Bank_for_International_Settlements
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E6%B1%BA%E6%B8%88%E9%8A%80%E8%A1%8C
〔資料〕Banking:The Basel Club - TIME 1963年6月23日
http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,839561,00.html
〔資料〕Google books - 東谷 暁 著『BIS規制の嘘―日本と世界の金融危機を招いた元凶』(PHP研究所 2009年刊行)
http://books.google.co.jp/books?id=wF2iDgVM3BIC&printsec=frontcover&hl=ja&source=gbs_ge_summary_r&redir_esc=y#v=onepage&q&f=false
〔資料〕≪苫米地英人 著『洗脳支配―日本人に富を貢がせるマインドコントロールのすべて』 より抜粋(1)≫|MelancholiaT ※添付資料全般。日経・CSISバーチャル・シンクタンク―FRS・CIA、消費税増税の先にあるもの、経団連の政策提言、法人税の減収額と消費税税収の推移、他
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11279468141.html
〔資料〕外国人持ち株比率ベスト100 999銘柄(常時更新) - StockWeather 個人投資家向け投資・株式情報 ※外国人持ち株比率が高く、法人税もろくに納めない経団連のグローバル企業は“日本企業”と呼べるのか?
http://www.stockboard.jp/flash/sel/?sel=sel533
http://stockboard.jp/flash/ranking.html
◇
(7頁へ続く)
(6頁からの続き)
〔苫米地英人 著『洗脳支配―日本人に富を貢がせるマインドコントロールのすべて』 第4章 経済で行われる洗脳テクニック より P.138−P.190〕
■銀行に現金は無い
≪≪通帳に1000万円、2000万円と記載されているので、「私の1000万円、いま欲しいんだけど」と銀行の窓口で申し出ても、現金は絶対に下ろせません。無い、のです。
私は幾つかの会社を経営してます。その為、1000万円クラスの取引をしなくてはならないことがありますが、当日に現金が必要になっても、絶対に無いのです。その時、銀行員が言う言葉は「最低でも前日に仰(おっしゃ)って下さい」。
給料日の集中する毎月25日など特別な日は、さすがに銀行も現金を用意しています。しかし、如何に都市銀行と言えども、普段の日にそれを期待しても無駄なのです。「前日にお知らせ頂ければ・・・・・・」と言うのであれば、「私の普通預金、いつから通知預金になったんでしょう。当然、利率は通知預金のほうが高いんですよね」と一発かまして、利率の変更を要求しなくてはならないような事態です。
つまり、1000万円と言っても、口座にそれが「入っている」のではなく、通帳に1000万円と「書いてある」だけのことなのです。
皆さんが5000万円のローンを組んで不動産を買うとします。銀行は不動産に抵当権を設定する手続きを行い、皆さんの通帳に5000万円と数字を書きます。これで5000万円の借金が生れます。それを銀行小切手か振り込みで売り手の口座に入金するわけですが、その時も売り手の通帳に5000万円という数字が印字され、皆さんの口座の数字がゼロになるわけです。この間、現金は一度も動きません。
5000万円の現金を下ろすことなどありませんが、それを紙で行おうとした場合、銀行手形か小切手です。便利かも知れませんが、それは現金ではなく、ただ5000万円と書いてある紙っぺらです。それを何処かに持って行って、相手に渡す。この間、現金である円は一度として動かないのです。もちろん、現金振り込みでも同様です。
何故、こんなことを述べるかと言うと、現金は無い、そのことを強調する為です。現金は実際、そんなに無い、のです。
■マネーサプライとGDP成長の嘘
このことは、マネーサプライ Money Supply(通貨供給量)/マネーストック Money Stock(通貨残高)の実態を如実に表している現象だと考えます。
マネーサプライは、信用の合計であり、借金の合計です。ですから、バーチャルにどんどん増えていきます。通帳に書いているだけで、マネーサプライは伸びるのです。つまりマネーサプライは、物理空間ではなく、情報空間の概念ということです。対して、よく問題にされるGDP(国内総生産)は、物理空間における生産の増大を表す概念です。
普通は、マネーサプライとGDPの伸びは相関関係にあり、GDPの成長に伴ってマネーサプライも伸びるとされています。私達の通帳に書いてある数字、つまり貯蓄についても、それが伸びるとGDPの成長に大いに貢献すると解釈されているわけです。
ところが、ここに嘘があるのです。
GDP成長の源泉は、生産性の向上もありますが、基本的に人口が増えないことには成長を続けることが出来ません。実際、自殺により年間1兆円のGDPが失われているという統計があるくらいです。日本は、今後100年以上にわたる人口減少社会に突入していますから、GDPは基本的にマイナス成長です。
かつて、日本が経済成長を更新し続けていた時、度々問題にされながらも、インフレは国民生活を致命的に圧迫することはありませんでした。何故なら毎年、インフレに見合うような賃上げが必ず行われ、その度に国民は胸を撫で下ろすことが出来たからです。もちろん、当時にしても、インフレ率を完全にカバーするだけの収入増が齎(もたら)されたはずはないのですが。
現代はどうかと言うと、収入は一部の大企業を除いて低く抑えられ、賃上げについても、永らく据え置かれている状態です。そういう中で、インフレだけは進行しています。日本は運良くGDPが成長している為、この実感が急激には感じられていないだけです。
つまりマネーサプライは、GDPの伸びとは無関係に生み出されているということです。ですから、マネーサプライが伸びているか、伸び悩んでいるかでは、経済の好不調は測れないわけです。
私はよく、マネーサプライなんかやめてしまえ、と言っています。その理由は、1つには既にマネーサプライがGDPの成長に役立たなくなっていること、もう1つはマネーサプライという概念がいつまでも大手を振って罷(まか)り通っているからこそ、国民の悪戯(いたずら)な貯蓄行動を助長することになると考えるからです。
貯蓄が自分で自分の首を絞める結果を齎(もたら)すということについては、既に書いた通りです。≫≫
■個人資産はインフレと共に目減りする
≪≪また、貯蓄が内包する、次のような重大問題も指摘しておかなければなりません。
それは第一に、貯蓄は必ず目減りするものだ、ということです。何故ならば、インフレは基本的に続くものだからです。少々抽象的な話になりますが、その理由を簡単に説明してみましょう。
経済用語に「限界効用」という言葉があります。これは元々効用(財やサービスを手に入れた時の満足感のこと)を追及していくと、どんどんその効果が薄れ、終いにはそれ以上手に入れても満足感が増さなくなる状態になることを指している用語です。経済学では、こうした効果のことを「限界効用逓減(ていげん)の法則」と呼んでいるわけです。
この限界効用を資源投入とそれによる利得の効用関数の限界性として一般化してみれば、物理空間で起こることには全て、限界効用というものがあります。
GDP(国内総生産)は物理空間で測られますから、GDPの伸びが鈍化する、或いはマイナス成長にあるということは、限界効用逓減の法則が働いていることの、1つの表れということが出来ます。
一方、インフレ率は、マネーサプライ Money Supply(通貨供給量)/マネーストック Money Stock(通貨残高)と同じ、情報空間の概念です。何故なら、財やサービスの値段が上がることは、そこに書いている値札の数字が大きくなるだけのことだからです。
情報空間の問題であるインフレ率については、情報空間に属する全てのものと同様、資源投入の利得関数としてみれば、限界効用が働きません。インフレはそれに関係なく、どんどん高進する性格を持っているのです(ここでの限界効用とは経済学で言う満足度のことを言っているのではなく、インプットに対するアウトプットの利得関数の性向のことです)。
90年代後半から2000年代前半にかけて、日本経済はデフレという異常事態を迎えました。この時ばかりはお金の価値が上がり、それが消費を先延ばしにすると問題視されました。ですが、いま振り返ってみると、消費者物価はそれほど下がったとは言えません。地価は下がりましたが、それは収益に見合う地価へと価格の調整が行われただけのことです。そして、その後、じわじわとインフレが進んでいます。
更に危ないことに、今、原油の高騰に端を発したスタグフレーション Stagflation の兆しが世界中で生じています。
スタグフレーションというのは、GDPがマイナス成長であるにも関わらず、インフレ Inflation(通貨膨張、物価上昇)が進む、大不況のことです。こうなると、原材料が軒並み高騰し、企業は悲鳴と共に価格転嫁を行って、そうした価格上昇が更に消費を冷やします。現代のスタグフレーションは、物理空間のGDPと、情報空間のインフレ率という、両者の性格の違いから生み出されるものだと言うことが出来ます。
そうした経済状況の中で、今あるとされる日本人の金融資産1400兆円が、マネーサプライの増大に一役も二役も買っています。これは借金の総額であり、通帳に書いてあるだけの数字にも関わらず、です。
そして、この1400兆円は、インフレの進行と共にどんどん目減りしていくのです。国民の貯蓄指向を煽ることで、確かに1450兆円になり、やがて1500兆円になることでしょう。それ故に、私達は、自分達の金融資産が増えていくような錯覚に囚(とら)われます。しかし、貨幣価値で計算すると、1万円で買えたものが1万1000円になり、やがて1万2000円になり、私達の預貯金は価値を少しずつ減らしているのです。
私達が貯蓄に励めば励むほど、私達の資産はマネーサプライの指数的な桁違いの増大により、インフレと共にどんどん目減りします。これが紛れもない現実です。美徳とされ、私達が励んできた貯蓄は、皮肉なことに、すればするほど時間と共にどんどん減っていくという結果を招くわけです。≫≫
■政府は国民の貯蓄を毎年使い切っている
≪≪更に、貯蓄は私達を裏切ります。何故なら、預貯金として貯蓄したお金は、実は丸ごとそっくり税金として持って行かれ、もはや返って来ることがないからです。
「そんなおかしな話は無いでしょう」という人は、政府の特別会計予算のことを思い出して下さい。それは郵貯のお金と、国債購入に充てられた銀行の預貯金から拠出されたお金です。その全てが、国民が預けたお金なのです。
日銀の2005年度の数字では、郵貯年金掛け金等の政府系預貯金が40.5%、日銀が14%、民間銀行が32.7%、外国人保有が3.8%、その他1.3%が国債の保有者の内訳です。これがそのまま特別会計の出所のブレークダウンと言っていいでしょう。つまり、全体の約9割は皆さんの預金や年金掛け金なのです。
私達の多くは、そのお金がまだ銀行に残っていると思い込まされています。ですが、政府は特別会計予算として、使い切ってしまっています。私達の通帳に書き込まれた数字が消されることはない為、まだその金額が残っているように感じることでしょう。ですが、それはもう現金としては銀行口座に無いのです。
このことは、日本国債を購入する代金として支払ったお金もそうですし、年金保険として支払ったお金もそうです。将来の為として、私達が金融機関に預け、払い込むお金は、全て政府に吸い上げられ、その年の内に返す必要の無いお金として使われてしまうのです。
何故、返す必要が無いのでしょうか。答えは簡単、インフレが続くからです。
国は消費者物価指数 Consumer Price Index(CPI)という統計で、物価は横這いか下がっているように主張しますが、これはパソコンやデジカメのように同性能のものが毎年半額ぐらいになっているものの数字を巧く組み合わせているからです。
実際、全てのモノの価値のベースとなる原油価格(モノを作るのに必ずエネルギーが要る為)は2002年の20ドル/バレルCIF価格が2007年には80ドルと5倍になっています。毎年32%の価格上昇率です〔※CIFはCost, Insurance and Freight(価格と保険料と運賃)の略であり、輸出業者が貨物を荷揚げ地の港で荷揚げするまでの費用を負担し、一方で荷揚げした以降の費用は輸入業者が負担するという貿易の取引条件のこと〕。
インフレが続く限り、借り手である政府から見れば、それは毎年毎年、刻一刻と目減りしていきます。私達がこのカラクリに気付くまでに、目減りが目減りを呼んで、借金の額はやがてゼロに近付きます。例えば、実質7%のインフレが30年続けば国の借金は10分の1になります。
特別会計予算が、一般会計に比べて随分大きいことを、不思議に思ったことはないでしょうか。郵貯や簡保の資金が、必要も無く誰も利用しない保護施設の、巨額の建設費に使われることに、疑問を感じたことはないでしょうか。それが建設費の10分の1、或いは100分の1という破格の値段で外資に払い下げられることに、カラクリの存在を感じ取ったことはないでしょうか。
そのようなことが平然と行われるのは、全てそれが返済する必要が無い国民の貯蓄を使って建てたものだからなのです。彼らはそれが分かっているからこそ、性懲りも無く、次から次へと、相も変わらず同じことを繰り返すのです。そのカラクリを知らないのは、一般の国民だけなのです。≫≫
〔資料〕統計データ:消費者物価指数(CPI) - 総務省 統計局・政策統括官・統計研修所
http://www.stat.go.jp/data/cpi/index.htm
■ブラジル国債に纏(まつ)わるヤバイ噂
一度国民の懐から離れ、金融機関や政府の下に入ったお金は返済をする必要が無い、ということは、支配者達にとって常識中の常識です。
私達国民は、こんな単純なカラクリの種明かしさえ、教えて貰うことが出来ません。同じ仕組みを使ったファイナンスは、新聞の一面、或いは経済面のトップニュースになるような場合さえありますが、国民の多くはそれを読んでもピンと来ないよう、思考力を奪われているのです。
例えば、ブラジルが通貨危機に陥り、その衝撃波が各国経済に深刻な影響を与えようとしていた1999年1月、宮澤喜一(1919−2007)蔵相は、次のようなウルトラCを編み出しました。
それは、G7(先進7カ国)に対して行った、「ブラジルに担保があることにして、みんなで経済立て直しの資金を出しましょう」という提案でした。担保の無いブラジルに対して、無いはずの担保を元に、資金を貸し出すのです。
実際は償還期限が付いたブラジル国債が発行され、それと引き換えに、各国が協調融資をしました。その国債が償還されたという話は、寡聞にして聞きません。最初から、返して貰うことを前提にしていない融資だったわけです。そのお蔭で通貨危機から立ち直り、経済のエンジンが動き始めたブラジルは息を吹き返しました。その後、同様なスキームが各国で行われています。
噂に過ぎませんが、こうして各国が発行した本来期限付きの国債は、全部ニューヨークのワールドトレードセンタービル(WTC)〔※―David Rockefeller, Sr.〕に集められており、あの9.11で燃えてしまったとも囁かれています。
〔※補足:三極委員会メンバーの中で日本側の委員長も務めた宮澤喜一は、三極委員会設立後、翌1974年外相、77年経企庁長官、80年官房長官、86年蔵相、87年副総理兼蔵相を歴任し、91〜93年の3年間首相となり、首相退任後も98年小渕内閣で蔵相、2000年森内閣で蔵相と財務相を務めた。
ちなみに、小泉純一郎(1942−)は宮澤内閣で郵政大臣(1992〜1993)に就任している。本人は郵政民営化をあくまで持論と主張しているが、この頃には既にエージェント化していたものと考えられる。
首相だけでなく、これだけ繰り返し経済担当大臣を務めた政治家は稀であり、宮澤が活躍した時代、つまり三極委員会が設立されて以後の日米関係は、より一層アメリカ主導になった。
85年プラザ合意、89年ブッシュ父大統領 George Herbert Walker Bush(1924−)の提案による日米構造協議、93年宮澤首相・クリントン大統領間で日米包括経済協議が開始されたが、首脳会談を行う宮澤喜一とビル・クリントン William Jefferson “Bill” Clinton(1946−)の2人は、共に三極委員会メンバーだった。翌94年から、米国による(対日)年次改革要望書という命令書が毎年送られてくるようになった〕
その話はともかく、この時日本から拠出されたのは、日本国民が貯蓄したお金です。私達はそのことに殆んど気付いていませんが、要するに私達の預貯金が日本政府によって勝手に使われ、それは間違いなく、決して戻って来ることはないということです。
政府にとって私達の預貯金は、ことほど然様(さよう)に、使ったら使いっぱなしで済むお金です。政府にとって私達の預貯金は、取れるだけ取ればそれでいいという性格のお金になっているわけです。預貯金は、まさに税金である、と言えます。
〔資料〕9月11日「世界が変わった日」:キャンター・フィッツジェラルド証券の惨状、他 - 大和インベスター・リレーションズ(大和証券グループ) 2001年9月21日
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〔資料〕Cantor Fitzgerald L.P. - Wikipedia
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〔資料〕松藤民輔(1955−) - Wikipedia
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〔資料〕カジノでポーカーに興じるスパイ、カジノと化した金融市場 - ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報 2006年12月3日 ※エンロン事件―9.11
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〔動画〕第180回国会 参議院予算委員会 第22回 2012年7月10日 森ゆうこ・国民の生活が第一議員の質疑 - YouTube [17分44秒] ※IMFへの融資額について
http://www.youtube.com/watch?v=l5HvhsYqLQg
〔資料〕日本の借金時計 - team-nippon 平山 誠
http://www.team-nippon.com/
■サブプライムローン問題に潜む「闇」
政府がこうですから、金融機関もお金というものに対して似たり寄ったりの考え方を取るのは必然と言えます。
金融機関は、政府とは逆に、返ってこないお金であっても貸し出したいと常々考えています。準備制度の下では本当は、金融機関にとって、貸し出しが返済されるかどうかという問題は、実は大した問題ではないのです。
例えば、バブル崩壊で破綻した日本債権信用銀行や日本長期信用銀行の蓋を開けてみると、裏には「飛ばし」の山が築かれていました。「日債銀、長銀はけしからん」とばかり、両行が特別に悪いことをしたかのようにマスコミはバッシングしましたが、銀行経営者からすれば、そのくらい当り前、政府に破綻させられなければ問題にならないことなのです。
このことは、サブプライムローン(低所得者向け住宅ローン)問題を見ても明らかです。米国で始まったサブプライムローン問題が全世界の景気に大きな被害を与えていることは、新聞などでも報道されていますが、これがどういうものかをよく分かっている人は少ないのではないでしょうか。
元々サブプライムローンというのは、本来は銀行貸付の対象にならない返済能力が低い低所得者向けの、特に住宅向けローンを中心とした抵当権設定方ローンのことです。このローンの債権(ローン担保証券)が、米国投資銀行流の複雑な経路で全世界に金融商品として販売され、それらの価格暴落からサブプライムローン問題が全世界に波及しているというレベルの知識は、何となく持っている人も多いのではないでしょうか?
この問題は本書が問題としている信用創造の問題の本質と深く関わっているので、少し詳細に解説します。
本書をここまで読まれた皆さんは、「何で返済能力が無い人に最初に銀行が貸し付けたのか?」という一般の人の疑問はもはや持たないと思います。連邦準備制度の下で、預金を何千倍、な何万倍にもして貸付金を創造出来るので、米国の銀行にとっては1兆円オーダーの資金は簡単に生み出すことが出来、それが返済されなくても一向(いっこう)に構わないのです。
ただ、それだけでは注(つ)ぎ込んだ資金に対する回収は、低所得者の元利払い金の回収によって行われるわけで、利益が生み出されるのに時間が掛かります。
また、元々融資不適格の借り手に貸しているので、1年ぐらいで直ぐ破産してしまう人が出てしまう為、もっと旨みのある金融商品で、世界最大級の銀行達が手っ取り早くボロ儲けをしたのがサブプライムローンです。
〔資料〕銀行という名の搾取システム - Anti-Rothschild Alliance
http://rothschild.ehoh.net/main/04.html
〔資料〕日本人が知らない 恐るべき真実 目次 - Anti-Rothschild Alliance
http://rothschild.ehoh.net/truth/part1/find.html
〔資料〕日本人が知らないニッポン - THINKER
http://www.thinker-japan.com/thinkwar.html
〔資料〕Richard A. Werner著『知れば知るほどコワくなる!日本銀行24のヒミツ―不況をつくり、悪化させたのは日銀だった!』(実業之日本社 2003年刊行)
http://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-62645-1
http://rothschild.ehoh.net/material/new_05f.html
〔資料〕≪斎藤貴男 著『消費税のカラクリ』 第3章 消費者が知らない消費税の仕組み、他 より抜粋(8)≫|MelancholiaT ※Lazard Frères&Co.―澄田 智、プラザ合意(1985年)、バブル経済の責任者は誰か
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11215981112.html
〔資料〕≪斎藤貴男 著『消費税のカラクリ』 第3章 消費者が知らない消費税の仕組み、他 より抜粋(4〜11)≫|MelancholiaT ※小泉純一郎・竹中平蔵らによる「構造改革」の正体、竹中平蔵の正体、(対日)年次改革要望書、松下政経塾の正体、MRA、郵政民営化研究会、郵政選挙と広告代理店(BBDOとFleishman-HillardはロックフェラーのOmnicom Group Inc.傘下企業)、他
http://arsmagna2.jimdo.com/melancholiaT-roentgenium-資料保管庫-目次/
〔資料〕日本債券信用銀行 - Wikipedia ※旧・朝鮮銀行、現・あおぞら銀行
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%82%B5%E5%88%B8%E4%BF%A1%E7%94%A8%E9%8A%80%E8%A1%8C
〔資料〕≪NHKスペシャル『圓の戦争』 より文字起こし≫|MelancholiaT ※「預ヶ合」
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11287692118.html
〔資料〕日本長期信用銀行 - Wikipedia ※現・新生銀行(外資系普通銀行)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E9%95%B7%E6%9C%9F%E4%BF%A1%E7%94%A8%E9%8A%80%E8%A1%8C
■巨大銀行が仕掛けた一大ボロ儲けゲーム
かつてはグラススティーガル法 Glass-Steagall Act(1933年銀行法)というのがあり、米国では銀行と証券の垣根がしっかりとありました。米国流の言い方では、商業銀行と投資銀行です(投資銀行というのは法人相手の証券会社のことで、準備制度における銀行とは違います)。
商業銀行が証券業を行うことで不当な利益を生み出すことを禁ずる為、1933年に商業銀行の有価証券引き受け業務をグラススティーガル法が禁じてから、この2つは完全に分離されていたので、このように分かれていたのです。
1999年にグラム・リーチ・ブライリー法 Gramm-Leach-Bliley Act(1999年金融サービス近代化法)〔※―Citibank(Rockefeller)〕が制定され、その垣根が撤廃されることにより、現在では、例えばシティグループのように、米国の巨大商業銀行が投資銀行を次々と買収し、また巨大投資銀行も商業銀行を買収して、という金融業界の一大再編がこの10年間米国で繰り広げられました。
その結果、アメリカの超大手金融企業は、商業銀行部門と投資銀行部門の両方を持っています。日本でもかつては4大証券と言われた日興證券がシティグループに買収されたことは記憶に新しいでしょう。これら超大手金融企業群が仕掛けたのがサブプライムローン派生金融商品 Subprime Derivatives です。
これは、準備制度で預金額の何千倍もの資金を創出して貸し付ける商業銀行部門と、その債権を証券化して全世界に売りまくる投資銀行部門が両輪となって繰り広げた、まさに資本主義そのものと言える、世界を相手にした一大ボロ儲けゲームです。
1933年のグラススティーガル法は当時、銀行顧客を利用した有価証券引き受けが不正の温床だったので、これを取り締まる為に制定されたのですが、これが1999年に経済最優先のクリントン政権(1993〜2001年1月20日)下で解除され、結局、1930年代の米立法府が問題としたことが世界規模で行われるようになったのがサブプライム金融商品です。
ただ、1933年とは違い、現在は米巨大銀行の商業銀行部門が直接サブプライム住宅ローン貸し付けをすることはなく、また、ローン債権の証券化も、間に何重にもブローカーが入り、その後ろにFRBの株主達でもある世界トップクラスの同じ巨大銀行の投資銀行部門が隠れていることは見えなくなっています。
〔※補足〜「FRB」「FRS」という略称について:連邦準備制度 Federal Reserve System(FRS)、連邦準備制度理事会 Board of Governors of the Federal Reserve System(FRS)/Federal Reserve Board of Governors(FRB)、12の地区連銀である連邦準備銀行 Federal Reserve Banks(FRB)。尚、日経・CSISバーチャル・シンクタンクのウェブサイトでは、連邦準備制度理事会 Board of Governors of the Federal Reserve System(FRS)としている〕
と言うよりは、これらの巨大銀行は、サブプライムローン問題の被害者であるかのように振る舞い、問題を連邦住宅抵当公庫などのせいにしているのです。
メディアもそう報道しています。メディアがそういう報道をしてしまうのは、彼らにサブプライムローン問題の解説をする有識者達自身が、これら巨大商業銀行や投資銀行の関係者だからです。彼らが自分達の非を認めたり、何と言ってもこれらのカラクリを自ら解説することはあり得ないからです〔※『地球のゆくえ』より【図2・系図16-1・16-2】『赤い楯』より【系図76-1・76-2・76-3】〕。
〔資料〕Glass-Steagall Act(1933年銀行法) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%83%AB%E6%B3%95
〔資料〕Gramm-Leach-Bliley Act(1999年金融サービス近代化法) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%83%BC%E6%B3%95
〔資料〕第3章 国際金融資本に支配される世界:外国資本が所有する米国中央銀行FRB - 日本人が知らない 恐るべき真実
http://rothschild.ehoh.net/truth/part1/03/part1_34.html
〔資料〕≪苫米地英人 著『現代版 魔女の鉄槌』 より抜粋(10)≫|MelancholiaT ※添付資料全般
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11279468141.html
〔資料〕G. Edward Griffin著, 吉田利子 訳『マネーを生みだす怪物―連邦準備制度という壮大な詐欺システム』(草思社 2005年刊行)
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%82%92%E7%94%9F%E3%81%BF%E3%81%A0%E3%81%99%E6%80%AA%E7%89%A9-%E2%80%95%E9%80%A3%E9%82%A6%E6%BA%96%E5%82%99%E5%88%B6%E5%BA%A6%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E5%A3%AE%E5%A4%A7%E3%81%AA%E8%A9%90%E6%AC%BA%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0-%E3%82%A8%E3%83%89%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%B3/dp/4794214545
〔動画〕『資本家の陰謀(1972年)』 By G. Edward Griffin 1〜5 - YouTube [47分12秒]
http://www.youtube.com/watch?v=hy3tPen4saM
http://www.youtube.com/watch?v=DqV3ASrKM20
http://www.youtube.com/watch?v=zUVuebhwapo
http://www.youtube.com/watch?v=vb4-Hbu9h2Y
http://www.youtube.com/watch?v=RGHI0AuYf3Q
〔動画〕NHKスペシャル「ユーロ危機 そのとき日本は」(2011年11月23日放送) - 优酷 [49分26秒] ※分断化された被支配層(借金奴隷牧場としての国家) 対 国際談合や閨閥による支配層(グローバル企業群・国際金融資本)、新自由主義の名の下に財産と権利を搾取する仕組み
http://v.youku.com/v_show/id_XMzI2NTg3NDUy.html
◇
〔資料〕イングランド銀行:世紀の大犯罪=LIBOR不正操作事件 - nueq lab 2012年7月13日
http://nueq.exblog.jp/18597231
〔資料〕銀行間取引金利 不正防止策を検討 全銀協「東京も対岸の火事でない」 - SankeiBiz 2012年7月11日
http://www.sankeibiz.jp/business/news/120711/bse1207110503002-n1.htm
〔資料〕Richard A. Werner著『知れば知るほどコワくなる!日本銀行24のヒミツ―不況をつくり、悪化させたのは日銀だった!』(実業之日本社 2003年刊行)
http://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-62645-1
http://rothschild.ehoh.net/material/new_05.html
〔資料〕≪苫米地英人 著『利権の亡者を黙らせろ―日本連邦誕生論』 より抜粋(3)≫|MelancholiaT ※FRS―日経・CSISバーチャル・シンクタンク(1頁添付資料を参照)、中央銀行に関する添付資料多数
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11253445914.html
◇
〔資料〕英連邦 Commonwealth of Nations - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%E9%80%A3%E9%82%A6
〔資料〕英連邦王国 Commonwealth Realm - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8B%B1%E9%80%A3%E9%82%A6%E7%8E%8B%E5%9B%BD
〔資料〕イギリスの海外領土 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%81%AE%E6%B5%B7%E5%A4%96%E9%A0%98%E5%9C%9F
〔資料〕Large World Map|World Political Map ※英国中心(Standard)の世界地図
http://www.mapsofworld.com/world-political-map-large.html
〔資料〕William and Kate:The Big Cover-up By Grace Powers 2011年4月20日
http://www.helpfreetheearth.com/news305_wedding.html
http://satehate.exblog.jp/16314762
〔資料〕ロンドンとローマに於いて…ベルテーンの儀式 - David Icke in Japan 2011年5月8日
http://www.davidicke.jp/blog/20110508/
〔資料〕フランス革命とゴールドシュミット・ロスチャイルド+「完全犯罪」 By William Guy Carr - さてはてメモ帳 Imagine&Think! 2011年5月16日
http://satehate.exblog.jp/16338644
◇
(8頁へ続く)
(7頁からの続き)
■サブプライムローン問題のカラクリ
では、このカラクリを見てみましょう。例えば、2007年4月に破産法第11条(チャプター11)の申請を行ったサブプライムレンダー〔※サブプライムローン金融業者。lender:貸し手、金貸し〕、第2位のニュー・センチュリー・フィナンシャル社 New Century Financial Corporation の例で見てみます。
サブプライムレンダーは、住宅ローンの直接的な貸し手です。ニュー・センチュリー・フィナンシャル社の場合は、その住宅ローン貸付金の金主として、クレディ・スイス Credit Suisse AG〔※『赤い楯』より【4大帝国のトンネル・スイス・系図84-1・84-2・スイスの暗黒部】〕やシティグループ Citigroup〔※―Citibank(Rockefeller)〕などの超大手銀行から資金を借り入れていました。
直接の融資もありますが、間接的に巨大な資金が投入されています。この間接的な資金投入の経由ルートとしては、日本でも名前をサブプライムローン問題で聞くことがある連邦住宅抵当公庫 Federal National Mortgage Association(FNMA、通称:ファニー・メイ Fannie Mae)などの政府系機関があります。
例えば、2003年10月にはシティグループは連邦住宅抵当公庫に子会社を通じて1000億ドル、つまり、10兆円オーダーのサブプライム貸付枠を設定しています。
このように、民間銀行からではなく、低所得者や社会的弱者を福祉的に補助する公的ローンに見えるカラクリが先ず組まれています。実際は公的資金が福祉として注(つ)ぎ込まれているのではなく、民間銀行が資金を注ぎ込んでいるのです。これは、準備制度で民間銀行は幾らでも資金を生み出せるので、回収不能になっても痛くも痒(かゆ)くもないからというのは先に説明した通りです。
よく誤解されているのは、日本では住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)の「フラット35」などの商品名で知られるローン債権証券化金融商品は、元々民間銀行が持っているローン債権を支援機構が買い上げ、証券化するという逆向きの資金の流れであり、その意味で安全な商品だということです。
どうやら日本のデイトレーダー達は、サブプライム金融商品をこういったものと勘違いして被害に遭ったようです。
■資本主義ゲームの大技
もちろん、これら超巨大銀行にとっては借り手が最初の月に元利払いをした瞬間にボロ儲けなのですが、これだけでは大きな稼ぎを得るには時間が掛かります。
これら超巨大銀行は、見掛けの利益を徹底的に膨らませることで時価総額を巨大化し、競争相手を吸収合併するという弱肉強食の世界にいます。幾らでもお金を生み出せる特権を持っている民間銀行は幾つもあるので、それら導師で更に熾烈な、食うか食われるかの戦いが繰り広げられています。そしてこの資本主義のゲームは果てしなく続いているのです。
そこで、彼ら、弱肉強食の勝者達が生み出した技は、こうして貸し付けられたローン債権を金融商品にして全世界に売ることです。これで短期で高利益を生むことが出来ます。
もちろん、直接には行いません。この為に金融工学を利用して複数のローン債権を組み合わせ、貸し倒れリスクを複雑にヘッジした変動金利型高利回り金融商品を作るACAキャピタル・ホールディングス社 ACA Capital Holdings Inc(ACAH)のような専門企業が経由されます。
こうして、複数の住宅ローン担保を組み合わせて証券化した変動利回り金融商品が生み出され、これが、シティグループ Citigroup〔※―Citibank(Rockefeller)〕の投資銀行部門、メリルリンチ Merrill Lynch〔※現・Bank of America Merrill Lynch〕、ゴールドマン・サックス Goldman Sachs、リーマン・ブラザーズ Lehman Brothers、モルガン・スタンレー Morgan Stanley などの超巨大投資銀行を経由して世界中に金融商品として販売されました。
〔※『地球のゆくえ』より【系図1・2-1・2-2・3・図2】、他『赤い楯』より【系図1〜10・21〜30・31〜40・41〜50・51〜60・61〜70・71〜80・81〜85】『ロマノフ家の黄金』より【系図1〜10・11〜20・21〜30・31〜41】『アメリカの経済支配者たち』より【図1〜4】〕
実際にこれらの企業は全てニュー・センチュリー・フィナンシャル社の破産法申請時の債権者として名前が出ている企業です。
また、これらの巨大投資銀行が全世界に金融商品として引き受ける前に、ローン債権は複数のブローカーを経由していますので、超巨大金融企業の、自身の商業銀行部門が仕掛け、自身の投資銀行部門が全世界に販売するという図式がそう簡単には分からなくなっています。まさにグラススティーガル法が本来禁止したことがそのまま行われているのです。
これらの超巨大金融企業のそれぞれの部門の従業員さえも、このカラクリは分かっていないのかも知れません。
もちろん、最初に個人の住宅ローンを貸し付ける窓口企業であるサブプライムレンダー企業は、これらの巨大銀行とは異なり、銀行ではないので、日本のサラ金と同様に準備制度でお金を創造することは出来ません。ですから、債権者の支払いが滞(とどこお)ればたちまち経営危機に陥(おちい)ります。
それでサブプライムレンダーのニュー・センチュリー・フィナンシャル社は破産法の適用を申請したのです。とは言うものの、再建を何度も転売して十分に儲けてからの第11条の適用だとは思いますが。
〔資料〕New Century Financial Corporation - Wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/New_Century
〔資料〕サブプライム・ローン問題の進捗状況 - 森 崇のニューヨークレポート 2007年3月7日
http://mori-pickup.seesaa.net/article/35403403.html
http://ameblo.jp/kabuto-ox/theme-10002122495.html
〔資料〕米サブプライムのニュー・センチュリー、破産法適用を申請 - Reuters 2007年4月3日
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-25374320070402
〔資料〕連邦住宅抵当公庫 Federal National Mortgage Association(FNMA、通称:Fannie Mae) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%A3%E9%82%A6%E4%BD%8F%E5%AE%85%E6%8A%B5%E5%BD%93%E5%85%AC%E5%BA%AB
〔資料〕住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%8F%E5%AE%85%E9%87%91%E8%9E%8D%E6%94%AF%E6%8F%B4%E6%A9%9F%E6%A7%8B
〔資料〕≪宋 鴻兵 著『通貨戦争―影の支配者たちは世界統一通貨をめざす』 より抜粋(20)≫|MelancholiaT ※【ギリシャ危機とGoldman Sachs―Rothschild】
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11028633661.html
■1ドルも損していない銀行
一方、サブプライムレンダー〔※サブプライムローン金融業者。lender:貸し手、金貸し〕の本当の金主である銀行は貸付金を準備制度で創造しただけですから、たとえサブプライムレンダーが破産しても痛くも痒(かゆ)くもありません。
最近、シティグループ Citigroup〔※―Citibank(Rockefeller)〕が2007年下半期で3兆円の損失を出し、1兆6000億円増資というニュースが流れ、新聞などでは、サブプライムローン問題でシティグループが経営危機に陥(おちい)ったかのような論調があると言われますが、これは誤りです。
1兆6000億円の増資は、彼らが大損したからではなく、帳簿上サブプライムレンダーへの貸付金が不良債権化した為、「BIS規制 Basel Accord」により資本金を積み増す必要があるからです。ただそれだけです。
現在、米国の銀行の準備率は事実上ゼロです。ですから、何十兆円も貸し出して、債務者が倒産したり、債務者の支払い能力が落ちて会計上で不良債権化しても、実際は1ドルも損していないのです。だからこそ1兆6000億円の増資に他の機関投資家が直ぐに応じたのです。
シティグループ規模の企業にとって1兆6000億円の増資など、会計上の必要性はあっても、実質殆んど影響の無い金額です。「自分達は損している」というイメージを作る為に、彼らの戦略広告コンサルタントが仕掛けた増資の可能性もあります。
実際、先に書いたように2003年のシティグループから連邦住宅抵当公庫に対する貸し付け枠だけで10兆円あるのです。サブプライム問題では、シティグループの商業銀行部門はボロ儲けをしたはずであり、1兆6000億円は、だからこそ資本金を本当にBISルール(BIS規制)で積み増す必要があった可能性が高いです。
つまり、1兆6000億円の増資は、経営が危ないのではなくボロ儲け経営がうまくいっている証拠ということです。それで機関投資家が直ぐに増資に応じているのです。
だからこそ巨額損失を出して辞任したと言われるシティグループのチャールズ・プリンス Charles O. Prince V(1950−)CEO〔※株式とストックオプション(自社株購入権)の約3000万ドル(約33億8400万円)、他〕とメリルリンチのスタンレー・オニール Earnest Stanley O'Neal(1951−)CEO〔※1億6150万ドル(約184億円)〕に巨額の退職金が支払われたわけです。
2人のCEOは表向き引責辞任となっていますが、裏ではそれぞれシティグループ、メリルリンチの一大功労者として讃(たた)えられているわけです。
■巧い言い訳に利用されるサブプライム
また、サブプライムローン問題が世界の金融市場を揺るがしていた2007年11月、アラブ首長国連邦 United Arab Emirates(UAE)〔※『世界石油戦争』より【系図1〜10・11〜17】『世界金融戦争』より【図1〜20】『一本の鎖』より【図1〜15】〕のアブダビ投資庁が75億ドル(約8100億円)の投資をするというニュースが市場を駆け巡り、株価は一斉に上昇しました〔※アブダビ投資庁(ADIA)は2007年11月26日シティグループに75億ドル(約8100億円)出資し、株式の4.9%を保有する筆頭株主になっている〕。
アブダビ投資庁はアラブ首長国連邦のオイルマネーを一手に運用する国家機関です。それが何故シティグループに投資するかと言えば、「そんなおいしい話なら、我々にもやらせろ」というぐらいに受け止めるべきです。全従業員の5%解雇とか、日本のアイクなどの消費者金融子会社を事業譲渡するなどという話が出ると、サブプライムローンで損したからだと盲目的に結び付ける有識者が多いようですが、これらは全て彼らの戦略的なPRに乗せられています。
シティグループクラスの超巨大企業は常に従業員の何%かを解雇したいのです。ただ、言い訳が必要なだけです。ちょうどサブプライム問題が旨(うま)い言い訳になったということです。
また、日本の消費者金融は、法的な枠組みの変更により世界の投資家にとって旨(うま)みがなくなり、米国の大手キャピタルはどんどん撤退しています。GEがレイクを売却したのと同様です。日本での消費者金融事業は米大手金融企業にとっては現在足枷(あしかせ)に過ぎないのです。シティグループは好い言い訳が出来たので、早速アイクなどを売却するでしょう。
帳簿上で赤字を計上していることと、実際に損していることは銀行にとっては全く異なるということをよく認識する必要があります。
ところで、アメリカの銀行の準備率が事実上ゼロなのは、アメリカの連邦準備預金制度では、中央銀行であるFRBの当座預金に現金を入れなくても、自分の銀行に準備率に見合う現金を置いておけばいいとされているからです。
米国ではシティグループのような大手銀行は大量のATMを持っています。これら大手銀行では、ATMの機械に入れておく支払い用の現金だけで、FRBへの準備預金残高を満たしているという統計があります。
〔※補足〜「FRB」「FRS」という略称について:連邦準備制度 Federal Reserve System(FRS)、連邦準備制度理事会 Board of Governors of the Federal Reserve System(FRS)/Federal Reserve Board of Governors(FRB)、12の地区連銀である連邦準備銀行 Federal Reserve Banks(FRB)。尚、日経・CSISバーチャル・シンクタンクのウェブサイトでは、連邦準備制度理事会 Board of Governors of the Federal Reserve System(FRS)としている〕
また、アメリカでは元々、利回りのある預金セービング・アカウント Savings Account(普通預金)では準備率はゼロです。そこで、準備率の規制のある当座銀行などに貸付金が創出されると、リアルタイムにコンピュータプログラムで瞬時に準備率のない普通預金に資金を移動して、そちらの預金で準備率を満たすということを自動的に繰り返すシステムが導入されているのです。
要するに、抜け穴ソフトウェアが堂々と運用されているのです。もちろん、彼ら自身がFRBの大株主ですから、FRBがこれに文句を言うはずがありません。これらの理由から、アメリカでは準備預金制度は形骸化していて、実質の準備率は、ここ10年ぐらいはずっと0%なのです。
日本の金融当局もこれを見習って、日本の銀行もATMに入れられている現金は日銀当座預金への準備預金の預け入れと同じと扱うべきでしょう。
〔資料〕Charles O. Prince V(1950−) - Wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Charles_Prince
〔資料〕塩じぃがシティグループの外部諮問会議の会長に - HEATの雑記 2007年7月11日 ※Charles O. Prince
http://d.hatena.ne.jp/HEAT/20070711
http://d.hatena.ne.jp/HEAT/20070214
〔資料〕Earnest Stanley O'Neal(1951−) - Wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Stanley_O'Neal
〔資料〕メリルリンチがナイジェリアの債務を買い取る - HEATの雑記 2007年3月4日 ※Stanley O'Neal
http://d.hatena.ne.jp/HEAT/20070304
〔資料〕米シティのプリンス氏:株式とオプション約34億円持って退社へ(2) - Bloomberg 2007年11月9日
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-JR7VUB07SXKX01.html
〔資料〕アラブ首長国連邦 United Arab Emirates(UAE) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%96%E9%A6%96%E9%95%B7%E5%9B%BD%E9%80%A3%E9%82%A6
〔資料〕アブダビ投資庁 Abu Dhabi Investment Authority(ADIA) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%96%E3%83%80%E3%83%93%E6%8A%95%E8%B3%87%E5%BA%81
〔資料〕アブダビ利権 - HEATのメモ 2008年1月7日
http://heat666.seesaa.net/article/149473434.html
■歯止めを失ったマネーゲーム
また、サブプライムローンでは、ローン債権は証券化される前に何回もブローカーによって転売されていますから、これらブローカーも手数料を何度もボロ儲けしています。また、投資銀行(証券会社)も、証券化されたローン債権を売って手数料を稼いでいますから、ボロ儲けしています。
損をしたのは、これら証券化されたローン債権の金融派生商品を買ってしまった、日本の地銀などの事情を知らない投資家だけです。無知のお蔭でババを引かされてしまったわけです。
もちろん、これらの全世界の無知な最終投資家が、サブプライムローンを仕掛けた投資銀行や商業銀行の重要な顧客ですから、これらの最終投資家が大損したことで、世界的なクレジットクランチが起こり、結局、仕掛けた彼ら自身にも跳ね返って来るという皮肉な事態となっていることはあります。
ただ、銀行業は証券市場から資金の調達が儘(まま)ならない不況の時こそ儲かりますから、現在の全世界的な金融市場の混乱を敢えて演出した可能性さえあります。
現在、メリルリンチは、サブプライム商品で80億ドル程度の評価損を出し、シティグループ投資銀行部門も20億ドル程度の評価損を出しています。これらは、全世界にサブプライム派生金融商品を売りまくっている最中に、クレジットクランチ Credit Crunch(信用危機、信用収縮)で売れ残りの金融商品の在庫価格が暴落した為の損であり、まさに自業自得の評価損です。
もちろん、この程度の損は彼らには痛くも痒(かゆ)くもない金額です。彼らのゲームは1つ1つは1000億ドル(10兆円)オーダーのゲームなのです。サブプライムローン派生金融商品もそういったゲームの1つで、とっくにボロ儲け済みです。
帳簿上、商業銀行部門ではサブプライムローンを不良債権化出来るし、また、投資銀行部門では在庫証券の評価損を計上することにより、たっぷり儲けても会計上は赤字を計上出来ますから、税金も払わなくて済むということです。これが、最新の金融工学を利用した世界の超巨大金融企業による最先端の資本主義のマネーゲームなのです。
もちろん、その裏には銀行が事実上無限にお金を生み出すことが出来る準備制度があるわけです。特にアメリカの連邦準備制度は、生み出すマネーサプライ Money Supply(通貨供給量)/マネーストック Money Stock(通貨残高)の歯止めを既に完全に外してしまっているのです。
2008年1月22日、FRBは全世界の株式市場関係者の強い要請を受け、渋々ながら民間の金融機関同士が資金を融通する短期市場金利(フェデラル・ファンド金利)の誘導目標を0.75%ポイント引き下げて3.50%にすることを発表し、これが日本でも各新聞のトップニュースになっていました。これは過去23年余りで最大の引き下げでした。全世界的な株安と米経済景気後退懸念に対処する為、という発表でした。
米国大銀行の利益を代表するFRBとしては、取りたくなかった選択でしょうが、全世界の金融市場、株式市場の人口から考えると、ほんの一部の仕掛け人達が自分達のボロ儲けの為に仕掛けたサブプライムローンが、如何に世界の経済を混乱させ、また、私達の富を奪って行ったかが象徴的に見られる出来事でした。
≪≪このサブプライムローンの仕掛け人達がこれから日本に本格上陸してきます〔※→TPPの24分野のうち保険・金融サービス分野〕。
日本の銀行は準備制度による信用創造の枠組みを持っているとは言え、「BIS規制 Basel Accord」、「新BIS規制 BaselUAccord」でがんじがらめにされています。特に国債という不良債権を大量に持っている為に身動きが取れません。金融工学のIQレベルからも、マネーサプライの創出力からも世界の超巨大金融企業には全く太刀打ち出来ず、今後、日本の銀行と証券会社は、彼らに次々と吸収合併されていくでしょう。
そして、私達一般人には、どんどんと新手のサブプライムローンの誘惑が繰り広げられるでしょう。例えばテレビCMなどで、「多重ローンの一本化」とか、「より魅力的なローンへの借り換え」とか、「これまで借りられなかった人にも貸します」といった甘い言葉が、これらの超巨大金融企業の日本の傘下銀行などから掛けられてくると予想されます。
それどころか、私が危惧するのは、シティグループが連邦住宅抵当公庫を経由して10兆円の貸し出しの為に、弱者救済のイメージを演出してサブプライムローンを仕掛けたように、今後、超巨大金融企業がゆうちょ銀行を経由し、郵貯の公共的なイメージを利用して、日本人にサブプライムローンを仕掛けてくるのではないかということです〔※→東北復興プロジェクトなど、CSIS-HGPI〕。
実際、最近になってゆうちょ銀行は住宅ローンへの進出を民営化委員会に打診し始めています。≫≫
■日本発サブプライム問題
昨年度の日本株の下落率が世界で2位であったというニュースが、今年1月15日にNHKのトップニュースとして全国に流れました。
調査対象の世界52カ国中、1年間で株価が下がったのは、たった5カ国という世界的には右肩上がりの株式市場の中で、日本が下落率2位という日本の経済史に残る不名誉な地位を記録しました。市場として魅力がないということと、日本経済そのものに今後成長を期待出来ない為、日本の株式の6割を商う外資系機関投資家達がそういう判断を下したということです。
これは裏を返せば、日本の有価証券市場は、東証のような分かり易い表の証券市場の時代ではなくなったということでもあります。この株価下落率が示すように、現在、日本人は世界の貧乏人になりました。
≪≪日本という国は既に債務超過の国であり、日本の国債は、先進国で最低の格付けです。要するに日本という市場そのものが、「サブプライム」なのです。そして、こういったサブプライムの借り手こそ、逆に金融工学を駆使した高利回り商品を生み出す巨大金融企業にとってカモであることは、これまで説明してきた通りです。だからこそ、シティグループは日興證券を買収したのです。
ここでは、シティグループ1社を特に例に挙げて書きましたが、これは、欧米の超巨大金融企業全てに当て嵌まることです。
もちろん、アメリカのサブプライムローンの借り手であった低所得者層は、甘い言葉で、最初だけ金利の低い中長期ローンに手を出して、1、2年後には破産し、家を追われました。彼らに住宅を供給する為ではなく、彼らにお金を貸し付けて、その債権から派生金融商品を作り出し、全世界に売り出す為に、巨大銀行は貸し付ける資金を準備制度で創出したのです。
これと同じことが近々日本に起きると断言します。先に述べたように、ゆうちょ銀行がアメリカでの連邦住宅抵当公庫のようにこの窓口とされる可能性が高いのです。
また、個人だけでなく、法人でも同様なリスクがあります。例えば、先の破産法第11条の適用申請をした、ニュー・センチュリー・フィナンシャル社 New Century Financial Corporation のホームページを見ると、彼らは自身を、サブプライムレンダー〔※サブプライムローン金融業者。lender:貸し手、金貸し〕とは呼ばず、「REIT企業」と呼んでいます。
不動産投資信託(REIT)〔※4頁参照〕は、要するに不動産の証券化です。ですからアメリカのサブプライムローンもREITですから、ニュー・センチュリー・フィナンシャル社 New Century Financial Corporation の言い方が間違っているわけではありません。
ただ、現在のところ日本ではREITは、ビルの資金調達に利用されている程度です。新しいビルをREIT資金で建設することも可能ですが、日本では主に、既存物件をREIT資金で購入して、内装工事などをして、付加価値を上げて、証券化されることが多いものです。簡単に言えば、商業不動産におけるサブプライムローンが日本でのREITです。
そんなことはない、REITの運用対象は優良物件だと、REIT企業から声が聞こえてきそうです。もしそうならば、そのREITに信託された物件は証券化せずとも、ストレートな銀行ローンでファイナンスして建設・改築されればよかったのです。総量規制とか色々な問題はありますが、銀行の通常の融資スキームではファイナンスが出来ないからREITが組まれるのです。
ですからREITはサブプライム派生金融商品です。
日本ではかつては2社しかなかったREIT企業が現在では40社を超えています。私は、REITが近々、日本発のサブプライム問題となると読んでいます。もちろんその先には、日本の個人の住宅を対象にしたサブプライム商品も続々と組まれていくことでしょう。
特に、既存の住宅ローンの借り換えとしてのサブプライムローンは、既に一部の外資系銀行が仕掛け始めています。これらのサブプライムローンを借りる場合も、また、これらのサブプライムローン派生金融商品を購入する時も、それら、全ての信用創造の元が皆さん自身の預金を利用して仕掛けられた「金融商品」であることを忘れないで下さい。
出来れば、これらの金融派生商品には手を出さずに、買うならREITなどの金融商品ではなく、不動産そのものを買うべきです。また、住宅ローンを借りる場合には、今後は長期的には不動産価格は下落していく可能性が高いということを理解した上で購入してほしいものです。
日本の金利は今後どんどん上がっていかざるを得ませんから、変動金利型のリスクをしっかりと考えて、安易な借り換えや新規借り入れはすべきではありません。≫≫
■専門用語を使った情報遮断
≪≪ここまで好き勝手に収奪されているにも関わらず、私達にはその情報が隠され、世界経済がどのように成り立っているのか、知らされることはありません。何処かで情報が遮断されているのです。情報遮断は、洗脳を効率よく行う為の一番の方法です。
支配者達が作るリアリティは、先ず情報を遮断することから始まります。これが最も重要です。戦後にGHQ(連合国最高司令官総司令部)が情報遮断を行いました。それが、マスメディアに対する検閲です。もちろんGHQだけでなく、薩長勢力が支配する政府も財界も、皆それを行っています。
その情報を流さない方法は、GHQが行ったような強権的なやり方だけとは限りません。もっと身近に幾らでも方法があるからです。例えば、わざと難しい専門用語を使って、相手を理解不能にさせ、それ以上の情報を与えない。これも情報遮断の1つの手法です。
経済学の専門家がテレビで行う、専門用語を使った断片的な解説も、私達から本当の情報を遮断します。難しい法律用語にも、そのような効果を生み出す作用があります。わざわざ難しく書いて、その法律が何の為にあるのか分からなくするわけです。
更に国会で言えば、巧みに答弁をはぐらかす。郵貯の民営化で、郵貯がそっくりアメリカに売り渡されるのではないか、と質問されれば、「そんな馬鹿なことは起こりえない」と一蹴し、それで話を終わりにするのも1つの手法です。
支配者達は、一般の国民に分かりにくい言い方をして権威を保ち、或いはそんなことに答えるのも馬鹿馬鹿しいという態度を示して、私達がそれ以上の内容に突っ込むことが出来ないよう、固くガードします。分からないことを、分からないまま鵜呑みにするよう間をおいて、私達が訳も無く納得するのをじっと待つわけです。
そうやって、彼らは私達に、情報の空白部分を作ります。情報の空白部分が生れると、そこに偽の情報を書きこむことが容易になります。
例えば、「日本人にとって勤倹貯蓄は美徳だ」、「貯蓄をしておけば将来安心だ」、「不正に手を染めている金融機関は極一部だ」、「郵政民営化は国民の為になる」、「サブプライムローンでアメリカの巨大金融機関は損をした」、などです。
それに当って、公共機関、社会福祉、社会企業、NGO〔※非政府組織 Non-Governmental Organizations(NGO)〕、NPO〔※非営利団体 Nonprofit OrganizationまたはNot-for-Profit Organization(NPO)〕などの仮面を利用しながら、彼らは仕掛けてきます。多くの場合、利用されたNGOやNPOの職員すらも知らない仕掛けが組まれます。≫≫
〔資料〕サブプライム住宅ローン危機 Subprime Mortgage Crisis - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%96%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A0%E4%BD%8F%E5%AE%85%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%B3%E5%8D%B1%E6%A9%9F
〔資料〕米国住宅ローン証券化商品(RMBS)とシンセティックCDOについて―米国サブプライムローン問題における複合商品の構造 By 北見良嗣 2010年3月31日(PDF、全19頁)
http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/43002/1/HLR60-6_012.pdf
〔資料〕やさしいデリバティブ 目次 - 知るぽると 金融広報中央委員会
http://www.shiruporuto.jp/finance/kinyu/deriv/index.html
〔資料〕フェデラル・ファンド金利 Federal Funds Rate - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%87%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%89%E9%87%91%E5%88%A9
〔資料〕アメリカで「TPP」を推進して米政府を操る黒幕達の正体 - GIGAZINE 2011年11月4日 ※TPPに賛成・推進している米企業名一覧
http://gigazine.net/news/20111104_tpp_mastermind/
〔資料〕National Foreign Trade Council(NFTC) - Wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/National_Foreign_Trade_Council
〔資料〕≪苫米地英人 著『洗脳支配―日本人に富を貢がせるマインドコントロールのすべて』 より抜粋(1)≫|MelancholiaT ※添付資料全般
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11291791209.html
〔資料〕日本人が知らない 恐るべき真実 研究ノート目次 - Anti-Rothschild Alliance ※アメリカの占領政策、他
http://rothschild.ehoh.net/truth/part3/find.html
〔資料〕日興コーディアルグループが東京スター銀行を買収か? - HEATの日記 2006年3月24日
http://plaza.rakuten.co.jp/HEAT666/diary/200603240000
〔資料〕日興コーディアルがシティグループの傘下に・・・ - HEATの雑記 2007年2月24日
http://d.hatena.ne.jp/HEAT/20070224
(9頁へ続く)
(8頁からの続き)
■年間自殺者3万人が示す「意図的な絶望」
さて、経済で行われている情報遮断と情報の書き込みでは、私達にもっと恐ろしい操作が行われています。
例えば、経済苦を理由にした自殺者が毎年増えています。自殺者の総数も毎年3万人を超え、これは交通事故の死亡者数1万人の3倍にも当ります。「3万人も自殺している。これは異常事態だ」と言うのが大方の反応でしょうが、私はそうは思いません。「よく3万人で収まっているな」これが私の率直な感想です。
1億人の中のパーセンテージ Percentage(百分率、百分比)で言えば、0.03%、たったの3万人。全然少ないのです。この3万人は、事情は様々ですが、みな絶望して死んでいることは確かです。私に言わせれば、本当はもっと多くの人間が絶望して死んでいなければおかしいはずです。もし、いま置かれている日本人の現実を知ったとすると、1億人がみな絶望しているはずだからです。
ということは、私達はそこまでの現実を知らされていない、ということになります。
人間が何故絶望するかと言えば、自分に対する期待があり、その期待が満たされないと思うからです。更に、その期待を実現する次なるチャンスが無い、と思い込むからです。ですから、たとえ取り返しの付かない失敗をしたとしても、別の道にチャンスがあると思えば、自殺などする必要はありません。逃げることもそうでしょう。他に逃げ場がある人間は自殺なんて考えませんし、逆に自殺する人は、逃げ場が無いと思い込んでいます。
ここが重要なポイントなのですが、自殺する人もしない人も、そこにある世界は全て作り上げられた世界です。その線引きはつまり、操作が利(き)く世界ということです。
私が考えるに、絶望し自殺するに至るラインは、本来あるべき位置よりずらされているのです。日本の経済は厳しく、働けども失敗し、とうとう何もかも上手くいかなくなり自殺しました、という中の、どこにラインがあるかという問題ではないのです。本来十分な仕事をし、余裕で自殺しなくてもいいだけの稼ぎをしているのに、自殺せざるを得なくなる。
つまり、日本にあるべき社会的なインフラストラクチャー Infrastructure(下部構造、社会的経済基盤と社会的生産基盤とを形成するものの総称)と経済構造が、本来あるべきところよりも思い切り下げられている。問題の本質は、ここに隠されています。つまり、絶望が意図的に作られている。
このように、元々思い切り低いところに切り下げられたリアリティ Reality(現実感。Virtual Reality:人工現実感、仮想現実)が作られているせいで、自殺者が3万人という極めて低い数字に収まっているということなのです。日本の経済社会は、あたかも「悪い環境ではない」かのように見せ掛けられているだけです。
働いたお金が支配者達の下にどんどん吸い上げられていき、本来送っていて然(しか)るべき生活水準よりも遥かに低い生活を強いられている。それが、私達日本人が置かれている現実です。
しかし、それを知らされず飼い馴らされた日本人は、そのことに気付かず、だからこそ3万人程度の自殺者で事が収まっているのです。もし、全員が真実に気付いたとしたら、何十万人、何百万人というオーダーで自殺者が出ても不思議はありません。
■権力者の操り人形と化した団塊の世代
≪≪私達日本人が、意図的に作られた絶望に骨の髄まで慣らされてしまった大きな原因の1つは、60年代の学生運動に求めることが出来ます。何故なら、その時期、権力サイドから完膚なきまで押さえ付けられたことで、今の団塊世代が「操り人形化」してしまったからです。
私は、東京大学安田講堂の陥落に至る1968年、69年の学生運動鎮圧について、警察のトップ官僚OBと話をしたことがあります。その警察OBは、当時、学生運動鎮圧の指揮を執った当事者の1人です。彼は、学生達への激しい鎮圧行動が上からの指示で行われたこと、そのやり方が現場の人間として余りにもやり過ぎだと感じたことを話してくれました。
鎮圧する警察側と、デモと投石を繰り返す学生側とでは、やはり大人と子供以上の攻撃力の差があったことは頷(うなず)けます。催涙弾をぶち込み、催涙銃の水平撃ちまで行って、痛みと恐怖で燻(いぶ)り出し、出てきたところを警棒でそれこそボコボコに叩きのめしました。
どういうことかと言うと、圧倒的に強かった警察側が、圧倒的に非力な学生側に襲い掛かり、息の根を止める寸前まで捩じ伏せ、二度と自分の足で立ち上がれないように、徹底的に暴力を振るったわけです。大人が子供に暴力を振るったら、どのような結果が齎(もたら)されるでしょうか。それは、さながら極悪非道のテロリストに対する武力鎮圧だったとも言えます。
学生運動の焦点は、日米安保改正問題でした。安全保障条約を結ぶかどうかではありません。安保締結は、敗戦の時サンフランシスコ講和条約(1951年)と同時に行われたものです。ですから、急進的な学生が安保は期を標榜していても、その心は、安保を破棄するにしろ改正するにしろ「内容を検討しようよ」という言論によるものが始まりでした。
それが火炎瓶を投げる物理的な行動にエスカレートするまでは、当局との様々なぶつかり合いがあったのです。その後、学生運動は徹底的に叩き潰されました。あそこまでする必要があったのか、「極めて疑問だ」「学生の、権力に対抗するという意欲を完膚なきまでに叩き潰してしまった」と彼は言いました。
実際、学生運動の嵐が過ぎ去って見ると、彼らは殆んど魂を抜かれたも同然でした。つまり、徹底的な武力鎮圧を受け、二度と立てないような精神状態に置かれてしまったということです。
そのような仕打ちを受けた団塊の世代に共通するのは、「何をしたところで、社会は何も変わらない」「言葉を尽くしても、何の役にも立たない」という深い諦念(ていねん)です。彼らは、圧倒的な力を持つ国家権力によって、そのことを心に、徹底的に刻み付けられてしまったのです。
その団塊の世代が、そのまま普通に就職し、普通のサラリーマンになり、高度経済成長の尻尾にぶら下がってぬくぬくと生き長らえました。どういうことかと言うと、彼らは、権力サイドに都合の好い操り人形として、骨の髄まで従順なサラリーマンにされたわけです。
徹底的な敗北を心に刻んだ世代は、意図的に作られた絶望を受け入れ、何も疑問を持ちません。「世の中なんか、そんなものだ」という思い込みは、彼らの下に奴隷を作る力に変わってこそすれ、彼らの下に続く世代に新しい気付きを生み出す力にはなり得ません。
残念ながら、彼らの経験と思考は、支配者達の思惑通りに私達の目と耳を塞ぐ力にはなり得ても、社会の変革パワーになり得ないのです。≫≫
〔資料〕日本人が知らないニッポン―隠されてきた歴史から読み解く世界の成り立ち - THINKER
http://thinker-japan.com/thinkwar.html
〔資料〕日本はサンフランシスコ講和条約で独立国として承認されていなかった!?(苫米地英人著『脳と心の洗い方』より抜粋) - Anti-Rothschild Alliance
http://rothschild.ehoh.net/material/36.html
〔資料〕日本人が頭に入れておくべきこと 1〜2 - 山本正樹オフィシャルブログ 2011年10月22日、11月2日
http://www.yamamotomasaki.com/archives/714
http://www.yamamotomasaki.com/archives/723
〔資料〕日本人が知らない 恐るべき真実 研究ノート目次:アメリカの占領政策、他 - Anti-Rothschild Alliance
http://rothschild.ehoh.net/truth/part3/find.html
〔資料〕1942年6月米国「日本プラン」と象徴天皇制 By 加藤哲郎(『世界』2004年12月号掲載文) - 加藤哲郎のネチズン・カレッジ
http://homepage3.nifty.com/katote/JapanPlan.html
〔資料〕George R. Packard著, 森山尚美 翻訳『ライシャワーの昭和史』(講談社 2009年刊行)
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%81%AE%E6%98%AD%E5%92%8C%E5%8F%B2-%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%BBR%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%89/dp/4062151952/
〔資料〕金貸し支配と労働運動は繋がっていた? - 日本を守るのに右も左もない 2009年5月8日 ※二層化された世界の下層部分に対する分断統治
http://blog.trend-review.net/blog/2009/05/001129.html
〔資料〕ウォール街金融資本が作り出す歴史構造 By Antony C. Sutton〜左翼右翼の対立、戦争etc〜 - 日本を守るのに右も左もない 2007年12月10日
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〔資料〕資本主義と共産主義はユダヤの両建て主義 - truthseeker's archive 2010年7月27日
http://blog.livedoor.jp/truthseeker/archives/65388637.html
〔資料〕ロスチャイルド胤「二卵性双生児」マルクスとニーチェ By Andrew Hitchcock - さてはてメモ帳 Imagine&Think! 2008年10月3日
http://satehate.exblog.jp/9845623/
〔資料〕≪NHKスペシャル『日米安保50年 第1回 隠された米軍』 より文字起こし≫|MelancholiaT
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-10855996289.html
〔資料〕≪宋 鴻兵 著『通貨戦争―影の支配者たちは世界統一通貨をめざす』 より抜粋(14)≫|MelancholiaT ※Walter Lippmann著『世論』、【蛇の如く聡くあれ Be Wise As Serpents】
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11012233277.html
■絶望に飼い馴らされた日本の最大勢力
≪≪この団塊の世代の下に生れた団塊の世代ジュニアが、また問題です。
小泉純一郎(1942−)元首相が郵政民営化を問うた、2005年9月の解散総選挙では、「B層戦略」なる作戦が使われました。そこには、人間をAとBの2つに分けて、Bを狙うことが明記されていました。Bの人と言うのは、普段投票に来ない浮動層のことです。
(中略)この「B層戦略」を請け負った大手広告代理店には「B層マーケティング」というものがあり、彼らの言うB層とは、団塊ジュニア、もしくは団塊の世代から影響を受けた人のことなのです。つまり、自民党が行った「B層戦略」は、浮動層と言いながら実は団塊の世代の子供達をターゲットにした選挙戦略だったのです。
〔※補足〜「B層戦略」を請け負った広告代理店について:「B層戦略」は、表向きには在日米商工会議所の系列の広告会社であるプラップ・ジャパンが自民党の選挙戦略として立案したことになっているが、実際には、電通、プラップ・ジャパン、I&S/BBDO、フライシュマン・ヒラード Fleishman-Hillard(民主党側、当時の党代表は“レント・シーカー”岡田克也)といった主立ったPR会社が、「米国の金融資本の為の郵政民営化」を実現する為に大掛かりなチームを組んでいた。
尚、添付資料にある「郵政民営化・合意形成コミュニケーション戦略(案)」は、竹中大臣が側近の岸 博幸(1962−、元経産省官僚)を介して、PR業者である有限会社スリードに随意契約で発注し、作成させたもの。
その総責任者が、米国の金融資本の命令を受けて動いているアレン・ローゼンシャイン Allen Rosenshine(1939−、BBDO Worldwide Inc.のCEO)であり、ローゼンシュタインは、郵政民営化が参議院で一旦否決されて総選挙となる8月5日の3日前の8月2日に、突如首相官邸を訪れ、小泉首相と極秘会談を持った。BBDOは自民党側、フライシュマン・ヒラードは民主党側の選挙戦略を担当していたが、この2社は実は共にロックフェラーのオムニコム Omnicom Group Inc. の傘下企業。→郵政民営化研究会、日経・CSISバーチャル・シンクタンクなどを参照。双頭政治〕
(中略)こうしたB層を一言で言うとしたら、私は、世の中に対する抵抗心が無い世代だと思います。幼い時から、世界に疑問を抱くことを禁じられてきたのです。
私達の世代は、少なくとも、自分の目の前にある現実に対して、抵抗する気持ちを持っているはずです。つまり、批評眼が大事だと考え、それを通して社会の出来事を眺め、もっともらしい常識を疑い、もっと上手いやり方があるはずだと工夫を凝らします。ところが、団塊ジュニアと呼ばれる世代はそのような価値観を持っていない、或いは極めて希薄だと、何処からどう眺めてもそう評さざるを得ないのです。
団塊ジュニア世代の親は、徹底的にやっつけられた世代です。何をしても駄目だということを厳しく悟ったわけです。そうした親の姿勢や思想に影響されて育ったジュニアが、目の前の現実に疑問を持たず、世の中の流れに抵抗する心を持っていないのは、極当然の帰結だと言えます。
自民党の「B層戦略」は、疑問を持たない人間を取り込む為の戦略だったということです。だからこそ、優勢を民営化すると何が良くて何が悪いのか、彼らはそんなことなどお構いなしに自民党に投票しました。小泉チルドレンが薄気味悪いほど大量に当選したのも、こうした仕掛けが奏功した結果だったと言うことが出来るのです。
団塊の世代と団塊ジュニアの世代、この両者こそ、支配者が作る意図的な絶望に慣らされた最大勢力と言えます。彼らは、この作られた絶望を見破れないばかりか、この世が作られていることそのものを疑おうとしないのです。
残念なことですが、彼らがこの日本の作られた絶望を肯定し、受け入れたままである限り、薩長勢力を祖とする日本の「勝ち組」による、国民の奴隷化を止める力は生れません。何故なら、この世代こそ日本の人口ピラミッドの最大ボリュームゾーンであり、政治を、そして経済をも、数の倫理で押し流してしまうからです。≫≫
〔資料〕≪斎藤貴男 著『消費税のカラクリ』 第3章 消費者が知らない消費税の仕組み、他 より抜粋(9〜11)≫|MelancholiaT ※小泉純一郎・竹中平蔵らによる「構造改革」の正体、竹中平蔵の正体、(対日)年次改革要望書、松下政経塾の正体、MRA、郵政民営化研究会、郵政選挙と広告代理店(BBDOとFleishman-HillardはロックフェラーのOmnicom Group Inc.傘下企業)、他
http://arsmagna2.jimdo.com/melancholiaT-roentgenium-資料保管庫-目次/
〔資料〕郵政民営化・合意形成コミュニケーション戦略(案) By 有限会社スリード・株式会社オフィスサンサーラ 2004年12月15日(PDF、全15頁)
http://tetsu-chan.com/05-0622yuusei_rijikai2.pdf
〔資料〕広告代理店というのは、「国民洗脳産業」である。 - ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報 2006年3月26日
http://amesei.exblog.jp/2879210/
〔資料〕≪苫米地英人 著『利権の亡者を黙らせろ―日本連邦誕生論』 より抜粋(3)≫|MelancholiaT ※小泉劇場と地デジ利権、他
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11253445914.html
〔資料〕≪苫米地英人 著『洗脳支配―日本人に富を貢がせるマインドコントロールのすべて』 より抜粋(1)≫|MelancholiaT ※添付資料全般
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11291791209.html
■テレビの世界で起きている恐ろしい現実
≪≪更に悪いことに、この世代から次の世代に、負の遺産が受け継がれようとしています。子羊としての団塊ジュニアが、更に子羊を産む。このことももちろん問題ですが、それだけではありません。問題の本質は、奴隷化の為の教育が推進されることです。
例えば、いまテレビでは、明らかに馬鹿な日本人を作るプロジェクトが始まっています。テレビ局トップが相談して決めたのか、アメリカ大使館からそのような指令が飛んだのか、確認する術はありませんが、トップクラスの意思決定が働いているとしか言いようがないほど、その兆候がはっきりと現れているのです。
その典型が、テレビ画面に、テロップや字幕風の活字(スーパーインポーズ)を映すやり方です。最近のバラエティ番組では、タレントの喋(しゃべ)りに被せて、大きな活字でその内容を採録したり、第三者的にツッコミのナレーションを入れたりするようになりました。その活字が躍ったり、更にそこに効果音が被せられたりすることも、よく見受けられるようになりました。
これこそが、人間のIQを下げる最も効果的な方法だとされているのです。果たして最も効果的かどうかについて、私はまだ科学的に検証を終えていません。しかしはっきりしているのは、この方法をテレビで多用すれば、確実に人間のIQは下がります。何故なら、テレビ画面を見ている人間は、抽象的な思考を抑制され、何かを見ることで抽象的な思考を進めていくという思考力をどんどん喪失していくからです。
実際、過去に行われた実験で、次のような結果が生れることが証明されています。その実験では、被験者に映像を見せながら、画面に映った内容を表す擬態語など、抽象的な単語を次々と見せていくということが行われました。
それを続けていくと、僅かな時間で段階的に思考能力が失われました。そして、更に続けていくと、被験者の脳波が何も考えていない状態と同じ波形になり、そのままそれが継続していきました。つまり、そうした映像が遂(つい)には見る側の思考そのものを止めてしまったということです。
人間は、そうした刺激を受け続けると、能動的に思考を行うことが出来なくなります。これが出来なくなれば、物事を見て感じ取り、そこから抽象的な思考を進めていくことも出来なくなるわけです。抽象的な思考を行うことは、人間の脳の前頭前野(ぜんとうぜんや)、最も高度な部分における脳の働きなのですが、この働きをそっくり失ってしまうのです。
テレビ局の人間は、一般の人々が想像する以上に、映像における大衆操作についてよく学んでいます。もちろん、制作会社のADさんがそうだと言っているのではなく、テレビ局の中には、大衆操作の禁じ手など、テレビの闇のテクニックに通じた専門家がいるのです。
いま番組制作に当っている主力世代の年齢は、団塊ジュニアの中でも35歳から40歳くらいです。彼らは、上からの命令に何も疑問を持ちません。既に、抽象的な思考を抑制する番組制作にも慣らされ、それはおかしいと問題にするようなこともありません。当然、闇テクニックを知る上層部からの命令に疑問を持つこともなく、番組制作に邁進(まいしん)することでしょう。
団塊ジュニアは、自分達と同じ子羊を作る為に、日本人の抽象的思考を無差別に大量破壊し始めるのかも知れません。あたかも朝起きて神の声を聞き、歯を磨いてお茶を飲み、1人で用意した爆弾を車に積み込み、そのまま人々の集まる繁華街に突っ込んでいくテロリストのように・・・・・・。
B層が、更に輪を掛けたB層を生む為に、自ら進んで「B層戦略」を推し進めるような事態だけは、何とか回避しなければならないと思うのです。≫≫
■馬鹿な日本人を作るプロジェクト
馬鹿な日本人を作ろうとしている点で、ここで1つ付け加えたいのは、教育の問題です。教育基本法の改正、ゆとり教育など、ここ数年の日本を眺めると、単に日教組と文部科学省との対立だけでは説明し切れない数々の問題が噴出しています。
その典型が、一時的にせよ、円周率を「3」にするとした学習指導要領の問題です。私は学校教育も、既に馬鹿を作るプロジェクトの一環に取り込まれたという気がしてなりません。
円周率というのは、御存じのように、3.141592・・・・・・と数字がランダムに永遠に続きますよ、ということを教えるのが重要な目的です。つまり、無理数という概念を子供に初めて教える為のものでもあります。
にも関わらず、円周率を「3」だと言い、それが問題にされると「いや、あれは計算をし易いよう、計算をする時だけ3でいいことにしたんですよ」と、文部科学省は理屈に合わない弁解をし始めました。教育の専門家が、無理数の概念を教えることと、計算し易いよう小学生に便宜を図ることを、そもそも混同するわけがありません。
英語教育でも「イマージョン・プログラム Immersion Programs(浸漬(しんし)教授課程)」という、いわゆる英語付け教育を導入した高校から米国の名門大学のマサチューセッツ工科大学 Massachusetts Institute of Technology(MIT)やハーバード大学 Harvard University に合格者を輩出している学校が出始めているという朝日新聞の記事が最近ありました。
イマージョン・プログラム(浸漬教授課程)が良いと分かっているのに大半の高校が導入していないのは、米国の名門大学に入れる英語力は付いても、東大や京大に入れる英語力が付かないからです。要するに「受験戦争」という、日本でしか通用しない人工言語が出来るようにならないからという理由です。
まさに本末転倒ですが、ここにも、日本人は世界で発言出来なくてもいいのだ、という意志が働いているように感じます。日本の教育がこれだけボロボロになったことについても、私はそこに、何か意図的な仕掛けがあったのではないかと考えざるを得ません。
〔資料〕Immersion Programs(浸漬教授課程) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0
■進化した人間はワインの味が分からない
例えば、人々が美味いものをありがたがる、という現象があります。元々、美味い、不味いとは、どういう感覚なのか御存知でしょうか。
味覚というのは、脳幹の中で一番古い部分の情報処理です。それは元々毒性を見分ける為に発達し、進化したものなのです。(中略)ですから、基本的に自分の身体にとって良いもの、悪いものを見分ける為の昨日であることに変わりはないわけです。
その欲求を身体のほうから見ると、より自分の個性が長生きするよう、より多くの子孫を残すよう求める心ということになります。それを「煩悩」と呼びます。一般に、煩悩が強ければ強いほど、野蛮人だということになります。逆に、煩悩が弱ければ弱いほど、進化した人間だということです。
例えば、再びワインを例に取りますが、ソムリエがワインの美味い、不味いを細かく味わい分ける。細かく分ければ分けるほど、美味い、不味いに象徴される煩悩は強くなっていきます。何故なら、ワインの細かい味が分かるということは、つまるところ「俺の子供を産めば美味しいワインが飲める。だから俺の子供を産め」と言うに等しいからです。ワインの味が分かることは、最終的には、子孫の繁栄という目的に合致するのです。
とすれば、乱暴な言い方で誤解を恐れずに言えば、ワインの味が分かる人間は、野蛮人。進化した人間とは、ワインの味なんか全然分からない人間のことになります。
■思考をコントロールする為の教育
このように、文化の名を語る煩悩には、人間の欲求をもっと細かく、或いはもっと沢山というように、増大させる効果があります。ワインの味にしても、そう教育されたから、それが美味いと感じるに過ぎません。そうした教育を繰り返し受けることで、人間は煩悩をより強くしていくわけです。
日本には穢れという思想があり、私達にはみそがれた人間に近付きたいという欲求が埋め込まれています。自然淘汰が行われる世界の中で、弱肉強食で生き残ってきた遺伝子が日本人の中にもちゃんと残っています。そうすると、ワインの味がもうワンランク上がるようになることで、相手に弱肉強食で勝ったという考え方が生れます。それは仕方のないことだとも言えます。
≪≪しかし、人間はそれを超える能力を持っている存在です。その能力が、抽象的な思考が出来るということなのです。
つまり、「弱肉強食で勝たなくても、まあいいや」とか「自分のことはいいから、隣の人を助けてよ」と言うのがそれです。私達が日常的に行っているこうした思考こそが、私達が人間であることの本来の証しですが、支配者達にとっては、これをやられると困るのです。
それは、人間のコントロールが効かなくなるからです。支配者達が人間をコントロールする為には、自分の事だけを考える人間の集まりであればあるほど都合が好いのです。抽象的に物事を考えようとせず、それに与えられた価値を疑わずに忠実に動いてくれれば動いてくれるほどいいわけです。ですから、その為の教育を繰り返すのです。
先ほど述べた学校教育についても、その点が明らかに仕掛けられていると思います。無理数を整数に直してしまえば、それは数学を学ぶことで身に付けるはずの抽象的な思考を奪うと言うに等しくなります。数学が、単に計算をする勉強ではなく、数という世界を元に抽象的な思考回路を作る勉強である、と理解出来ない人間を育てます。≫≫
「3」という道具を使って、計算だけしていなさい――。
彼らの意図はやはり、日本人の頭をどんどん馬鹿にしていくこと以外ない様に思えます。
■支配者は再び貯蓄を呼び掛ける
本章の最後にもう一度、貯蓄の話に戻りましょう。現在(いま)、貯蓄に最も関心を持っているのはやはり30代、40代、その一翼を団塊ジュニア世代が背負っています。
大手広告代理店の「B層マーケティング」が絡んでいるのかどうか判然としませんが、金融機関による団塊ジュニアに対する評価は、押し並べて「彼らこそ貯蓄や投資に敏感で、自己の資産を増やす為にはリスクを取る投資も行う積極世代」というような具合です。
客観的な世代評価のように記述していますが、実は「あなたも団塊ジュニアなら、貯蓄するのは当り前。リスク投資も行って下さい」と、柔らかく脅迫しているかのようにも読めるのです。どうして、このようにしてまで貯蓄を煽るのでしょうか。
既に紹介したように、日本が早晩IMF(国際通貨基金)の管理下に置かれることは、知る人ぞ知る、薩長勢力の支配者達にとっては規定の進路です。
具体的に何が起こるかと言えば、極端なインフレです。それがハイパーインフレ Hyper Inflation と呼ぶに足るかどうかはともかくとして、日本国債の引き受け手がいなくなるのですから、それは国が右往左往するようなインフレであることは確かです。
極端なインフレである以上、預貯金は大変な目減りを起こします。海外の金融商品であれば、日本がそのような事態になった時に一時的には安全かも知れません。しかし、日本がそういう状況下では、海外に移住する以外、私達にはそのお金の使い道がありません。もし円を受け取ると、インフレ進行中は円安が日々進行している為、円の価値はどんどん下がるはずです。
戦後、敗戦国の常として、日本はハイパーインフレに襲われました。GHQ(連合国最高司令官総司令部)は、預金封鎖と新円切り替えを行い、日本はその場を凌ぎましたが、国民の懐(ふところ)から復興の為の資金は消えてなくなりました。
再び預金が封鎖されるか否か、それははっきり分かりませんが、少なくともIMF管理が行われるということは、戦後GHQが介入したと同じくらいのインパクトがあるということです。私達の資産が消えてなくなる可能性さえあるのです。
それでも尚、私達に貯蓄を勧める勢力がいます。彼らはきっと、こう言うでしょう。「国を復興する為には、本源的な金融資産が必要だ」、と。彼らは、次の支配システムに向かって、再び国民に貯蓄を呼び掛けます。金融機関も、その尻馬に乗ります。私達にもう一度、返済する必要のないお金を貢(みつ)がせる為に。
(中略)国民からお金を預金、年金などの貯蓄名目で税金として召し上げる彼らこそ、失うことが確実な国民のお金を使って、私達を洗脳経済の泥沼に引き摺(ず)り込み、私達に次なる安楽を用意するのです。つまり――。
何も知らないことが一番の幸せだ、と。奴隷でいることが一番の幸せだ、と。
〔資料〕≪苫米地英人 著『洗脳支配―日本人に富を貢がせるマインドコントロールのすべて』 より抜粋(6)≫|MelancholiaT ※添付資料全般、アジア通貨危機とIMF管理下に置かれた韓国経済
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11303586007.html
(10頁へ続く)
(9頁からの続き)
〔苫米地英人 著『洗脳支配―日本人に富を貢がせるマインドコントロールのすべて』 第5章 経済洗脳から自由になる方法 より P.192−P.208〕
■消費コントロールという名の支配システム
テレビのホームコメディ番組などを通じて、アメリカ流の生活様式や思想が日本人の頭に深く刻まれるようになったのは、1960年代のことです。(中略)戦後、GHQ(連合国最高司令官総司令部)が日本人に罪の意識を植え付ける為に、「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム War Guilt Information Program(WGIP)」を徹底的に行いましたが、それはテレビなどの番組制作にも色濃く反映されています。
例えば、NHKが1960年代に制作した数多くの太平洋戦争ドキュメンタリーは、その典型的な例と言えます。戦争に担ぎ出された兵隊の人生や、戦争に巻き込まれた婦女子の悲哀、大量の自決者を出した沖縄の悲劇、ヒロシマ、ナガサキの原子爆弾の恐怖。こうしたドキュメンタリー番組は、左翼が作ったのではないかと疑うほど、1つ1つの映像が日本軍部などに対する強烈な告発意識で貫かれていました。
恐らく、GHQの意向を受けて、NHKの番組制作能力を総動員し、入念に撮影・編集したものと思われます。私達はこうした番組を観る度に、「日本の軍部が悪かった。日本人の選択こそ間違っていた」との意識を埋め込まれたのです。
その洗脳の地ならしが粗方(あらかた)出来上がると、今度はアメリカ流の生活様式や思想が如何に素晴らしいものであるか、冒頭に上げたコメディや西部劇といった番組を通じて、埋め込まれることになります。
アメリカ流の生活様式や価値観に対する憧れは、直ぐに国民的な消費に結び付きました。これが、1950年代の白黒テレビ・冷蔵庫・洗濯機という「三種の神器」から、30年代のカラーテレビ・カー・クーラーという「3C」への、凄まじい消費熱を呼ぶわけです。
≪≪私が前振りとしてこんな解説を述べたのは、実は消費こそ、常に支配者によって仕掛けられているものだからです。資本主義の中で支配者達が行っていること、その最大のものは、消費行動の徹底的なコントロールです。何故なら、私達がお金を稼ぎ、そのお金を彼らのコントロールが利かないところで使われると、彼らの支配システムが維持出来なくなるからです。≫≫
例えば、明治維新以来、日本に「洋モノがいい」というカルチャーが根付きました。カルチャーと言うと、人々の間に自然発生的に生れたかのような印象を受けますが、これは支配者達によって意図的に仕掛けられたものと言わざるを得ません。
原初的には、尖兵となった貿易商がヨーロッパの魅力的な品々を手掛かりに彼らの価値観を日本人に植え付けることから始まったということです。その仕掛けは現代に継承され、例えば「グッチ GUCCI(伊 PPR Group)」や「ルイ・ヴィトン Louis Vuitton(仏 LVMH Group)」というブランドの隆盛となって現れています。
実際、これらのブランドのオーナーは、みなヨーロッパの支配階級です。互いに競合関係にあるブランドですが、オーナーはみな仲間内の人々と言えます。彼らの消費コントロールは、実に圧倒的な力で私達の現在を支配しています。(中略)
戦後GHQによるWGIP、アーネスト・ヒルガード Ernest Ropiequet Hilgard(1904−2001)教授〔※1頁を参照〕が関わったと思われる洗脳にしても、それまでの鬼畜米英がいつの間にか支配階級に変わり、「ギブ・ミー・チョコレート」となりました。そして、そこで展開されたコントロールが、「欲しがりません、勝つまでは」という戦時中の抑圧に作用し、爆発的消費へと結び付いたわけです。
既に紹介した「B層戦略」にしても、日本の広告代理店が生み出したのではなく、オリジナルはアメリカの広告代理店です。これは消費行動の一環としての投票をコントロールする方法です。つまり、選挙はお金の代わりに票を用いて政治家を買っているわけで、其処に消費コントロール技術を巧みに織り込んでいるわけです。
その手法を日本の広告代理店が輸入し、日本で展開し、私達はその結果として小泉首相サイドに票を投じました。
〔資料〕Ernest Ropiequet Hilgard(1904−2001) - Wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Ernest_Hilgard
〔資料〕米国教育使節団報告書(要旨)1946年3月31日|文部科学省 ※Ernest Ropiequet Hilgardの名前あり
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpbz198102/hpbz198102_2_034.html
〔資料〕戦争犯罪宣伝計画 War Guilt Information Program(WGIP) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AE%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0
〔資料〕江藤 淳(江頭淳夫 1932−1999) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%9F%E8%97%A4%E6%B7%B3
〔資料〕江藤 淳 著『閉された言語空間―占領軍の検閲と戦後日本』(文藝春秋 1989年刊行 ※文庫版は1994年刊行)
http://www.amazon.co.jp/%E9%96%89%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E8%A8%80%E8%AA%9E%E7%A9%BA%E9%96%93%E2%80%95%E5%8D%A0%E9%A0%98%E8%BB%8D%E3%81%AE%E6%A4%9C%E9%96%B2%E3%81%A8%E6%88%A6%E5%BE%8C%E6%97%A5%E6%9C%AC-%E6%96%87%E6%98%A5%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%B1%9F%E8%97%A4-%E6%B7%B3/dp/4167366088
〔資料〕日本人が知らない 恐るべき真実 研究ノート目次 - Anti-Rothschild Alliance ※アメリカの占領政策、他
http://rothschild.ehoh.net/truth/part3/find.html
〔資料〕≪中田安彦 著『ヨーロッパ超富豪 権力者図鑑―世界を支配する欧州の覇者たち』 より抜粋(1)≫|MelancholiaT ※ブランドという権威付け、LVMH Group、PPR Group、他
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-10913517225.html
〔資料〕≪苫米地英人 著『利権の亡者を黙らせろ―日本連邦誕生論』 より抜粋(4)≫|MelancholiaT ※談合マスコミの電波利権の実態、“絆=談合”の裏側
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11255176418.html
資料〕恐るべき電通の歴史 1〜2 - ブログ de なんで屋@東京
http://blog.goo.ne.jp/nande_ya/e/97eb215734bf1795ad54f27da77267c2
http://blog.goo.ne.jp/nande_ya/e/efaf6c4fa9c64880684b4423f94d753b
〔資料〕税金で政党CM 自民・民主とも 100億円超 電通・博報堂が受注トップ - しんぶん赤旗 2007年6月2日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-06-02/2007060215_01_0.html
〔資料〕毎年税金60億円 電通・博報堂・産経新聞社など事業請け負い 「安全神話」刷り込み - しんぶん赤旗 2011年7月16日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-07-16/2011071603_02_1.html
■カルチャーという仕掛け
ところで、消費はどのようにして仕掛けられていくと言うのでしょうか。それを明らかにする為に、私達の消費が向うカルチャーというものについて考えてみましょう。
例えば、グルメカルチャーです。食事をする時、グルメブームに乗って、東京・六本木の東京ミッドタウンや六本木ヒルズのレストランに行く必然など、本来ありません。ですが、六本木で何処かに腰を落ち着けようとすると、「あそこのレストランに行こう」という話になります。
別に、食事をするならセブンイレブンの弁当でいいわけです。(中略)にも関わらず、みな瀟洒(しょうしゃ)なビルに入った一流レストランに行こうとするのは、そこに仕掛けられたグルメカルチャーがあるからです。しかし、それが本当にカルチャーかと言えば、全く違います。それは食の煩悩であるに過ぎません。例えば、食がカルチャーであると言うのは、次のような場合です。
その昔、王侯貴族が暇を持て余していた頃、彼らの食卓に並んでいた食べ物は、食事とは程遠いものでした。テーブルの上の料理は、貴族がそれを一口食べると直ぐ終わりです。彼らにとって並べられた料理の数々は、権力の誇示というに過ぎません。
一方、王宮に雇われた料理人にとってはどうかと言うと、料理の味よりも見た目が何より重要であったのです。何故かと言えば、それは権力の誇示の為に捧げられるものであるわけですから、何よりも格好良く見えなくてはいけません。味が二の次になる理由は、王侯貴族がそれを食べないからです。ですから、食材の包丁の入れ方の美を競ったり、ソースの色に気を遣ったり、小手先の技術が先ず競われたわけです。
このことは、フランスをはじめとするヨーロッパの貴族料理のみに代表されるものではありません。中国の宮廷料理もそうでしたし、韓国の宮廷料理もそうでした。もちろん、日本も例外ではありません。こうした料理はアートだったのです。見た目が最も重視されるという点で、絵画や彫刻と同じなのです。そのうち、料理は味も美味しいほうが良いということになり、本当に食べるようになったわけですが。
王侯貴族や宮廷の料理は見せる為のものであり、食べる為のものでないからこそ、文化であり、芸術になったと言えます。このことは、逆に考えるとはっきりします。
食べることから出発した庶民の料理は、その伝統や知恵を取り沙汰されこそすれ、文化や芸術とは言いません。また、そもそもの宮廷料理が美味しかったとすると、それは文化や芸術ではなく、「美味しいし、栄養たっぷりだからね」というただの食べ物になっていたわけです。
食が文化だったと言うのは、このような宮廷料理の時代のことであり、食べることが目的ではなかった頃の話です。従って、食べる物になっていれば、料理は既に文化ではなく、煩悩だと言うことが出来ます。美味しい、栄養がある、健康に良い、長生き出来る、それらは全て煩悩を満たすものです。もちろん、貴族の食を利用した権力誇示も別な煩悩であることは言うまでもありませんが。
だからこそ、料理はただの消費財に過ぎないのですが、それを「食の文化」だと喧伝(けんでん)する人間が現れて、私達はまんまと騙されているわけです。
もう1つ、例を挙げましょう。
例えば、70万円のグッチのライダー型革ジャケットがあります。本来ジャケットは、それを着て外出すると温かい、それだけのものであるはずです。ところが、それがグッチになると「これグッチだよ、高いんだよ」と言う為のものに変わります。女性がしているダイヤの指輪と同じようなものです。余り役に立たない、無くてもいいわけです。
しかし、そうなった時こそグッチは芸術の域に達してきたと言えるわけです。何故かと言えば、本当のオートバイのライダーが着たら破れるし、濡れたら直ぐに傷むので雨の日は着ない。実用で役立つことは二の次です。そこで初めて、洋服は芸術になるわけです。
■善悪の判断は簡単に変えられる
≪≪私達の消費が芸術に向かう時、それをコントロールしようとしても出来ません。何故なら、芸術は“この世”のものではなく、“あの世”のものですから、コントロールのしようがないからです。
ところが、芸術に見せ掛けた消費財の場合はこれが出来ます。例えば、デザインを変え、色を工夫し、流行遅れにさせる。そして、新しいものを買わせる。本物の芸術は、流行遅れになることなどありません。流行性が無くなって、普遍的になってしまいますから、コントロールする道具になり得ないわけです。
このようにすると、支配者達は、自分のところにちゃんと富を集中させることが出来ます。要するに、人間の煩悩が向かう先を集中させるのです。お金だけではありません。消費行動のコントロールとは、欲求をコントロールすることですから、善悪の判断を変えることも出来るし、投票する人を変えることも出来ます。
コントロールの第一は、人間のもっとも煩悩に近いところを押さえることに始まります。それから、最初は性欲や食欲、そして衣や住という具合に、徐々に抽象度を上げたところに網を掛けていきます。
或る国に対するイメージや親近感を作ることなど、実に簡単です。人間は、例えば自分が欲しいクルマを作っている国のことを、次第に好い国だと思い込むようになります。例えばアルファロメオが愛車の人は、イタリアはマフィアの国だと言われたら「そんなことはない、イタリア人は良い奴ばかりだし、良い国だ」と反論したくなります。
実際、アメリカの日本に対するイメージは日本車が優秀になるに連れて上がってきました。見せ掛けの文化に包まれたただの消費財が、上手に仕掛けると遠い国に対する親近感を生み出すのです。
金持ちの支配層は、既に世界の富の99.99%を押さえていますから、それ以上の富を我が物にすることを目指しているわけではありません。彼らは消費行動をコントロールし、彼らが世界に敷いたシステムを維持する為に、人間の思考そのものを支配下に置きたいのです。
このように、支配は消費行動をコントロールすることで決まります。逆に言えば、支配されない為に私達が取り得る一番の手段は、自分の消費を自分でコントロールすることです。特に、最も抽象度の低い自分の行動をコントロールすることでしょう。
例えば、食べ物。グルメ雑誌があったら直ぐ捨てる、このレストランが美味しいと聞いたら直ぐ疑う、美味いものは食わない、グルメ番組は観ない、などなど。これはとても重要なことです。そして、見せ掛けの文化に彩られた抽象度の高い消費へと、自己コントロールの幅を広げていくのです。≫≫
■エネルギーにおける消費コントロール
支配者達の消費コントロールは、例えばエネルギーといった、抽象度の極めて高い分野でも行われています。
例えば、いま流行(はやり)の水素エネルギーです。御用学者や御用研究者は、水素エネルギーは地球に優しいと嘯(うそぶ)いていますが、ここには明らかに意図的な操作があります。水素エネルギーの作り方を考えていくと、彼らの論理が破綻していることが直ぐに分かります。
水素エネルギーが地球に優しい理由は、燃焼させることによって後に残るものが、H2Oのみであるという点です。彼らは口々に、こんなクリーンなエネルギーはないと言うわけです。では、水素はどうやって作られるのでしょうか。
宇宙の始まりの頃は、H(水素)という元素が単独で大量に存在していました。いま宇宙は終焉へと向かう道の途上にあり、H元素そのものは不安定な為、地球上ではH2Oという安定した状態で存在しています。単独のHという形では存在していない、ということです。つまり、H元素は、単独では地球上何処を探しても無いのです。ですから、Hを利用する為には、水からHを分離して作り出す以外にありません。
H2Oは安定した結合状態ですから、ここからHを分離する為には、それ相当のエネルギーを必要とします。いま知られている最良の方法は、電気分解です。私達が中学校の理科の実験で行ったそれです。水を張った水槽に電極を入れ、電気を通すと、ブクブクと泡が出て、それが生み出された水素と酸素に成ります。
しかし、この時必要な電気はどうすると言うのでしょうか。当然、発電が必要になるわけです。(中略)殆んどの国がまだ火力発電に頼っている状況ですから、トータルで考えると、実は水素を作るほうが重油を燃やしている計算になるのです。
もちろん、バイオマス技術があるから大丈夫だとするという反論もあることでしょう。バイオマスとは、微生物を使って水素を生み出す技術です。既に大学などでは、遺伝子を操作された微生物を利用して水素を作り、水素エネルギーを作ることが始められています。
いま日本で、満タン70リットルのガソリンを精製する時に必要とされる原油は、大体ドラム缶1個分です。ドラム缶たった1個の原油に相当する石油燃料にとって代わる水素の量でさえ効率良く生み出すことの出来るバイオマス技術など、何処を探しても無いのです。
こうした白黒がはっきりしている問題にも関わらず、尚も地球環境を守る為には水素エネルギーが良い、という宣伝があちこちで続けられています。何故か。
やはりここには、裏事情が存在します。水素エネルギー技術に巨額の投資を行った欧米の投資家達がいて、彼らはこの技術分野のパテントを圧倒的に所有しており、それをお金に換えるという運動を強く繰り返しているのです。
■穀物メジャーと石油メジャーの暗闘
同じことは、アルコール燃料についても言えます。アルコールも代替エネルギーとして脚光を浴び、それが元でトウモロコシの値段が思いっきり跳ね上がりました。トウモロコシだけでなく、アルコールはサトウキビや穀物からも作れますから、相場が高騰し、その波を受けて食料品が軒並み高騰しました。
穀物などからも取れるアルコールは燃料としてとても良い、と宣伝されていますが、これも大嘘です。
トウモロコシからアルコールを作るというのは、ウィスキーを作るのと同じ工程ですから、その過程で石油を燃やしているのです。地球環境に良いと言われますが、そんなことはないのです。しかも、今でこそ石油よりもコストが低いかも知れませんが、原油相場が落ち着けば、むしろコスト高になるのです。水素の場合と同様、微生物を作ってバイオマスでアルコールを作る方法もありますが、量とコストの両方で化石燃料を燃やして作る方法に取って代われるものではありません。
では何故、アルコール燃料が良いと言われ始めたのか。実は、穀物メジャーが、アルコール生産性が高い穀物の遺伝子特許の殆んどを押さえており、その利権で化石燃料エネルギー市場を奪い取ろうと企画しているのです。
有名な穀物メジャーはそれぞれ家族経営色の強い同族会社で、経営者一族は、それぞれロックフェラー家やロスチャイルド家と深い関係にあります。もちろん、これらの大富豪達は欧米石油メジャーのオーナー達でもあります。
一方、原油はイスラムのOPEC(石油輸出国機構)が支配しています。その両者が熾烈な綱引きを演じており、穀物メジャーが原油の買占めを行い、意図的に原油相場を吊り上げているとの情報もあります。原油高騰によるアルコール燃料への代替を進めることによって、穀物メジャーがOPECに取って代わろうとしているというわけです。アメリカの対イスラム戦略の1つと見ると分かり易いでしょう。
全てのエネルギーを公平に眺めると、実は普通の値段で原油を買い、それを精製して使うのが地球環境という観点からも、経済性からも、最も合理的だということが分かります。それを、水素エネルギーだ、アルコールエネルギーだと喧伝(けんでん)し、意図的に消費のコントロールを行っているわけです。この後ろには、「欧米」対「イスラム世界」という大きな政治的な覇権の取り合いがあるのです。
単純な事実を知らされていない私達の消費は、無知の世界に閉じ込められると、いとも簡単にコントロールされてしまうわけです。
〔資料〕≪広瀬 隆 著『二酸化炭素温暖化説の崩壊』 より抜粋(10)≫|MelancholiaT ※Honda FCX Clarity、他
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11246332705.html
〔資料〕石油の歴史 No.40 中東地域と世界石油市場を独占したセブンシスターズ - 痩田肥利太衛門残日録
http://blogs.yahoo.co.jp/futoritaimon/48207575.html
〔資料〕石油の歴史 No.1〜No.62 - 痩田肥利太衛門残日録
http://blogs.yahoo.co.jp/futoritaimon/folder/1441972.html
〔資料〕第4章:イギリスのユダヤ人マーカス・サミュエルの成功物語 - THE HEXAGON ※日本とロスチャイルド財閥、日露戦争にも絡む
http://inri.client.jp/hexagon/floorA6F_he/a6fhe200.html
〔資料〕原子力発電の推進の根拠は全て嘘である - Beyond 5 Senses, tamekiyo.com 2011年3月30日 ※第1次&2次オイルショックの狙い、他
http://tamekiyo.com/documents/original/20110330.html
〔資料〕戦争と「石油ピーク」〜元「石油ピーク」信者の告白〜 By F. William Engdahl - Beyond 5 Senses, tamekiyo.com 2007年9月26日
http://tamekiyo.com/documents/W_Engdahl/peakoil.html
〔資料〕≪広瀬 隆 著『二酸化炭素温暖化説の崩壊』 より抜粋(1〜10)≫|MelancholiaT ※―Rothschild
http://arsmagna2.jimdo.com/melancholiaT-roentgenium-資料保管庫-目次/
■通貨統一による世界支配
≪≪さて、消費の次に支配者が押さえたいものは、通貨です。
第2次世界大戦後のIMF(国際通貨基金)体制は、世界共通の通貨、バンコール Bancor を創設するか、国際基軸通貨ドルの下に各国通貨が結び付く体制を取るか、という二者択一を行いました。
IMFの初代総裁となったイギリスの経済学者ジョン・メイナード・ケインズ John Maynard Keynes(1883−1946)〔※―Victor Rothschild, 3rd Baron Rothschild(1910−1990)『ロマノフ家の黄金』より【系図8・36・37・38・39】、Rothschild Family、―Darwin Family〕が主張したのが世界共通通貨の創設です。しかし、結局、この構想は破れ、アメリカのハリー・デクスター・ホワイト Harry Dexter White(1892−1948)が提唱したドルを国際基軸通貨とする案が採用されたのです。
ケインズ以来のIMFの理想は、世界政府を創り、世界通貨を創ることに違いはありません。世界共通通貨には、為替変動リスクがない、決済事務が大幅に低減するなど様々なメリットがあるでしょうが、支配者達が狙っている最大のものは、通貨発行益(シニョリッジ Seigniorage)を独占出来るということでしょう。
通貨発行益というのは、通貨を発行した時に国に入る利益のことです。例えば、日本銀行が1万円札1枚を発行すると、その原価は20円。残る9980円は国際の購入に充てられ、これが国の利益になる仕組みになっています。
この通貨発行益は、それぞれの国が持っている権利なのですが、これをIMFが独占するとすれば大変な利益と言えます。IMFの最大の出資国はアメリカですが、IMFそのものはヨーロッパ支配階級の代理人とも言える存在です〔※『アメリカの経済支配者たち』より【図1〜4】〕。
アメリカは第2次世界大戦後、国際基軸通貨ドルを兌換紙幣(だかんしへい)として、1ドルが35分の1トロイオンスの金本位制を敷きました。しかし、1971年のニクソンショック (Second)Nixon Shock で、アメリカはドルと純金(金塊)との交換を一方的に停止し、金本位制は完全に崩壊するに至っています。
その時既に、ケンタッキー州フォード・ノックス Fort Knox, Kentucky にあるアメリカの中央銀行(FRB)の地下金庫(米国金塊保管所) United States Bullion Depository に保管されているはずの金準備がなくなっており、それは全部国外に売り渡されたとも囁かれました。
IMFに金本位制復活の意思があるとしたら、それは通貨統一による世界支配が狙いということは明らかではないでしょうか。ヨーロッパが再び世界の盟主としての力を取り戻し、ヨーロッパ以外の国々は言わば生(なま)殺しということになるかも知れません。≫≫
■アメリカと日本が蚊帳(かや)の外であるワケ
≪≪こうしたIMF(国際通貨基金)の思惑に対して、そうはさせじと対抗姿勢を見せているのが、中東のイスラム圏と中国です。既に中国は、共産党が一党独裁する資本主義国に成っています。表も裏も資本主義国であると宣言する日もそう遠くはありません。もちろん、当の中国としては、IMFに加盟するつもりはさらさら無いはずです。
また、イスラム教に基づいた経済哲学を持つ中東イスラム圏にしても、ヨーロッパのプロテスタント教的な資本主義を簡単に肯定することは出来ません。こちらもIMFに、容易に与(くみ)することは出来ないでしょう。従って、今世界の通貨を巡る攻防は、ヨーロッパ対中国対イスラム圏という三つ巴になっているわけです。
一方、アメリカ、そして日本ですが、この2国は既に蚊帳(かや)の外と見ることが出来ます。日本もアメリカも金準備は殆んど無く、円もドルもただの紙っぺらです。
しかも、日本の国際収支は、金額的にアメリカの国際収支とイコールです。アメリカは基軸通貨を持っていたが故に財政節度がないと言われます。ですが、それは日本も同じなのです。何故なら、財務省証券を購入し、節度の無いアメリカ経済を支え続けることで、日本はアメリカ経済と一蓮托生(いちれんたくしょう)の関係です。もっと言えば、その姿は殆んど一体化しています。
従って、ヨーロッパの番犬であるアメリカと、その奴隷として番犬に餌をせっせと与えている日本は、既にその戦いとは無縁になっているわけです。≫≫
〔資料〕『人口論 An Essay on the Principle of Population(1798年)』 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E5%8F%A3%E8%AB%96
〔資料〕John Maynard Keynes(1883−1946) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BA
※Sir Geoffrey Keynes(1887−1982)&Margaret Elizabeth Darwin(1890−1974)
http://www.geni.com/people/John-Maynard-Keynes/6000000010793039939
〔資料〕≪鬼塚英昭 著『黒い絆 ロスチャイルドと原発マフィア』 より要約(1)≫|MelancholiaT ※John Maynard Keynes―Victor Rothschild
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-10950959199.html
〔資料〕進化論 Evolution Theory - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%B2%E5%8C%96%E8%AB%96
〔資料〕反進化論 - whatislife ※重要
http://www.whatislife.jp/
※進化論―Rothschild
http://blog.kuruten.jp/katukan03/204336
〔資料〕優生学 Eugenics - Wikipedia
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〔資料〕社会進化論 Social Darwinism - Wikipedia ※―新自由主義
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%8B%E3%82%BA%E3%83%A0
〔資料〕清沢満之の進化論批判 By 角田玲子 2005年3月20日(PDF、全3頁) ※ヘーゲルの弁証法(正・反・合)
http://ci.nii.ac.jp/els/110002707390.pdf?id=ART0002989124&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1343551185&cp=
〔資料〕ケインズの忘れられた貿易機関構想 By Susan George - 『LE MONDE diplomatique』日本語・電子版 2007年1月
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〔資料〕金本位制には3つある - Electronic Journal 2008年6月13日 ※バンコール(国際通貨)
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〔資料〕Harry Dexter White(1892−1948) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%88
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◇
〔資料〕連邦準備制度を批判して毒殺されたマクファッデン By 菊川征司、他 - さてはてメモ帳 Imagine&Think! 2008年11月2日
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〔資料〕≪苫米地英人 著『現代版 魔女の鉄槌』 より抜粋(10)≫|MelancholiaT ※添付資料全般
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〔資料〕G. Edward Griffin著, 吉田利子 訳『マネーを生みだす怪物―連邦準備制度という壮大な詐欺システム』(草思社 2005年刊行)
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〔動画〕『資本家の陰謀(1972年)』 By G. Edward Griffin 1〜5 - YouTube [47分12秒]
http://www.youtube.com/watch?v=hy3tPen4saM
http://www.youtube.com/watch?v=DqV3ASrKM20
http://www.youtube.com/watch?v=zUVuebhwapo
http://www.youtube.com/watch?v=vb4-Hbu9h2Y
http://www.youtube.com/watch?v=RGHI0AuYf3Q
〔動画〕NHKスペシャル「ユーロ危機 そのとき日本は」(2011年11月23日放送) - 优酷 [49分26秒] ※分断化された被支配層(借金奴隷牧場としての国家) 対 国際談合や閨閥による支配層(グローバル企業群・国際金融資本)、新自由主義の名の下に財産と権利を搾取する仕組み
http://v.youku.com/v_show/id_XMzI2NTg3NDUy.html
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〔資料〕イングランド銀行:世紀の大犯罪=LIBOR不正操作事件 - nueq lab 2012年7月13日
http://nueq.exblog.jp/18597231
〔資料〕銀行間取引金利 不正防止策を検討 全銀協「東京も対岸の火事でない」 - SankeiBiz 2012年7月11日
http://www.sankeibiz.jp/business/news/120711/bse1207110503002-n1.htm
〔資料〕Richard A. Werner著『知れば知るほどコワくなる!日本銀行24のヒミツ―不況をつくり、悪化させたのは日銀だった!』(実業之日本社 2003年刊行)
http://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-62645-1
http://rothschild.ehoh.net/material/new_05.html
〔資料〕≪苫米地英人 著『利権の亡者を黙らせろ―日本連邦誕生論』 より抜粋(3)≫|MelancholiaT ※FRS―日経・CSISバーチャル・シンクタンク(1頁添付資料を参照)、中央銀行に関する添付資料多数
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11253445914.html
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〔資料〕英連邦 Commonwealth of Nations - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%E9%80%A3%E9%82%A6
〔資料〕英連邦王国 Commonwealth Realm - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8B%B1%E9%80%A3%E9%82%A6%E7%8E%8B%E5%9B%BD
〔資料〕イギリスの海外領土 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%81%AE%E6%B5%B7%E5%A4%96%E9%A0%98%E5%9C%9F
〔資料〕Large World Map|World Political Map ※英国中心(Standard)の世界地図
http://www.mapsofworld.com/world-political-map-large.html
〔資料〕William and Kate:The Big Cover-up By Grace Powers 2011年4月20日
http://www.helpfreetheearth.com/news305_wedding.html
http://satehate.exblog.jp/16314762
〔資料〕ロンドンとローマに於いて…ベルテーンの儀式 - David Icke in Japan 2011年5月8日
http://www.davidicke.jp/blog/20110508/
〔資料〕フランス革命とゴールドシュミット・ロスチャイルド+「完全犯罪」 By William Guy Carr - さてはてメモ帳 Imagine&Think! 2011年5月16日
http://satehate.exblog.jp/16338644
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〔資料〕「傳法大阿闍梨」苫米地英人の正体(その2) - 陽光堂主人の読書日記 2011年2月14日 ※統一教会との接点?(注.リチャード・コシミズは無視)
http://yokodo999.blog104.fc2.com/blog-entry-174.html
http://www.brain-book.com/report/noukino-1.html
〔資料〕苫米地英人 著『洗脳支配―日本人に富を貢がせるマインドコントロールのすべて』(ビジネス社 2008年3月刊行)
http://www.amazon.co.jp/%E6%B4%97%E8%84%B3%E6%94%AF%E9%85%8D%E3%83%BC%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E3%81%AB%E5%AF%8C%E3%82%92%E8%B2%A2%E3%81%8C%E3%81%9B%E3%82%8B%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%AE%E3%81%99%E3%81%B9%E3%81%A6-%E8%8B%AB%E7%B1%B3%E5%9C%B0-%E8%8B%B1%E4%BA%BA/dp/4828414126
(11頁へ続く)
(10頁からの続き)
〔安部芳裕 著『日本人が知らない 恐るべき真実』 第1章 今そこにある危機 より P.54−P.78〕
■日本は官制経済国家
幾ら借金が大きくても経済規模=GDP(国内総生産)が大きくなれば相対的に借金の割合が低くなり、返済出来るようになる。だから経済成長が必要なのだという説もあります。確かに原理的には可能かも知れません。但し、非常に特殊な経済構造を持つ日本には、その指摘は当て嵌まらないと思います。
世界には、色々な経済体制がありますが、日本は独特な経済体制を取っています。
2002年10月に刺殺された故・石井紘基(いしい こうき 1940−2002)衆議院議員は、日本独特の経済体制を「官制経済体制」と名付け、その知られざる実態を告発していました。石井議員が殺される直前に発行された『日本が自滅する日―官制経済体制が国民のお金を食い尽くす!』(PHP研究所 2002年刊行)という本には、通常、国会議員でなければ分からない財政構造の実情が詳しく描かれています。
少々長いですが、この遺書とも言える『日本が自滅する日』から引用して、その構造を紹介させて頂きます。
<
通常、国の予算と言うと、一般会計のことを言い、マスコミもこれしか報道しないが、実は特別会計と呼ばれる裏の予算があり、こちらの規模の方が遥かに大きいのである。特別会計とは、国が郵政とか道路整備とかといった特定の事業を営む場合や、厚生年金保険のような特定の資金を保有して、その運用を行う場合に作ることが出来る、一般会計とは別の会計のことだ。
その特別会計がいま38もあって、それらの歳入を合計すると336.5兆円、歳出を合計すると318.7兆円にもなる。ここに入ってくるのは、揮発油税のような税金もあれば、厚生年金の保険料もある。一般会計の4倍もの規模を持つ、この特別会計こそが“財政の横綱”なのである。
この国の財政には、もう1つ、他の先進国には見られない「財政投融資」という大きな枠組みがある。私達の郵便貯金や簡易保険料、年金の積立金を集めて、それを特殊法人に融資したり、国債や地方債を引き受けたりしている。その規模が平成12年度(2000年度)の計画段階では43.7兆円だった。
通常、一般会計を「第1の予算」と見なし、財政投融資を「第2の予算」と言うことが多いが、それは事の本質を見ていない。規模の点でも実質的な意味でも、特別会計こそが第1の予算であり、財政投融資はそれに次ぐ第2の予算、一般会計は単なる建前予算と言っても過言ではないのだ。
また、これらの3つの枠組みの間では、例えば一般会計から特別会計に資金が繰り入れられたり、財政投融資で調達された資金が特別会計に繰り入れられたり、相互に複雑な資金のやり取りが行われている。そしてその財投資金が様々なルートを通って地方自治体に流れたり、特殊法人・公益法人に流れたりし、更には関連企業に流れて、この国の“官制経済”体制の動脈を形成しているのである。
我が国の本当の予算は幾らなのか。これを弾(はじ)き出す為には「一般会計」と「特別会計」から複雑極まりない出入りや二重三重の重複部分を除いた数字を算出しなければならない。
平成12年度(2000年度)の一般会計予算は85兆円である。次いで平成12年度の特別会計の概要を見ると、〈歳入〉の単純合計が336.5兆円であり、そのうち重複分(一般会計、他の特別会計から入ってくる分)は192.3兆円である。つまり、重複分を差し引いた総額は144.2兆円である。これに対して〈歳出〉は単純合計が318.7兆円であり、そのうちの重複分は143.3兆円である。つまり、重複分を差し引いた総計は175.4兆円となるわけだ。
以上の通り、一般会計の歳出が85兆円、一般会計との重複分を除く特別会計の支出が175.4兆円であるから、我が国の歳出における財政規模(=年度予算額)は260.4兆円ということになるのである。
そもそも我が国政府は憲法違反を犯し、法律に反した財政運営を行っている。憲法第83条は「国の財政を処理する権限は国会の決議に基づいて、これを行使しなければならない」と謳っている。
しかし、国の一般会計予算から特別会計、特殊法人などへ年間約30兆円も投資されており、この財務については現実には国会の与り知らぬところとなっている。特別会計における“公共事業”などの事業予算・箇所付けについても国会を素通りして決定されているのである。我が国では、税金の使い方や配分には血道を上げるが、その金がどう使われたか、つまり、決算には殆んど無関心である。
即(すなわ)ち、我が国の決算は21世紀になったというのにまだ平成9年(1997年)までしか行われていない。平成10年度(1998年度)分の委員会審議は、遂に平成14年(2002年)に持ち越しという有様だ。つまり決算しなくても予算が組める。決算の結果が予算に影響を及ぼさない国会では4年前の決算が行われなくても何ら不都合はない(!)というのが我が国の現状なのである。
国の決算がおざなりにされている理由はただ一つ、税金の本当の使途を国民に知らせることが出来ないからなのである。
これには様々な要因があるが、根本は我が国の財政制度に問題があるのだ。我が国の財政制度は行政権力による“事業”展開の体系として各省庁が所管する「特別会計」を軸に構成される。その中で歳出については大半が「補助金」であり、それは行政権限による配分の形で決められる。
年間予算260兆円のうち「一般予算」として提出されるのは80兆円であり、それも大半は特別会計に繰り入れられ、省庁による箇所付けに付される為、予算は事実上、決して憲法の定めるように国会で決められているとは言えないのである。
国会で決めるのは単に抽象的な「予算」に過ぎない。「予算」支出の中身は省庁(官僚)が与党の指示や族議員の意向などを考慮して決めるのである。
いったん特会のトンネルを潜(くぐ)った公共事業費、社会保障費などは、大部分が補助金の形で地方公共団体や特殊法人、公益法人などを通して業者へと流れていく。それらの経路は全てにおいて政治家と繋がっており、金の流れは本流から傍流へ、傍流から支流へと消え去っていく。
尚、特別会計を通らない補助金もあり、これは各省庁から直接に特殊法人、公益法人、業界団体へと配られる。一部は直接業者に行くが、何れも政治献金と天下りが付き物であることに変わりはない。
≪≪「特別会計」が裏予算であり財政の黒幕であるとすれば、「財政投融資計画」はその裏予算を支える“闇予算”である。国ぐるみの投資事業(=行政ビジネス)の為に大量の資金を供給する“胴元”と言ってよい。先進諸国には例のない特異な制度であると共に、日本の“歪み”の根本でもある。
財政投融資は特別会計と共に多くの特殊法人などの官企業と相互に不離一体の関係にあって政官業の一大利権体制の主な資金源となっている。しかも、特別会計と財政投融資は、国家予算であるにも関わらず、省庁の裁量で動くのが特徴である。
財政投融資の原資となるのは、国民の税金の一部の他、郵便貯金や簡易保険、更には厚生・国民年金の積立金などである。
それら「国民の積立金」はいったん大蔵省の資金運用部(会計上の名称で、そういう組織があるのではない。平成13年度(2001年度)から財政融資資金に名称が変わった)に繰り入れられる。その資金を社会資本の整備などの為に「投融資」するというのが、教科書的な財政投融資の定義である。
「財政投融資計画」は平成12年度(2000年度)までは国会にも掛けられなかった。13年度(2001年度)から初めてその大枠が国会に提出され審議・議決を受けるようになった。しかし、財政投融資は投資・運用(公会計と国家財政法に馴染まない)である為に決して予算とは言わない。しかも、実際には長期の投資・運用計画であるにも関わらず、当該年度分しか議決出来ないという矛盾した姿になっている。
「財政投融資」資金の“貸し出し先”は、「政策目的」の名分で社会資本整備、住宅対策、地域活性化、中小企業対策、国際協力などを行う機関である。
各年度の財政投融資計画は、各機関における具体的な金の使途が示されない極めて抽象的かつ模糊としたものである。莫大な国民の金を使う特殊法人や特殊会社の予算などの財務内容も出されなければ、それらの機関に例外なく巣喰う天下り役員の給与なども公表されない。
「財政投融資」資金は「政策目的に使う」、ということであるが、これは詭弁である。
「財政投融資」の当初の目的は極めて限られた、国民生活に欠かせない基本的社会整備としての鉄道や少数の港と空港、国道、電力基盤などで、その財政規模も極めて限定的なものであった。ところが、特に1960年前後から「整備法」「開発法」等の他、特殊法人などの「設置法」、予算の「措置法」という具合に次々に新たな“事業”の為の「政策」が法定化された。
しかも「政策」は必ずしも国会の議決がなくても出来る。その為、閣議決定や総理決定、政省令、通達などで無節操に増やし続けた。
年金も郵貯も基本的には不良債権化しているのである。このまま行けば、極近い将来にも悲劇的事態を迎えることが確実だ。年金や郵貯から「財政投融資」への貸出残高は鰻登りに増えているが、それは既に“使い込み総額”と言っても過言ではない状態になっている。
と言うのも特殊法人などは、返済相当額を毎年新たに借り入れる“サラ金地獄”に陥っているからだ。「財政投融資」の“使い込み”が将来返済される見込みは極めて薄い。請求書は必ず国民に回される。その時「知らなかった」では済まされないツケなのである。≫≫
国による歳出は一般会計と特別会計を合わせた純計で約260兆円、地方公共団体の支出は、国とのやりとりを除いた純計で90兆円である。従って、国と地方を合わせた一般政府の支出は350兆円となる。
この国の「経済」は極端に言えば、国と地方と合わせて国民の税金と貯金、年金、保険積立金など350兆円を上から流し込んで消費しているだけのものと言ってよい。つまり、市場特有の拡大再生産機能によって生み出される果実はないに近い。経済価値を創出する“市場”が死亡状態となり、回復不能の、借金が借金を呼ぶ財政破綻構造に陥っている。
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外国人ジャーナリストには「日本は社会主義・共産主義国家だ」と指摘する人が沢山いました。しかし、社会主義・共産主義と違う点は、それらは(もちろん実際には異論を持っている人も沢山いるとは思いますが、表向きは)国民の同意の下にその制度を採用しているということです。日本は、国民は資本主義・自由主義国だと思っているのに、規制という権限を元に官僚が国家経済を管理・コントロールしているという点で独特なのです。
本書が書かれたのが2001年なので、書かれているデータが若干古いものになっていますが、特に注意をして見て頂きたいのが「国と地方を合わせた一般政府の支出は350兆円となる」という部分です。
当時のGDPは約510兆円でした。一般政府の歳出の中には年金のように実際の消費ではなく、お金の移転として計上されているものもあります。そうした部分を除いたとしても約300兆円規模の政府支出があります。つまりGDPの約6割が政府歳出となります。そして、その支出は、これまで見てきたように“借金”によって支えられてきたのです。
〔動画〕石井紘基事件の顛末 - YouTube [61分34秒]
http://www.youtube.com/watch?v=dtIdmuVxkd8&hd=1
※石井紘基殺害事件―菅 直人
http://ameblo.jp/kriubist/entry-10643541473.html
〔資料〕石井紘基さん殺害事件から8年、封印されたもう1つの「謎」 - 保坂展人のどこどこ日記 2010年10月31日
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/b57bd555544f837f9b2caab70714949c
〔資料〕石井紘基 著『日本が自滅する日―官制経済体制が国民のお金を食い尽くす!』(PHP研究所 2002年刊行)
http://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%8C%E8%87%AA%E6%BB%85%E3%81%99%E3%82%8B%E6%97%A5%E2%80%95%E3%80%8C%E5%AE%98%E5%88%B6%E7%B5%8C%E6%B8%88%E4%BD%93%E5%88%B6%E3%80%8D%E3%81%8C%E5%9B%BD%E6%B0%91%E3%81%AE%E3%81%8A%E9%87%91%E3%82%92%E9%A3%9F%E3%81%84%E5%B0%BD%E3%81%8F%E3%81%99-%E7%9F%B3%E4%BA%95-%E7%B4%98%E5%9F%BA/dp/4569614140
〔資料〕石井紘基 著『だれも知らない日本国の裏帳簿―国を滅ぼす利権財政の実態!』(道出版 2002年刊行)
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%A0%E3%82%8C%E3%82%82%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E3%81%AE%E8%A3%8F%E5%B8%B3%E7%B0%BF%E2%80%95%E5%9B%BD%E3%82%92%E6%BB%85%E3%81%BC%E3%81%99%E5%88%A9%E6%A8%A9%E8%B2%A1%E6%94%BF%E3%81%AE%E5%AE%9F%E6%85%8B-%E7%9F%B3%E4%BA%95-%E7%B4%98%E5%9F%BA/dp/4944154410
〔資料〕公的年金制度における年金記録管理問題の歴史的経緯 By 密田逸郎 2008年9月(PDF、全15頁) ※「厚生年金」は戦費調達、「国民年金」は財政投融資による長期年金資金の活用を目的としたもの
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/ss/sansharonshu/442pdf/03-02.pdf
〔資料〕≪苫米地英人 著『洗脳支配―日本人に富を貢がせるマインドコントロールのすべて』 より抜粋(5)≫|MelancholiaT ※本文及び添付資料全般
http://ameblo.jp/antibizwog/entry-11301190138.html
■特別会計の歳出額
2007年度の特別会計予算を見ると歳出総額は362兆円でした。特別会計の歳出総計から重複計上分を差し引けば統計は175兆円。これに一般会計の82.9兆円と地方歳出の65.7兆円を加えると合計323.6兆円になります。
そして、この特別会計の原資も、私達の預貯金、年金、保険金が多く使われています。つまり、日本経済の実態とは、私達の預貯金、年金、保険金を原資とした借金を上から流し込み、政・官・財そして暴力団などがその利権に群がるという構造になっているのです。
このような日本の経済構造の中でGDPを増やすということは、更に借金を増やすことと同義です。今でも「日本は経済大国」と信じている日本人は多いと思いますが、それは砂上の楼閣であり、借金の上に築かれた幻想は、近い将来、崩れ去る時が必ず来るでしょう。
■財政投融資の不良債権はどれくらいある?
慶應義塾大学経済学部助教授の土居丈朗(どい たけろう 1970−)氏〔※消費税増税論者、野田内閣及び橋下 徹のブレーンの1人。国会で捏造した資料を提出→添付資料を参照〕は『財政投融資の健全性』というレポートで、2000年度末で267兆円の不良債権を指摘しています。当時の融資総額は357兆円だったので、76%が不良債権となっていることになります。
日医総研(日本医師会総合政策研究機構)は2002年4月に『公的年金積立金の運用実態の研究』という報告書を発表。年金積立金147兆円のうち、これまでその全額が財政投融資に回っていて、そのうち87.7兆円が不良債権化していると結論付けています。
日本経団連など財界のシンクタンクである日本経済調査協議会が2003年に分析したところによると、特殊法人等の準政府部門が抱える借金は400兆円になるということです。これは政府が保証人となっていますから、政府の「隠れ借金」と言えるものです。
2007年、5000万件の記録が消えていたという「消えた年金問題」が発覚しました。これはこれで由々しき事態ですが、私はこの事件を不良債権化した年金基金を有耶無耶に誤魔化す為の茶番ではないかと疑っています。
1988年(昭和63年)に出版された財団法人厚生団(現・財団法人厚生年金事業振興団) 編『厚生年金保険制度回顧録』(社会保険法規研究会 1988年刊行)には、旧厚生省の初代年金課長、花澤武夫(?−1989)氏の驚くべき発言〔※1986年(昭和61年)に厚生省の外郭団体が主催した座談会で講演した内容〕が収録されています。
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それで、いよいよこの法律が出来るということになった時、これは労働者年金保険法ですね。直ぐに考えたのは、この膨大な資金の運用ですね。これをどうするか。これを一番考えましたね。
この資金があれば一流の銀行だって敵(かな)わない。今でもそうでしょう。何十兆円もあるから、一流の銀行だって敵わない。
これを厚生年金保険基金とか財団とかいうものを作って、その理事長というのは、日銀の総裁ぐらいの力がある。そうすると、厚生省の連中がOBになった時の勤め口に困らない。何千人だって大丈夫だと。金融業界を牛耳るくらいの力があるから、これは必ず厚生大臣が握るようにしなくてはいけない。
この資金を握ること、それから、その次に、年金を支給するには20年も掛かるのだから、その間、何もしないで待っているという馬鹿馬鹿しいことを言っていたら間に合わない。
その為には直ぐに団体を作って、政府のやる福祉施設を肩替りする。社会局の庶務課の端っこのほうでやらしておいたのでは話にならない。大営団みたいなものを作って、政府の保険については全部委託を受ける。そして年金保険の掛金を直接持ってきて運営すれば、年金を払うのは先のことだから、今のうち、どんどん使ってしまっても構わない。
使ってしまったら先行困るのではないかという声もあったけれども、そんなことは問題ではない。20年先まで大事に持っていても貨幣価値が下がってしまう。だからどんどん運用して活用したほうがいい。何しろ集まる金が雪ダルマみたいにどんどん大きくなって、将来みんなに支払う時に金が払えなくなったら賦課式にしてしまえばいいのだから、それまでの間にせっせと使ってしまえ。
>
こんな意識で資金運用をしてきたのですから、帳簿上にお金はあるように見えても実際は相当な金額が焦げ付いて回収不能になっているのではないでしょうか?(後略)
〔資料〕参議院会議録情報:第180回国会 予算委員会公聴会 第1号 2012年(平成24年)3月22日 ※土居丈朗・慶應義塾大学経済学部教授(御用学者)と藤井 聡・京都大学大学院教授の両公述人のやりとり
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/180/0029/18003220029001a.html
■レント・シーカー達の饗宴―利権に巣食う魑魅魍魎
英語でRent Seekers(レント・シーカー)という言葉があります。レント・シーカーとは「公的なものを利用して自分の利益を誘導する人々」のことです。
例えば、市場に政府が介入すると、それを利用して利益を得ようとする政治家が現れる。規制を作れば、そこには利権が発生する。規制によって官僚は権限を振るうことを許され、規制された市場では企業が独占的な利益を手にし、これらが既得権益と化す。政治家は、自分の支持基盤となる団体や業界の為に、規制を作り、便宜を図り、その見返りとして献金や票を集める。
このように自由市場では生じえない政治的利益を「レント」と呼び、圧力団体やロビー活動によってレントを求める行動を「レント・シーキング活動」と呼びます。
≪≪特別会計や財政投融資はレント・シーカー達の温床になっています。ダム、高速道路、スーパー林道、原発、揚水発電、リゾート開発、港、空港、ODA、そして世界銀行やIMFへの融資等、環境破壊や社会問題を引き起こしている様々な開発の資金源は、この財政投融資から出ていて、何れも累積赤字を計上し続けています。≫≫
レント・シーカーが増えると、
@国有財源で不急不要な事業が自己増殖的に行われる。
A硬直的で過大な資源配分が行われる。
B多額の繰越金や剰余金が放置される。
C一般会計からの繰り入れなどにより、受益者と負担の関係が全く不明になる。
という弊害が起き、レント・シーカーが増えるほど国家は疲弊します。彼らが自ら作り出した赤字に寄生して生きているからで、赤字を減らせば彼らの利益は消失してしまうからです。
■国家破綻の歴史
余り知られていませんが、日本は明治維新以降、既に2回破産しています。1回目は1904年(明治37年)から1916年(大正5年=第1次世界大戦中)にかけて。2回目は1931年(昭和6年=満州事変勃発)から1945年(昭和20年=終戦)までの14年間。過去2回の破産は戦争絡みで、ハイパーインフレと大増税という荒波を受けました。国債が紙切れになったのは、まだほんの60年前のことなのです。
第2次世界大戦直後のインフレ進行を阻止する為に、1946年(昭和21年)2月16日の夕刻、政府は突然、「金融緊急措置令」及び「日本銀行券預入令」を公布し、5円以上の日本銀行券を預金、或いは貯金、金銭信託として強制的に金融機関に預入させ、「既存の預金と共に封鎖の上、生活費や事業費などに限って新銀行券による払出しを認める」という非常措置を実施しました。これが、いわゆる「新円切り替え」と呼ばれているものです。
また、この時に総国民の資産調査が行われ、10万円を超える資産に対し25〜90%の高額な財産税が掛けられました。
更に、郵便貯金は10年間の払い戻し拒否が実施され、払い戻せるようになった時には、貯金は一律3分の1をカットされたのです。10年間で物価は300倍に上がりましたので、殆んどの人達の貯金は実質的には900分の2しか戻ってこなかったことになります。
古典派経済学の始祖アダム・スミス Adam Smith(1723−1790)は「公債は、税金を担保とする借金で、非生産的であり、国を亡ぼす」と指摘しています。公債に頼った財政は、最終的には、国民の生活が犠牲になるのです。
■財政史から見る財政破綻の原因
戦後、日本の財政は忌まわしい戦時経験から、憲法で「財政の国会中心主義」(83条)を謳(うた)い、財政法では「国債の日本銀行引き受け禁止」を決めました。憲法は、税金だけで国家の財政を賄(まかな)う「租税国家」を謳っています。
1949年(昭和24年)のドッジ・ライン Dodge Line〔※1949年2月GHQ経済顧問として公使の資格で来日したデトロイト銀行頭取ジョゼフ・ドッジ Joseph Morre Dodge(1890−1964)が指導して行った厳しい財政金融引締政策。施行後、戦後インフレは収まったが逆にデフレが進行し、失業や倒産が相次ぐ「ドッジ不況」が引き起こされた〕以来、日本は均衡財政主義を堅持し、財政規律を守ってきました。そして、財政法4条【※1】では「歳入欠陥が生じた時に、国債で賄(まかな)ってはいけない」つまり赤字国債の発行は禁止とされてきました。
しかし、転機は1964年(昭和39年)に訪れます。東京オリンピック(1964年)による好景気の反動で不況に陥り、歳入に欠陥が生じたのです。この欠陥を埋める為「昭和40年度における財政処理の特別措置に関する法律」が公布施行され、1965年度限りの臨時特別措置として、収入の減少見込み額2590億円の範囲内で「赤字国債」を発行することになったのです。
しかし、特措法というのは、記憶に新しいところで「イラク特措法」もそうでしたが、なし崩し的に破られるものです。
10年後の1975年からは国債の大量発行が始まり、10年後の1985年から赤字国債の償還が始まるはずでした。それまで赤字国債は、当該年度中に返すのが大原則でした。しかし、1984年に「昭和59年度の財政運営に必要な財源の確保を図る為の特別措置等に関する法律」によって国債の償還は60年まで延長されたのです。
60年償還ルールを採用すると、例えば、償還期限10年の国債の場合ならば、10年たった時に全額の6分の1だけを現金で返済し、残りの6分の5は赤字補填の為の借換債を発行して賄(まかな)うことが出来ます。ちなみに借換債は民間では粉飾(不正な意図を持って、財政状態を実際より良好な状態に見えるように人為的操作を加えること)となるため原則として行われていません。財政特例法にも「借り換え発行はしない」と明記されていました。
しかし、大蔵省は国会や国民に十分な情報開示もしないまま、憲法と財政法を無視して「借換債」という償還の先送りを行ったのです。この時から赤字国債増発を抑える歯止めがなくなってしまいました。
借換債は、既に「死に体」となった日本財政の生命維持装置です。日本は既に借換債を返済する為に、また新たな借換債を発行するという借金地獄に嵌(は)まってしまいました。国債発行額や国債費は予算書に計上されるから国民の目に触れますが、借換債は予算書はもとより、どこにも現れていないので、批判の対象になることがありません。
国債の60年償還と借換債は「ご都合主義」によるルール変更であり、結局は問題を先送りにし、一方的に負担を将来世代に強いらせるものです。因果応報。『理念なき政治』を行ってきた政治家及び官僚、また、それを放置してきた国民にも、その報いを受ける時が必ず訪れるでしょう。
【※1】財政法4条 1.国の歳出は、公債または借入金以外の歳入を以って、その財源としなければならない。但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことが出来る。2.前項但し書の規定により公債を発行し又は借入金をなす場合においては、その償還の計画を国会に提出しなければならない。3.第1項に規定する公共事業費の範囲については、毎会計年度、国会の議決を経なければならない。
■日本の財政は何故わかりづらい?
企業は複式簿記や貸借対照表、連結決算という会計手法を使っています。しかし、日本国の公会計は、単式簿記で行われています。
だから国が会計を公開しても、お金の流れ(フロー)と財産(ストック)の増減が連動せず、その上、一般会計と特別会計、特殊法人会計、認可法人会計が連結していないので、日本全体で幾らの資産と負債があるのか、全く分からないようになっています。
複式簿記には自動検証機能があり、それがあって始めて原価が正確に計算出来、利潤も正確に計算出来るようになります。単式簿記で公会計を続ける限り、財務省はいつまで経っても説明責任から逃れることが出来るでしょう。
ちなみに、公会計に複式簿記を導入していない国は、資本主義国の国家ならば世界中の何処にもありません。
■国家破産の方程式
これまで見てきたように、このままでは日本が財政破綻を避けることは難しいようです。ジョン・メイナード・ケインズ John Maynard Keynes(1883−1946)〔※―Victor Rothschild, 3rd Baron Rothschild(1910−1990)『ロマノフ家の黄金』より【系図8・36・37・38・39】、Rothschild Family、―Darwin Family、10頁の添付資料を参照〕は『貨幣改革論』(1923年)の中で国家破産の方式には3通りあると主張しています。
a.債務帳消し型
b.債務所有者に対する資本課税型
c.財政暴力出動型
a.の債務帳消し型には2つの方法があります。1つは「デフォルト」。つまり借金の返済をやめてしまうことです。この場合、既に見てきたように国債の保有者は9割近くが金融機関なので、殆んどの銀行は倒産してしまい、国民の預貯金は殆んど引き出せなくなります。また、国際的な信用も無くなり、日本円の暴落も予想されます。
もう1つの方法は、いわゆる「預金封鎖」。預金を新旧に分け、当分の間、旧の預金勘定を一定額しか引き出せないようにします。これをやる理由は、政府が大量に発行した国債を旧勘定にして凍結する狙いがあります。前述のように日本が2回目に破産した時、この手法が採用されました。
b.の債務所有者に対する資本課税型ですが、日本の債務所有者は直接的には金融機関ですが、間接的には国民です。政府には課税権がありますので、大増税をして国民から税金を出来るだけ搾(しぼ)り取ることが出来ます。戦後の破産時にも10万円を超える資産に対し25〜90%の高額な財産税が掛けられました。
現在、政府が検討している案から想定してみると下記のような増税が予想されます。
1.消費税は10%にし、将来的には30%を目指す。
2.環境税などの新税を導入する。
3.所得税を所得の低いアルバイト等からも徴収する。
4.所得税の計算の時の各種控除を縮小する。
5.高所得者に適用される所得税の最高税率を引き上げる。
6.酒税やタバコ税を増税する。
7.社会保険料、年金保険料、雇用保険料、労災保険料等の保険料を増やし、給付を減らす。
8.子供の扶養控除を増やし、子供のない夫婦からは上乗せ所得税を徴収する。(少子高齢化対策として)
但し、大増税は、国民からの反発が強いのと、反(かえ)って不況を促進する為、なかなか実施することは難しいようです。
c.の財政暴力出動型というのは、ハイパーインフレ、貨幣価値の大幅下落を指します。原理的には通貨供給量を10倍にすると貨幣価値は10分の1になり、通貨供給量を100倍にすると貨幣価値は100分の1程度になります。貨幣価値が100分の1になると1000兆円の借金は、実質的には10兆円となります。
これは日本銀行がお札(日銀券)をどんどん印刷することで可能です。但し、預貯金の価値も同じように減ります。1000万円の預貯金は100分の1になると10万円の価値となってしまいます。国民が何十年もかけて貯めてきた資産が、あっと言う間に消えてしまうことになります。
上記のような方法は、何れも大不況を招くことになってしまいますが、このままでは何れかの方法、もしくはこれらをミックスした方法を取らざるを得ないというのが、多くのエコノミストの指摘するところです。
〔安部芳裕 著『日本人が知らない 恐るべき真実』 第5章 もう1つの「お金」は可能だ より P.260−P.264〕
■日本の景気対策が効かない理由
日本政府はこのような事態に対し国債を増発して財政支出の拡大や減税を含む景気対策を何度も実施してきました。日銀も0%近くにまで達する低金利政策や思い切った量的緩和政策を行いました。しかし、これらの景気対策の効果は、殆んど一時的なものに止(とど)まり、時間の経過と共に事態はむしろ悪化しているように見えます。
何故日本の景気対策が効かないのでしょう?
基本的にお金の量を増やし、流通をスムーズにするということは景気対策として間違っていません。但し、今の金融システムを通じて景気対策を実施しても、殆んど効果はありません。バブルの崩壊により銀行を始めとした金融機関には膨大な不良債権が積み重なり、その処理の為、市場にお金が回らなかったのです。
政府が財政支出を増やし、企業にお金が流しても、多くの企業は既に多額の借金を抱えていて、返済しなければ倒産してしまう状態でした。政府が流したお金(そのお金も政府が借金をすることにより創られています)は、直ぐに銀行というブラックホールに吸い込まれ、消えて無くなってしまいました。
現代のお金は銀行から借金することによって創られているので、銀行に返済をすればお金が無くなるだけなのです。結局、企業の借金が政府の借金に転化されただけという結果になりました。
国民経済をマクロ的な視点で見ると、P・V=M・Tの恒等式が成立します。Pは価格(Price)、Vは物とサービスの量(Volume)、Mは通貨供給量(Money)、そしてTは通貨回転率(Times)です。国内総消費=P・Vは、通貨供給量×回転数に一致するのです。政府の対策は通貨供給量を増やしましたが、回転率が低いので効果が出ないのです。
それ以前の問題として、既に日本の企業の多くは、新たに借金をする体力も残っていなかったという問題がありました。また、トヨタのように一部の業績の良い大企業は既に自己資本を蓄えていたり、証券や社債による直接投資によってお金を集められるようになっていました。つまり、大企業に資金需要がないのです。だからお金を増やしたくても借り手がいない。
これまで銀行が担ってきた産業銀行(大企業に短期的な運転資金を貸し出したり、長期的な設備投資資金を貸し出すことを主な業務とする銀行)というモデルは、既に歴史的な役割を終え、ローリスク・ローリターンのリテールバンク(小口金融)に転向せざるを得なくなっていました。
更に、小泉政権時に行われた構造改革によって、日本にグローバリゼーションの波が本格的に押し寄せました。日本の企業は世界を相手に同じ土俵で戦うことを強いられ、企業も欧米型に改革しなければ生き残れないという風潮が広まりました。
欧米型の企業とは、いわゆる株主資本主義です。株主の利益を第一に考え、短期的な利益を追求することが会社の目的となり、商品クオリティの向上や労働者の雇用待遇などは後回しにされました。その後、大企業の業績は改善されていきましたが、その殆んどは大規模なリストラや下請け企業に無理なコスト削減を押し付けた結果であり、非常に大きな痛みを伴うものでした。
そして、それは結局、日本経済の地力を全体的に弱めることになりました。終身雇用の廃止、非正規雇用や日雇い覇権などの増加は、将来への不安と貧富の格差を拡大させました。
一部の富裕層はお金を持っていても、既に必要なモノ、欲しいモノは揃っており、余剰金は消費よりも投機に使われます。中間層は将来の不安に備えて、余剰金が合っても、消費よりは貯蓄を優先します。一方、貧困層は生活だけで精一杯。将来に備えての貯蓄も出来ませんし、生活費を出来るだけ切り詰め、綱渡りのような毎日を送っています。
つまり、生活圏の中でお金が循環しなくなってしまっているので、お金が回ってこない貧困層から壊死が始まっているのです。
これまでの経済対策のように、上流からお金を流したところで下流にまでは達しません。下流にいる中小・零細企業、そして個人はお金が流れてこなくて苦しんでいます。中小・零細企業の割合は全企業数の9割を超え、また、個人消費はGDP全体の6割弱を占めており、その変動が経済全体に及ぼすインパクトは非常に大きなものになります。
下流にある個人消費が伸びなければ、景気が回復することはないでしょう。つまり、今の金融システムを通して幾ら上流からお金を流しても無駄なのです。もし、この不況を脱したいのならば、これまでとは逆にお金を下流から、それも借金ではないお金を直接注ぎ込むことが必要です。下流には消費をしたい人が沢山います。その人達にお金が回れば、消費は放って置いても回復するでしょう。
http://rothschild.ehoh.net/truth/part1/find.html
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