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先ず最初にお断りしておきますが、これは「8月15日」という特定の日付に意味が在るという事ではありません。
8月8日以降であれば、何日でも、単に、正に時間の問題だったということです。
<核の神話>には大きく分けて二つあります。
一つは「2発の核によって日本は降伏した」、もう一つは「核の平和利用」
今回こちらでは前者を論じます。
当の日本人も含めて、世界中がこの神話を信じ込んでおり、アメリカの「核を使わなければ米兵の犠牲者100万」とのデタラメは論外としても、中国や韓国等、日本の被害に遭った諸国を中心に、「核の非人道性は認めるが、それによって日本を降伏させたのだから」と、事実上、免罪するかのような論調が罷り通っています。
私は、何故、こんな神話というか作り話が成立し、今なお流通しているのか?ーを問う時、単にアメリカの(プロパガンダの)所為ばかりではなく、日本も又その方が都合が良かったからだ、と考えております。
何故ならば、日本が降伏した唯一つの原因は8月8日の「ソ連の対日参戦」に在るからです。
これは次に挙げる二つの理由を考えれば納得されるでしょう。
@国体の護持 A明治以来の国防戦略の破綻
@は下記の近衛上奏文※が示す通り、何よりも「国体の護持」が最優先であったこと。
※「國體護持ノ建前ヨリ最モ憂フルヘキハ敗戰ヨリモ敗戰ニ伴フテ起ルコトアルヘキ共産革命ニ御座候」
断っておきますが、この問題を天皇制との絡みのみで理解するのは完全な誤りで、軍部は元より、支配層が最優先するのは<国体>−即ち自らの存在を正当化してくれる体制装置ーであることは「民主主義」の今日にあっても変わらない。 ただ、敗戦までとは異なり、「民主主義」というマントに隠れて、<支配>=権力の在処が見え難くなってるというだけです。 それは、「自らの存在を正当化してくれる装置」を最も必要とする、官僚の動向を見れば良く分かります。
冷戦という霧というか煙幕が取除かれて益々鮮明になったことは、”日米は運命共同体”という言辞に表れてる様に、最早異常と言うべき官僚の対米依存でありましょう。
所謂「日米構造協議」自体、アメリカという<錦の御旗>又は虎の威を借りて、官僚が自らに都合のいい権力と社会の再編成をやろうとする処にその動機が在り、それが「年次改革要望書」になり、更には今日の「TPP」になっている※のです。
※日本にとって明らかに不利になる「TPP」に何故日本政府は踏み込むのか?を問うたJ.ケルシー氏(NZ、オークランド大教授)も、結論として、政治で出来ない「国内改革」をやろうとしているところにそれを見ています。 勿論、鳩山政権崩壊と共に潰えた「東アジア共同体」に入れ替わる様に出て来た所に表れてる様に、あくまでアメリカの対東アジア(及び世界)戦略に添うものとして。
つまり、この事でも判る通り、アメリカとの利害の一致に自らの権力の源泉を求める、占領期以来の官僚の在り方が、占領無き<占領体制>として、恰も『1984年』(J.オーウェル)の”ビッグブラザー”の如くアメリカを君臨させており、「国体護持」を最優先したかってと同様、斯かる体制の護持こそが最優先、そうしてその為には国民の事は二の次、三の次、否!国民のことなどどうでもよい、ということなのでしょう。
官僚にとって、国家とは<統治機構>のことであり、国民はその付属物にしか過ぎないのですから!
従って、”日米は運命共同体”というのは、正しくは<米国と官僚は運命共同体>と言い換えるべきです。
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