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売上で転嫁したい消費税の負担は「仕入における消費税額+事業者自身の納付すべき消費税額」
http://www.asyura2.com/12/senkyo132/msg/769.html
投稿者 あっしら 日時 2012 年 7 月 11 日 01:29:04: Mo7ApAlflbQ6s
 

(回答先: 「税の累積の排除」の説明と、間接税と直接税の分類について 投稿者 独歩 日時 2012 年 7 月 10 日 21:33:13)


 独歩さん、こんばんは。
 タイトルにした論理を考えれば、見方が少し変わるのではと期待しています。

 コメント欄も読みましたが、独歩さんにお気遣いさせて申し訳ありません。あくまでも自分の気分の話ですので、ゆっくりフェードアウトしていきましょう。


【引用】
「つまり欧州付加価値税においても、課税対象は「有償で行う資産の譲渡および役務の提供・・・」となっており、課税対象が付加価値であるとは明記されてはおりません。
納付額を計算する上においては、結果的には付加価値にたいして納付義務があるといえるのであって、付加価値税が「付加価値に課される税」というのは、やや横暴な表現にも思われます。
それは詭弁ではなく、付加価値税法に乗っ取った適切な表現方法だと思われます。


【コメント】
 「課税対象が付加価値であるとは明記されてはおりません」と書かれていますが、内実を考えれば課税対象が付加価値であることはわかり、名称も“付加価値税”となっているですから、十分に「付加価値税が「付加価値に課される税」」と書かれているのではありませんか?

 何度も書いていますが、課税対象は、資産の譲渡や役務の提供ではなく、「売上に係わる税額−仕入(前段階)の税額控除」です。

 端的には、「輸出戻し税」を正当化するために、売上段階で発生する税額と仕入段階の税額控除に切り分けて説明しているのです。

 「付加価値税が「付加価値に課される税」というのは、やや横暴な表現」と書かれていますが、“たばこ税がたばこに課される税というのは横暴”というのと変わらない話のように聞こえます。

 付加価値税が「付加価値に課される税」というより、付加価値税が「消費に課される税」というほうが。ずっと横暴だと思いますよ。

 消費税と欧州的付加価値税とは、課税対象の実態は基本的に同じなのですから、消費税が「付加価値に課される税」ということもけっして横暴ではないと思っています。

【引用】
「転嫁というのは、それを納付する納税義務者が、“売上に”転嫁するということであって、仕入に転嫁することではないはずです。」


【コメント】
 「転嫁というのは、それを納付する納税義務者が、“売上に”転嫁するということであって、仕入に転嫁することではないはずです」の「仕入に転嫁することではない」は、おそらく読み間違いだと思われます。

 私は、「転嫁の観点から見れば、設備投資の「仕入にかかわる消費税額」は、すぐに転嫁されず、長い年月をかけて転嫁されています」と書いています。

 消費税の算定では、2千億円の機械を購入すれば、95億円の「仕入にかかわる消費税額」を「売上にかかわる消費税額」から控除できます。
 しかし、その機械を使用して生産した製品の価格設定は、1年間で95億円を転嫁するレベルにはなっていないという意味です。1年間に転嫁をめざす金額は、せいぜい10億円程度です。

 勘違いされているようですが、売上で転嫁したい消費税負担とは、「仕入における消費税額+事業者の納付すべき消費税額」なのです。

 「売上にかかわる消費税額」は、「仕入における消費税額+事業者の納付すべき消費税額」に相当するものです。(※ 納付すべき消費税額=「売上にかかわる消費税額−仕入における消費税額」)


 そして、これこそが、独歩さんがこだわっている“税の累積の排除”を意味する転嫁のかたちです。

 続く、「あっしらさんは、付加価値税の時は、納税義務者目線からその税の名前に由来する内実を語るのに対して、なぜ消費税の時は、納税義務者ではなくその仕入者や購入者目線からそれを語るのでしょう」といのは筋違いの質問(反論)だと思います。

 付加価値税と消費税は同じものだと考えていますから、それを違うと考えられている人に説明するときに、説明の仕方の関係でわかりにくくなっている可能性はありますが...。


【引用】
「仮に、あっしらさんの「最終消費者は、各段階の消費税が累積された税額を転嫁されようとする存在」というように、「累積された税額」というものを付加価値税(消費税)そのものの累積という捉え方とするのなら、それを排除するということは、無税を意味します。
また、付加価値税の納付計算にそれを摘要しようとすると、「付加価値を取り除く」のではなく、付加価値にかかる税すら取り除く(排除する)ということになり、矛盾します。 」


【コメント】
 言われていることが理解できません。

 「最終消費者は、各段階の消費税が累積された税額を転嫁されようとする存在」ではないということですか?

 消費税(付加価値税)に関する説明ですから、課税ベースである付加価値の控除でも、税額としての消費税(付加価値税)の控除でも、論理的な意味合いは同じです。

 各段階の事業者に関する説明としては、課税ベースの話として仕入れたものの「付加価値を取り除く」で、税額ベースとして「付加価値にかかる税すら取り除く(排除する)」ということになります。


 独歩さんは、それでもなお、「あっしら氏の言われる「“税の累積を排除するため”という言葉も、付加価値への課税であるがゆえにふさわしい言葉」も意味がわからない」でしょうか?


【引用】
「「消費税還付の99%は、“詐欺”による還付」という“詐欺”の根拠として、「給与が付加価値を原資として支払われている限り、既に支払った仕入金額が多かったので支払い分がなかった(返納してもらった)ということはありえないのです。それでも還付があるというのは、“詐欺”なのです。」とされておりますが、例えば商品を銀行融資で仕入れて販売した場合、思うような価格で処分できずに損失が出たとしても、それが無担保のものや、他の仕入に対して担保がなされていたものならば、損失は借入にて一時的に穴埋めすることになります。また貯蓄分を切り崩すことも可能でしょう。それでも給与支払い予定分は確保されます。」


【コメント】
 消費税においては、「思うような価格で処分できずに損失が出た」レベルが、「売上にかかわる消費税額=<仕入にかかわる消費税額」であれば、消費税を納付する必要はありません。

 そのような状況ではなく、輸出免税にともなうかたちで消費税還付金を支払っていることを“詐欺”だと言っています。

 輸出戻し税を受けていない事業者であれば、「思うような価格で処分できずに損失が出た」ときも、多くの場合消費税を納付する義務が発生します。

 例えば、従業員との契約の給与の支払い予定総額が10億円で、売上単価が低く付加価値(マージン)が6億円しかないために、銀行預金を4億円取り崩して支払いに充当したとしても、付加価値の6億円×5%=3千万円の消費税は納付しなければなりません。


【引用】
「また、「輸出戻し税」については、売上における免税処置について国際的な取り決めが関係することであり、また重要なのは、消費税や付加価値税が、直接税なのか間接税なのかに大きく関係する問題だと思っております。
ですから「輸出戻し税」について、ことさら問題視するあっしらさんが、この後の部分で「何度か書いたように、私自身は、直接税か間接税かにそれほどの意味があるとは思っていません」と書かれていることにやや違和感を感じてはおります。」


【コメント】
 別に輸出に消費税をかけろといっているわけではありません。
 非課税取引と同じ処理でも、輸出で生み出された付加価値に消費税が課されていないのです。

 輸出価格に、仕入にかかわる消費税額(自身が納付する消費税額は不要)を“内緒”で転嫁することも、マージンや最終利益さらには法人税を上乗せすることも、経済論理的にはまったく同じことです。

 それで輸出価格が高くなって困るというのなら、消費税を小売売上税に切り替えればいいのです。

 輸出免税にともなう消費税還付を正当化する人たちが、“国内で消費するわけではないから正当”と物品税性や間接税性を持ち出してしているだけで、「消費税や付加価値税が、直接税なのか間接税なのかに大きく関係する問題」とは思っていません。

 付加価値税であることにこだわることが、「輸出戻し税」の不当性と消費税の邪悪性を明らかにすると考えています。

 「仕入れにかかわる税金は、徴税上は実際に転嫁されて支払われたという認識に基づいて徴収されたもので、課税仕入れの控除がなされることについては、他の国内企業と同じように扱われることが自然なことだと思われます 」という誤った考えから多くの人が脱却するためにも...

 付加価値税であることをしっかり押さえていれば、「徴税上は実際に転嫁されて支払われたという認識」なぞ生まれる余地はありません。

【引用】
「>>公共料金は認可制や許可制が多いので、しっかり計算されている可能性もありますが、購入価格に5/105を乗じた金額は、転嫁が独歩さん流に行われているとしたら、最終消費者は“過剰な負担”をしていることになります。

これの意味していることをうまく読み取れませんが、いずれにせよ、認可制や許可制のある公共料金は、仮に最終消費者が“過剰な負担”をしていたとしても、“正当な負担”部分については、少なくても転嫁がされているものであり、その部分については間接税といえるものと定義付けられるはずではないでしょうか。」


【コメント】
 納税義務者の納付すべき消費税がいくらなのかが決算にならなければわからないのに、個々の取引で“きちんとした転嫁”はできないということです。
 たばこ1箱を買えば、○○円の税金を負担したと言えますが、消費税は、買い物をしたとき、仮に外税制で税額が書いてあったとしても、幾らの税金を負担したとは言えないのです。
 これは理解できますよね。

 もっともわかりやすいケースは、自動車や家電製品を購入するとき、消費税を転嫁されていると思っている人は多いはずですが、実際には、還付金はともかく、メーカー段階でマージンとして吸収されてしまっています。
 このケースも、最終消費者は“過剰な負担”をしているのです。

 いくらの税を“負担”したかもわからない税金を物品税と同じような間接税と考えるのは錯誤だと思いますよ。

 

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