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株式日記と経済展望
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橋下徹VS勝栄二郎の戦いは、衆院選における地方分権派VS中央
集権派の戦いであり、財務省の権力と中央統制を嫌う地方との戦いなのだ。
2012年7月3日 火曜日
◆この国のあり方を考える 天下人・勝栄二郎(財務省の王)はこうして伝説になった。いつから総理になったのか国民はバカな子羊なのか 7月2日 週刊現代
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32895
「政治家を転がすコツ?それはいい気にさせることですよ」天才的な人心掌握術を持つこの男の野望が、間もなく達成されようとしている。誰のための野望?もちろん国民ではなく、財務省のため。
政治家は目立ちたがりのバカ
まず最初に、ある財務省キャリアの独白をきいていただこう。
「先週、野田首相の外遊中に民主党の合同会議が荒れただの、造反議員が何人出るだのって騒いでいましたが、ハッキリ言ってどうでもいいんですよね。
新聞には、まるで大事のように書いてあるでしょ。だからバカな国民は『大変なことが起きている』と勘違いしてしまう。
あれ、茶番ですから。どういう道筋をたどるか、可能性はいくつかあっても、最終的にはボクら、というか勝さんの思惑通りに進みます。つまり、消費増税関連法案は可決される。
じゃあなぜ、政治家があんなに騒いでるのか。それには、政治家と官僚の根本的な『生態』の違いを知ってもらわないといけない。
政治家という生き物は、基本的に『どこまでいっても一人』なんです。派閥だなんだと言ったって、選挙に落ちた瞬間、ただの人になる。いや、仕事がなくなるんだから、ただの人以下ですね(笑)。
そんな政治家の行動原理を一言で言うと、「目立ちたい」。だからパフォーマンスに走るんですよ。
『国民のために消費増税に反対する』
とか言って。本当に国民のためになるかどうかは、どうでもいい。とにかくわかりやすいことを言って、目立とうとする。まだ国会議員じゃないけど、橋下徹さんなんてその典型でしょう?橋下さんのあの性癖は、多かれ少なかれ政治家が皆持っているものです。
自分勝手なパフォーマンスに走る奴がいるから、まとまる話もまとまらない。
財務官僚の生態は、その真逆なんですね。組織のために、上から下まで一体となって働く。今だったら、勝さんの指令の下、全員が同じ方向を目指す。もちろん自分の能力をアピールしたい気持ちはあるけど、悪目立ちすることは極力避ける。軍隊的と言われたら、実際そうだと思いますよ。
だから、政治家が財務省に勝てるわけがないんです。もともとボクらのほうが頭が良いわけで、しかも集団で戦うんですから。
霞が関の格言にこんなのがあります。
『経産省は10人に聞くと10通りの返事をする。財務省は全員同じ返事をする』
当たってると思います。勝さんのガバナンス(統治)は完璧ですから、今のウチは特にそうだと思います。あんな優秀な事務次官に出会えて幸せです」
限りなく傲慢。それなのに財務省への帰属意識はきわめて強い。人間としてどこかアンバランスだが、本人はそれに気づいている様子はない。
今、こうした忠実なしもべを500人規模で抱え、財務省という「城」に王として君臨しているのが、勝栄二郎事務次官、その人である。
「陰の総理」と呼ばれる勝氏だけあって、その権力の肥大ぶりは止まるところを知らない。この7月で次官就任から丸2年を迎え、本来なら退任してもおかしくないが、すでに任期延長が決まっている。全国紙経済部デスクが解説する。
「当然です。少なくとも消費増税法案の成案を見るまで、勝氏が次官を辞めることはない。それは野田総理の望みでもある。というより、総理も今、勝氏に辞められては不安でしょうがないでしょう。
自民、公明と3党合意に達したのも、もちろん勝氏の剛腕です。谷垣さんや山口さんら党首クラスは直接出馬して説得するし、それ以外の党の重鎮も、とにかく幅広くケアをする。
大臣官房長の香川(俊介)さんや理財局長の田中(一穂)さんの使い方がうまかった。田中さんはかつての安倍晋三さんの総理秘書官。次期自民党総裁選に出馬する気満々で、財務省にすり寄りたい安倍さんをあっさり籠絡した。
小沢さんに近いと言われる香川さんを官房長に据えることで『小沢さんのことも重視している』と念のためメッセージを送る。そうして根回しをしているから、表面上は政局が混乱しているように見えても、実際は勝氏の『想定内』で物事が進んでいきます」
財務省OBの藤井裕久民主党税調会長や信頼関係のある仙谷由人$ュ調会長代行に加え、宇宙人・鳩山由紀夫とすら親しく、すでに懐柔済みだという。まさにオールマイティ、全方位外交で敵をつくらない。永田町には「勝氏の悪口を言う政治家はほとんどいない」(前出・デスク)。
前出のキャリア官僚がまた独特の解説をする。
「財務省に入ってまず叩き込まれるのが、『いちばん偉いのは事務次官。大臣より偉い』というヒエラルキーです。でも、思っていても表に出してはいけない。かつて『10年に一度の大物次官』と呼ばれた齋藤次郎は、小沢一郎と近づきすぎるなど、官僚の分を超えた振る舞いをしたために、他の自民党主流派から嫌われ、最終的には失脚した。
勝さんはその轍を踏まないように気をつけているというか、もともと『俺は偉い』というオーラを抑えるのがとても得意な人なんです。政治家に会えばちゃんと腰を折ってお辞儀するし笑顔も絶やさない。それは謙虚だからというより、お辞儀して丸く収まるなら安いもの、という西洋式合理主義がある。おそらく4歳から15歳までの11年間、ドイツで暮らした影響もあるのでしょう。(中略)
「勝さんに国民に仕える意識があるかって?あるわけないじゃない、そんなもの。だって、国民は基本的にバカなんだから。牧場の子羊のように、ボクたちが正しく導いてあげなきゃいけない。
消費税を上げなかったら財政は破綻します。国民はよくわかってないかもしれませんが、ボクたちの仕事は『おカネの管理』『国家の家計簿をつけること』ですから。税収を増やすためには消費税アップ、それが正しいことだというのは、すべての財務官僚のDNAにすり込まれています。
勝さんのことを、『いつから総理大臣になったんだ』と批判する人がいますが、総理大臣になったんじゃなくて、野田総理より勝さんのほうが偉いんです。だって、野田民主党というおんぼろな御輿を担いで、最終的には消費増税を実現しちゃったんですよ。それは奇跡のようなこと。
しかもバッシングだって一身に受けて、それを気に病まないタフさがある。省の前で街宣車が名指しで批判する次官なんて、勝さんが最初で最後ですよ。伝説となるのにあれほどふさわしい人はいない」
もうすっかり勝った気でいる、勝栄二郎次官とその子分たち。最近では、「もう利用し尽くした」とばかりに、ドジョウ総理の悪口を言い始めたのだという。
「『問責をかけられた大臣をすぐ辞めさせないなど、やることが遅い。輿石(幹事長)さんの顔色ばかりうかがって、とにかくグズなんだ』と、ある野党幹部にグチをこぼしたそうです。勝氏にとっては野田総理など道具の一つ。与党は仙谷氏や岡田副総理を押さえているので、『野田はもう用済み』ということなのでしょう」(前出の財務省OB)
消費増税を事実上成し遂げた勝栄二郎は、「伝説の仕上げ」とばかりに、「あの男」に批判の矛先を向けているのだという。
「橋下維新の会には危機感を持っていますね。みんなの党が橋下とくっつくかどうかも含めて、橋下新党は『財務省のリスク要因』と見なしています。
橋下が主張する政策で財務省にとって問題なのは、もちろん地方分権。カネを分配する権限を地方に移譲することになると、予算編成が思い通りにできなくなる。それが財務省にとっては恐ろしい。突き詰めれば、カネをすべて握っていることが財務省の巨大な権力の源泉ですからね。今まで通り、霞が関のなかでやり取りしているほうが、都合がいいに決まっています」(前出の経済部デスク)
カネが権力の源泉だと言うが、それはもともと財務省のカネでも、ましてや勝氏のカネでもない。国民から吸い上げた税収を差配することで、自分たちが偉大なことをしていると考えるのが、そもそも思い上がりではないか。
日本には真の政治は存在しない。ただ財務省に君臨する王、天下人がいるだけなのだ。
(私のコメント)
政界のシナリオは、財務省の描いたとおりに動いているようだ。野田総理も輿石幹事長も勝栄二郎にとっては将棋の駒であり、当面の敵である小沢一郎を一歩一歩追い詰めつつある。政治家と官僚が争っても意味が無いのですが、政治家が官僚に丸め込まれてしまうのは、官僚は情報と予算を握っている為だ。しかも財務省の組織は民主党や自民党組織よりも強固でありチームの結束が固い。
万年与党だった自民党政権が続いていた頃は、政治家も官僚を動かせる時もあったのでしょうが、総理も大臣もコロコロ代わるようになって実力者がいなくなり、野田総理や谷垣総裁のようなお坊ちゃん政治家が多くなり、財務官僚の意のままに操られる存在になってしまった。小沢一郎はまだ政治家が実権を持っていた頃の政治家ですが、財務省に睨まれて脱税で首根っこを押さえられてしまった。
政治家を陥れるには国税を動かして金の動きを洗えばどこかしこにボロが出てくる。小沢一郎も鳩山由紀夫もそれでやられましたが、自民党の黄金時代なら指揮権を発動して官僚を抑える事ができた。しかし今はそれも出来なくなった。財務省は予算を握っているから政治家も学者もマスコミも自在に操る事ができる。それを壊すには中央集権体制を壊さなければなりません。
中央集権体制の象徴が財務省なのですが、全国から集めた税金を中央に一括管理して地方に配りますが、それは天下りとセットになっている。そんな事をしているから霞ヶ関官僚の権力は肥大化していって財務事務次官は内閣総理大臣よりも権力を持つところになった。もちろん憲法上は内閣や大臣にありますが、総理も大臣も揃ってバカばかりだから官僚に操られてしまう。
政治家がバカばかりになってしまうのは、選挙制度が悪いからであり、有権者は選挙区の立候補者がどのような人物か知る由が無い。未だにインターネットが選挙期間中は使用が禁止されていますが、現職の国会議員のブログを見ても資質の低さを物語るものが多い。自分で選挙演説の原稿も書けず、国会の答弁も官僚の作文を読み上げるしか能力がない。
これでは大臣になっても所轄官庁を取り仕切るkとができずに、事務次官の言いなりになって動くしかない。三党合意のシナリオも財務省の勝次官が描いたシナリオなのでしょうが、小沢一郎はこのまま葬り去られるのだろうか? 財務省から見れば政権が民主党だろうが自民党だろうが大連立だろうがどうでもいいのであり、誰が総理になろうと財務省の言いなりになる人物しか総理になれない。
それに唯一挑戦しているのが、地方の反乱であり、大阪の橋下徹市長は国家の仕組みを変えるところから政策を訴えている。戦後間もない事は中央集権国家も仕方がない面もありましたが、インフラの整備が進んで国家規模で行なう事業が少なくなり、地域ごとの政治に任せたほうが地域特性を生かせるようになって来た。いわゆる二重行政も問題になっていますが、中央官僚の口出しが地域の政策の邪魔になっている。
地域にしていれば、橋下大阪市長が言うように事細かな事まで中央官僚が口出ししてくる。地方自治は名ばかりであり中央官庁のお伺いを立てないと何事も進まない。天下りの受け皿まで作って中央官庁の統制下に入れようとしていますが、それは財務省が予算を握ってしまって霞ヶ関に言って陳情しなければ予算がもらえない。
橋下市長ばかりでなく名古屋市の河村市長や東京都の石原知事など、地方からの改革を望む声が大きくなって来ていますが、中央の統制を受ける事による無駄な支出が大きくなって来ているからだ。天下りの特殊法人のための事業が多くなり予算がそちらのほうに使われてしまって、本来使われるべき事業に回らない。地方はそれを一番切実に感じているから霞ヶ関改革を訴えているのだ。
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