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きょう(22日)の朝刊社説「強制起訴制度―導入の原点に立ち返る」は、論点不明、支離滅裂のひどい文章だ。「小沢氏の無罪判決の後、検察審査会をめぐる議論が起きている」という書き出しで始まり、「強制起訴か通常の起訴かを問わず、追及する側が納得のいく判決を求めて上訴することをどう考えるかも、重要な論点となるだろう」で終わっている。
要約するにも頭が痛くなるほどの悪文だが、要は、検察審査会の見直しを進めるには落ち着いた環境での論議が必要だ、ということらしく、検察審査会の闇に迫る国会議員や市民の勇気ある活動を暗に批判したいのだろう。第5検察審査会の「架空議決疑惑」と、地検特捜部の「組織ぐるみ冤罪捏造」の全体像を明らかにすることが、いま日本のジャーナリズムにいちばん求められていることなのに、それらにはまったくふれずに、ほとんど無意味なおしゃべりに興じている。
猛火に包まれる現場には近づこうともせずに、安全地帯で防火の心得を説く馬鹿な新聞記者がいるか。こんなことも書いている。「日ごろは高い有罪率を批判するメディアや識者も、無罪判決がでると検察を責める」。今回はそうではなかった。いまも検察を擁護しているではないか。「起訴される人や家族の負担にも、思いをいたさねばならない」。なにをえらそうに。
スクラム報道でどれだけの人が命を絶ったことか。「今回、指定弁護士は控訴手続きをとった。判決時に私たちは控訴にこだわる必要はない、と書いたが、いまの制度の下、慎重な検討の末に導き出された結論として受けとめたい」。指定弁護士の「慎重な検討」とはなんじゃらほい。ただ時間をかけただけ。まともな控訴趣意書を書けるわけがない。「そして何より、社会が起訴イコール有罪との見方からぬけだす―」。起訴イコール有罪どころか無罪イコール有罪みたいなことをさんざん書いて、なにをかいわんや。
(全文引用開始)*******************************
強制起訴制度―導入の原点に立ち返る 2012.5.22社説
小沢一郎・元民主党代表への無罪判決をうけ、検察審査会をめぐる議論がおきている。
周辺議員の思惑絡みの動きはともかく、「そもそもなぜ素人に強制起訴の権限をもたせるのか」との疑問がくすぶる。このしくみは一連の司法制度改革で導入された。検察当局は原則として、証拠をぎちぎちに固め、有罪に間違いないとの心証を得たものだけを起訴してきた。こうした運用はどんな現象をうんだか。
裁判は有罪を確かめる場となり、公判よりも捜査段階の供述が重んじられた。無罪は失態とされ、日ごろは高い有罪率を批判するメディアや識者も、無罪判決がでると検察を責める。その結果、裁判所はどんな判断をするだろうと国民が関心をよせる事件や、新たな法解釈への挑戦が期待される場合でも、検察が冒険できないと思えば起訴しない。逆に、起訴した以上は有罪めざして突き進む。そんなゆがみをもたらした。
これを正し、取調室でなく、公開の法廷で議論し決着をつける社会にしよう。それが改革の根底にある考えだった。市民が参加する裁判員制度が始まり、取り調べ状況の録画がひろがり、証拠隠しをさせないための法改正がおこなわれた。不起訴処分の当否をチェックする検察審査会の機能強化も、同じ考えにもとづく。こうした方向性を、私たちは基本的に支持してきた。
もちろん人々の意識は簡単に変わるものではなく、目ざしたものに現実が追いついていない面があるのも事実だ。起訴される人や家族の負担にも、思いをいたさねばならない。だが、袋小路に陥った従来の刑事司法に戻るのがいいかといえば、それは違うだろう。審査会の手続きの中に、容疑者側が意見を述べる機会を保障する。審査を手伝う法律家や職員の能力を高める。そして何より、社会が起訴イコール有罪との見方からぬけだす―。こうした見直しを着実に進めていくためにも、改革の原点を忘れず、落ちついた環境で議論を深めることが大切だ。
今回、指定弁護士は控訴手続きをとった。判決時に私たちは「控訴にこだわる必要はない」と書いたが、いまの制度の下、慎重な検討の末に導き出された結論として受けとめたい。より良い刑事司法をめざす営みは続く。そこでは、強制起訴か通常の起訴かを問わず、追及する側が納得のいく判決を求めて上訴することをどう考えるかも、重要な論点となるだろう。(引用終わり)*********************************************
「何より、社会が起訴イコール有罪との見方からぬけだす」ことなんか、できるわけがない。新聞が起訴イコール有罪報道を率先してやっているわけだから。2010年1月14日付の朝日新聞の紙面。これは起訴以前の捜査段階で有罪と決めつけた報道の証拠(一例)である。
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http://60643220.at.webry.info/201205/article_3.html
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