http://www.asyura2.com/12/senkyo127/msg/551.html
Tweet |
http://diamond.jp/articles/-/16478
国家公務員採用削減は
学生への痛みの押しつけ
野田佳彦首相が本部長を務める政府の行革実行本部は6日、13年度の国家公務員の新規採用を09年度比で4割超削減する方針を決めた。09年の採用数が8511人であったのに対し、13年度は5100人となる見込みだ。
それで国家行政に支障がないなら歓迎すべきこと。その分総人件費が浮くのだから反対することはない。
ただ、いくつか問題がある。
(1)行政分野を問わず一律に削減するのか。
時代状況に対応して拡大する行政分野もあるし縮小しなければならない分野もある。
専門職や基礎研究分野まで削るのか。それが明らかではない。
(2)厳しさが増している新卒学生の就職戦線にかなりの影響を与えることが避けられない。
また国家公務員の年齢構成が逆ピラミッド化していくが、それでも将来的に行政の効率性を維持できるのか。
(3)新規採用数をほぼ半減するとかなり思い切った削減に見えるが、全体数からみると、ほんのわずかなもの。現職公務員は今のままでよいのか。「官のリストラ」は「民のリストラ」に学ぶべきだ。
一見してこの案はいかにも官僚の発想によるものだ。
これでは「身を切る」のは学生たち。現役が痛みを避けて、学生に痛みを押しつけることになる。要するに、消費税増税を進める官僚が痛みを引き受け、身を切ったことにはならない。
ベテラン政治家と官僚が身を切らないから
財政再建は軌道に乗らない
実現する国家公務員給与の7.8%引き下げもたった2年間限りのもの。嵐の間だけ布団をかぶっているに等しい。
「官のリストラ」とは給与水準の恒久的引き下げ、天下りの禁止、年金などの官民格差の是正などが本筋であり、野田行革はその本筋から逃げる方便としか受け取れない。
野田首相が目指す衆議院比例区80議席削減も同じようなこと。それを主張する人たちは、自分は落選しないと思っている人が多い。だから若手議員や新人候補が痛みを引き受け身を切ることになり、国の政治を左右する政治家は身を切る必要がなくなる。議員報酬の300万円削減は妥当だが、並行して政党交付金の廃止か減額も打ち出すべきだろう。
結局、野田行革の特徴は「既得権者が身を切らない」ところにある。切ったとしてもほんのかすり傷程度のこと。
なぜそうなったのか。行革案そのものが官僚が考えて差し出したものに過ぎないからだ。
このところ野田政権は矢継ぎ早に小さな行革案を大きな声で打ち出している。本当にこの程度で消費税増税に理解が得られると思っているのだろうか。その甘さは一体どこから来るのだろう。
財政再建が軌道に乗らないのは国民が無理解だからではない。既得権者が身を削らないからだ。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK127掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。