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(回答先: 報道されない首相の発言とアベノミクス 投稿者 MR 日時 2012 年 11 月 27 日 20:27:38)
シティバンクの視点 注目のチャート
2012/11/21
ドイツの重債務国向け債権の圧縮は進んでいない
ドイツの民間銀行は重債務国向け債権の圧縮を進めているように見えるが・・・
ドイツでは民間銀行の重債務国向け債権残高が2008年3月末のピークから直近(2012年6月末)までに約43%減少しており、民間銀行の資産圧縮とそれに伴う財務の健全化が順調に進んでいるように見える。しかしながら実態を確認すると、@民間銀行から中央銀行に、A重債務国から中核国の中央銀行に、リスク移転が行われたに過ぎないことがわかる。
https://www.citibank.co.jp/investment/rates_reports/images/chart_01.jpg
TARGET2とは、欧州中央銀行(ECB)が運営する資金決済制度で、ユーロ圏各国の中央銀行同士で資金を融通し合い、決済を滞りなくスムーズに行うためのシステムである。民間銀行による国際間融資が手控えられ、重債務国の銀行は資金調達面でECBへの依存を強めた。こうした動きがTARGET2の残高に反映され、重債務国中銀の債務が急増した反面、ドイツ連銀の債権残高は急速に積み上がっている。その額の大きさから、重債務国の破綻により不良債権化させることもできないだろう。このままTARGET2を活用した問題の先送りを続けるようであれば、ユーロ圏経済の低迷は想像以上に長期化するとみた方がよかろう。
ユーロ圏では新規発行の国債に新たな条件が・・・
集団行動条項(CAC)の導入はスムーズに行われるだろう。
欧州連合(EU)の経済財政委員会の規定によりユーロ圏各国は2013年1月1日から、@発行する全ての新規国債に集団行動条項(CAC)を付ける、A新規の国債発行残高に占めるCAC付国債のシェア規定(チャート参照)を遵守する、ことが必要となる。これに伴い、以下の懸念が浮上する。
@に関して、CAC付国債は債務再編の対象となるリスクが高まり、CAC無国債に対してリスクプレミアムがつく可能性がある。しかしシティでは、ギリシャの例で示されたようにCAC無国債でも債務再編の対象となる可能性は残るため、リスクプレミアムは無視できる程度となると考えている。
Aについて、CAC付新規国債の発行条件(2013年は発行残高の55%以上)を達成できるかが懸念される。2012年にはユーロ圏のほぼ全ての国で発行条件を満たしたが、スペインは例外(同34%)である。同国は来年、大量の新規国債を発行する必要があるが、市場環境次第では難題に直面する可能性もある。しかしながら、同国が金融支援の要請に踏み切れば、金融安全網を通じて同国債は吸収可能だろう。結果的にCACの導入はスムーズに行われると予想している。
https://www.citibank.co.jp/investment/rates_reports/reports_citi_chart.html#a01
安倍自民党総裁の金融政策に関する主張
主張の問題点に市場の目が向かえば、円の買い戻しが進む公算も。
自民党の安倍晋三総裁は@2〜3%のインフレ目標を設定し、それを達成するまで日銀は無制限に金融緩和を行う、A(日銀当座預金の超過準備への付利を)ゼロかマイナス金利にする、B日銀が建設国債を全額引き受ける、などを主張している。
ただし、@に関連して白川日銀総裁は「デフレの原因は基本的には需要不足であり、金融政策だけで克服するのは困難」との立場をとっている。一般的に、物価変動は需給ギャップ(GDPギャップ)が重要な決定要因であるためだ。内閣府によればGDPギャップは今年7-9月期時点でマイナス3.1%程度だが、量的緩和を無制限に拡大しても供給した資金が金融機関に滞留する状況が続けば、GDPギャップを埋める有効需要を生み出すことは難しい。一方、Aについてゼロ金利やマイナス金利を適用すると、日銀の国債買い切りオペに応じる市中銀行が減少する可能性がある。現在、市中銀行は国債を日銀に売却して現金を手に入れた際、それを日銀当座預金に置けば0.1%の金利収入を得ることができるためオペに応じている。しかし、この付利がゼロやマイナスになれば、こうしたインセンティブは働かず、オペで札割れが頻発する恐れがある。GDPギャップを埋める有効需要を生み出すためには、金融政策より財政政策を拡張した方が直接的効果は大きい。
そこでBの議論につながるわけだが、日銀の国債直接引き受けは財政法で禁じられており、経済同友会の長谷川代表幹事も19日に「財政不信が国債金利急騰など弊害を招く事態」に懸念を示した。安倍総裁による主張の問題点に市場の目が向かえば、ドル円の上昇余地は自ずと限定され、円の買い戻しが進む公算もある。
https://www.citibank.co.jp/investment/rates_reports/images/chart_02.jpg
商品相場見通し
商品市場のスーパーサイクルは終了。来年はレンジでの推移を予想。
2000年代に入り、新興国の経済発展に伴う商品需給の逼迫への期待感などを背景に、商品市場は「スーパーサイクル」と呼ばれる長期上昇トレンドに入ったとの見方が強まった。確かに、CRB指数は1999年2月にボトムアウトし、2008年6月までに約4倍に上昇した。しかしながらシティでは、商品市場の「スーパーサイクル」は終了したとみている。この背景には、中国経済が持続可能な内需主導型への転換を目指すことにより、エネルギー効率の向上や環境への配慮といった商品需要が高まりにくい市場環境に変化すると予想していることがある。そのため、この先の商品価格はレンジ推移を想定し、レンジブレイクの確率は上方よりも下方の方が高いとみている。
来年の値動き予想を確認すると、WTI原油先物価格は年を通じて1バレル=85ドル付近で推移、金先物価格は年前半の1トロイオンス=1700ドル台後半から年末にかけて1700ドル台前半へ緩やかに低下すると考えている。このような投資環境で商品投資は価格変動を投資収益に転換する本来の投資手法に回帰する必要があり、押し目買いと利益確定を繰り返すトレーディング戦略が有効と思われる。
ロシア株式投資戦略
ロシアRTS指数は適正水準と比べ割安に取引されているが・・・
2011年の一般政府債務残高(対GDP比)はわずか8.3%と、ロシアは極めて良好な財政構造を持つが、これを実現するための歳出抑制がロシア経済の足かせとなりつつある。成長ペースの引き上げと健全な財政を両立する手段の一つが世界貿易機関(WTO)加盟であり、国際的なルールに従って企業活動を行うことを自ら決断し、市場経済化の加速を国際公約したことを意味する。しかしながら投資家は、こうしたロシアの改革意欲に目を背けがちだ。2003年のユコス事件など、投資家を及び腰にするビジネス環境の悪さが背景にある。これをシティでは「ロシア・ディスカウント」と呼ぶ。
シティが考えるロシアRTS指数の適正水準は、北海ブレント原油価格の20倍である。現在のブレント原油価格をもとにすると、RTS指数は適正と思われる水準から35%程度割安に取引されていることになる。シティではこの先、ロシアが取り組む改革路線が徐々にではあるが投資家に評価されると考えている。その結果、「ロシア・ディスカウント」は来年末にかけて20%程度まで縮小し、株価の追い風となる見込みだ。しかしながら、世界景気の低迷を背景に、北海ブレント原油価格に関しては、今年10-12月期平均が1バレル=105ドル、来年10-12月期平均が同95ドルと伸び悩みを予想している。以上を踏まえると、RTS指数の年末予想株価は今年末が1600ポイント、来年末が1500ポイントとなる。
世界株式市場の見通し
金融政策頼みの側面が強まっており、株価は短期的に高下する可能性も。
現在、多くの国々で景気減速の傾向が見られ、緩和的な金融政策が行われている。来年も世界的に低成長と低金利環境は続くと思われ、流動性相場の継続が見込まれる。株価にとって流動性相場は好材料だが、より重要な要素は企業利益である。シティでは世界の主要企業の1株あたり利益見通しについて、2013年は前年比7.1%増としているが、2012年(同3.7%増)より改善するものの2ケタには届かず、力強さに欠けると言わざるを得ない。世界的に低成長と控えめな企業利益が見込まれるなか、主要国の株式市場は金融政策頼みの側面が強まっており、景気や政策対応を巡る思惑から、株価が短期的な上昇と下落を繰り返す展開も予想される。そのため株式投資については、値上がり益よりも低金利環境の長期化をにらんだ配当収入を重視する動きが活発になる可能性がある。
なお米国株については、年末に期日を迎えるブッシュ減税の行方をにらみ、しばらく不安定な動きが予想される。ブッシュ減税が延長されず打ち切りとなった場合、譲渡益(キャピタルゲイン)の税率は15%から20%に引き上げられ、配当税率は15%から通常所得との総合課税に変更となる。この場合、株式市場への影響は大きく、十分な注意が必要である。
https://www.citibank.co.jp/investment/rates_reports/reports_citi_weekly.html
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