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(回答先: 2000年代の所得格差の実態 シリーズ 日本経済を考えるP 投稿者 MR 日時 2012 年 11 月 23 日 22:09:54)
類型別世帯数および所得の動向−「平成23年 国民生活基礎調査の概況」より
2012/07/23
井上 智紀
生活研究部門
電話番号:03-3512-1813
e-mail:tomoki@nli-research.co.jp
基礎研レター2012年07月23日号全文ダウンロード(513KB)
■見出し
1――世帯数と世帯人員数の状況
1|世帯構造および世帯類型の状況
2|高齢者世帯の状況
3|児童がいる世帯の状況
2――各種世帯の所得等の状況
1|所得の状況
2|生活意識の状況
■introduction
7月初旬に公表された「平成23年 国民生活基礎調査の概況 」によると、総世帯数は4,668万世帯となっている。世帯類型別にみると、「夫婦と未婚の子のみの世帯」が1,444万世帯(30.9%)で最も多く、次いで「単独世帯」(1,179万世帯、25.2%)、「夫婦のみの世帯」(1,058万世帯、22.7%)が続いている(図表 1)。
経年での変化をみると、「単独世帯」、「夫婦のみの世帯」、「ひとり親と未婚の子のみの世帯」で増加傾向が続いており、「夫婦と未婚の子のみの世帯」、「三世代世帯」は減少傾向が続いている。その結果、構成比でみると、「三世代世帯」および「夫婦と未婚の子のみの世帯」はこの20年間で5〜6ポイント減少し、「夫婦のみ世帯」および「単独世帯」はそれぞれ5.5ポイント、3.5ポイント増加している。子どもの有無別では、子どものいる世帯(「夫婦と未婚の子のみの世帯」、「ひとり親と未婚の子のみの世帯」、「三世代世帯」)が45.3%であるのに対し、子どものいない世帯(「単独世帯」、「夫婦のみ世帯」)は47.9%となっている。
経年で比較してみると、子どものいない世帯数は平成18年に子どものいる世帯数を超え、増加傾向が続いている。
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http://www.nli-research.co.jp/report/letter/2012/letter120723.html
1| |ニッセイ基礎研レター 2012-07-23|Copyright ©2012 NLI Research Institute All rights reserved
1―― 世帯数と世帯人員数の状況
1| 世帯構造および世帯類型の状況
7月初旬に公表された「平成23 年 国民生活基礎調査の概況1」によると、総世帯数は4,668 万世
帯となっている。世帯類型別にみると、「夫婦と未婚の子のみの世帯」が1,444 万世帯(30.9%)で最
も多く、次いで「単独世帯」(1,179 万世帯、25.2%)、「夫婦のみの世帯」(1,058 万世帯、22.7%)が
続いている(図表 1)。
経年での変化をみると、
「単独世帯」、「夫婦のみ
の世帯」、「ひとり親と未
婚の子のみの世帯」で増
加傾向が続いており、「夫
婦と未婚の子のみの世
帯」、「三世代世帯」は減
少傾向が続いている。そ
の結果、構成比でみると、
「三世代世帯」および「夫
婦と未婚の子のみの世帯」はこの20 年間で5〜6ポイント減少し、「夫婦のみ世帯」および「単独世
帯」はそれぞれ5.5 ポイント、3.5 ポイント増加している。子どもの有無別では、子どものいる世帯
(「夫婦と未婚の子のみの世帯」、「ひとり親と未婚の子のみの世帯」、「三世代世帯」)が45.3%である
のに対し、子どものいない世帯(「単独世帯」、「夫婦のみ世帯」)は47.9%となっている。
1 平成23 年は、国民生活基礎調査のうち世帯および所得の状況のみを捉える簡易調査の実施年にあたっていた。
また、平成23 年調査では東日本大震災の被災3県(岩手県、宮城県、福島県)を、平成7年調査では兵庫県を、それぞれ
集計対象から除いているため、経年比較には注意が必要である。そのため、本稿では前年との比較は行わず経年である程
度一貫した傾向が認められる部分のみを記している。
図表 1 世帯類型別世帯数の推移
39.4
41.8 40.8
44.7 44.9 45.7 45.8
47.0 48.0 48.0
46.7
0
5
10
15
20
25
30
35
40
45
50
S61 H元4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23
その他の
世帯
三世代
世帯
ひとり親と
未婚の子の
みの世帯
夫婦と未婚
の子のみの
世帯
夫婦のみ
の世帯
単独世帯
百万世帯
出所:厚生労働省「国民生活基礎調査」より作成
2012-07-23
基礎研
レター
類型別世帯数および所得の動向
「平成23 年 国民生活基礎調査の概況」より
生活研究部門 研究員 井上 智紀
(03)3512-1813 tomoki@nli-research.co.jp
ニッセイ基礎研究所
2| |ニッセイ基礎研レター 2012-07-23|Copyright ©2012 NLI Research Institute All rights reserved
経年で比較してみると、子どものいない世帯数は平成18 年に子どものいる世帯数を超え、増加傾向
が続いている。
2| 高齢者世帯の状況
高齢者のいる世帯に着目してみると、全体では概ね増加傾向が続いており、平成23 年には1,942
万世帯、総世帯(4,688 万世帯)に占める割合では41.6%となっている(図表 2)。世帯類型別にみ
ると、「夫婦のみの世帯」が582 万世帯で3割を占めて最も多く、次いで「単独世帯」(470 万世帯)、
「親と未婚の子のみの世帯」(374 万世帯)が続く。
世帯類型別の経年での変化をみると、「単独世帯」、「夫婦のみの世帯」、「親と未婚の子のみの世帯」
で増加傾向が続いており、特に「単独世帯」、「親と未婚の子のみの世帯」では、それぞれ10 年前の
1.4 倍になっている。
一方、高齢者のいる世帯のうち、世帯員全員が65 歳以上の高齢者である高齢者のみ世帯の割合も増
加傾向が続いており、平成23 年では、前年と同じく49.2%と、約半数を占めている。
図表 2 世帯類型別高齢者のいる世帯数
9.8
11.9
12.9
13.6
14.8
15.6
16.8
17.9 18.3
19.8 20.7
19.4
20.1
19.3
18.5
17.3
16.4
14.9
14.1
12.2 12.7
10.8
23.9
38.8
45.0
高齢者のみ
世帯の割合
40.5
41.9
44.0
46.1
46.6
49.2 49.2
47.7
46.7
39.9
37.8
36.6
35.6
32.9 34.4
32.0
28.2 30.8
42.5
0
3
6
9
12
15
18
21
S61 平元4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23
0
10
20
30
40
50
60 その他の
世帯
三世代世
帯
親と未婚
の子のみ
の世帯
夫婦のみ
の世帯
単独世帯
百万世帯%
出所:厚生労働省「国民生活基礎調査」より作成
3| 児童がいる世帯の状況
次に、児童がいる世帯についてみると、平成23 年では1,180 万世帯となっており、総世帯に占める
割合は25.3%となっている(図表 3)。
経年での変化をみると、世帯数は、平成9年に高齢者のいる世帯と逆転した後も徐々に減少を続け
ており、総世帯に占める構成比でみると近年は概ね横ばいとなっている。
図表 3 児童・高齢者がいる世帯数と総世帯数に占める構成比の推移
13 13 13 13 12 13 12 12 12 12 12
10
11
12 12 13 13
14 14
15 15
16 17 17 18
19 18
19 20 20 21
17 16 19
13 13 13 13
15 15
14 14 14
16
46.2
41.7
36.4
34.9
33.1 33.3
31.7
28.8
26.0 26.3 27.3 26.0 25.3 25.7 25.3 25.3
29.1
31.5
33.3 33.1 34.4
35.8 36.6 37.7 38.6 39.4 38.5
40.1 41.2 41.9 42.6 41.6
28.7
27.8 28.3 27.9
30.0
30.2 29.3
27.3
28.8
30.6 31.1 31.0
0
5
10
15
20
25
S61 平元4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23
0
10
20
30
40
50
児童のいる世帯高齢者のいる世帯
構成比(児童、%) 構成比(高齢者、%)
百万世帯%
出所:厚生労働省「国民生活基礎調査」より作成
3| |ニッセイ基礎研レター 2012-07-23|Copyright ©2012 NLI Research Institute All rights reserved
2―― 各種世帯の所得等の状況
1| 所得の状況
(1) 所得の階級別分布状況
所得階級別の分布をみると、「300〜400 万円未満」が14%で最も多く、「200〜300 万円未満」、「100
〜200 万円未満」(いずれ
も13%)が僅差で続いて
いる(図表 4)。所得の
平均額は538.0 万円と
なっている。これを累積
度数でみると、「400〜500
万円未満」以下の階級で
6割弱を占めており、中
央値では427.0 万円と
なっている。
経年での変化をみると、
「300〜400 万円未満」以下のすべての階級で増加し、「800〜900 万円未満」以上の階級では一貫して
減少が続くなど、高所得層の減少と低所得層の増加が顕著に現れている。
(2) 世帯あたり・世帯人員あたり所得の状況
1世帯あたり平均所得金額を世帯主年齢階級別にみると、50〜59 歳で714.1 万円と最も高く、40〜
49 歳(634.1 万円)、60
〜69 歳(544.1 万円)、
30〜39 歳(515.0 万円)
と続く(図表 5)。世
帯人員数の影響を排除
するために、世帯人員
1人あたり平均所得額
を世帯主年齢階級別に
みると、50〜59 歳が
236.7 万円で最も高く、
60〜69 歳(213.7 万円)、
40〜49 歳(190.4 万円)、70 歳以上(188.2 万円)と続くなど、20〜39 歳に比べ高齢層の所得の高さ
が目立っている。
経年で比較すると、1世帯あたり平均所得金額は30〜59 歳および70 歳以上では10 年前から一貫し
て減少しており、特に40〜59 歳では10 年前に比べ約100 万円減少している。これに対し、世帯人員
1人当たり平均所得金額は、29 歳以下、40〜49 歳、50〜59 歳で10 年前から一貫して減少しており、
50〜59 歳では約30 万円、29 歳以下および40〜49 歳では約10 万円減少している。
図表 4 所得の階級別分布
4
9 10
11
10 10
9
8
6
5
18
6
11 11
12
10
9
8
7
6
5
6
13
12
13
11
10
8
6
5
4
13
7
13 13 14
11
9
8
6
5
4
12
16
0
3
6
9
12
15
18
100
万円
未満
100〜
200
200〜
300
300〜
400
400〜
500
500〜
600
600〜
700
700〜
800
800〜
900
900〜
1000
1000
万円
以上
H8 H13 H18 H23
%
出所:厚生労働省「国民生活基礎調査」より作成
図表 5 1世帯あたり・世帯人員1人あたり平均所得金額の推移
333.1
734.7
823.9
563.8 549.9 572.5
734.6
428.8
314.6
544.1 462.0
556.5
616.9
529.9
699.8
306.4
415.1
714.1
634.1
538.0 515.0
0
200
400
600
800
総 数29歳以下30〜39歳40〜49 50〜59 60〜69 70歳以上
H13 H18 H23
万円1世帯当たり平均所得金額
173.4
261.5
205.9 189.4
169.1
197.6
245.6
208.7
167.4
188.2
200.8 217.2
172.6
212.1
183.8
187.7
236.7 213.7
190.4
161.5
200.4
0
100
200
300
総 数29歳以下30〜39 40〜49 50〜59 60〜69 70歳以上
H13 H18 H23
万円世帯人員1人当たり平均所得金額
出所:厚生労働省「国民生活基礎調査」より作成
4| |ニッセイ基礎研レター 2012-07-23|Copyright ©2012 NLI Research Institute All rights reserved
2| 生活意識の状況
生活意識の状況についてみると、「苦しい(「大変苦しい」と「やや苦しい」の合計)」の割合は、総
世帯で61.5%と過去10 年間で始めて6割を超えた(図表略)。経年でみると平成14 年の53.7%から
この10 年間一貫して増加傾向にある。これを世帯別にみると、高齢者世帯で54.4%、児童がいる世
帯では69.4%となっている(図表 6)。経年での変化についてみると、高齢者世帯では平成16 年以降、
半数を超えているものの、5割台半ば程度で横ばいで推移している。一方、児童がいる世帯ではこの
10 年間一貫して6割
を超えて増加傾向にあ
り、平成23 年では7割
近くを占めるように
なっている。
「大変苦しい」に着
目してみると、いずれ
の世帯においても増加
傾向にあり、平成23
年には、高齢者世帯で
24.5%、児童がいる世
帯では34.8%となっ
ている(図表略)。経年
で比較すると、5年前
に比べて高齢者世帯では2.9 ポイント、児童がいる世帯では8.5 ポイントの増加と、特に児童がいる
世帯において生活意識が悪化している様がみてとれる。
この間の1世帯あたりの平均所得金額を、平成14 年を100 とする指数でみると、高齢者世帯が概ね
横ばいで推移しており、平成23 年では100.9 と平成14 年対比では微増しているのに対し、児童がい
る世帯では概ね減少傾向にあり、平成23 年には児童がいる世帯では90.5 と、それぞれ平成14 年に比
べ1割近く減少している。先の生活意識の変化の背景には、このような世帯の所得の減少が影響して
いるものと考えられる。
本稿では、厚生労働省が公表した「平成23 年 国民生活基礎調査の概況」の内容について、概観し
てきた。結果をみると、世帯類型別の世帯数および構成比については、少子高齢化の影響が如実に見
て取れる結果となっていた。また、所得の状況については、世帯単位では中高年齢層で、世帯員1人
当たりでは現役世代(30 歳代を除く)で減少傾向が続いており、こうした所得の減少が総世帯および
児童がいる世帯における生活意識の悪化の一因となっている可能性が示唆された。子育て支援の必要
性が叫ばれるようになって久しいにもかかわらず、児童がいる世帯において所得の減少とそれに伴う
生活意識の悪化が続く状況は、高齢者世帯の状況に比して深刻であるといえよう。
世帯動向、所得の状況のいずれも、今後の変化には一層の注意を払っておく必要があるだろう。
図表 6 世帯別にみた生活意識(生活が苦しいと意識している人の割合)および
1世帯あたり平均所得金額(H14=100)の推移
48.2 47.6 50.0
54.7
52.2 53.4
56.3
51.5
54.4
63.1 61.8 63.4 62.1 63.4
65.7
69.4
55.9
60.8 62.8
60.1
100.0 99.1 100.6
98.1 97.5
101.1 100.9
95.9
95.5 97.2
高齢者世帯
100.0
100.0
90.5
児童が
いる世帯
94.7
96.4 95.1
96.6 96.6 98.3 98.7
0
20
40
60
80
100
120
H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23
高齢者世帯
児童がいる世帯
%、指数
出所:厚生労働省「国民生活基礎調査」より作成
http://www.nli-research.co.jp/report/letter/2012/letter120723.pdf
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