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(回答先: 鎖国シンドローム(榊原英資氏)・・開国から鎖国へ、成長から成熟への転換が日本の課題 投稿者 墨染 日時 2012 年 10 月 29 日 09:35:10)
http://www.toyokeizai.net/life/review/detail/AC/8426344043abb281a342c50e78d4c53f/
経済的にも軍事的にも急膨張を続ける中国が、世界の覇権を握る可能性はないのか。
東洋の後塵を拝していた西洋が16世紀に勃興し、その後500年間、世界を制覇した理由を著名な歴史学者が分析した。競争、科学、所有権、医学、消費社会、労働倫理など6つのキラー・アプリが勝因という。
15世紀まで最強だった明王朝を追い越す決め手は、西洋の競争的環境にあった。政治経済が分権的で、企業間、都市間、国家間で競争が行われ、革新が続いた。中国は多様性や変化を軽んじ、社会が停滞する。17世紀まで大きな脅威だったオスマン帝国は、宗教的観点から科学を否定し軍事的発展が滞る。西洋では印刷技術の革新で研究者間のアイデア交換が可能となり、科学技術の発展が加速する。
17世紀以降、西欧の覇権は南欧から英国に移る。所有権など優れた社会制度を背景に英国が台頭したという仮説は多くの人も同意するが、実はその仮説は実証済みだ。英国文化を移植した北米が成功し、南欧文化を移植した南米は遅れをとった。もし英国が南米に向かい、南欧が北米に向かっていたら、南米に合衆国が誕生したのだろうか。
医学の発展は、乳幼児の死亡率低下や平均寿命の延長など社会発展の基盤となった。アフリカが今も抱えるさまざまな問題の元凶として帝国主義は非難の的だが、その膨張過程でアフリカの公衆衛生や平均寿命が改善し、国境なき医師団の役割を果たした、という評価は斬新だ。
現在も西洋が世界をリードするのは、消費社会という西洋モデルがさまざまな価値観を凌駕するからで、共産圏崩壊も消費社会の広がりが原因だった。
最後の要因は労働倫理で、勤勉と倹約の思想が、さまざまな面で接着剤の役割を果たし、西洋文明の全盛を可能にした。もし6つのキラー・アプリが導入可能なら、他文明も成功が可能で、現在の中国は覇権を獲得する可能性があるという。ただ、中産階級が成長する過程で経済が失速するリスク、社会不安や近隣国の反中機運で国力が低下する可能性もあると論じる。
文明はさまざまな要素が絡み合う複雑系で、致命的問題を抱えても一時的には機能するが、臨界に達すると、急激な崩壊が生じる。西洋は外的脅威ではなく、内部崩壊の兆しに気を付けるべきだと論じる。凡庸にも思える結論だが、近年の欧米の金融危機や財政危機、ユーロ解体危機などは、まさに西洋の内部崩壊の兆しなのかもしれない。
心配なのは日本だ。このまま緩慢な衰退が続くと考える人が多いが、公的債務が臨界に達した途端、明王朝のような急激な崩壊が始まる恐れはないのか。
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