http://www.asyura2.com/12/hasan77/msg/790.html
Tweet |
http://blog.livedoor.jp/fromvancouver/archives/52293599.html
29日日経新聞夕刊のウォール街ラウンドアップ。タイトルは「充満する不機嫌の代償」。
内容は世界のあちらこちらで国民が不満を溜め、それを爆発させているがそれがいつ我々の身にも降りかかるか分からないから気をつけよう、という事でしょうか?中国、スペイン、ギリシャのみならず、アメリカのフットボールの審判判定にも不満が爆発していることを取り上げ、景気変調が世界的規模で起きていることを改めて感じさせています。
同じ夕刊にはオバマ大統領が中国企業によるオレゴン州の風力発電施設計画事業の買収について大統領令で拒否したとあります。この大統領令が実に1990年以来22年振りの発動であることにどういう意味があるのか、深読みをしたくなります。記事には米国の安全保障を脅かす、ということと記載されていますが、実際には中国への強硬姿勢とも見られなくありません。というのは、中国の対日行動はいまや世界の最大注目の一つであり、日本と同盟関係にある米国としては日本を何らかの形で援護する必要は大いにあるのです。
少し前の日経ビジネスの記事にも、ある興味深いことが記載されています。1997年のアジア危機の際の韓国問題。その際、韓国はまず、アメリカに支援を求めたものの当時のアメリカと韓国の険悪な関係からアメリカは拒絶。韓国は仕方なく日本にその支援を求めますが、アメリカがそれを阻止、日本も韓国への支援を断った結果、韓国はIMFによる支援を余儀なくされ、結果として厳しい経済再生プログラムを強いられ、多数の倒産企業を招いた、とあります。
つまり、アメリカを怒らせればろくな事はない、ということを改めて感じさせる内容であります。
そのアメリカでさえ、これから不満を相当溜め込むことは容易に察することが出来ます。大統領選挙は国家繁栄というより選挙のための政策を打ち出し、票固めのために手厚くするものにはより厚く、厳しくするものにはより厳しくする姿勢を見せています。更には年末には「財政の崖」が待ち構え、国民生活は目処が立ちにくい状況となり、結果としてコンサバティブな消費活動に陥ることになります。
これらの行動はある意味、グローバリゼーションの退化を生む可能性があります。例えば、アメリカでは中国で生産しなくてもアメリカ国内製でも製造コストの競争力が生まれつつあり、結果として製造業の国内回帰が徐々に進んでいくと見られています。
日本は中国からの撤退、減産、あるいはプラス1と称する代替プランへのシフトが進む可能性があり、結果として中国では外資の流出が生じる可能性が高いのではないでしょうか。
スペイン、ギリシャでは厳しい緊縮財政でグローバリゼーションからは取り残されるかもしれません。世界の株式市場もアメリカなどでは確かに高値圏にありますが、それはQE3などを通じた緩々の金融政策の結果であり、業績見合いかどうか改めて検証する必要はあるでしょう。
TPPについても各国の折り合いがなかなかつかず、その進捗には遅延が見られます。結果として日本の交渉参加表明が遅れているもののまだどうにかなる、という奇妙な状態になってきました。ひょっとするとTPPそのものは世界景気の行方の不透明感から案外、難産となる気がしております。
◆天下取っても二合半・・世界的な株式市場の反発の背後にあるものは何だ?
http://precursor.blog55.fc2.com/blog-entry-453.html
一連の悲惨な経済指標にも拘わらず、全世界の株式市場は急上昇している。
昨年、ドイツのDAXが39パーセントも高騰した一方、米国のダウ・ジョーンズ工業株価平均と英国のFTSE250は夫々20パーセント上昇した。 ダウが前回の最高値まで600ポイントへ迫る一方、主に米国に拠点を置くテクノロジー企業で構成される NASDAQ は、2007年11月に達成した自らの前の記録を既に超えている。
欧州、中国そして米国における製造業の活動状況が3年ぶりの低水準に落ち込む中で各証券取引所での継続的な上昇が起きている。 欧州の経済は全体的に縮小している。 最近の悲惨なデータの山の中で、木曜日に発表された米国の耐久消費財受注は2009年以来で最も激しい落ち込みを記録した。 第2四半期の米国の経済成長は既に精彩を欠いていた1.7パーセントから1.3パーセントへ下方修正された。
世界経済が更に深い低迷へと落ち込んでさえいる状況での目が眩む程の株価の上昇を、どの様に説明できるのか?。
株価のブームは、底辺からトップへの世界的な富の再分配の現れである。 主に金融関連投機を目的として何兆ドルも(のマネー)が銀行へと向かった一方、労働者階級の社会的条件は容赦無く下向きに押しやられてきた。
このプロセスは、世界の資本主義の中心であり、世界的経済危機の中心である米国において特に顕著である。
2009年以降、主要な三つの株価指数は2倍近い値となり、それに応じて超富裕層の資産も上昇した。 米国で最も裕福な400人の億万長者達は、2009年時点で$1.27兆の純資産を持っていた。 これだけも不愉快な数字は今年の番付によると$1.7兆へ急増したのだが、僅か3年間で33パーセントの増加である。
しかし労働者階級にとって、その状況は全く逆である。 入手可能な最も新しい数値として、2009年から2011年の間に米国で貧困に分類される人々の数は2百6十万人増えて4千9百万人となったのだ。 経済のあらゆる分野において大量の失業者は賃金の引き下げを押し付ける梃子(てこ)として利用されてきた。
2009年6月に景気後退が公式に終了して以来、失業期間の平均は23週間から38週間へと2倍近くなった。 精彩を欠く雇用の伸びは人口の増加に合うペースを辛うじて維持するだけであり、解雇された数十万人もの人々が職探しを諦めた事により、雇用されている労働年齢人口のパーセンテージは低下した。
現在も職に就いている労働者の場合、実質的な時間当たり賃金は約1.0パーセント低下した。 標準的な一般家庭の収入は2010年だけでも1.7パーセント低下した。
労働者を食い物にする割合の増加は、企業にとってのコスト削減や2009年から毎年の記録的な利益に転換され、超富裕層の収入を更に膨らませる事となった。
労働力の直接的な窮乏化に加え、株式市場は世界中の中央銀行からの現金の流入によって支えられてきた。
先月中に、米連邦準備制度理事会、欧州中央銀行そして日本銀行の全てが数千億ドルを金融市場へ注ぎ込む為の新たな施策を実施した。 米国のFRBは3者の中で最も劇的なステップを踏み出し、無期限に毎月$400億の住宅ローン担保証券を購入するプログラムを開始しつつ、それらの不良資産を銀行のバランスシートから取り除いているのだ。
しかし、そのマネーを生産的に投資する代わりに、企業や銀行はそれを抱え込むか、又は株式市場或いは別の形態の投機に注ぎ込むかの何れかである。
金融システムに注ぎ込まれた巨大な合計額のマネーは、資産価値のインフレ化と、往々にして報酬が株価と連動する経営幹部達への記録的な報酬の支払を招いている。
経済の低迷が深刻化する中で、資産価値のインフレも永遠に継続する事はできない。 主として、ほぼゼロに等しい金利政策と中央銀行から提供される実質的にタダ同然のマネーに基づく株価や他の金融資産の増加は、新たな、2008年の9月に破裂したものよりも更に巨大でさえある投機バブルを膨らませている。
★株価の急上昇が健全な経済を反映したもので無いどころか、経済は深刻に病んでおり、その内側では、合衆国や国際社会の政策を専横する無慈悲で強欲な金融貴族達によって資本家のシステムの手に負えない矛盾が悪化しているのだ。
初めにブッシュ政権下で、その次にはオバマ政権下で、何兆ドルもの公的な資金を銀行に引き渡す事により、米国の支配階級はアメリカ資本主義の金融化の必然的な結果であった2008年のクラッシュに対応した。 その目的は、金融貴族達の富を維持し、増大させる為に金融資産の価値を浮揚させる事であった。
★嘗て無い程の非情さで労働者を攻撃した銀行を救済し、世界中の政府が米国の例に倣った。 全てが切り捨てられねばならなかった:賃金、年金、健康保険、教育‐全て、しかし、危機の責任を負うべき者達の富を除き。
深い景気後退にあるスペインを取り仕切る同国の政府が来年度に支出を$510億削減するという予算案を金曜日に明らかにした後で彼等が行った様に、主要な投資機関を支配する金融のハゲタカ達は全ての新たな雇用及び社会保証への暴虐を伴って株式市場を高騰させたのである。
★現時点までの金融資本の「成功」の鍵は、労働階級の抵抗を孤立させて鎮めるという彼等の能力であり、貿易組合組織や様々な擬似的左翼組織(フランスの新・反資本主義党、英国の社会主義労働党、ドイツの左翼党、ギリシャのシリッツァ、米国の国際社会主義機構)の中の同盟者達の協力に頼っていたのである。
★しかし、中央銀行と政府の行動は何も解決していない。 株式取引の陶酔は腐った土台の上に成り立っている。 上昇する市場は、既に世界的規模での爆発的な階級闘争という形で顕れ始めている嘗て無い程の社会的緊張の激化の一つの表れである。 これらの闘争を統一し、社会主義者及び国際主義者のプログラムで彼等を武装させる為、全ての国に新しい革命的なリーダーシップが構築されねばならないのだ。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
- Re: サム・ゼル「4年間に渡る上昇サイクルが、終わろうとしている」・・「墓場のダンサー」が語る不吉な預言! 墨染 2012/10/03 11:27:53
(0)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。