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FRBに後押しされた日銀〜円安期待は高まるか  日銀さえ間違わなければ...行く行くは円安&株高!?
http://www.asyura2.com/12/hasan77/msg/664.html
投稿者 MR 日時 2012 年 9 月 19 日 21:44:19: cT5Wxjlo3Xe3.
 

FRBに後押しされた日銀〜円安期待は高まるか〜
・本日(9月19日)、日本銀行は追加の金融緩和を決定した。資産買入基金の規模を従来から+10兆円(長期国債5兆円など)上乗せし、2013年末まで資産買入れ(金融緩和)を続ける決定である。先週のメディアの報道などを踏まえて、「日銀は景気下振れリスクや緩和の是非についてもう少し時間をかけて判断するため、今週追加金融緩和は見送られる」と筆者は予想していた。

・ただ、本日の日経新聞で、金融緩和の観測記事が報じられたように、日銀の判断は先週末を挟んで大きく変わったとみられる。先週、米FRBは、無期限で資産購入を続けるメッセージを伴う、強力な金融緩和(QE3)に踏み出した(9月14日レポート)。先進各国が相次ぎ金融緩和を行う中で、今回金融緩和を見送るリスクが高くなったと日銀は判断したと思われる。本日の決定をうけて、為替市場では円安が進み、日本株も上昇している(グラフ参照)。


・日銀は通常、経済指標などから景気やインフレ見通しを想定し金融政策の判断を行う。足元で日本の景気指標が下振れているが決め手に欠く状況で、先週のFRBによるQE3決断が、従来の行動パターンより前倒しで金融緩和に踏み出すことを後押しした。日銀だけ金融緩和に躊躇することが、円高をもたらすリスクに配慮した対応には、一定の評価ができるだろう。

・ECB、FRBに追随した日銀の行動で、各国で金融緩和が出揃ったことになる。2010年後半に米FRBがQE2に踏み出した時にも、FRBの金融緩和観測が強まる中で日銀が「包括金融緩和」を余儀なくされた。米日の金融緩和が出揃う中で、世界の金融市場は落ち着き、米国の景気持ち直しを背景に、株式などリスク資産が買われる展開になった(グラフ参照)。


・2012年は、世界経済の足を引っ張っていた欧州でも、ECBによる無制限の国債購入という金融緩和がようやく表明された。そして米FRBがより強力なQE3に踏み出しており、2010年後半同様の展開に期待できるようになっている(9月10日14日レポート)。本日、通常よりやや早めに金融緩和を強めた日銀は、この流れを遮らない程度に貢献したということになる。

・なお、2012年2月に日銀が「サプライズ金融緩和」に踏み切った時には、為替市場では、米日金利差が動かない中で、為替市場で円安が進んだ(グラフ参照)。当時は、日銀がそれまで頑なに拒んでいた「物価目標」を突然導入し(FRBに追随した)、日銀の金融政策の方針が大きく変わったという認識が広がったためだった(2月15日レポート)。


・今回の日銀の金融緩和のメニューだけをみると、これが当時のような円安をもたらす要因になる可能性は低いだろう。従来の枠組みを変えず、資産買入規模拡大と期間延長だけでは、早期脱デフレ実現に対する市場の期待を高めるには不十分である。

・先週、無期限に資産買入れを増やし続ける方針に踏みだした米FRBに、日銀は再び差をつけられた。今後の政策決定会合において、(1)普通の国と同程度の+2%以上の物価目標設定、(2)期間内に目標実現のために緩和強化を続ける方針の表明、に期待したい。

http://www.monex.co.jp/Etc/00000000/guest/G903/er/economic.htm






田嶋智太郎の外国為替攻略法

2012年09月19日

日銀さえ間違わなければ...行く行くは円安&株高!?


※本原稿は9月19日の午前中に執筆いたました。

先に行われた9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)について、2012年9月5日更新分の本欄で筆者は「普通に考えれば、相当に大胆な追加の金融緩和策が発動されることと思われますが...」と述べました。そして案の定、FOMCは決して"間違う"ことなく、期限を設けない住宅ローン担保証券(MBS)の購入を柱とした相当に大胆な追加緩和策の実施を決定しました。

米連邦準備制度理事会(FRB)の本気度はかなりのものです。そして、次は日銀の本気度を見せてもらわねばなりません。周知の通り、昨日から日銀では金融政策決定会合が開催されており、本稿が皆さんの目に留まる頃には、その結果が明らかになっていることでしょう。市場の一部では、今回の会合で日銀が追加の金融緩和策に大胆に踏み切ることが期待されています。なぜなら、それは今まさに日銀の対応が強く求められているからであり、また日銀は過去において適切に対応して行くことを約束しているからです。

2012年2月の会合において、日銀は「当面1%」という安定的な物価上昇率の目途(めど)を定め、その場で日銀総裁は「それが見通せるようになるまで、強力に金融緩和を推進して行く」との方針を世界中にメッセージとして伝えました。

ところがです。4月に公表された日銀の『展望レポート』には今後の物価上昇率の見通しとして「2012年度が0.3%、2013年度が0.7%」とありました。2013年度でもまだ0.7%とは、呆れてモノが言えません。

足元の状況はどうでしょう? 8月下旬に発表された7月の消費者物価指数は生鮮食品を除く「全国コアCPI」が前年比マイナス0.3%、食品およびエネルギーを除く「全国コアコアCPI」がマイナス0.6%となりました。つまり、なおもデフレ状態は続いています。デフレ下において満足な経済成長が果たされるはずもなく、9月10日に発表された4〜6月期の国内総生産(GDP)改定値は実質で前期比年率プラス0.7%、名目で前期比年率マイナス1.0%となりました。4―6月期と言えば、復興需要の底上げやエコカー補助金の消費押し上げ効果が期待された時期です。にも拘らず、名目でマイナス1.0%というのは相当に深刻であると言わざるを得ず、普通に考えれば当然、ここで日銀は相当に大胆な政策の発動を決定しなければなりません。

仮に、今回の会合で日銀が従前の政策を据え置いた場合、やはり市場は些か失望するでしょう。一時的にも再び円買い圧力が強まる可能性もあります。しかし、まだ諦める(?)ことはありません。次に日銀は10月4日―5日、そして10月30日にも会合を予定しています。そして何より、10月30日の会合ではあらためて『展望レポート』が公開されます。2012年7月25日更新分の本欄では、8月の会合から2人の審議委員が新たに政策論議に加わるという話題を取り上げました。結果、現在合計9名の政策決定会合メンバーは以下のような顔ぶれとなっています。

2012年4月に退任した2人は企業出身のメンバーでした。もちろん、企業出身であれば広くビジネスの現場には通じているものと思われますが、ことマクロ経済の情勢分析や金融政策の分野となると少々疎い部分もあることは否定できません。よって、各審議委員に一人ずつ付く日銀プロパーの「秘書役」から詳細な情報を収集することが専らとなり、どうしても判断や思考が日銀寄りになりやすいと言われたりもしてきました。

その点、新加入の木内・佐藤両氏は民間エコノミスト出身です。もともと「その道のプロ」ですから、各々が独自に持つ判断基準や論理的思考を政策論議に反映させることができるのではないかと期待されますし、両氏は以前から追加的な金融緩和の検討に対して前向きな見解をしていることで知られています。両氏の見解が政策論議に反映されることとなれば、まさか今年4月の『展望レポート』のような、無責任極まりない内容のレポートを私たちが目にすることはなくなることでしょう。

過去に本欄で述べたとおり、人々のデフレ予想がインフレ予想に変われば、それは円安や株高に結び付くことになるということは、過去のデータでも実証されているのです。

コラム執筆:田嶋 智太郎

経済アナリスト・株式会社アルフィナンツ 代表取締役
 

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