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QE3発表後の米経済の現実 投機家だけが儲かり インフレと長期金利上昇で実体経済はマイナス 
http://www.asyura2.com/12/hasan77/msg/624.html
投稿者 MR 日時 2012 年 9 月 17 日 15:25:02: cT5Wxjlo3Xe3.
 

小笠原誠治の経済ニュースに異議あり! トップ |
QE3発表後の米経済の現実
2012/09/17 (月) 13:45


 突然ですが、皆さんに質問したいと思います。

 先日、米国のFRBがQE3を決定しましたよね。あれ、どう思います?

 「どう思うかって、QE3の決定を好感して株価は上がり、そしてドル安の動きが出ていると思うけど‥」 「日本も、米国に倣って一層の金融緩和を実施すべきだという声が強くなっている‥」

 多分、そう仰ると思っていました。

 では、改めてお聞きしますが、では、何が功を奏しているのでしょう?

 「何がって‥QE3の効果があったということだよ」

 具体的に言いますと?


 「だから、バーナンキ議長が言っていたように、QE3は株価に好影響を与え、また長期金利を引き下げる効果があるので、経済活動を刺激するだろうと」

 確かにそんなことを言っていました。長期債の購入によって長期金利が低下し、従って、経済活動が刺激される効果が期待できる、と。

 では、実際に長期金利はどうなっているのでしょう?

 次のデータをご覧ください。

<米国債の利回りの推移>

     10年物国債  10年物物価連動国債  差

2011年1月  3.39%     1.06%     2.33%          
2011年2月  3.58%     1.24%     2.34%
2011年3月  3.41%     0.96%     2.45%
2011年4月  3.46%     0.86%     2.60%
2011年5月  3.17%     0.78%     2.39%
2011年6月  3.00%     0.76%     2.24%
2011年7月  3.00%     0.62%     2.38%
2011年8月  2.30%     0.14%     2.16%
2011年9月  1.98%     0.08%     1.90%
2011年10月  2.15%     0.19%     1.96%
2011年11月  2.01%     0.00%     2.01% 
2011年12月  1.98%     -0.03%     2.01%

2012年1月  1.97%     -0.11%     2.08%
2012年2月  1.97%     -0.25%     2.22%
2012年3月  2.17%     -0.14%     2.31%
2012年4月  2.05%     -0.21%     2.26%
2012年5月  1.80%     -0.34%     2.14%
2012年6月  1.62%     -0.50%     2.12%
2012年7月  1.53%     -0.60%     2.13%
2012年8月  1.68%     -0.59%     2.27%
  

9月4日    1.59%     -0.68%     2.27%
9月5日    1.60%     -0.69%     2.29%
9月6日    1.68%     -0.63%     2.31%
9月7日    1.67%     -0.68%     2.35%
9月10日 1.68%     -0.68%     2.36%
9月11日   1.70%     -0.68%     2.38%
9月12日   1.77%     -0.61%     2.38%
9月13日   1.75%     -0.72%     2.47%
9月14日   1.88%     -0.78%     2.66%

(資料:FRB、Department of Treasury)


 9月13日にQE3の決定が報じられたのですが、10年物国債の利回りは、バーナンキ議長の期待に反して、むしろ上昇しているのです。

 この事実は、貴方はどう評価するでしょう?

 「それは、米連銀が、住宅ローン担保証券や長期国債を大量に購入することによって紙幣を増刷することになれば、インフレになる可能性が大きくなり‥そして、インフレになるならば、長期金利はむしろ上がることもあり得ると」

 私も、そう思うのです。ただ、いずれにしてもバーナンキ議長は、長期国債などの大量の購入は、長期金利の低下をもたらすメリットがあるとはっきりと述べていたにも拘わらず、実際にはこうして長期金利は上がっているのです。

 では、市場は、本当にインフレになる可能性が大きくなっていると思っているのでしょうか?

 そんなときには、何を見ればよいでしょうか?

 「通常の長期国債の利回りと物価連動国債の利回りの差をみればいい」

 そのとおり。

 どういうことかと言えば、物価連動国債というのは、どんなにインフレになっても、そのインフレ分がカバーされて元本や金利が支払われるために、物価連動国債の利回りは実質金利のみしか反映せず、そしてその一方、通常の国債の利回りは、実質金利とインフレ率の双方を反映することになるのです。

 つまり、

 通常の国債の利回り=実質金利+予想インフレ率

 物価連動国債の利回り=実質金利

 従って、「通常の国債の利回り−物価連動国債の利回り=予想インフレ率」になるのです。

 そして、その予想インフレ率が、上に示されたとおりQE3発表後に拡大している訳なのです。

 ということで、米国の市場関係者は、今後インフレになる可能性が大きいと予想していることが分かる訳ですが‥しかし、幾ら超金融緩和策を採用しようと、否、超金融緩和策を採用するからこそ
予想インフレ率が上昇することになるのですが、そうして予想インフレ率が上がると、今度はそのことによって金利の上昇をもたらしてしまい、何のための超金融緩和策だったのかということになるのです。

 だって、そうでしょ? 長期国債などを連銀が大量に購入すれば、そのことによって長期金利を引き下げ、そうなれば住宅投資や企業の設備投資などが刺激されると思ったのに、むしろインフレ懸念から金利の上昇をもたらしてしまうではないか、と。

 まあ、でも、こうしたことが起きても別に不思議ではないのです。何故ならば、QE2を実施した今から2年ほど前にも似たようなことが起きた経験があるからです。

 もちろん、バーナンキ議長はそのことについてはよく承知している訳で、だからこそ巷で言うQE3を実施することにも抵抗があったと思うのです。つまり、期待された効果があるかどうかは不確かだ、と。

 ただ、それはそうとしても、市場がQE3を織り込み済みだと知り、そして、雇用の回復がイライラするほど遅いペースであるので、何もしないという訳にはいかなかったということなのでしょうか。

以上
http://www.gci-klug.jp/ogasawara/2012/09/17/017071.php  

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コメント
 
01. 2012年9月17日 15:33:10 : cqRnZH2CUM

>QE3 投機家だけが儲かり インフレと長期金利上昇で実体経済はマイナス 

通貨安政策は、インフレで一般の勤労国民の実質生活水準(通貨資産と所得)を犠牲にし、輸出競合国に不況を押し付けることで、多少は、自国輸出産業の雇用にとってプラスにはなる

それに投機家だけではなく米国の老人たちや、年金ファンドも、たくさん株や不動産などリスク資産を抱えている

競争力が弱くなっている老人国にとっては、現役世代や若者は損だが、マイナスばかりでもないだろう


02. 2012年9月17日 18:30:04 : dbYMuaJJM5
>>01
「競争力が弱くなっている老人国にとっては、現役世代や若者は損だが、
マイナスばかりでもないだろう」
って、あなたは既に年金暮らしの老人?

日本の現状が、まさにそういう状況だと思うけど。肯定できるなら大したモンだ。


03. 2012年9月18日 13:15:54 : Pj82T22SRI

投機家だけが儲かるというわけではないが
ほとんどが資産効果を通したGDP増ということになり、
実物投資や雇用への効果は、小さいだろう


http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE88H02620120918?sp=true
FRBのQE3効果、住宅市場よりも株式が先
2012年 09月 18日 12:51 JST


[ワシントン/ニューヨーク 16日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)が打ち出した新たな景気支援措置、量的緩和第3弾(QE3)は住宅市場のテコ入れを想定しているが、来年にかけてその恩恵は株式市場が享受する可能性がある。

QE3では、雇用市場が改善するまで、住宅ローン担保証券(MBS)を月400億ドル購入する。期限や総額を特定しない「オープンエンド」な措置で、住宅ローン金利の低下や借り換え促進効果を期待する。だが、エコノミストの多くは、すでにローン金利が過去最低レベルにあることから、住宅市場への大きなインパクトはないとみている。

むしろ期待されるのは、MBSの投資リターンを低く抑えることで相対的に株式の魅力が高まることだ。

ドイツ銀行(ニューヨーク)のエコノミスト、ピーター・フーパー氏は、QE3が株価上昇による資産効果で来年にかけて国内総生産(GDP)を押し上げる効果を少なくとも0.5%ポイントとはじく。

エコノミストの間では、1ドル資産が増えるごとに数セントの追加消費が生まれるとみられている。

バーナンキ議長は13日の会見で、QE3が住宅購入を支援することを期待するとする一方、株式などの資産価格を押し上げ、企業や家計が景気の先行きに自信を持つ効果も狙っていると認めた。

QE3が発表された13日、米株市場は1.5%以上上昇し、14日はほぼ5年ぶりの高値で終了した。

<資産効果に期待>

バーナンキ議長は、住宅価格の上昇にも期待を示した。住宅価格の上昇は株式と同様、資産効果を生む。

しかしエコノミストの多くは、QE3が住宅市場の早期活性化をもたらすとは考えていない。

バークレイズによると、MBSの利回りは14日、昨年10月以降で最大の低下幅を記録した。米抵当銀行協会(MBA)によると、9月7日までの週の30年物住宅ローン金利は平均3.75%だったが、今後一段の低下が予想される。

それでも、リセッション時に信用記録に傷がついた消費者はいまだに借り入れに苦労している。

キャピタル・エコノミクス(ロンドン)のエコノミスト、ポール・ディグル氏は、QE3は住宅市場を支援するだろうが、「急回復を期待してはならない」とクギを刺す。

JPモルガン(ニューヨーク)のエコノミスト、マイケル・フェロリ氏も、QE3が向こう2年間にGDPを押し上げる効果は0.1─0.2%ポイントとみて、「住宅市場が直ちに回復するとは思わない」と述べた。

だが、たとえ住宅市場の急回復につながらなくても、QE3でMBSに対象を絞ったことには意義がある。

低金利維持は、住宅市場に最近見られる穏やかな回復を支援する。住宅市場は、家計資産の相当部分を占める。

ムーディーズ・アナリティクスのエコノミスト、ライアン・スウィート氏は、雇用創出が加速し、住宅購入が促進されるまで、QE3が主に資産効果を通じて経済成長を年0.3%ポイント程度押し上げると予想。その間、住宅ローン金利を低く抑えることが重要と指摘した。

(Jason Lange、Leah Schnurr記者;翻訳 武藤邦子;編集 山川薫)


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04. 2012年9月18日 22:00:07 : F4wswTerVI
ドルじゃぶじゃぶで、基軸通貨として押し付けて。。。米国の穴をどんだけそれで埋めれるか・・・。
尖閣問題は、中国と日本がヤリ合えば、利は米国にあり
仕掛けられてるよなぁ〜と思うこの頃。。。


05. 2012年9月19日 01:28:32 : xfPxZIQ4iw

結局は日本のバブル後と大同小異。

投下資金は金融経済をグルグル回るだけで、投下資本の回収・利益率が低下した実体経済には向かわない。

世界の先進国は日本の過去20年に突入か。

アメリカの悪あがき・数々のトリックにも世界は飽き飽き。

成長性が残されている地域・国々に目を向けよう。


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