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(回答先: オバマ大統領が指名受諾演説、「誰も取り残さない」 米民主党大会 投稿者 MR 日時 2012 年 9 月 07 日 17:20:09)
オバマ、ロムニー両氏が税制・財政で舌戦 米大統領選が本格化
2012年 9月 10日 8:59 JST
記事
11月の米大統領選に向け民主、共和両党の党大会でそれぞれ現職のオバマ大統領、ロムニー前マサチューセッツ州知事が大統領候補に選出され、両陣営の選挙戦は本格化した。
記者: Sara Murray、Laura Meckler
【肥田美佐子のNYリポート】
民主党全国大会を取材―新人代議員はオバマ再選をこう見る
2012年 9月 10日 1
米東部時間9月4〜6日にかけて、米南部ノースカロライナ州シャーロットで民主党全国大会が開かれ、オバマ大統領が大統領選候補指名受諾演説を行った。
今回は指名候補の一本化で長らく待ちの姿勢だった民主党も、8月終わりの共和党全国大会に続き、4年前の熱狂はないが、ようやく臨戦モードに突入した。
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撮影:肥田美佐子
党大会を前に、サウスカロライナ州マートルビーチの砂で作ったオバマ大統領の像を仕上げる男性(ノースカロライナ州シャーロット市のアップタウンで)
「戦う準備はできているか」「オー!」
「われわれは、(移民やマイノリティーの)『包摂』をはじめ、『平等』や『ダイバシティ(多様性)』をモットーとする党だ。力強い中流層の存在なしに、米国の繁栄はありえない。オバマ大統領に1票を!」
「これまで米国の凋落に賭けてきた者は、誰もが賭けに負け、財を失ってきた。米国は必ず復活する!」
投票日まで約2カ月。舞台となったタイムワーナーケーブル・アリーナでは全米から集まった約6000人の民主党代議員が一堂に会し、会場を埋め尽くした。
応援に駆け付けたクリントン元大統領や次期マサチューセッツ州上院選に打って出る「中流層の守り手」エリザベス・ウォーレン・ハーバード大学教授(前消費者保護局創設担当顧問)、アメリカンドリームを地で行く民主党の新星として脚光を浴びているメキシコ系米国人、ジュリアン・カストロ・サンアントニオ市長(テキサス)など、多数の講演者が挑発的な掛け声で扇動するたびに、代議員の間から割れんばかりの歓声がわき起こる。
「フォー・モア・イヤーズ(もう1期)! フォー・モア・イヤーズ!」「USA! USA!」――。
撮影:肥田美佐子
全米から集まった民主党代議員が、シャーロットのタイムワーナーケーブル・アリーナを埋め尽くした
党大会から、各州の代議員ごとにホテルで開かれる朝食会まで、シャーロットでの取材を通して幾度となく耳にした2012年米大統領選挙のキーワードは、経済再建と「ミドルクラス(中流層)の復権」である。
「4年前より国民の生活は良くなっているが、もっと時間が必要だ。オバマ大統領にあと4年間、中流層を復活させるための時間を与えてほしい」というのが、民主党の言い分だ。
全米2位の代議員数384人を誇るニューヨーク州の朝食会(9月6日)でも、クオモ州知事が、富裕層への税の負担増や中流層のテコ入れを力説。閉会後、キャロリン・マロニー下院議員(ニューヨーク州選出)は本コラムの取材に対し、「オバマ大統領の経済政策は多くの雇用を創出した。米国は、正しい方向に向かっている」と、興奮さめやらぬ様子で訴えた。
代議員102人を抱える中西部ミズーリ州の朝食会では、元カンザス市長のエマニュエル・クリーバー下院議員(ミズーリ州選出)が、「公立校の約79%の子供たちが無料給食を受けている地域もある。低所得層への援助をカットしてはならない!」と、セーフティーネットの大切さを主張。同州出身で、朝食会に参加した鉄工員国際労働組合の名誉会長ジョセフ・J・ハント氏は本コラムの取材に答え、「建設業界の失業率は20%を超えている」と懸念を表明しつつも、「最近、下院を通過したインフラ投資への法律は、再就職の機会を生み出す最速の道だ」と、現政権の雇用政策を称賛した。
一方、一般民主党員の代理人として候補者指名に臨んだ代議員たちは、オバマ大統領をどう評価し、何を望んでいるのか。代議員1年生として党大会に参加した3人のニューフェースの声を紹介する。
ノースカロライナ州・若手民主党員代表、サム・スペンサーさん(27)
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撮影:肥田美佐子
ノースカロライナ州の若手民主党員代表、サム・スペンサーさん(27)
ノースカロライナ州選出代議員157人のうち、35歳以下の若手は32人。党全体では、代議員約6000人のうち、若手は644人だ。ノースカロライナは、1980年から、2004年の大統領選まで、ずっと共和党の大統領選候補者を選んできた(注:08年には、米メディアの予想に反し、オバマ氏を選出)。
(共和党の大統領候補)ロムニー前マサチューセッツ州知事にない、オバマ大統領の強みは、まず、僕たち若者とコネクトできる点だ。大統領は、ミレニアム世代について理解がある。若者への公約も守った。医療保険制度改革のおかげで、26歳まで、扶養家族として親の医療保険に加入することができるようになった。ペル・グラント(大学生を対象にした、連邦政府による返還不要の奨学金)の受給者数も引き上げられた。
また、大統領は、僕たちが、コミュニティーへの貢献に熱心な、奉仕心にあふれた世代であることも理解している。オバマ大統領は、若者が教師や公務員になってコミュニティーに奉仕することで、強い国づくりができると考えている。(09年に施行された)サーブ・アメリカ(米国奉仕)法の下で、若者は2年間、コミュニティーに自分の経験を還元する仕事に就くことができる。
米国の若者は、数多くの試練に直面している。僕自身、8万ドル(約626万円)近い学生ローンを抱え、家庭教師をしながら両親と同居しているが、民主党のなかには、新卒で仕事が見つからなかったり、非正規社員として働いていたりする若者がいる。失業し、子供をメディケイド(低所得層や障がい者を対象にした米連邦公的医療保険制度)に加入させて、なんとか子供の面倒を見ている若手女性民主党員もいる。共和党政権になれば、メディケイドは骨抜きになり、若者が公的仕事に携わる機会や、就職に必要な大学進学への道を多くの若者に開くペル・グラントもなくなるだろう。
多くの人が、(人生の早期段階で)多額の負債を抱えるのは不公平だと感じている。学生ローンを(返還不要の)グラントにすることで、若者の重荷を軽くすることができたら、若い世代も、もっと生産的な人生を送ることができる。この問題に大きな理解があるという点が、オバマ大統領が若者に受ける大きなポイントだ。
僕が民主党を選んだのは、「機会均等の党」だからだ。女性でも、同性愛者でも、黒人でも中南米系でもアジア系でも、男性や異性愛者、白人と同じ機会を得られるべきである。民主党には、独り親家庭出身の若い代議員がたくさんおり、大学進学が難しい人もいる。だが、貧困家庭や独り親家庭の出身でも、いい大学に進学し、ベストな教育や機会を受けるチャンスが与えられるべきだ。
一生懸命努力すれば報われ、上に上れるという社会的流動性こそがアメリカンドリームであり、米国の素晴らしさは、そこにある。
中西部インディアナ州代議員、タンミ・デービスさん(44)
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撮影:肥田美佐子
インディアナ州の代議員、タンミ・デービスさん(44)
初めて代議員に選ばれ、党大会に参加したが、とても不思議な気持ちだ。アフリカ系米国人の祖父が、その昔、公民権運動に参加し、黒人を雇わない多くの政府機関や商店にピケを張ったからだ。
そして、今、わたしが、米国史上初めての黒人大統領の下で代議員に選ばれ、ここにいる――。党全国大会の場に身を置き、とても刺激を受けた。コミュニティーのためにいろいろ尽くしていると思っていたが、ここに来て、まだまだ足りないと感じている。インディアナは、本来は共和党寄りだが、08年に青(民主党支持の州)に転じた。
わたし自身は、民主党支持というよりも無党派に近かったが、民主党は、無党派層を引き込んだり、引き留めたりするために、もう少し努力すべきだと思う。無党派層の心をつかむような問題を提示し、彼らにとって重要な存在にならねばならない。
オバマ大統領を支持するのは、大統領が米国という国を象徴しているからだ。人種的に多様で、革新的であり、粘り強い。同じ黒人の男性としても尊敬している。わたしが住むコミュニティーでは、黒人男性は多方面から攻撃される対象だが、オバマ大統領は、そんな黒人男性の模範的存在だ。オバマ大統領は、人種的葛藤のシンボルであり、かたやロムニー氏は、モルモン教徒として、宗教的葛藤を象徴している。
オバマ大統領の誕生以来、表立った人種差別が減った。また、人種差別をめぐる議論にも少し深みが出て、「黒人対白人」という一面的な見方ではなく、より広範な視点で語られるようになった。だが、アフリカ系米国人の大統領が誕生したからといって、黒人やアジア系、中南米系、先住米国人への差別がなくなったと考えるのは早計だ。
オバマ大統領にアキレスけんがあるとしたら、それは謙虚さだと思う。謙虚さゆえ、自分の業績を主張し、勝利に向けて自己宣伝することが苦手なのだろう。だから、オバマ大統領に代わって、有権者に大統領が成し遂げたことを知らせるのが、わたしたち市民の務めだと思っている。
米東部バージニア州代議員、ハング・グエンさん(41)
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撮影:肥田美佐子
バージニア州の代議員、ハング・グエンさん(41)
今回、初めて選出された。バージニア州には123人の民主党代議員がおり、ベトナム系や中国系、韓国系など、まずまずの数のアジア系米国人の代議員が参加している。わたし自身、ベトナムで生まれ、米国で育った。バージニア州は元来、共和党寄りだが、08年、オバマ大統領を選んだ。
大統領の雇用政策については、(イラク戦争などから)多くの人が帰還するなか、退役軍人を雇った小企業に税額控除を行うなど、小さな会社や起業家への支援に熱心な点を特に評価している。
今でも、アメリカンドリームを信じて、世界中から米国に人々がやって来るのはいいことだ。だが現実は、アメリカンドリームの象徴であるマイホームを持つのも難しくなっている。多くの人々は、バブル崩壊で、今も負債の返済途上にあり、これでは景気回復は難しい。
オバマ大統領のいいところは誠実さだが、議会とうまく交渉し、渡り合うことができないのが欠点だろう。国が成長するには、大統領が議会と歩を合わせてやっていくことが必要だ。
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肥田美佐子 (ひだ・みさこ) フリージャーナリスト
Ran Suzuki
東京生まれ。『ニューズウィーク日本版』の編集などを経て、1997年渡米。ニューヨークの米系広告代理店やケーブルテレビネットワーク・制作会社などにエディター、シニアエディターとして勤務後、フリーに。2007年、国際労働機関国際研修所(ITC-ILO)の報道機関向け研修・コンペ(イタリア・トリノ)に参加。日本の過労死問題の英文報道記事で同機関第1回メディア賞を受賞。2008年6月、ジュネーブでの授賞式、およびILO年次総会に招聘される。2009年10月、ペンシルベニア大学ウォートン校(経営大学院)のビジネスジャーナリスト向け研修を修了。現在、『週刊エコノミスト』 『週刊東洋経済』 『プレジデント』『ニューズウィーク日本版』などに寄稿。『週刊新潮』、NHKなどの取材、ラジオの時事番組への出演、日本語の著書(ルポ)や英文記事の 執筆、経済関連書籍の翻訳にも携わるかたわら、日米での講演も行う。翻訳書に『私たちは“99%”だ――ドキュメント、ウォール街を占拠せよ』、共訳書に 『プレニテュード――新しい<豊かさ>の経済学』『ワーキング・プア――アメリカの下層社会』(いずれも岩波書店刊)など。マンハッタン在住。 http://www.misakohida.com
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http://jp.wsj.com/US/Politics/node_509465?mod=WSJFeatures
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