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(回答先: 一気に冷水を浴びせられた金融市場(雇用統計)・・VIX(恐怖指数)の池では金魚が元気を出している! 投稿者 墨染 日時 2012 年 9 月 08 日 07:41:02)
http://tamurah.iza.ne.jp/blog/entry/2844939/
2012/09/07 10:50
国際経済では時折、「あれっ」と思わせるベタ記事が何の解説もなしに載ることがある。最近では、オバマ政権が原油の価格高騰を警戒し、石油戦略備蓄の放出を検討、というニュースがその一つである。
原油価格動向をみると、原油市況は確かに7月頃から上昇してはいるが、米などから制裁を受けているイランの石油輸出減もサウジアラビアの増産で相殺され、原油需給が逼迫(ひっぱく)する情勢ではない。なのに、なぜ米国は神経質になっているのだろうか。
グラフを見てみよう。米中西部を中心に広がっている干魃(かんばつ)のために大豆やトウモロコシ価格が高騰している。しかも、原油価格は穀物価格と連動する傾向が強い。2007年夏からはこうした国際商品が軌を一にして高騰を重ねた。行き過ぎた価格調整を強引に行わせたのは08年9月の「リーマン・ショック」だった。
当時の商品市況高騰の大きな理由として「中国など新興国の消費需要の高まり」が挙げられたが、短期間での価格急騰の底流には莫大な投機資金の国際商品市場への流入がある。そのパターンが始まったのは07年8月初めの米サブプライム・ローン(低所得者向け高金利型住宅ローン)危機である。住宅価格の値下がりとともに、サブプライムを分解して組み込んだ証券化商品のリスクが表面化し、米欧の金融機関が金融市場から資金を引き揚げて、値上がりが見込める原油、金、穀物など商品市場に投入するようになった。
08年3月には証券大手の米ベアー・スターンズが経営破綻し、米連邦準備制度理事会(FRB)が信用不安緩和のためにドル資金を市場に大量供給すると、その多くが商品投機に回った。他方で、住宅価格は下落を続け、サブプライム・ローン危機は大手金融機関全体を直撃し、リーマン・ショックに発展した。
マネーの流れからすれば、商品市況高騰は金融危機と一体化している。商品市場にマネーがなだれ込むときに金融市場は大混乱に陥る。FRBがドルを刷って金融恐慌を防ごうとしても、その資金が商品というモノの市況を押し上げる。
グラフにもう一度目を転じると、FRBが量的緩和第1弾(QE1、08年11月〜10年6月)、第2弾(QE2、10年11月〜11年6月)とドル札を大量発行するたびに商品市況は跳ね上がる。他方で実体経済の停滞は続いているので、実物需要とかい離し、価格は結局再下落する。今回は穀物に天候要因が加わったのだが、投機資金はそれを材料にして原油を巻き込んで商品市場全体になだれ込む。11月の大統領選挙を控えたオバマ大統領はエネルギー価格高騰を避けたい。
だが、総じて考えると、国際商品市況の高騰問題の本質とは、あふれかえるカネを吸収、消化できない金融市場システムの機能不全そのものである。「リーマン」後4年経っても金融危機はほとんど解決していないのだ。(田村秀男)
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