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米国経済がはまる「賃金なき回復」  編集委員 小竹洋之
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投稿者 MR 日時 2012 年 8 月 31 日 03:28:56: cT5Wxjlo3Xe3.
 

(回答先: 「ヨーロッパを破壊するのに最善を尽くす」「共和党の知的堕落、金融版」「メディケアとメディケイドの費用」クルーグマン 投稿者 MR 日時 2012 年 8 月 30 日 12:03:39)

米国経済がはまる「賃金なき回復」  編集委員 小竹洋之
2012/8/30 7:00日本経済新聞 電子版

小竹洋之(こたけ・ひろゆき) 88年日本経済新聞社入社。経済部、産業部、ワシントン支局、経済部次長などを経て、11年4月から経済部編集委員兼論説委員。専門分野はマクロ経済、税財政、国際金融など。
 8月19日付の日本経済新聞朝刊5面のトップ記事を興味深く読んだ。「米産業に賃下げの波」という見出しで取り上げたのは米建設機械最大手のキャタピラー。イリノイ州の工場に勤める従業員の昇給を凍結することで、労働組合と合意に達したという。

関連記事
・4月8日日経朝刊3面けいざい解読「日本のデフレ、長期化の原因は」
・5月28日日経朝刊3面「需要不足 デフレの犯人?」
・8月4日日経朝刊1面「米雇用16万人増 7月」
・8月19日日経朝刊5面「米産業に賃下げの波」
 同社の1株当たり純利益は4〜6月期に過去最高を更新した。だが欧州の債務危機や新興国の景気減速もあって、今後の収益環境には不透明感が漂う。生産拠点を海外から国内に戻し、輸出で稼ぎ続けるためにも、実質的な賃下げに動かざるを得ない。

 基本給のカットには踏み込まなくても、昇給の抑制や凍結、年金・医療の会社負担引き下げを検討する米企業は増えているようだ。人員の調整で不況に対処するケースがなお大勢を占めるものの、賃金の調整に乗り出す動きが出てきたのは見逃せない。

■平均時給の上昇率、「リーマン後」の最低に

今週の筆者
月(国際) 菅野幹雄
火(政治) 秋田浩之
水(企業) 中山淳史
木(経済) 小竹洋之
金(企業) 田中陽
 マクロの指標はどうか。米労働省が発表した7月の雇用統計によると、全雇用者(民間の非農業部門)の平均時給は23・52ドル。前年同月比の上昇率は1.7%にとどまり、2008年9月のリーマン・ショック後の最低水準に並んだ。

 管理職などを除く従業員の平均時給は19・77ドルで、前年同月比の上昇率は1.3%にすぎない。この数字をさかのぼれる1965年以降で最低の水準だ。どちらの平均時給でみても、物価上昇の影響を除いた実質ベースの伸びはほぼゼロかマイナスの状態にある。

 米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は「失業率の高止まりが賃金の上昇に歯止めをかけている」とみる。リーマン・ショックの後遺症に悩む米経済は「雇用なき回復」だけでなく、「賃金なき回復」の様相も呈しつつあるようにみえる。


FRBのバーナンキ議長は「失業率の高止まりが賃金の上昇に歯止めをかけている」とみている=ロイター
 賃金の調整は企業の収益力や競争力を高める。しかし家計の懐を圧迫し、個人消費の足を引っ張りかねない。米経済全体にとっては痛しかゆしの面がある。

 気になるのはその帰結だ。もはや10年越しのデフレに悩む日本と、リーマン・ショック後もデフレを免れた米国――。両者が明暗を分けたひとつの要因として、賃金調整の有無を挙げる識者は少なくない。

 慶応大の山本勲准教授によると、日本では98年以降、フルタイム労働者の年間給与でみた名目賃金の下方硬直性が観察されなくなった。多くの危機を経て残業手当や賞与に切り込む企業が増えたためで、人件費の比重が高いサービスの値下がりに重要な影響を与えたとの見方が出ている。

■デフレ色、強まる恐れ

 米国がそこまで追い込まれているわけではない。「名目賃金の下方硬直性のおかげで、景気停滞にもかかわらず、アメリカでは本物のデフレが生じていないんだろうと思う」。ノーベル賞経済学者のポール・クルーグマン米プリンストン大教授は近著「さっさと不況を終わらせろ」でこう指摘している。

 だが長引く景気停滞の苦痛に耐えかね、日本のような本格的な賃金調整の道を選ぶのなら、米経済のデフレ色が強まる恐れがある。「賃金なき回復」はそんな危うさをはらんでいるように思える。

 リーマン・ショックからもうすぐ4年。バブル崩壊後のバランスシート調整が続く米経済の「日本化」が叫ばれて久しい。賃金の伸び悩みもその兆候なのか。米経済の行方を探るうえで、注視したいポイントである。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2802J_Z20C12A8000000/  

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