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(回答先: 「国力低下で円暴落」がウソである5つの理由 ジョージワシントン大学の大学生の質問に答えるバーナンキ議長 投稿者 MR 日時 2012 年 8 月 03 日 00:36:40)
>世界的に株価が上昇する「景気が良いとき」は、円と米ドルが“弱い通貨”となり、円は豪ドルやカナダドルなどの高金利通貨に対して円安になりやすい
#そう単純でもない。 今後は、さらに複雑になりそう
Financial Times
避難通貨として買われるオーストラリアドル
(2012年8月2日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
オーストラリア準備銀行(中央銀行)のグレン・スティーブンス総裁は最近の発言で、困った時にオーストラリアドルが果たす大事な役割に触れた。中国で深刻な不況が起きたら、オーストラリアドルは「恐らく」下落し、国内経済に大いに必要な後押しを与えると述べたのだ。
その論理は明快だった。オーストラリアの膨大な鉱物資源と大規模な鉱業のおかげで、「オージー(オーストラリアドルの通称)」は資源国通貨と見なされており、ひいては中国の成長と密接な相関関係を持つ。中国が減速すると、オージーが下落し、貿易に依存する産業が通貨安のおかげで勢いづくわけだ。
中国が減速すると、資源国通貨は安くなるはずだが・・・
しかし、スティーブンス総裁は別のシナリオも描いてみせた。新たな金融危機(ユーロ圏の崩壊)が生じ、その結果、オージー建て資産への資金流入が増加するという筋書きだ。「その場合、我々の問題は、そうした資本を吸収できないことかもしれない」と総裁は述べた。
投資家の頭には、オージーが避難先となるこのシナリオがある。オージーは、特に鉄鉱石や石炭などのコモディティー(商品)価格が急落しているにもかかわらず、主要通貨に対して上昇しているからだ。
鉄鉱石価格は2年半ぶりの安値をつけている〔AFPBB News〕
7月31日には、中国の鉄鋼需要に対する懸念から、オーストラリア最大の輸出品である鉄鉱石の価格が2年半ぶりの安値となる1トン=115米ドルまで落ち込むと、オージーは1.05米ドルの高値をつけた。
2011年に記録した最高値1.10米ドルまであと5セントに迫る水準で、今年6月につけた8カ月ぶりの安値(0.969米ドル)から急反発した格好だ。
英ポンドに対しても6カ月ぶりの高値となる1オーストラリアドル=0.69ポンドをつける一方、対ユーロでは0.85ユーロと史上最高値を更新した。
資源安なのにオーストラリアドルが高い理由
こうした数字を大局的に見るなら、鉄鉱石が1トン=70米ドルで取引されていた3年前には、オージーは約0.80米ドルだった。
オージーの意外な反発力については、アナリストたちがいくつかの理由を挙げている。まず、オーストラリアは世界で7カ国しかないトリプルA格付け保有国で、主要格付け機関3社すべてが格付け見通しを安定的としている。
第2に、国内総生産(GDP)が今年3月までの1年間で4.3%拡大し、オーストラリアは世界で最も力強い成長を遂げる先進国となった。失業率は5.2%と低水準が続く一方、インフレ率は1.2%にとどまっている。
第3に、オーストラリアは政策金利が3.5%で、まだ金利が比較的高い。そして最後にオージーは、他の主要中央銀行による追加「量的緩和」への期待から恩恵を受けている。
利回りが高いトリプルA国債の魅力
だが、最も重要な理由は避難先を求める買いだ、とモルガン・スタンレーのエコノミスト、ジェラルド・ミナック氏は言う。「オーストラリアは次第に珍しくなるコモディティーを提供している。つまり、最高級格付けを持つ国債の中で最も高い利回りが付いてくるトリプルA格付けの国債だ」
オーストラリアの10年物国債の利回りは3.05%。これに対して、米国と英国の10年債はともに利回りが1.48%となっている。
「オージー」と呼ばれるオーストラリアドル〔AFPBB News〕
通貨オージーには、米ドルや円、そして特にユーロなどの伝統的な準備通貨から資金を移す中央銀行や政府系ファンドからの需要が集まっている。
「米ドルから多角化を進める動きは、数年前から続く現象だ」。オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)のチーフエコノミスト、ウォーレン・ホーガン氏(シドニー在勤)はこう話す。
「だが、過去6カ月間のオーストラリアへの資金流入はむしろ、民間部門と公的部門の投資家が欧州から多角化する動きのような感じがする」
外貨準備にオージーを加える中央銀行
トレーダーたちによると、この1カ月で、ドイツ、スイス、カザフスタン、チェコ共和国、ベトナムの中央銀行がオージーを買ったか、外貨準備のポートフォリオにオージーを加えることを検討しているという。
実際、地元メディアの報道によれば、莫大な外貨準備を積み上げたことから「新たな中国」と呼ばれるようになったスイスは、9カ月前にオージーを買い始め、国債などのオージー建て資産の購入を監督するために銀行団を結成している。
「6年前は、我々が話をする中央銀行は9行もなかった」と話すのは、オーストラリア・コモンウェルス銀行のチーフ為替ストラテジスト、リチャード・グレース氏。「今では50行以上の中央銀行と話しており、彼らが外貨準備にオージーを加えていることは分かっている」
2350億オーストラリアドル規模に上るオーストラリアの英連邦国債(CGS)市場では、海外の投資家が圧倒的に大きな存在となっている。オーストラリア債務管理庁によると、3月末時点で、非居住者の投資家によるCGS保有比率は過去最高の76.5%に達した。
コモディティーが下落する中での通貨高はいつまで続くか?
グレース氏いわく、この割合は飽和点に近いが、海外投資家は州および準州政府の債券や社債、銀行手形などのオージー建て資産にも押し寄せており、資金流入が鈍る兆しは見られない。「ここでは多額の投資が行われている」とグレース氏は言う。
変動相場移行後のオージー相場の平均が0.75米ドルであることを考えると、投資家にとって重要な問題は、コモディティー価格が下落する中で、こうした要因があとどれくらいオーストラリア通貨の高値を支え続けるか、だ。
By Neil Hume
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